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■ 血と骨
崔洋一監督「血と骨」を観る。 ベストセラーの原作は未読、忠実に映像化したら7時間半という代物だそうな。 5年以上もの歳月を費やして凝縮されたという2時間半は、長さを全く感じさせなかった。 物語は単純に言ってしまうと終戦直後の日本で朝鮮から渡って来た金俊平という男がやりたい放題。 誰かれ構わず暴力振るうわ、強姦するわ、家は破壊するわ。 日本家屋の中で親父が大暴れしてる姿は寺内貫太郎一家を連想させたりもするが、 あんな生易しいものじゃない。小林亜星は少なくとも人の顔を炭で焼いたりしない。
主演のたけしさんの役者としての凄さを改めて実感させられる。 あの文字通り そこに在るだけ の様な存在感というのはどこからくるのだろうか。 凶暴で救いようのない愚かな男なのに、どこか物悲しくて滑稽な姿。 あれはたけしさんにしか出せない味だと思う。 雨の中でのオダギリジョーとの激しい乱闘シーンや、 ほんの僅かな人間性が垣間見えた娘の通夜のシーンが強く印象に残った。
たけしさんが老人に化けた姿を、一緒に観た友人がコントみたいだったと評していた。 ソナチネの時にも感じたのだけど、いつの日かTVでたけしさんを見慣れていない世代の人達が、 こういった映画に触れた時、どういう印象を持つのだろうと興味深い。
2004年11月12日(金)
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