2004年05月29日(土) |
観劇日記「ジョリーロジャー」 |
ファントマ「ジョリーロジャー」
出演: 美津乃あわ(シルバー)、浅野彰一(アルフォンヌ) 山浦徹[化石オートバイ](キット)、坂口修一(ダック) 末満健一[ピースピット](ワーズワース)、山田伊久磨(ロウ) 伊藤えん魔、盛井雅司 等
場所:HEPHALL
座席:B列
料金:
今回は客演が良い!! まぁ、ワタシの観る劇団がワンパターン化しているせいもあるけど、ワタシの好きな役者さんが揃っていてちょっと幸せ。 しかも、2列目だったので、こんなにアップでぇ〜とドキドキしてしまった。
お話は、海賊もの。 ストーリーは、初めのうち、ちょっとよく分からなかった。席がスピーカーの前だったので、音響に負けてセリフが聞こえなかったり、早口すぎて意味不明だったり。 なので、正直なところ、感情移入は出来なかった。けど、この芝居は多分感情移入して観るもんでもないなぁ。 すっごいばかばかしい海賊ショーを見に来てる感じ。(悪い意味ではない) それぞれの魅力が全開だった。 一人で観に行ったけど、遠慮無く大笑いしてしまった。あ〜すっきり。
ファントマは、はっきり言って、下手だと思うし、良い芝居だと人にお勧めもしにくいけど、…やっぱり好きかも。
演劇集団キャラメルボックス「ヒトミ」
出演: 小川江利子(ヒトミ)、大内厚雄(小沢)、川原和久(岩城医師)、真柴あずき(佐久間) 筒井俊作(大友)、中村恵子(郁代)、前田綾(典子) 篠田剛(朝比奈)、三浦剛(若杉)、津田匠子(あつこ)
場所:新神戸オリエンタル劇場
座席:1階下手側後方
料金:4800円(S席)
懐かしい作品なので、日程的に厳しくても行こうと思っていた。 初演は、9年前。劇団の10周年記念でこれと「スケッチブックボイジャー」が連続公演だった。 まだブレイクする前?の上川さんが、両作品とも出演していた。 ワタシはと言うと、まだ大学生で、ちょうど教育実習を土曜日(当時はまだ週6日制!)に終えて夕方まで部活に行ってヘロヘロになって帰ってきて、そして翌日、近鉄劇場で「スケッチブックボイジャー」を観劇、翌週「ヒトミ」を観劇した。そして、それから1ヶ月、死ぬほど勉強して、教員採用試験を受けて、合格した!という、なかなか思い出深い作品なのだ。 作品の中身よりも、なんだかそういう思い出が甦って、しみじみしてしまった。
ちょっと前にビデオも見直していたので、どうしても新旧を比べてしまう。 ヒトミは、初演の坂口さんよりも、今回のエリーの方が笑顔が切なくて、いい。 小沢は、初演の上川さんも今回の大内さんも早口で滑舌も良くないのがよく似ている…が、なんとなく今回はぎすぎすした感じがして、やっぱり上川さんかなぁ。上川さんの方が、小沢の弱さや迷いがあったような気がする。 あとは、まぁそれぞれに良さが…ああ、でも今回の大友医師は、押しが強すぎてちょっと苦手だった。
川原和久さんは、劇団ショーマからの客演。生で観るのは初めてだが、ビデオでは「また会おうと龍馬は行った」の初演の龍馬が印象的で、今回もそのイメージが強かった。口は悪い、ちょっと悪人っぽいけど、その中に見え隠れするちょっとお茶目な優しさとか。格好良かった。
そして今回、絶対行こうと思った本当の理由は、津田さん。舞台で観るのは数年ぶり。初めて観たキャラメルの舞台(グッドナイト将軍)で巴御前を演じていたのが津田さんで、綺麗で格好良くて。それからも、綺麗で格好いい…のにちょっとすっとぼけた役とか味のある役をされてて、大好きな女優さんだった。もう一人好きだった女優さんで遠藤さんとかも辞められたので、津田さんももう出てこないのかと思っていたら、見事に復活! いやぁ、やっぱりあつこさんは、津田さんじゃないとダメだ。やっぱり、いい! こんな風に、ブランクがあってもちゃんと舞台に立てるっての、いいなぁ。
泣くだろうな、と思って行ったのだが、案の定、最後は泣きっぱなしだった。なんだかすっかり術中に落ちた感じで悔しいのだが、見事にツボにはまりまくった。 ワタシは、ヒトミと小沢の物語よりも、ヒトミと典子の幼なじみの友情に胸がつまった。自分だったら、…と考えてしまう。特に今回のキャストは二人の関係がとっても素敵に見えた。 ただ、隣の女性が中盤からずっとすすり泣いていたので、ちょっとそれで冷めてしまったけど。 それでも久しぶりのキャラメルで、しっかり泣いてストレスも発散できて満足だった。
*番外* 今回、最大のハプニング。 仕事を終えてから一度家に帰って身支度整え直して出かけるつもりだったのが、家の鍵を忘れ、家に入ることが出来なかった。よりによって、気合いの全く入っていない格好で、鞄も汚い仕事用しか持っていない。(車通勤) さすがに神戸の劇場に行くには恥ずかしい…が、どうしようもないので、とりあえず駅まで走る。(自転車の鍵もない) 駅前のスーパーで、ちょっとだけ見栄えの良い服を買い、鞄を買う。時間がないので、かなり妥協しまくり。 本当は、サポーターズクラブの更新のハガキを持って行くつもりだったのに、机の上に置きっぱなし… チケット(の予約番号)を手帳に入れておいたのが唯一の救いでした… 教訓。常に気を抜いてはならない。
2004年05月09日(日) |
観劇日記「スサノオ」 |
宝塚歌劇 雪組 「スサノオ〜創国の魁〜」 「タカラヅカ・グローリー!」
出演: 朝海ひかる 舞風りら 初風緑 水夏希 等々
場所:宝塚大劇場
座席:1階20列70番
料金:7500円(S席)
高校時代の先輩に誘われての観劇。思えば、宝塚に近いところに住んでいるのに、自分から見に行ったことはなく、全て先輩に誘われて見に行っている。決して嫌いではなく、むしろ好きな方だとは思うのだけど。何しろ、大地真央と黒木瞳が現役の頃には何度か東京の劇場に通っていて、実は未だにその時の歌を歌えるくらい、はまっていた。でも、なかなか自分からは見に行かない。…なぜだろう?
今回は90期生の初舞台ということで、まず最初に口上があった。こういうのに弱い。夢叶って、ここに辿り着いたんだなぁと思ったら、不覚にも涙腺が…。
そして、口上が終わったら、唐突に本編が始まってビックリした。タイトル通り、スサノオやアマテラスやツクヨミなどの出てくる物語だが…正直な所、物語にはついて行けなかった。展開が早すぎて、説明が聞き取れなかったら意味不明で、え?え?って感じ。 でも、いいのだ。これは、物語でなく、歌と踊りとちょっとのセリフに彩られたショーなのだ。 勇ましく太鼓を打ち鳴らす姿にうっとりし、やや某国のマスゲームチックな群舞に心を奪われ、黒いセットと白い衣裳の中、一度死んだスサノオが真っ赤な衣裳でよみがえった姿に心ときめかす。 「岩戸にしめ縄を」と叫んだら、特大のしめ縄がしずしずと降りてきたのも、笑ってはいけない。 改めて、『宝塚』はあくまでも『宝塚』という一つのジャンルであることを実感した。
それにしても、初舞台生も含め大和の民が舞台上にうじゃうじゃいて、圧巻だった。通路にも出てきて踊って?いたのでちょっとドキドキした。(通路に近かったので) そして、その踊っている大和の民たちの間を抜けてトイレに?行くおばさまがいたことにビックリした。きっとあの大和の民たちもびびったに違いない。
どうも、今回の芝居は「暴力」という言葉の連呼に始まり、んん?と思っていたら、案の定、「暴力に暴力で応えるのは」などという話に流れ着き、かなり世界情勢を意識した終わり方になっていた。 そういう芝居はあっていいと思うけど、今回の舞台がそれにそぐうものであったのかどうかは疑問。 なんだか、そのメッセージを伝えるために、肝心のストーリーの方が支離滅裂になってしまったような印象が強い。 まぁ、最初に書いたように、ストーリーは二の次で良いんだろうけど。 それでも、歌や踊りの次にはストーリーがないとあかんのではないの?と思う。
レビューは、これまた90期生のラインダンスで始まった。これまた、ちょっと、涙腺が…。 しかし、頭飾りによく見ると「90」とくっきり書いてあるのが何とも…ぇぇ、なんというか、お茶目というか、可笑しいというか…
続いて、「タカラヅカ」のオンパレード。「タカラヅカ」の連呼。総スパンコールのような煌びやかな衣裳、オレンジやエメラルドグリーンや紫やピンクのカラフルな衣裳が、次々と。目がくらくらする…。 総勢90人のラインダンスもあり、黒燕尾服も登場し、本当に、「タカラヅカ」の総ざらえ状態。 気が付いたら、次は何が出てくるんだろうってワクワクしている自分がいた。
タカラヅカは、タカラヅカだってのが、一番の感想。 劇団四季とはまた違う、普通のミュージカルとも違う。 タカラヅカはタカラヅカで、これはこれでいいのだ。
でも確実に、ワタシと先輩は、他の人たちと違うところで笑っていたような気がする。 ちょっとホッとした。 (ちなみに、先輩はちょっと前まではかなりの宝塚フリークだった人なんだけど。)
2004年05月04日(火) |
観劇日記「マンマ・ミーア」 |
劇団四季「マンマ・ミーア」
出演: 保坂知寿(ドナ)、吉沢梨絵(ソフィ)、前田美波里(ターニャ)、青山弥生(ロージー) 渡辺正(サム)、八巻大(ハリー)、ビル(野中万寿夫) 鈴木涼太(スカイ)、大塚道人(ペッパー)他
場所:電通四季劇場「海」
座席:1階14列39番
料金:11550円(S席)
マンマミーアは2回目。 1回目より全体を観ることが出来て、物語として楽しめた。
ソフィが前回とは違う役者さんだったけど、ワタシは今回の方が好きだなぁ。知寿さんの雰囲気と似ていて、うまくぶつかってる感じ。
サムはちょっと若いのが気になる。もうちょい「大人」な雰囲気だった芝さんの方が好き。でも、素敵だったけど。
このミュージカルはホントに元気になれる舞台だ。 物語が、というより、観客の元気を導く何かがあるような気がする。 印象的だったのは、ワタシの前に座って居た小学校2年生くらいの女の子。オーバーチュアの時から身体でリズムを取ってて、芝居中はずっと前のめりで見てて、カーテンコールの時はお母さんにだっこしてもらって一生懸命手拍子して。 隣に座っていたカップルも、始まるまでは二人でもたれ合って寝てて、場違いな雰囲気だったのに、帰りがけは「はまったぁ!!」って大はしゃぎだったし。 歌のパワー、役者のエネルギー。目に見えない何かが、客席を圧倒する。 そんな舞台の作り手であるのが、うらやましい。 ワタシにも、もう少し勇気があったら…なんて、また詮無いことを思い返してしまう。
それにしても、やはり生の舞台に限る。 先週末のミュージックフェアで、「マンマミーア」と「ダンシングクイーン」を見た。 多分、ちょっとがっかりって人、多かったと思う。 だって、特にメインの3人の歌が、何となく下手に聞こえるんだもの。全体的には格好良かったとは思うけどね。 気のせいかなぁと思ったけど、今回舞台で改めて聞いて思った。 基本的に、歌の上手い下手はそれほど意味を持たないのではないか。(ある程度はもちろん大切だけど) 知寿さんの歌い方も、ちょっと伸ばしすぎたり、うなり過ぎたりで、多分、あまり上手くはないと思う。 けど、芝居の流れであったり、気持ちであったり、それが繋がれば、それだけで説得力を持つのだ。 歌の部分だけを切り取っても、それが伝えるものってのは、ホントに限られてしまう。 やっぱり舞台の上に広がる世界には、かなわない。 …こうして、また舞台に捕まってしまうんだな…。 いよいよ、来年1月9日に、大阪にやってくる。楽しみで仕方ない。
帰り道、ソフィ(吉沢さん)に出会った。 舞台では、かわいらしく元気でまっすぐな存在感を見せていたけど、実際の彼女はとてもとても華奢で小柄な女性でびっくりした。顔も小さくてむっちゃかわいいけど、多分、町で出会ったら絶対気づかないと思う。 そんな人が、舞台ではあれだけの存在感をもてるってことは、やっぱり凄いことだなぁ。
2004年05月03日(月) |
観劇日記「ユタと不思議な仲間たち」 |
劇団四季「ユタと不思議な仲間たち」
出演: 光枝明彦(ペドロ)、増本藍(ダンジャ)、芝清道(ゴンゾ)、高城信江(モンゼ) 下村尊則(ヒノデロ)、田邊真也(ユタ)、中村友里子(小夜子) 他
場所:四季劇場【秋】
座席:1階21列25番
料金:8400円(S席)
ユタを観るのは3回目。一度目は名古屋で高校生の時。初めて自分のお金で観たミュージカルだ。なぜ観ようと思ったのかはなぞだけど。
3回目にして、初めてダンジャの存在感を感じた。哲学者っぽいんだってことも今回初めて気づいた。 ゴンゾとペドロ、どちらも素敵な役者さんだけど、強いて言えば、声のトーンとか背格好がよく似ていて、今ひとつ区別がつかない…もったいないなぁ。 今回は、ペドロもゴンゾもヒノデロも、結構贅沢な組み合わせなので、ある意味もったいない感じ。
このミュージカルは、自分にとって記念の作品ってのもあるからか、1回目の記憶とか思い入れが強い。ユタも、当時は加藤敬二さんというダンスが抜群の人だった。当時はそんなこと全く知らなかったけど、開脚で高く飛び上がる姿が強烈に焼き付いていて、忘れられない。
内容のせいもあるのか、客席に子どもたちがいっぱい。さすがに途中でむずかる子もいたけど、仕掛けの多い舞台なので、素直な反応が聞こえてくるのが面白い。感嘆の声とか、驚きの声とか、安堵の声とか、笑い声とか。 演じてる方も嬉しいだろうなぁ。
「ともだちはいいもんだ」のナンバーで、思わずウルっときてしまった。
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