ナナとワタシ
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さて、昨日の続きです。 ということで、今日は久しぶりにナナの運転手となる日であります。 9時に約束していたのに、ワタシったら寝坊しましてね。 どうも耳の調子が悪くて、目覚ましのピピピピの周波数に反応できなかったようであります。 言い訳じゃないんです。たぶん。
が、それでもなんとか9時には身支度を終えまして。 ナナは極端な寒がりですから、車のエンジンをかけ、アイドリングをし。 ワタシの車に乗り換えたときに「さむっ」となると、たぶん機嫌が悪くなっちゃいますからねえ。 ワタシってやさしい。ていうか、機嫌とりが上手☆ たいてい失敗に終わりますけど。
と、万全の体勢で待っているというのに。
・・・・ナナ、来ない。
10分経過。
・・・・来ない。
だ、だいじょうぶなのかしら。 今日は遊びに行くわけでなく、ナナの仕事のために出掛けるわけですから、遅刻してはまずいはずなのでは。
さらに4分経過した頃呼び鈴がなりまして。ナナ登場。
「遅くなっちゃったー」 ・・・で済む問題なのかな。まあいいや、急ぎましょう。
ぶっぶーーーーーと出掛けまして。
「今日行くところって、今日一回でおしまいなの?また行くようなの?」とワタシ。 「んー。今日だけで終わりにしたいけど、もしかしたらまた行くようかも。あたしが今日忘れ物してたりとかするとさー」 「・・・忘れ物ない?」 「いつもそう思って出掛けるんだけど、たいてい何か書類を忘れてるんだよねー」
だ、だいじょうぶなのかしら。
「じゃあ、道ちゃんと覚えながら行きなよ」とワタシ。 「んー」
助手席で自分の仕事の話をぺらぺらと話すナナ。 を遮るようにして
「ここでバイパス降りるんだよ? ホームセンター見えたら左に寄って、降りるのだ」 「ん? あー、はいはい。それでさー」ぺらぺらぺらぺら
覚える気ねえな(°▽°)
また話しているナナを遮って「バイパス降りてすぐ右折ね。で、このつきあたりを左」 「あー。うん」 「難しくない道順なんだから。覚えちゃったほうがいいよ?」 「うん(あくび)」
覚える気ねえな(°▽°)
というやりとりを繰り返し、目的地へ到着。 道に迷うこともなく!ナナが遅刻してきたというのに!時間に遅れずきっちり着いたワタシはえらい! と、ナナが褒めてくれなかったので自分で褒めてます。(<醒めた口調で早口で)
「じゃあいってきます」 「いってらっしゃい。ワタシこの辺をふらふらしてるから。あ、携帯ちゃんと持ってる?」 「うん」 「終わったら電話してね」 ワタシもうるさいですね! 「今回ばかりはしないと帰れないのでします」
そういう問題ではないだろう(°▽`°)
ナナの仕事も滞り無く済み。 車で帰路につきまして。
「ところで道覚えた?」とワタシ。 「無理」 「次どうするんだよ!」 「えへへー」
えへへー じゃないでしょ もう しょうがないなあ(*´∀`*)<アホ
「わー、見て見て!あの山! あれ○○山?」 ほんのり雪化粧した正面の山を見てナナ。 「違う。 ○○山はキミ毎日見てるはずなのにわからないのか(笑)(<ひとこと多い) ○○山は10時の方向の山だ。あれは隣の県の、たぶん××山」 「えー?そうなの? で、あっちが○○山?」 「うん」 「ふうん。 あ! あの山何? あの真っ白できれいな山」 「ああ、あれは△△山だよ。形もいいし、ホントキレイだよね」 「△△山かー。 見えるのかー、こんなにくっきり。あの山って遠いよね?」 「遠いね。 でも冬は見えるよ、けっこう」
なんと雰囲気の良い会話でございましょう。恋人同士のようではないですか。とは誰も思わないと思いますが。 ていうか、山ばかりですね、ワタシの住んでいるところ。 そしてこのとき走っていた道は、たんぼの中の長い一本道。山もよく見えるはずです。( ´_ゝ`)イナカダー
「いいなー、△△山! 行きたいなー。行けないかなー」とナナ。 「じゃ、行こうよ」 「ホント?」 「うん。確か温泉もいくつかあったはず。行こ」 「2月がいい。あたし、3月以降はきっと出掛けられなくなるのだ」 「じゃ、2月に行こう」 「うん!」
わあい(*´∀`*)
と単純に喜ぶことは、さすがにアホなじょりぃももういたしません。 こんな会話、何度交わされたことか。 そして何度ぽしゃっていることか。 でもなんだか今度の話は実現するような気もするんですが。どうかしら。
それに考えてみると、前は「行こう」だけだと「誰と?あたしと?」と確認されたりして、そのたびになんだか物悲しくなったりしたものでしたが、最近は「行こ」と言えば既に前提として「ふたりで一緒に」となっているあたり、ワタシとナナの関係もすごくラクになってまいりました。 そのぶんドキドキ感とかは減っているんでしょうけど、今日も車中でも食事中でもすごーくラクチンで、こーゆーのもいいなーと思ったりして。 ていうか、よくよく思い返してみると、当時ナナに対して自信のなかったワタシは「行こう」ではなくて「行きたい」という表現をよくしていたような気もしますが。 「行きたい」では「誰と?」と問い返されるのも無理はないんですよね。それだけの問題でもなかったとは思いますが。
何かこう、前よりすごく「友達」感覚なんですよねえ。 お互いに無理しなくなってきましたし。 ただやっぱりその分、ワタシのナナに対する桃色分泌は確実に減ってきているのは確かですが。 なーんか皮肉なものでございます。 顔見るのも苦しいほど好きで桃色過剰分泌だった頃はぎくしゃくしていて(まあ、あたりまえと言えばあたりまえですが。ナナもよくあの状態のワタシにつきあってくれたものです)、桃色分泌が減ってきたら良い雰囲気になるなんてねえ。
そして、「もう好き好き好きーー!もし嫌われちゃったらどうしよーーーー!!!」という心の大騒ぎがなくなったら、「まあちょっとくらい気まずくなっても、キスのひとつくらい挑戦してみちゃおうかな」というずうずうしさがワタシの中に芽生えてきました。 もちろんナナが乗ってくるはずぁーないんですが。賭けてもいいくらいです。ふん。 もしコトに及んで「アホ!何考えてんだバカ!キライ!」と言われても、それでも嫌われないだろうなという、まったく根拠のない自信がワタシの中に。
なんて言ってて、さっくりあっさり嫌われちゃったりして(°▽°)アリウル
こんな調子づいたことを書くと「じょりぃ、ちゃらんぽらん」とか「ナナにしてみれば迷惑。やめとけやめとけ」と思われるかたもいらっしゃると思いますがというかおおかたの良識あるかたならばそう思うと思うのですが、大丈夫です。 ワタシにそんなことできるはずないんですから。(力強く)
でももし、2月に一緒に温泉なりに出掛けることができたなら。 ちょっと軽くちょっかい出すくらいはしてみちゃおうかなー、なんていたずら心もあったりします。 ちょっかいと言っても、たぶんセクシュアルなことはなーーーんもしないでしょうけど。 でも少しくらい、困った顔も見てみたいなーという気持ちはあったりするので、ホントにちょっとだけ(・∀・)
てか、「ちょっとだけ」って、何をちょっとするつもりなのかしらワタシ。 えらそうに宣言しつつ、さっぱり見当もつかないし、ちょっかいのちょの字も出せないまま帰ってくる自分の姿が今からくっきりと見えるんですが。 そしてそんなことを勝手に「ふふふ」なんて考えてるだけで満足してる自分にも気付いているんですが。 ビバ妄想人生。
なーーーんて具合に、ひとりで勝手に「ふふふ」と思っていたので、オーラが桃色になっていたのでしょうか。 本日、きょんが仕事から帰ってくるなり
「今日、ナナと一台で出掛けたんだ?」
と、きょんにはめずらしくワタシの行動にチェックが Σ (゚Д゚;) きょんより先に家を出たので、ナナの車が残っていたことを不審に思ったようです。(そりゃそうだ)
「うん」
とだけ答えて「今日だるーい」とか言ってごろごろしてしらばっくれておりましたら
「二台で出掛けて、道案内だけしてじょりぃは先に帰ってくるのかと思ってた」と、さらに追い打ちが。 「・・・・・・」ごろごろごろ 「あなた忙しいんじゃなかったの?」 さらに追い打ちが。 「忙しかったので、かえって一台のが都合がよかったの」<ウソツキです。しかも適当すぎ。 「ふーーーーーーーーーーーん」
やっぱり2月に温泉に行ったとしても、マジメに過ごしておとなしく帰ってくることにします(・_・)
夕方。というか夜。 最後の打ち合わせを終えて帰宅し、かたかたと仕事をしておりましたら電話がぷるぷると鳴りまして。 ナンバーディスプレイ確認。 あ、ナナだ。
「もしもしー」とワタシ。 「あたしー」 「おーう。ひさしぶりー」 「あけましておめでとー」 「え!新年の挨拶してなかったっけ? そんなに久しぶりなのか!Σ (゚Д゚;)」
以前は一週間も連絡がなければ「すんすん、すねすね」としていたワタシだったというのに。 大人になったものです。
「そだね。まあとにかくおめでと」 「おめでと」
なんだー。新年の挨拶のためにわざわざ電話くれたのー?(*´∀`*)
なんてわけがなく。
「あのねー、 お願いがあるんですけどー」
やっぱり(´д`)
「キミ、お願いあるときしか連絡くれないな!(笑)」 「じょりぃが忙しいからでしょ!悪いと思うんだよ!用事があるとき以外は!」 「忙しくないのに」 「ホント?1月なのに?」 本来、毎年1月はワタシ特に忙しいのです。 「うん」 「じゃ、明日映画行こって言ったら行ける?」 「うん。行こ」 「あたし無理」
なんなんだおまえわヽ(`Д´)ノ
「で? お願いとは?」とワタシ。 「きいてくれるの?」 「うん。 いや、内容によるけど」 「あのね、住所調べてほしいの」 「住所? 場所じゃなくて?」 「あ、場所。住所はわかる。・・・明日お客さんのところ行くのに、場所がわかんないの」 「どのへん?」 「○○市。あたし全然わかんない」 「むむ。少しだけ遠いね。じゃ、住所言って」
ネットでかたかたと調べまして。 「住所言うだけでわかっちゃうって、ネットってすごいねー」と、ナナはなんだかかわいらしいことを言ってます。 そうそう。キミはそのまま、ネットなんて世界に足をつっこまず、存軽の存在も知らないままでいておくれ。
あ、あったあった。ここだー。
・・・・説明しづらい。 ファックスでもわかんないだろうなこれじゃ。
「キミ、たどりつけなそうよ」とワタシ。 「えー。 遠いの?」 「うん。どのへんまでならわかる?」 「実は全然わからない」 「むむ。 打ち合わせって何時から?」 「10時」
午前中か。 動けないこともないな。
「ワタシ、一緒に行ってあげようか?」 久々の過保護発言。 「え!ホント?!マジ? うれしい!」 ナナ、大喜び。
(*´∀`*)
道がわからなくて困っているだけとはいえ、こんなに喜んでくれるなんて、ワタシはとてもうれしい。
「1時にはなっちゃん来ちゃうから、それまでには絶対家に戻りたいんだけど」 「うん。それは大丈夫だよ。えー、ホントにいいの? 仕事は?」 「大丈夫だよ」 「・・・どしたの? やさしいじゃん」 失礼な。 「いつもやさしいんだよワタシは」 気分によってな。
「でもじゃあ、どうしよう。1台で行く?2台で行く?」とナナ。 「あたしの打ち合わせは時間かからないと思うんだけど、それでもじょりぃを待たせることになっちゃうし、2台のがいいかな」と。
「そうだねえ。でも道中長いからなー。せっかくのロングドライブだしなー」 「でもじょりぃ、時間がもったいなくない?」 「ワタシの車で一緒に行こうよ。打ち合わせのあいだ、車でふらふらしたり本読むなり仕事するなりして、適当に待ってるから」 「いいの?」 「せっかくだし、話をしながら行きたい。久しぶりだし」 「うん。じょりぃがいいなら、あたしもそうしたい。けど悪いなー。いいのかなー」
以前よりワタシの時間やら仕事やらを随分と気遣ってくれるナナ。 前もそれなりに気にしてはくれたのですが、自分が仕事を始めてからは、それが顕著になってきたようです。 そうか。もしかしてそれで前より電話とかも遠慮してくれちゃってるのかな。 と、自分に都合良く考えてみたりして。
「無理なら一緒に行くなんて言わないんだから(笑) 気にしないで」とワタシ。 「どうもありがとう。この埋め合わせは絶対するから」 「へへ。 じゃ、一緒に映画行こ」 「うん!いいよ、行こう。てか、行きたい。 でもそれでいいの?」 「あ、サウナもいいよなー」とワタシ。「サウナじゃイヤ?」
映画だと顔見たりおしゃべりしたりできないもんね ということで。
「サウナのがいい。サウナ行きたーい」とナナ。
決定。 でも言ってるだけかなー。ナナも忙しそうだしなー。 なんて思っていたら「いつなら平気?」とナナから。
「そっちは?」 「んーーーーー・・・今週なら○日」 「うん、○日なら大丈夫だよ。あ、でも、夜?昼?」 「昼(笑)」 「夜がいいなあ」 「となると遅い時間になっちゃうけど。早くても9時半とか」 「ワタシはかまわないよ」 「じゃあ、○日の夜ね」 「うん」 「よかったー。ホントにありがとう」 「うん」
電話を切って。
おかしい。 なにかおかしい。
だって、オチがないもの。
明日、ワタシが道に迷ってナナの仕事がポシャるとかいうオチかしら。 それは困ります。ありそうなだけに困る。
今日の会話の雰囲気があまりにもよかったのでワタシが期待しすぎて桃色なものを分泌させすぎた状態で明日を迎えたもののナナが冷たいのでずずんと落ち込むとかならいつも通りのつまらないオチですが。 それももう飽きましたしねえ。
みなさまがげっぷが出るほどの甘いオチを期待しつつ、今晩はおふとんに入ろうと思います。
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