徒然エッセイ&観劇記
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2005年05月26日(木) ワーグナー耽溺の夕べ

5月26日(木)IN 東京オペラシティコンサートホール(今まで「初台」まで電車で行っていたのだけど、新宿から歩いてみたら割とすぐ着いた)

6時半会場7時開演 平日なので会社帰りの背広姿の男性が目に付く。その他老若男女。別にドレスコードはない(笑)とはいえ何とはなしに知的なムードの漂う人たちではある。

A席(3階3列目←3列目が最後列 正面中央14番)
5400円(定価6千円が東京フィルメンバーだと10%引き 登録無料)
隣の席のおっちゃんの拍手の音が激しすぎて五月蝿かった(笑

入場時複数公演を兼ねたパンフが無料で渡され、出演者や楽曲の解説が仔細に書かれている。文章はCDのブックレット風で、作者や時代背景をなぞったあと、楽曲の構成を専門的?に(イ長調・アダージョ・「〜の動機」で始まりクラリネットの旋律が対立法的に絡み合い次第に弱音となりロ長調和音がどうのこうの)解説されている。

演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
指揮:ミヒャエル・ボーダー(何となくテンポ速い感じ)
ピアノ:ソン・ヨルム(韓国人16歳少女!)

<楽曲>

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 作品30
 第一楽章:アレグロ・マ・ノン・タント
 第二楽章:間奏曲、アダージョ
 第三楽章:フィナーレ・アッラ・ブレーヴェ
(約40分)

ラフマニノフ。なんだか噂に聞いたところで相当わけわからんイメージだったのだけどそうでもなく、叙情的なメロディと時折盛り上がるわけわからんところ(←ピアノの超絶技巧部分)は意外と分かりやすく、レトロな青春映画(洋風文学調)のサントラで流れてそうな感じ。
年上の女性への初恋→成就??→でもあえなく別れ みたいな(笑)
16歳少女も難なく弾きこなしてた(ように見えた)比較対象がないもんで・・

終わって3度ほどカーテンコールのあと、ソンさんは英語でぺらぺらと何かを喋り、やおら「別れの曲」を弾き出した!(僕は死にましぇん!でよく弾いてたやつね)
私は最初の割と簡単な部分(それでも右手があっちゃこっちゃ難儀)しか弾けないししかもたどたどしく、叙情も何もへったくれもないようになっちゃうので、ソンさんの演奏を聴きながら自分の不甲斐無さに目がツンとしたりしなかったり。途中難し気なパートなんざ弾こうとしてみたことすらありません(私は体内時計が緩いので、早弾きはムリなのですぅ←名曲は大概弾けない)ソンさんは難なく弾けていて(ラフマニノフが弾けたら当たり前だ)すぎょいなぁと思いました。やっぱものすげぇ曲より身近な曲を弾かれた時のほうが素人には凄さが分かりますねぃ。
「別れの曲」くらいの曲だと、一般的なコンサートではあまり弾かれないのかもしれません。しかもクラシックコンサートってアンコールなぞ普通ないと思うので、なんだかとってもお得気分でしたん。
ソンちゃん、これからもガンバ☆(軽っ

休憩15分をはさんでお楽しみのワーグナー世界へ・・・

ワーグナー:楽劇「神々の黄昏」より
「夜明けとジークフリートのラインの旅」(約12分)
〜「葬送行進曲」(約8分)

やっぱクラシック曲は生だぁぁぁ!!!
家でCDで聞くのとではじぇんじぇん違います。
色んな音が目前で交じり合って、大きな波となって押し寄せてくるあの感じ。
ただ盛り上がったときの音量が五月蝿いのがたまに傷・・
クラシックはゆったりまったり部分が好きで御座いますぅ。目を閉じて耽溺。

ワーグナー:歌劇「ローエングリン」より「第一幕前奏曲」(約9分)

「ローエングリン」って今まで聞いてても何ともない、CDで流していても「聞こえてこない」曲だった。そりゃそうだ。
そう、これは曲ではなく、ある雰囲気を表す「音」だったのだ!
と初めて気付きました。ワーグナーが言ったとおり「天上の音」
一体どういう音を重ねたらそんなんなるの??とドビックリです。
後半メロディが入ってきてからの耽溺っぷりは「トリスタンとイゾルデ」と似ていて良いですが、トリスタンが肉欲なら(えっ)「ローエングリン」はあくまでプラトニックな感じですねぃ。
好きな曲が一つ増えました☆やっぱ生はいろんなことを気付かせてくれます。

リゲティ:アトモスフェール(約9分)

聞き手を異空間に誘う「音」空間。これも音楽ではなく「音」の作品です。
アトモスフェールは「大気」という意味で、解説では「宇宙的」感覚へと連れ去る・・とありますが、
私には「狂人の脳内に流れる音」に聞こえました!(笑)
いやほんとマジで。どの楽器をどう鳴らしてどう組み合わせたらあんな気持ち悪い音になるのか謎ですが、私には作ったリゲティさんの方にものごっつ興味あります。とかいってこういう曲作れる人のが意外とまともだったりするのかも・・・??
まぁ気持ち悪いといっても、私指標ではサティの何気なく不協和の方がもっと気持ち悪い。
アトモスフェールは「おなじみの」狂人の脳内に流れる音だったので、わりかし平気でした。
好んで聞こうとは思わないけどネっ

ワーグナー 楽劇「トリスタンとイゾルデ」より「前奏曲と愛の死」

メインイベントぉぉぉ!!!
リゲティで気持ち悪い不協和のあとは、これで耽溺!!演者もさぞかし気持ち良かろう・・・・
何も言うことはありません。前ほど汗だくにはならなかったけど(慣れちゃったからかなぁ)
放送コードギリギリって感じの驚異的官能。

で、終了〜〜。
いつも思うんだけど、クラシックコンサートってお約束で三回ほどカーテンコールっちゅーか指揮者が出たり入ったりして、
客はぱっといっせいにやめて帰りだします。回数も数えてないのに不思議。
お約束が始まったら今度から帰っちゃおうかな、と思う。いくらなんでもオーケストラでアンコールはなかろう・・

ぁぁ色々なコンサートにまた赴きたい気モリモリです。
とりあえず一曲はワーグナーが欲しい(+一曲もモーツァルトはいらない)指標でまた探してみようと思います。
どなたか私も一緒に行っちゃうぞという方いらっしゃいましたらお声をおかけ下さいまし☆


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