cahier@enpitu
DiaryINDEXpastwill


2006年05月01日(月) 糸を抜いた日

病院で抜糸。26日に手術をして、今日。一週間以内に糸を抜かないといけないんだよとそういえば以前に言われたことがある。

カーテンの向こうから聞こえた。同い年だよ、とさらりといういつもの男性の先生の声。
さて一体誰と誰が?
ベッドから身体を起こす。スカートのすそを整えて靴を履き、荷物を持ってカーテンから出る。
診察室には3人のお医者さん。多分一番若い女性の先生と誰かの話だろう。自意識過剰のわたしは考える。今日の服装が問題だったかしらと。少しばかりコンサバな服だったけれどだって今日はスカートでなくちゃいけなかったんだもの。ぐるぐるぐる、自意識過剰さんのお通りだ。実は全く見当違いなのかもしれないけれど、自意識過剰さんはそんなこと考えない。ぐるぐるぐる。

これまでと比べるとほとんど歩くのに影響は無かった。少し歩きすぎると熱をもってつらくなったけれど、熱さまシートで冷やせば気にならなかった。糸が入っているのにずいずいと歩けて、数日前に手術を受けたことすらうっかり忘れそうだった。

今日は朝からずっと眠たくてたまらなかった。病院で抜糸のためにベッドに横になったときも、電車の中で本を開いていたときも、仕事をしていても。

急に暑くなった。地下鉄に乗ったらひといきれでむっとしていた。冷房の入っていない電車ってこんなに辛いんだってことが今さらわかった。

仕事帰り、奥田英朗「町長選挙」を立ち読み。トンデモ精神科医伊良部シリーズ3作目。短編が4本入っているけれど、始め3本は1ページ読めば誰のことをモデルにしているのかあまりにもはっきりとわかってしまう。実在の人間をデフォルメして登場させると、現実に存在するそのひとを頭に思い浮かべてしまうのでいまひとつ笑いきれない。表題作の「町長選挙」くらいのドタバタがいいなあ。患者になる人物の苦悩を描くことも大切なんだけれど、もう少し伊良部が大暴れしてくれると楽しいかなあ。でもそれだと飽きるかなあ。映画「イン・ザ・プール」のせいなのか松尾スズキがひょこひょこ頭の中に浮かぶ。


諒 |MAIL