「landscape garden」

探していた。何かを探していた。それはヒトなのかも知れない、それはこころなのかも知れない、一つの風景なのかも知れない、一つの言葉なのかも知れない、そう、思っていた。それは世界の何処かに有る、世界の果てまで歩いてゆけば何時か見つかる、出逢う誰かがくれる、渇望を充たしてくれる、そう、思っていた。探しているものが未だ何なのか、わたしは知らない。けれど、気付いた。探そうと指先で弄った世界は自分自身の中、だったという事を。

「罅割れた硝子」

物に対して壊れないように慎重に扱える人間ではない。何を隠そうわたしは生粋の粗雑である。言う事を聞かないとわざとではなくても壊してしまう。言う事を聞かそうとして。今日、ついにやっちゃったのである。言う事を聞かない悪い子、PCの液晶画面。最近、よく映らなくなっていた。多分、接触不良だと思われた。それを直そうとしたのですよ。わたしなりに。

液晶に罅を入れてしまった人って居るだろうか?鈍い音の後、蜘蛛の巣のような罅割れが隅に出来た。Σ( ̄□ ̄;) と思ったのです、その時一応は。それが綺麗で、暫し見つめてしまった。

ああ、これは多分わたしだ。もう少し力を加えれば再起不能になるほど壊れた。わたしはこのままで生きているのだと、思わず罅入り液晶にシンクロしてしまった。
‥という自分に余裕を感じた(もっと慌てろ)。

「灰かぶり姫」

例えば、置き去りにされたと知る時、あらゆる理由づけをしながら甘んじてその事実を受け入れる事は、密かにそれを棄てる事と同じなのだと思う。

絶対に無理、という可能性・ゼロの世界。「仕方ない」それこそが都合のよい理由付けなのだと信じて疑わない。見つけてくれる事を待っているだけの、灰かぶり姫ではない。自分の意思で棄て、そして探し、見つけ、手に入れる。どうしても欲しいモノはこちらからゲットしに行くスタイルを忘れたくない。

「さよなら重力、僕は自由だ!」

タイトルはラルクの歌詞なんです。

悪戦苦闘しています。今まで知らないでいたモノ、今は関係無いからと無智でいた素敵タグたちと。これから棲む家を建てている感覚。わたしはホムペメーカーとか使っていないのでホントに悪戦苦闘death。場所こそ変わっても、このサイトが長く呼吸が出来る場所となればいいな。初めから予め終りを隠し持っていた始まりではなく、今度はそのつもりでいます。

広い世界の入口に立っている。ずっと密かに望んでいた世界。表現する事のあまりの自由さに途惑う。解放されたという事。それでも身に沁みついた習慣のようなモノは恐ろしい。でも戻る気は起こらない。戻りたいと思う情景が一つもない。新しい場所へ移行する者にとって、それほど幸福な事はない。

今、わたしはわたしを此処に存在させる本当の意味に漸く触れている。

「饒舌な傷跡」

本当の心ってどんなもの?そんな単純な事が解らなくなってどれくらい。自分の心で心を去勢した時から、これまで。諦める事が上手くなった。信じてしまうという裏側の、予め期待しないというスペアキーで。わたしは何よりも自分を信頼していて、何よりも信頼していない。他に触れて何処かのこころを安心させるよりも、自分の世界をあたためられる独りの時間が好きだ。でも結局は、誰かの眼に映る自分で己の存在価値を確かめているのに。

つまらないなら幾らでも塗り替えてしまえる。要らないモノは棄ててきたし、本当に必要なモノは離さない。身軽になった心に詰め込むモノは幾らでも存在するから。

見ようとして見えないものなど無いと誰かは云う。それならわたしは何時まで見えない振りをしてる?解っているのに解っていない振りをして、突き放す。それがまるで当たり前のようになってしまったなあ‥。その世界で、その最中に在って、わたしは誰なんだろうと疑問が浮かぶ事もなかった。自分の存在価値が他人を通してでないと確認出来ない人間が、「愛している」という言葉を貪欲に喰い散らかしていたとしても。

微笑う、という事。私は微笑えてはいないかも知れない。もうずっと前からホントの笑顔など忘れてしまったのかも。綺麗な夕陽にも月にも空にも海にも、何も感じない自分が居た。だから探す。求める。この手に無いものを。穴だらけのこころから零れ続ける感情を留めておこうと、感動を無理してでも逃さないように刻もうとする。

わたしはわたしの中に在る闇を観る。光を観るために、生きていくために。わたしの眼は何も映さない。死を思い出さないと生きていられないかのように。「前だけ見て」進む‥振り払わなければならないものも在る。でも過去を塗り潰してまで立つ途を歩むくらいなら骸となり、路傍の草花と化す方がいい。

でも、何度となく蘇生を繰り返す精神に草臥れてしまう。イツマデ生き続ければいい、ひっそりと終りが来ればいいのに。そう繰り返すわたしの一部分。生きるという絶対的な「有」の最中でわたしは余りにも卑小で、傷跡だけが饒舌。心は未だ死んでないと思える瞬間に、それでも赦されるだろうか。少しずつ少しずつ積み累ねた罪科。この世界に産んでくれてありがとうと言えないまま、二十年余り存在してしまった人間でも。

抱えて生きていこう。闇も光も全てを真実として。虚無に捕われた身で、生きる事に対しても無気力であったとしても、いくら望まなくとも、血が赫を忘れない。そうやって私はこれからも生きていくに違いない。いつかは活きたいね。愉しみながら。




<-- 往 / / -->