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ラヂオスターの悲劇
トマーシ
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2005年11月15日(火)
次の日の夢の話

肌寒い曇りの日で、部屋の中はひどく散らかっている。靴下も履いていない。僕は布団の上にB4くらいのケント紙を広げて絵を描いている。最初力強い思いつきで筆をとるのだけれど、気力はみるみるうちに萎えていく。何と言うか、描けば描くほど砂が海に洗われるように、インクはドンドン薄く消えていく。それで仕方なく紙を取り替える。さて気持ちを取り直してもう一度描きはじめようとすると、筆が無くなっている。ウグイス色の柄の太い毛筆の絵筆。だがそれほど思い入れのある筆であるわけではないので、絵筆入れからもう一本取り出して描き始める。絵筆入れには沢山の絵筆が筆先を頭にして並んでいた。絵はしかしまた同じ症状に見舞われる。まるで蒸発してしまったみたいにインクは色も形も残さず揮発してしまう。そして筆もやはり何処かに消えてしまった。そんなことが何度も続くうちに筆は最後の一本を残して全て紛失してしまう。最後の一本は赤い柄の絵筆。夢の中でも自分がその筆をひどく気に入っていることが分かる。少しのためらいののち絵を書き始める。しっかりと絵筆を握って。だが絵はやはり同じような顛末を辿ってしまう。僕はその失望感に必死に耐えたけれど、気がつくと絵筆は消えていた。布団をめくりその他ガラクタを手で無理やり払いながら絵筆、とりわけその赤い絵筆を探す。しかしまるで見つけることが出来ない。言い表しようのない悲しい気持ちにのまま目が覚めた。


2005年11月14日(月)
夢の話

随分と低い視線で僕は起きるか起きないか夢ウツラ、ウツラウツラと視線が水平方向に浮き沈みする。ズボンの中に太い蛇が暴れていることは知っている。というのも蛇は台所の床を何匹ものたくっていたのだから。薄茶色のマムシみたいな蛇。それがカタカタと威嚇する音を立てている。僕はそれを踏まないように気をつけようとするが蛇は足の踏み場もないくらいにひしめきあっているので、僕は観念して進まねばならない。ところが不思議なことに寸前のところで蛇の温かな体温を感じるけれど、彼らの体を踏みつけることはなかった。僕に気付いていないのだろうか?でも股間をモゾモゾするのはどう考えてみても同じ蛇以外には考えられなかった。台所を抜けようとするうちに、そうして進むことに意味を見つけられなくなった。そうまず、ズボンの中にいる蛇をなんとかしなくてはいけない。ズボンの中には最低二匹はいるだろう、そんな想像をしていたが、捲ってみるとやっぱり二匹の蛇が互いの体がどちらのものか判別がつかないくらいに絡まりあっている。胴体に比べて固太りしている風に見える頭はカラカラと音を立てて怒り狂っているように見える。それはやはり台所を這う蛇と同じ種類だった。夢はそこで終わった。


2005年11月13日(日)
めまぐるしい

目が覚めると随分と肌寒い。毛布を一枚敷きこむのを忘れたみたい。またいつ眠ったのか分からないのだ。テレビが五月蝿いから。コチコチの冷凍肉みたいに体はこわばっている。それで随分長い間シャワーを浴びていたのが午前六時。卵焼きが焼きあがるのを繁々と見つめていたのが午前六時半だ。それから炊飯器が警笛を鳴らしてご飯の炊きあがったのを知らせるのを聞いた。食卓に着くと、頭の中が空っぽなので、テレビのチャンネルをいじくりまわしていたが、それにも飽きたのでレコードを選び始めた。何の音もしない。日曜日の朝。それが随分と長い間続いた。