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白濁

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2003年12月24日(水)    聖なる夜に

今年は雪のないクリスマス

星は綺麗に輝いていた
クリスマスだろうと、
そうでなかろうと


メリークリスマス
キリスト教徒ではないけれど
聖なる夜を祝おう

外に出て
眩い星を讃えよう
ツリーの上に
安っぽく笑う星をも

メリークリスマス
今宵は祭だ
乾杯をする仲間たちも
今は隣にいないけれど


君たちも、
今日はケーキを食べたかい?
メリークリスマスと
誰かに言ってみたかい?

そう、きっとみんな、
楽しくやってるはずさ。
例え1人きりのクリスマスでも
僕と同じようにね。


メリークリスマス
メリークリスマス

そして
ハッピーバースティ

今宵は祭だ
君を祝おう
今日という日を
讃えよう


来年も
再来年も


君と僕が
例えば話をする関係じゃなくなったって
僕はもしかしたら
3年後や5年後や
あるいは10年後
こんな静かな夜に
君を思い出して
1人で祝杯をあげているかもしれない
そんな友情が
あってもいい夜だろう?

今日という日に産まれた事を
君は感謝すべきだよ。


かけがえのない僕の仲間へ
誠意と安くさい愛情を込めて。

追伸。早く風邪は治しましょう。


2003年12月17日(水)    アキナ

今日は久々にCDを買いました。
kinkiでもB'zでも大黒摩季でもないCDは
凄く久々。

楽しみにしていた、
中森明菜です。
明菜はすきだけど、CD買う程じゃなくて、
昔の曲はなんとなく聞いた事はあるけど、
覚えてる程じゃない。
カバーって好きじゃないけど、
どうしても明菜の歌う東京砂漠が聞きたくて。

今回のは全部男性アーティストのカバーです。
まだ途中だけど、しんみり系。
有名なのばかりだろうけど、知らない曲も多いです。
スローなのは好きじゃないけど、
明菜はいいです。
凄く、色っぽい。
かっこいいです。
昔の曲って、詩がいいのが多いし。

歌聞くと、書く文章も影響されちゃうかな。

今日は普通の日記でした。


2003年12月08日(月)    冬の日

今日もひとりで
君を待つ。

帰るはずのない君を。


部屋の中でも吐く息は白く
手はかじかんでいる。


外は雪

寒いだろう?
早く戻ってきてくれ。

凍えた身体を
僕が暖めてあげる。


君のいない世界は
こんなにも冷たく凍てついている



早く戻ってきてくれないか
僕を融かしてくれないか


外は白


君のいない部屋は
何もかもがグレー


2003年12月07日(日)    10年前の人

受験生だった私は、具合が悪いといって、
学校を休んだ。
サボり癖が発動しただけだったかもしれない。

熱もあったので、念のため病院にいったら
おたふく風邪のようだから、と医者に言われた。
おたふくはすでにしていたけれど、
医者がそういうのなら学校にはいけない。

身体は少しだるかったけど、精神的には元気だった。
正々堂々と学校を休めるせいかもしれない。

祖母が、胃が悪い、とかで入院していて
私がいった病院は違う病院だったけれど
なんとなくそれを思い出し、
見舞いに行きたい、と、母に言った。

貴女も病人なんだから、家で大人しくしてなさい。
元気になったら連れていくから。

そんな事を言われた。
おたふくだったら、他のコにうつってしまうから、
そんな事も言われたかもしれない。

でも行きたい。まだ一度もお見舞いいってないもん。
おばあちゃんに会いたい。

そう言って、無理に連れていってもらった気がする。

病院で、祖母は寝ていて、
首に管が埋め込まれていた。

薄く目を開けて、私を見てくれただろうか。
今では思い出せない。
ただ、私は、祖母の手を握り、
白髪の伸びた頭を撫で、
話し掛けた。

髪、伸びてるから切らないとね

そんな事を言った。

また来るからね、とも言った。

祖母は、人工呼吸機のせいで、何も答えなかったけれど、
笑っていたと思う。

帰りの車の中で、母が言った。

首に管入れてたでしょ、あんな姿、見せたくなかった。

それまで見舞いに行かせてくれなかった、
それがその理由だとわかった。

でも、元気になったら外せるよね?
また話せるよね。

子供の、希望的問いに、母は答えなかった。
微笑みは、泣き顔に似ていた。


家に帰ると、母は用事があると出ていった。
仕事の準備だったのか、なんなのかわからない。

夕方、家の電話がなった。
夕方というには、まだ早い時間だったかもしれない。

受話器をあげる。
その向こうで、母は泣いていた。

おばあちゃんがね……

嗚咽を抑えながら話す、
その内容は、
祖母が危篤
と、いうこと。

今迎えに行くから、
家を出る準備をしていて
と、いうこと。

妹は、まだ学校から帰っていなかった。
母が学校に電話をかけられる状態ではなかったので
私がその役を買って出る。

学校に電話をかけて、母の迎えの車に乗り、
妹を学校で拾って、病院へ急ぐ。

昼会った時は、元気だった、とは言えないが、
そんな状態には見えなかった。
信じられなかった。

車内に、会話はなかった。

ただ、
生きて。
そう、願った。

病院へ着くと、叔父や叔母など、親戚が集っていた。
小さい頃から、私や妹と仲のよかった従姉弟もいた。

まだ、祖母の脈はあった。

妹が祖母の手を握り、
おばーちゃん、おばーちゃん、
と、何度も呼んだ。

私も、祖母の手に触れた。
小さく、呼び掛けた。


テレビで、よく見る、脈の状態を示す機械が、
命の灯火が消えるのを表そうとしてた。


医者が言った。

御臨終です。


妹が、泣いた。母も泣いていた。従姉妹も泣いていた。
私は、泣くものか、と思った。

叔母が、
まだあったかいよ、生きてるみたいだよ、触っておきなさい
そう言った。

私は、触らなかった。
ただ、涙が溢れそうになるのを、堪えていた。



涙を堪えたのは、
祖母の死を否定しようとしていたから。

祖母の身体に触れなかったのは、
祖母ではなくなってしまった祖母に
触れたくなかったから。

最後に、祖母にもう1度呼び掛けたかった。
それが出来なかったのは、
もう祖母がそれに答えてはくれない
その現実を知るのが怖かったから。


否定、且つ、肯定。


頭の中にはぐるぐると
妹の嗚咽と泣き声だけが響いた。



 10年前に時を止めた人よ
 私は、今でもまだ、
 何処かで貴女に会えそうな気がするのです。




2003年12月01日(月)    そんな世の中で

優しい人が傷付くように
なってるんです世の中

他人を傷付ける牙を持つ人は
かつて傷付けられた傷跡から
その武器を生み出したのかしら

もしくは薔薇の
花のように
身を守るために持って産まれたのかしら

人の痛みを痛みと思えず
自分の痛みも痛みと思わぬ
そんな人は
痛みを捨てた進化系?


それでもあたしは
優しくありたいと願う

偽善だとしても。




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