耳に残ってる言葉しか、吐き出せない。 かんがえも、うまくゆかない。 禍々しい夜が連れてきた、反したたかな僕。 目覚めれば朝がこない、そのネガティブさにあてられた。 あんなに嫌いな朝がこない、でも喜びかねる僕ひとり。 数えきれない心を、毎晩毎夜とギザギザからたいらに戻してく。 こんな時にうたがうたえたらなぁ。 そんな僕の思いは、けたたましい足跡のした。 きみがいない。 君は誰だ。 ひと、 出会い流れその原生体のよな大元を、なくして僕はもうひとつの僕になる。 笑ってんじゃねえ!ってトイレへ行く度に叫びたくなる。 なに笑ってんの、そう呟いたニコリ顔。 キスして終わり。 誰かの気持ちにあてられながら、僕の心が不穏になってく。 死ねばいい、と自分にでもなく誰かにでもなく呟いてるばかり。 誰か僕を殴ってくれないだろか。 これが正気なら、死んでもいいよ。
好きなものは変わらないものよ。 あたしは変わらないままよ。 また迷子、牛乳や電車がするり、と目の前に走り込む感覚。 あめあめふれふれ。 あたし不在のままあのこは毎晩はたらくよ。
尖り出した地表、が、頭の付け根を突き上げる。 先月のはじめくらいには、どうにもなれなかった自分が、 今、何しているんだろう、と冷ややかに自らを視ています。 時間に、待って、といいながら、なんも出来ずにもがいたりしていたんだ。 いまもおんなじなことはおんなじ。 ただ、前より少し薬漬け。 厳しいお客さんの目の中、常連さんを見るとほっとできる。 そして叱ってくれたり、気を使ってくれたり、熱く語ってくれたり、と、 すこしいいかんじな常連さん。 あたしの頭はどうしちゃったろうか。 マイスリーに幻覚を見るようになってから、どうしてもそれを欲する。 眠れないのが朝になり、緑がざあざあと、雨がふつふつと、 そうして毎晩、何かの死ぬ夢ばかり。 一昨日はコンビニのおじさんが隣のガラス張りの小屋で、吊り首コレクションにされたよ。 昨日はビニルハウスの中で生きている猿を、気違った少年が矢で射って殺してた。 30匹くらいだった。 毎晩夢の中でひとが死んでくよ。 全員知らないひとだけど。
週に6〜7日出勤が続いてるので、眠っても眠れ切れない。 少しだけお休みが欲しいけれど、みんな頑張ってるんだから、あたしも頑張らなきゃいけない。 30時間起きてても40時間起きてても、眠たくならないから、 束で貰ったお薬をのむよ。お薬の花束。 気が付かないでも死んでてね。
考え方は誰もかも違って、でもそこであまりにも違っていると異常だと看做される。
あたしが働いているお店は、所謂『お水』というジャンルに属し、 しかしそういう場所でありながらほとんど派閥もなく、 18歳から20歳代後半くらいまでの女のひとが働いている。 まずお客様についたらお酒を作って差し上げ、ご挨拶に名刺を渡す。 けれど友達に、お客様がしまった他の女の子の名刺を捨て、自分の名刺だけを持たせようとする子が居る。 指名を貰うのが目的だ。 それをあたしはどうしても、強かさだとは思えない。 負けるのは嫌いだ。 だけれど、少しずついいお客様について欲しくて、あたしは頑張っているつもりなのに、 固定客を寝取られたり、嘘の私生活を吹き込まれたり、とても邪魔な存在だ。 潰そうか。 また不穏な胸の内。 腰を据えてお水をやろうとは考えていない、ある目的の為にお金を稼ごうと思って始めたことだ。 だけれど、それはお仕事として、プライドは持っている。 腰を据えて働いているお姉様も居る。 それに偏見は持たないし、寧ろ立派だと思っている。 正直なところ、アルバイト感覚や好奇心で働き始めたけれど、 なんでもやることはいつでも必死でやりたい。 だから、男と遊びたいだけでそうしている友達がとても気に食わないのだ。 言葉がうまくいえないけれど、あたしはお店も働いてるみんなもお客さんも好き。 偽善じゃなくて本当だよ。 まがってんのが大嫌いなんだ。
それとはまた別のお話だけれど、あたしは恋愛のお付き合いを嫌悪する。 契約紛いの言葉と腕に縛られて生活をすることが考えられない。 遊びたいひとと遊んで、 呑みたいひとと呑んで、 セックスしたいひととセックスして、 抱きしめてくれるひとに抱きしめてもらいたい。 こんな醜いあたしにキスをしてくれるひとは、幾らでもいた。 ひとを知らなすぎたのはあたしだ、けれど。 未だ恋愛なんて鳥肌が立つくらいに嫌悪する。 やっぱり夜はひとりで眠りたい。
寂しい、と思うことがとてもとても少なくなって、悲しい。 ひとりで静かに息をなくしたい夜が、いまだにたくさんある。 ひと晩の間に何人もの男のひととキスをして、抱きしめ合う日々。 愛なんて更に薄く、意味もなくなっていった。 気を失うように眠って、気を失うまで働く毎日。 月に3日お休みが貰えたら嬉しい。 毎日のお仕事と疑似恋愛の繰り返し。 忙殺して欲しい。 立ち上がれなくなるくらい、疲れ果ててそして、やっと、うたをうたうのよ。 正しい日々よ醒めないでいて。
夢でお母さんを殺したのはあたしだった。 喉元に毒針を5発、撃ち込んでやったのよ。 それはお母さんが先にあたしを撃ったからで、あたしはひとを護ろうと思ってた。 お母さんを撃ち殺したよ。 現実の世界ではもう2ヶ月以上も会ってない。 多分、もう2度と会うことはない気がする。 それと、仕事へ行く為に何度も何度も目を覚ます夢。 身体を刻みたい衝動は、今日も耳の裏側を走るよ。
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