ナナとワタシ
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この月末。
ワタシの忙しさったら半端じゃありませんでした。 なぜそんなに忙しかったのかといえば、22日まで教習所通いをしていて仕事になっておらず、キッチリとそのツケが回ってきたからでございます。 今ここでがむばらないと、来月ごはんが食べられない、そんな状況。
働かないと生きていけないなんて。神様ひどい!
と、ぶうぶう文句を言いながら、何日かろくに睡眠もとらずに、自分のケ○を拭く作業に追われていたじょりぃだったんですが。
それでも今日は、ナナと映画の約束をした日です。 「この日じゃないと、今度いつ時間取れるかわからないよ」と冷たく言い放たれております。
なっちゃんときょんに「行くの?!」「断りなよー」と罵倒されつつ、「午前中だけだから、午前中だけ」と、ペコペコしながら出掛けてまいりました(ふがいない)。
ナナを迎えに行き、約束より5分遅れて、朝の9:35に到着。 窓から手を振ってくれたものの、そのまま放置で待たされること7〜8分ですか。もっとかも。
じきにナナが車に乗り込みまして。「行こうか」と。
ぶうううううううううん。
2分ほど走ったところで
「なーんか、映画って気分じゃないんだよなー」とナナ。
出た。 気まぐれ炸裂。
「そうなの?」 「うん。 ちょっと落ち込んでるっていうか・・・まあ、気分じゃないのだよ」 「落ち込んでるのか」 「んー・・・・悩んでるっていうか・・・」
何があったのかしら。
「じゃ、映画、やめておこうか」とワタシ。 「いいの?」 「うん。いいよ。 ワタシも実は仕事がいっぱいいっぱいだからさ、ゆっくり見れるときにしようか」 「んー・・・じゃ、そうしてもらっちゃおうかな。 ゴメンね」 「いえいえ。きっと今日じゃ、ワタシ寝ちゃうし(笑)。 じゃ、どうする?どこかで茶ぁでもしますか?」 「うん。 茶ぁしたい(笑)」 「・・・と言っても、まだどこも開いてないよ。 帰りたい?」 「まだ帰りたくない」 「じゃ、ふらふらするか」 「うん」
ふらふらふらふらふらふら
「 落ち込んでるって、どうしたのさ」とワタシ。 「んー・・・・(笑)」
歯切れが悪いなあ。
「子供のこと?」 「(ナナ、びっくりしつつ)子供って?」 「いやだから、長女ちゃんのこととか」 なぜびっくりしたのかしら。 「ああ、それはいつもの通りだよ別に」 「ふうん」
言いたくないのかな。 そっとしておこうかな。 どうしたものかな。
「子供のことと言えば子供のことなんだけど・・」とナナ。 「どうしたの?」 「んー・・・・」 「・・・・・・」 なんだろな。
「生理が来ないんだよね」
え。
「え」 「遅れてるんだよ」
このとき、ワタシったら、とても不思議な感情を体験してしまったのですが。
まず、思わず「ぎく」となったのですよ。 この「ぎく」は、うまく言葉にできないんですが、男の人が彼女とかに「生理が来ない」と言われてしまったときの「ぎく」に近いんじゃないかと。
なんでワタシが「ぎく」としなきゃならないんだかまったくわからないんですが。
そして次に
「どっちの子?」
と、なぜか、どーゆーわけか、思ってしまったんですよねえ。
どっちの子もなにも、ワタシとナナは心も体もまったくそういう関係ではないわけですし、おまけにそういう関係でもふたりの間には当然子供ができません。
なのに思ってしまったんですよ。 「ぎく」も「どっちの子?」も。
ワタシ、頭がおかしくなったんでしょうか。 まあ、とにかく、不思議な体験でございました。 トクした気分。
が、トクした気分なんて、一瞬のことです。 そのあとは怒濤の落ち込み。
「遅れてるって、どれくらい?」 「あたしさ、生理がすごく正確なのね。もうホントに、全然ずれないの」 「うん」 「3日遅れてる」
3日ぁ?
ワタシは前後3日のズレなんて、日常茶飯事ですが。
「3日? はははははは」 「笑い事じゃないんだよ。末子のときだってそうだったんだから」 「 ええと、 」 「うん。心当たりはあるよ」
訊く前に答えてくれてありがとう。 おかげで落ち込みました。
「どうしよう」とナナ。 「どうしようって・・・」 「産むべきだろうか」 「・・・・・それはワタシにはわからないよ」
知らない人が読めば、無責任男が女を孕ませてしまったかのような会話ですが。 実のところワタシは無関係というところが涙を誘います。誘いませんかそうですか。
と、のんきなこと書いてますが。 ナナが深刻な心配をしているというのに、「そーか。パパとそーなんだー。妊娠するほどマメにお盛んなんですかぁ」みたいなことを考えて、自分の感情に振り回されるじょりぃ。 顔や態度には出ていなかったと思いますが。 思うんですが
「あたし、ものすごくできやすいんだよ」
と、ナナが言い訳とも取れるような発言を。 いえ、別にワタシに言い訳する必要なんてさらさらないんですから、単に独り言的に発しただけなんでしょうけど。
「そうなの?」 「うん」 「ふうん」<疑っているようなワタシ。 「なんかさー、そういうことをしまくってる人なら、『またできちゃった』てのも自業自得って感じだけどさ」 「うん」 「あたし、1回でできちゃうくらい、できやすいの」 「え」 「だから『子供つくろうか』ってことになったら、1回しちゃえばOK、みたいな」 「え」 「つくる気もないのにできた子が二人もいるしね(笑)」 「はぁ」
そ、そんなにできやすいの? ていうか、ワタシはなんと返せばいいのでしょうこんな場合。
「でもさ、まだ妊娠したかどうかもわかんないんじゃん。 薬局寄って、検査キットでも買う?」 「それはもうやった」
はやっ。
「で?」 「マイナスだったんだけどさ。 でもまだわかんないと思うんだ。心当たりのある日から数えると、検査してもまだわからないくらいなんだよ」
そうなんだ。 まあ、あちらは妊娠のプロ。 ワタシは素人。ていうか、したことないし。 それにしても「心当たりのある日」って言葉、イヤなんですけど。
「じゃあこの足で病院行こうよ。ワタシも一緒に行く」 「だから、病院行ってもたぶんわかんないんだってば」 「わかんないよ? 医学は日々進歩しているのだ。 それに、どっちかわかったほうがスッキリしていいじゃん。悩むにしてもさ。何を悩めばいいかハッキリするし」 「うん・・・・でも、まだちょっと悩ませて」 「いいけど」
「パパは? なんて?」 「んー。 まあ、もうひとり増えると大変は大変だよなって」 「ふむ」 「でも、一日だけじっくり考えさせてって言ったら、いいよ、わかったって」 「そう」
まだ妊娠したかどうかもわからないわけですが。 ふたりして、なんだか深刻モード。 ワタシなんて、車の運転もびびりがち。
「つい、揺らしてはいけない!とか考えてしまって、運転が怖い」とワタシ。 「(笑)大丈夫だよ。あたしなんてガンガン自転車乗ってるし」 「うん」
一時間ほどふらふらして、お店に入りまして。 話すテーマはひとつなんですが。
ナナは「妊娠してるなら産みたい。ていうか、堕ろしたくない」と思っているらしく。 「もうひとりくらい、なんとかなるかな、なんて思うんだけど」と。
しかし、そう聞くと、にわかに心配になるじょりぃ。 だって、今だって「自分の時間がない」「蒸発したい」とか言って、めっきり暗くなったりする人ですよ?
でまあ、いろいろ話しまして。ホントにいろいろ。 といっても、子供のことと、子供と自分のことと、自分と親のことと・・・という具合。 生理が来ないせいで、すっかり自己カウンセリング状態に。 ワタシはひたすら「うんうんそうだね」と聞いておりまして。
聞きながら、どうしてもさびしい気持ちに。 ナナとパパが夫婦仲いいのなんて知ってるのに。 エッチしてるのだって知ってるのに。
なのに、なぜ妊娠騒動はこんなにこたえるのか。
以前も一度あったんですよ。「あたし、ヤバイかも」という騒動が。 そのときは、今回よりももっと落ち込んでましたが。ワタシが、ですけど。 あのころ、「パパとはもう全然そんな感じじゃないから」なんて言ってたくせに、そんな騒動になったので、ワタシったらすっかり「うそつき!」といういじけモードに突入していたという。幼稚ですが。
それに、子供ができたら、「もう少したてば、一緒にのんびり出かけられるようになるよ」がまた遠のいてしまいます。 勝手ですが。 ナナはそれどころじゃないわけですが。
ナナの話を聞いていると、産むほうへ産む方へと傾いていっている様子。 いいんですけどね、産んだって。 キミ、またノイローゼっぽくならないでね?
なんて意地の悪いことを考えていたら
「あたしさ、こうやって、産もう産もうって話をしてるっていうのはさ」とナナ。 「うん」 「ホントは産みたくないんだよねきっと」 「・・・・・・」 「だけど、そう思いたくないんだよ。 それに、堕ろすのは嫌なの」 「うん」 「どうしよう」 「んーーーーーーーー」
どうしようって言われても、どうしよう。
ワタシはひたすらブルー。 なんでこんなことくらいで、こんなにブルー? ナナには気づかれていないとは思いますが。 なんだかバカだなあワタシって。
と思ったら、顔が笑っていたみたいです。 だっておかしかったんだもん。自分。バカで。 暗い顔じゃなきゃいいかな、と油断していたこともあり。
「何笑ってるのー?」とナナ。 「ああ。 ゴメン。考え事」 「・・・・・変なこと想像してたんでしょ」
変なこと?
ああ、エッチなことね。 つい今しがた話していた話の流れだと、そう思うかもね。 そういうことにしておこうっと。
「うん(笑)」 「やめてよねー。 何想像したの?」 「いろいろ」 「しょーがないなーもー」
ついでにいろいろ想像して、さらに暗い気持ちになったうつけ者じょりぃ。
「でもさ」とワタシ。 「なに?」 「産んじゃったときのこととか先のこととか考えると、なぜかワタシまでいろいろ不安になってるわけだけどさ」 「うん(笑)」 「・・・・末子ちゃんに会ったときは、確かもう2歳だったんだよ」 「ああ、そうだよね」 「もし産んだらさ、今度は産まれたときから見られるじゃん?」 「楽しみ?」 「うん」 「そうだよね。 あたしの子供ってすっごくかわいいしすっごくおもしろいから、じょりぃも楽しいと思うよ(笑)」 「うん(笑)」 「じょりぃにもね、子供が赤ちゃんからだんだん大きくなっていくとこ、見せてあげたい」 「うん」
ついでに、母乳もご賞味させていただけるかもしれないなんて思ってませんよやだなあ。
この話をしたら、ナナはちょっと明るくなりましたが。
結局しばらくして、さらにふたりでどんよりして。 ふたりとも、せっかくランチを頼んだのに、食欲なし。ほとんど残しまして。
店を出ました。
「じょりぃ、このあと帰っちゃうの?」 「うん」 「忙しいって言ってたもんね」 「今日は死ぬ気でがんばります」 「うちに寄ってく?」 「やめとく」
寄ってあげたほうがいいんだろうな、という感じではあったんですが。 ワタシも稼がないとこのサーバのレンタル料も払えなくなってしまいますからねってどうでもいいですけどそんなこたぁ。
「明日、病院に行ってくるよ」とナナ。 「うん」
ふたりして、心許ない顔をして「バイバイ」いたしました。
それからワタシはひたすら暗く。 ため息ばかり出ます。 何がこんなに憂鬱なのか。 よくわからないけどため息。 ワタシ、ため息って出ないのにな。
明日さっそく「どうだった?」って電話したら、うざがられるかなあ。 妊娠してるのかな、してないのかな。 してたとしたら、ナナは産むのかな。 ていうか、避妊ちゃんとしてください!そこの夫婦!
鬱々としながら、それでも仕事。 なんでワタシったら鬱々とするのでしょう。 答は勝手だからです。 ナナがパパとそーゆーことをしたのがハッキリ形になったのがイヤなんです。 子供ができるとまたナナと会えなくなるのがイヤなんです。 そういう自分がイヤなんです。
夜の11時すぎ。 電話が鳴りました。ナナです。
思い詰めて電話してきたのかな。 今日はワタシが忙しいことよくわかってるはずだから、電話してきたということは、何かよほどのことです。 いつも忙しいの無視してかけてくるじゃないかというツッコミはさておき。
びくびくしながら電話を取りました。
「もしもし?」 「あ、ナナです。今日はどうもいろいろとスミマセンでした」
ナナの声のテンションが低いです。 やっぱ思い詰めモードかなあ。
「どしたの?」とワタシ。 「ええと 来ました」
は? どこに? 何が?
「え?」 「生理(笑)」
なーーーーーーーーーーーーんだ。
「そう。 よかったじゃん」 「うん(笑)」 「そんなこったろうと思ったよ」 「スミマセンでしたー」
ナナ、えらいバツが悪そうです。当然だこのやろう。
「人騒がせなヤツだな(笑)」 「だって、遅れることがないんだもんあたし。ビビるじゃん」 「いや。遅れることがないってことはないと思うよ。 今回とか前みたいに、『妊娠?』てなっちゃうときって、きっと何かにナーバスになってて、生理が遅れてることに敏感になってるから気づくだけなんじゃないかな」
いくらなんでも前後2〜3日の誤差はたまーにはあるでしょうからねえ。
「ああ。 心当たりがあるだけに、『もしやもしや』と怯えて生理日を気にしているわけか(笑)」 「そうだね(笑)」 けっ。何が心当たりだよ。 「たまーーーーーーーーにそーゆーことがあると、きっと神経質になっちゃうんだね」
ホントにたまになのかな。 もし本当に「一回でできちゃう」体質だとしたら、ホントにたまにっぽいですけど。 でもわかんないよな。 そういうことって、テスト勉強なんかと一緒で「してないよー」と言いながらちゃんとみんなやってるもんですからね。
「まあ、とにかくさ」とワタシ。 「はい」 「気を付けてよ」 「なにを?」 「ちゃんと避妊してください。 若い小娘じゃないんだから」 「わかりました(笑)。気を付けます」
「今日はゴメンね」とナナ。 「終わってしまえば楽しかった」 「映画、ちゃんと行こうね」 「うん。 でも」 「なに?」
ワタシ、鬱々としながら、ナナが産むことになったら・・とかいろいろ考えていたんですよ。 で、ナナが言ったように、妊娠からずっと見守れる(守りませんが)子供がいたら、それはそれで楽しいかも、またナナの力になれることができるかも、なんて前向きに考え始めていたので、それを伝えてみようかなと。
「他人事だと思って、気楽に考えるな(笑)」と怒られるかな?
「ちょっと残念だったかも」とワタシ。 「なにが?」 「子供さ」 「楽しみにしちゃった?(笑)」 「楽しみっていうか・・・いたらいたで、楽しいだろうなと思った」 「そっか。 ありがとう」
このときのナナ、すごく嬉しそうで。 なんというか、自分が否定されてない安心感を感じているのかな、という印象でした。
怒られなくてよかった。
ていうか、できやすいなら、エッチするときは十分気を付けてくださいよホントにもう。
とはいえ、今日は思い詰めモードだったから、ついワタシに「できやすいんだよね」と打ち明けたナナでしたが、今となってはバツも悪かろうと、ちょいとフォローしてやるか、くらいの気持ちで
「できやすいっていうのもさ、話半分に聞いてるからワタシは」と申し伝えて差し上げましたら 「うん。 まあ、そんな感じかもね」
なにっ?
思い詰めモードから解放された途端、いつものイヂワルナナに戻っておりました。
つ、つ、つかれたーーーーーー。 という、まったく人騒がせな妊娠騒動でございました。 避妊ちゃんとしろっ避妊。
| 2004年06月25日(金) |
グズが何言ってるんだこの阿呆 |
本日。 ナナと、ナナの末娘の末子ちゃんと、ホタルを見に行ってまいりました。
方向的に、めずらしくナナがワタシの家に寄ってから出掛けることに。(いつもはワタシがお迎え) 約束の時間になっても来ないのはいつもどおり。 シビレを切らしたワタシは、かわいい美しいエストレヤ(バイクです)にエンジンかけないまままたがって、 本日「新米ライダーおちょくり掲示板」で教わった「給油のお作法」をおさらいすることに。 ていうか、タンクのキャップを開けてみただけなんですけど。
閉まらなくなりました。(グズその1)
こ、こんなとこ(給油口です)を開けっ放しにしておくわけにはいかないですし。 あたふたしているところに、ナナ登場。
間が悪いったらありません。
「あ。バイク。 来たんだー」とナナ。 「う、うん」 キャップを給油口にぎゅうぎゅう押しつけながら、それでも笑顔で答えるワタシ。 「カッコいいじゃん。 へー。 マジいいよこれー」 「えへへ。 いいんだよ、これー」 ぎゅう ぎゅう 「・・・・なにやってんの?」 「ええと。 キャップが閉まらなくなっちゃったんだよ。へへ」 カッコ悪。 「そういうことってよくあるの?」
真顔で訊かないでください。 普通ないと思います。
「そもそも、なんでキャップ外したの?」 追究するナナ。 「・・・・・・あ! はまった! やった!」 ほ。 「 よかったね(乾)」
せっかくバイクはほめて貰えたのに、ライダーのほうは醜態を晒したまま終わってしまいました。
で、でかけまして。
なっちゃん曰く「どこかに出掛けたら、必ず道に迷うのがじょりぃちゃんのお約束」なわけですが。
今日も迷いました('-^v)。 (グズその2)
迷わない自信があったんですけどね。 助手席の末子ちゃんとのおしゃべりに夢中になりすぎたのかもしれません。 気付けば、見知らぬ山道。 妖怪でも出そうでございます。
「迷ったので戻ります」と宣言し、Uターン。 「じょりぃちゃんて、ホントバカ!」と末子ちゃんにも叱責され。 ナナも心の中で同じ事を思っていることは知ってます。
道がいよいよわからないので、きょんに電話。 (グズその3) この手の「困っちゃったから、誰かに電話」という情けなさをナナがすごーーーーく嫌うのはわかっているんですが、いつまでも山道で迷っているわけには行きません。
そして、きょんに電話するからには、ひとつ注意せねばならないことがあります。
「じょりぃ、ナナと一緒にいるときは、いつも気取ってしゃべってるよ」と、今日こそは言われないようにしなければならないのです。 心証悪いし、カッコ悪いしで、いいことありませんからね。
「もしもしー。道に迷ったーーーー」とワタシ。
ちなみに、コンセプトは「かわいい甘えん坊☆」です。
「えええ? 教えたとおりに○○のところを右に入ってうんたらかんたらした?」 「したけどわかんない」 「看板出てなかった?」 「出てないよー。どうしたらいいのかわかんないよー」
ここで今度は、ナナの反応が気になります。 「なに甘ったれてんだよこの阿呆」と思われてそうです。 「すげー頼りにならねー」とは絶対思われてます。
ああ。 いたたまれない。
しかもですよ。
ワタシがこんなに、ナナの前で恥をかくのを覚悟で「かわいい甘えん坊☆」キャラできょんに媚びを売ったというのに、家に着いてきょんに「今日のワタシの電話はむっすり気取った感じじゃなかったでしょ?」と訊いてみましたら
「そうね。でも相変わらず感じ悪かった」という答。
え!
「え! いつも気取ってて感じ悪いって言われるから、今日はかわいい甘えん坊☆という感じで話してみたんだけど・・・違った?」 「違うね。単に大イバリしてるだけの人だったよ。 まったくかわいくなかった」 「お、おかしいなあ」 「ホントにかわいくなかったよ。 じょりぃさ、やっぱ、ナナと一緒にいるときって、なんかいきがってるっていうか、横柄な感じになるよねー。ナナといるときのじょりぃって、カッコ悪いよ」
がああああああああああああん (グズその4)
いろんな意味でショック。
でもまあ、とにかくホタル現場につきまして。 そこではなんとなく和やかに、良い雰囲気で。 末子ちゃんも手の中にホタルを入れて光らせて・・・なんてできて、すごくゴキゲン。 ナナもホタル、気に入ってくれたようで。 なんとか面目を潰さずに済みました。 ほっ。
帰りに食事したんですが。 店が混んでいて、ちょっとお待ち状態になったんですけどね。 末子ちゃんが、携帯のカメラで写真を撮りたがりまして、ワタシの携帯を貸し与えていたんです。 で、「ママとじょりぃちゃんを一緒に撮りたい」と言い出しまして。
ワタシの本音→「やった!嬉しい!撮ってくれ!ツーショット写真、大人になってから1枚もないんだから」
しかし、実際出た言葉→「いいよ。撮らなくて。そんなもん」
あああああああああああ。 (グズその5)
が、しかし、末子ちゃんも押しが強くて良い子です。 「とにかく撮るからさー。ふたりはもっとくっついてー。早く!」
ナナがワタシの顔をちらっと見たのはわかったのですが、ワタシの口から出た言葉は
「イヤだと言ったらイヤだよ」。
どうしてワタシって。 まあ、もうあきらめてますけどこの性格は。
さらに本日は(本日も、か?)外しまくります。
ここでちょっと話が変わります。
11月に、きょんが職場の研修でハワイに1週間行くのですが、これをきょん、前々からすごくイヤがってまして。 旅行がキライなんですよ。 死んじゃいそうな気持ちになるんですって。見知らぬ土地で。 で、院長先生が「よかったら、じょりぃさんの分のチケットや部屋も手配してあげるから、一緒に行けば? もちろん、じょりぃさんの分の旅費は、自分持ちになっちゃうけど」とワタシに気を遣ってくださいまして。
きょんがめずらしく「・・・一緒に行ってくれない? じょりぃが行ってくれるなら、あたし、病院辞めずに済むんだけど」と。
そうなんですよ。 この旅行に参加するのがイヤで、職場を辞めようかとまで思い悩んでいたきょんだったのです。 ワタシが一緒なら楽しいんですってよみなさん。 まったく呆れてあくびも出ませんね。ふあーーーうぁ。
ワタシもきょんとハワイ、というのは楽しみなんですが、いくつか問題があります。 ひとつは、ワタシの実家から、妹の家族とワタシの分のお金をいっさい面倒見るから、みんなで一緒にハワイに行こう、と今年の2月に誘われたときに「仕事が忙しいから」と断ってしまっていたこと。 親になんて言おう・・・てなもんです。 馬鹿馬鹿しいですけど。 ワタシにとっては、けっこう深刻。
もうひとつは、1週間といえば、月の4分の1にもなるわけです。 売上に当然響きます。 困ります。 なっちゃんにもなんて言おう。 バイク買って、無駄遣いしたばっかりなのに。あうあう。
という、贅沢な悩みごとを抱えていたじょりぃだったんですが。 誰が聞いても「ふうん。好きにすれば」と言いたくなるような、ホントに贅沢でアホな悩みなんですが。
一応、この話もナナにしておいたほうがいいかな、なんて思っちゃったんですよ。
で、「今年の11月にさ、きょんの仕事先の都合で、・・・」と話し始め「ワタシもイマイチ気乗りしないんだけど、行こうかなと思っているんだ」まで話したところで
「じゃ、秋の旅行は中止ね」
と、ナナ、突然、きっぱり。
秋の旅行、というのは、ワタシとナナでどこか出掛けようか、と話していたものであります。
「あ、いや、別に中止にしなくても・・・」と慌てるワタシ。 「だって無理じゃん(笑)。時間的にも、経済的にも」 「ワタシは行くつもりだけど」 「やめておこうよ。 とにかく中止。 いいでしょ?それで」 ナナ、強い。 「・・・・・・・」<弱い 「でもさ、なんでじょりぃも行くわけ?」 「は?」 「勝手にきょんさんが行くなり行かないなりすればいいだけの話じゃん」 「ひとりじゃイヤなんだってさ」 「じゃ、病院辞めればいいんでしょ? 簡単じゃん」 「・・・簡単かな?」 「じょりぃにしたってさ、なんで『困った困った』言いながら、言いなりになるわけ?」 「言いなりってわけじゃ」 「わけでしょ? 結局行くんだから」
なんだか怖いんですけどアナタ。
こういうときのじょりぃの戦法は、「ひたすら無口」。 末子ちゃんの顔見てにっこり笑ったりして。 しかし、そんなときに限って末子ちゃんは、何かを察知するらしく、無駄なおしゃべりをしてこないのであります。
「きょんさんに、病院辞めてもらえばいいじゃん」 「・・・・・・・・・(生活かかってるし、そうもいかないだろ、と思いつつ、無言)」 「行きたくないって、先生に言えばいいだけの話じゃないの?」 「・・・・・・・・・(先生の性格、アンタ知らないから、と思いつつ、無言)」 「あたしなら、ひとりでハワイ、楽しいけどな」 「・・・・・・・・・(きょんとキミは別人ですから、と思いつつ、無言)」 「だいたい、きょんさん、じょりぃに甘え過ぎじゃないの? なんで一緒じゃないとイヤなのだ?」 「・・・・・・・・・(ワタシときょんの関係なら、この程度の甘えはOKなのかも、と思いつつ、無言)」 「じょりぃは何考えてるわけ? イヤならイヤだって言えばいいでしょ?」 「別にイヤってわけじゃないし」 「じゃなんなの? なんで一緒に行くの?」 「ハワイは好きだよ。楽しかったから。行きたいけど、いろいろ不都合なこともあって、それらをどうしようかな、という話だよ」 「ふうん。 イヤじゃないんだ。 最初、イヤそうだったからさ」 「そう聞こえたかもね。 ゴメン」 「イヤじゃないならまだいいけどさ。 それでも、なんかヘンなの」 「そう?」 「ていうかさ、最初は『乗り気しないから、チケットをタダで譲ってくれる』という話かと期待したのに。(そんな勝手に…) そんなアホらしい話だったら聞きたくねえよって感じ」 「・・・・・・スミマセンでした」(グズその6)
まあ、確かに、ワタシったらグズですよ? ハッキリしませんよ? 優柔不断ですよ? 振りまわされがちですよ?
でも言わせてもらえば。
ワタシのそういう欠点に、恒常的につけこんでくるのは、いつもはアナタ様なんですけど。
他の人がやると腹が立つんですね。 まあ、そういう気持ちもわかりますけど。 やきもち妬いてる、とかは全然思ってませんけど。
しかしまあ、食事の終わる頃にはすっかりナナのゴキゲンも直っておりました。 よっぽどハワイの話をしたときのワタシがグーズグーズしててイラついたんだと思います。 そして無理もないと思います。
そして、いよいよ家に着いて。 末子ちゃんが「じょりぃちゃんちの犬に会う」と言ってききません。 しかたないので、2頭いるうちの大人しい方をケージから出してきて、玄関で遊ばせまして。 ぬーたん(犬です)は、末子ちゃんよりナナの方が好きな様子。飼い主に似たのね。 はしゃいでなついております。 うらやましいです。 その素直な愛情表現。
で、帰り。 車に向かいながら「あたしさっき、ぬーたんに引っかかれちゃった」とナナ。
「え!」 「あ、全然たいしたことないから」 「嬉しくて、飛びついちゃったんだね。 見せて」
いつもなら「見せて」なんて言えないじょりぃですが。 犬のひっかき傷って、爪が大きいだけに、たまに大変な傷になってしまうことがあるので、責任を感じたじょりぃ。
「いいよ、たいしたことないから」とナナ。 「でも見せて」
ナナの腕を半ば強引にそっと持ち(どんなだ)、暗がりでぢいっと。 手首から肘にかけての、内側の部分に、赤いみみず腫れが。 でもこれなら大丈夫かな。 よかった。
という、冷静な思いと一緒にですね。
あら。 ワタシったら、なんて大胆なことができているのかしら(たかが腕を持っただけですけど)。 という、自分を褒め称える気持ちとですね。
意外とやわらかい。 なんて、萌えった気持ちとですね。
この人、絶対、ワタシのこと意識してる。
という、まったく根拠に乏しい確信を持ったのですよ。 腕を持ったとき、腕を見ているときの、ナナの態度と間から。
グズが何言ってるんだこの阿呆、と思っているそこのアナタ。
無理もありません。 ワタシも思いますから。
さて。 寝言言ってないで、仕事しなきゃ、仕事。 ぐうぐう。
| 2004年06月23日(水) |
悶々苛々どうしてくれるのだ(グチです) |
もともと機嫌良く電話をとったわけじゃなかったんですよ。 なのに、さらに機嫌悪くするような話だったし。 って、ナナとの電話のことなんですけどね。
と、今日の出来事に入る前に。
以下、ここ最近のナナとワタシの状態です。 ていうか、グチです。 つっまんないことをグーチグチグーチグチ言わせていただきます。 覚悟してください。
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ここのところ、コドモコドモ子供コドモコドモ(特に末子ちゃん)で、じょりぃ放置。 まあ、それはいつものこととしても。 たまに電話で話せば、なんだかやけにつっかかってくるし。 しかも人を小馬鹿にした態度で。 失礼です。 ワタシは大馬鹿なのに。小さくしないで欲しいですよホントに。
「遊んでくれないとか遊びに行こうとか言われると、プレッシャーなんだよね」 と言われて以来、ワタシは意思表示すらままならなくなってまして。
「ホタル見に行こう」と誘っても「子供が云々」言っちゃってさ。 この日はダメ、この日もダメ、なんて言ってるうちに、ワタシ、きょんと先に行ってきまして。 「きょんと見に行ったらキレイだったよ」と伝えたら「え? 行っちゃったの?」だし。 「だから一緒に行こうよ」 「ならあたし、映画にも行きたい。『白いカラス』見たいんだけど」 「じゃ、それも行こう」 なんて話をしていたら、末子ちゃんがぐずりだして 「ごめん、またかける。いったん切るね」と切ったきり、待てども待てどもかかってこないし。
たっぷり2時間経ってから「け。 電話来ないし」と思ってPCのメールチェックをしてみれば
・ゴメン。末子寝かしつけてたら長女に電話取られちゃって、かけられない。 ・ホタルは金曜日ね。その日の朝に電話します。(勝手に!) ・映画は来週。それ以外はダメ。忙しい。(勝手に!)
という内容のメールが来ておりました。
なんだかおもしろくないのはなぜかしら。 ホタルも映画も勝手に予定組んでるし。 なんか高飛車だし。
でもそれって、いつものことって気もするし。 てことは、このイライラって、ワタシに問題アリ?
悶々悶々悶々悶々悶々苛々苛々
なんて具合のここ何日間なのでございます。 ていうか、先日一緒に映画行ったときも、なんだかテンション低かったことを思えば、「何日間か」というより「何週間か」とか「何ヶ月か」と言ってもいいようなスパンになってきているような。
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で、今日の日記に戻ります。
ナナから電話がきて。 やけに機嫌のいい猫なで声。 これはもしかしてアレですよ。 ワタシの不機嫌そうな、なんか用?めいた「はい、じょりぃです」が効いたんじゃないでしょうかね。 なんて思っていたら。
「ちょっと、ネットで調べてもらいたいことがあって、電話したんだけど・・・へへ☆」
まーたー「お便利ちゃん」ですかワタシ。
いいよいいですよ。 で、何を調べるんですか?
「南房総の方の海沿いのホテルで○○というところなんだけどさ、そこってどんなところ?」 「○○?(不機嫌) どんなところって、何が知りたいの?」 「なんでも。 いろいろと」
かたかたかた。仕方なく調べるじょりぃ。
なんだよっ。 無神経なヤツだな。 ワタシと行かないのに、ワタシに調べさせるわけですか。
・・・まあ、友人なら当然ですか。
その他、その周辺について、あれやこれやと訊いてきます。 そのたびにワタシもご丁寧に調べるんですが、親切な行いとは裏腹に、口調はどんどん不機嫌になります。 なんて素直なワタシの感情表現。
「家族で行くの? 夏休み?」 と、ついに根負けして訊ねるワタシ。 「んー。 夏休み前の土日とかで行こうかなと思って」 「ふうん。 よかったね」<無感情 「よくもないけど。別に行きたくもないし、あたしは、海なんて」 「ワタシももうずっと行きたいって言ってるのにな。 キミと」 なんかワタシの声、怒ってますけど。 「だってそれって、夏じゃない海がいいんでしょ(笑)」 「そうだけどさ」 「南房総、一緒に行く?」 「行かない」
ぷん。 「これで家族で出掛けるのも最後かもなー」なんてしみじみ言ってるのに、他人のワタシが一緒に行けるわけないじゃないですか。
「ワタシも今年は海に行こうっと」 <負けじ魂 「暑いのイヤなんでしょ?」 「イヤだね」 「あそこ行けばいいじゃん。○○館」 このあいだ、ナナと一緒に行った温泉です。 「ああ。 いいかも」 「次はきょんさんと行くってすごく言ってたじゃん。行ったの?」 「行かない」 「なんで? あんなに言ってたくせに」
そんなにくどくど「今度はきょんと」とアピールしていたのでしょうかワタシ。 確かナナが「次は家族と来たい」と繰り返したので、ワタシも対抗したのですけど。 ホント負けず嫌いですねワタシってば。カッコ悪いわ。
「まあとにかく、あれきり行っていないのだよ」 「行ってくればいいのに」 「うん。行こうよ。 一緒に」 「あたしと?」 「うん」 「(笑)いいけど」 「うん」 「きょんさんと行かなくていいわけ?」 「まあまあ」 「きょんさんも行きたがってたんでしょ?」 「まあまあ。いいじゃないか、それはそれで」 「別にいいけどさ」
こんな会話したって、たぶん行かないんでしょうけどね。
と、本人にも伝えましたら 「そうかな? あたしはけっこう、『行こう』って約束したところは全部行ってると思うけど?」と、不本意そうなナナ。 「うん。 考えてみたらそうかも」 「じゃ、そういうこと言わないでよ」
すみませんねえ、大イバリさん。
「なんかさ」 話を変えようっと。 「なに?」 「遊びたいとか言われるとプレッシャーだとか言うからさ、もういいよ、何も言えないよと思っているのだよ」 「(笑)そうなんだ」 「だから、もういいんです。いろいろと」
すごいいじけっぷりな上に、なんだか話の流れも筋も通っていません。
「なにそれ(笑)。 あたし、映画にだってお誘いしてるじゃありませんか」 「うん。そうなんだけど」 「ホタルだって、見に行くでしょ?」 「うん」 「ちゃんと遊んでるじゃん。 このあいだも映画観たでしょ?」 「うん。 でも、なんかこう、誘いづらいんだよ。最近。こっちから」 「でもじょりぃは、遊び相手なんていくらでもいるんでしょ?」 「そうなんだけど」 「だったらいいじゃん」 「そういう問題じゃないじゃん」
ふうん、そうなんだー、と気のない返事を返したナナだったのですが。
このあとはワタシとの旅行の計画やら、先日の電話では馬鹿にしまくっただけだったバイクの話題などを一生賢明振ってくれまして。
どうやら彼女なりに気を遣ってくれたみたいなんですけど。 ていうか、途中からナナも機嫌が良くなってきたみたいで。 こういうときにナナの気持ちが「うざー」になるか「じょりぃかわいーじゃん」になるかは、まさにナナのそのときの気まぐれにかかっているわけですが。 今日はかろうじて「かわいーってことにしとくか」くらいには思ってくれたようで。 秋になったらバスツアーでも行こうよ、それならじょりぃもずっと飲んだくれてられるからいいでしょ?、ということになりました。
それにしても。
「来年はもうちょっと余裕ができるはず」 とか 「来年はもっと遊びに行けるよ」 とか
毎年言われてもう3年。 なのに、なんだか年々、一緒に過ごせる時間が減ってきているような気が。
なんか、つまんないな。
でもきっと、今はそういう時期なんだろうなぁ。 じっと待つしかないのです。 無理に動こうとしてはいけないのです、こういうときは。
まあ、タイミング良く、バイクというおもちゃも手に入れましたし。 こちらもナナに負けず劣らずというか、ある意味もっと全然スリリングですし。 けっこう平気かも。 ナナに放置されてても。 悶々としないですむかも。 楽しくてしょうがないかもーーーーーーーー。(無理矢理雄叫びにしてみる)
『イライラしたり、異性のことで頭がいっぱいになったときなどは、スポーツや趣味に打ち込んでみましょう』
と、中学の時の保健体育で習った覚えがあるんですが。
30うん歳になって、またその教えが身にしみる時がくるとは思いませんでした。 まだまだ青春ということでオチにしちゃっていいでしょうか。 ちょっと気持ちが悪いですけど。
というわけで、 愛欲とわがままを、バイクで昇華してしまいたいと思っております。 ぶろろろろろろろろろろろろろろろろろん こて <あ、コケた。
ナナと「21g」を見に、一緒に映画に出掛けた日。 って、昨日ですね。
ついたときは、小雨。 入口でナナを降ろし、ワタシは駐車場へ。 車から降りながらナナ、
「傘、車に積んである?」と。 「1本ならあるかも」 「じゃ、持ってきてね」
車を停め、傘を持って外へ。 傘をさすほどは降っていないかな? 手に持ったまま、公園を抜けて、映画館へ。
映画が終わって。
「けっこう降ってるよ」とナナ。 「傘持ってきたよ」
留め具を外して傘をほどきながら、ナナに手渡しまして。
「ワタシ、傘いらない」
と言って、ナナから離れました。
相合傘、したくなかったんです。 そんな恥ずかしいことできるかいてやんでえ、という心境でございます。
「いいの?」とナナ。 「うん。たいして降ってないし。でもキミはさしたほうがいいよ」
ナナ、だまって一人で傘をさしました。 この状態のじょりぃに何言ってもムダ、というのは既にわかってきていらっしゃるようでございます。
不自然に離れて歩き、公園を抜けて車へ。
ああ。
ワタシって、かわいい。 <死ね
昨日の夕方。 ナナからメールが来ました。
「明日の午前中あいてる?映画見に行かない?」
わお。 突然のお誘いです。嬉しい。 しかも、とっても都合がいいです。なっちゃんも仕事休みですし。
「午前中あいてるよ。やった。」
無表情な喜びメールを送ったら、またメールが。
「『21g』見たいんだけど。時間の合うシネコン調べておいて」
いばってます。 既に見たい映画を決定している上に、「調べておけ」と命令つきです。
時間を調べるついでに、どんな映画だかも調べてみましたら、なかなかしっかり作ってありそうな映画。重そうですけど。 役者陣もショーン・ペン、ベニチオ・デル・トロ、ナオミ・ワッツと、手堅く豪華。
「世界の中心で愛を叫ぶ」とか「トロイ」とか言われなくてよかった。 特に前者は、ワタシにとっては死です。
そして今日。 ワタシは時間に間に合うように迎えに行ったというのに、ナナはまだ洗濯物なんて干してやがりまして、時間オーバー。 まあ、いつものことなので、気にしませんが。
で、映画を見ました。
重たかったです。
いろんなことを考えました。 とりあえず、安全運転をして、人を轢き殺さないようにしようと思いました。
と、帰りの車の中で上記の感想を伝えましたら 「まったくそのとおりだね(笑)」とナナ。 「役者陣は満足だった。ナオミ・ワッツの泣きの演技がマルホランド・ドライブのときと変わり映えしないなというのが気になったけど」 「叫びすぎだったしね。 あたしはやっぱり、ショーン・ペンが好きだ、ということを確認できたよ(笑)」 「そんなに好きだっけ?」 「うん。 ていうか、今日のメインの目的は、あたしのショーン・ペンに対する思いを確認するためだったのだよ(笑)」 「へえ。(意外) ベニチオも好きなんでしょ?」 「うん。 あたし、サル顔が好きなのかも」 「ショーン・ペンは猿かなぁ?」 「アタシの中では猿。モンキーじゃないけど、猿。ベニチオもなんか、ゴリラっぽいし(笑)」 「ブラピの顔も好きだったよね? あれも猿だ」 「うん」
ワタシは猿顔ではありません。 雰囲気はかなり猿なんですが。 残念です。
そして、自分があの中で誰々の立場だったら、とか、あの状況に自分がいたら、なんてことをふたりで話しまして。 重いテーマのディスカッション。 きょんもそうなんですが、この、ひとつのテーマを掘り下げてお互いの考えを深く話し合う、というのは、ワタシにとって恋愛相手に望む重要なファクターだったりします。 みなさんそうでしょうけど。 このときに「あたりまえ」な話とか偽善に満ちた話(しかも本人無自覚)とかしか出てこないと、すごーくガッカリいたします。
で、映画の中でのショーン・ペンの奥さんの話になりまして。 ショーン・ペンが心臓を患っていて、心臓移植をするんですが、それまで別居していた奥さんが、ショーンの具合がいよいよ悪くなった頃に戻ってきて、しかも「彼の子供が欲しい」といって病身の彼に人工授精を承諾させるんですわ。 既に心が離れていたふたりなのに、なんでかいなといぶかるショーンだったのですが、まあ仕方ないかということで人工授精に踏み切るんですが、心臓移植が成功してからは、さらに奥さんと気持ちが離れましてね。
で、この奥さんの自分勝手なショーンの束縛ぶりというか、子供だけは絶対ほしいとか、なんか、納得できない部分が大きかったんですよワタシ。 ショーンのことを愛しているのかと言えばなんだか「?」だし。 すごくビミョーな心理描写の錯綜する映画だったので、ワタシがここでネタバレにならないようにうまく説明することが難しいんですけど。
「奥さんがイヤだった」とワタシ。 「どんなところが?」
上記にさらに細かく説明をつけた話をしまして。
「自分のことばっか考えてる気がしてさ」 「うん」 「ワタシがショーンなら、とっとと切るね。あんな女房」 「あははははははははは」 「?」 「笑える」とナナ。 何がおかしいんでしょうこの人。 「お前なんてとっとと出てけ!と思っちゃうな。やさしくなんてできないよ」再度アピールするワタシ。 「あはははははははははははは」 「なに?」 「できっこないじゃん(嘲笑)」 「なにが? やさしくできないってこと?」 「違うよ。 とっとと出てけ!なんて、できっこないってこと」 「できるよ」 「できなかったじゃん、実際。ああ、笑える」
げ。
あなた、このあいだの、ワタシときょんのケンカのこと言ってますね? ていうか、それって、きょんをワタシの奥さん的立場と認定してますか?
「なんの話さ」 「相手がどんなに自分勝手だろうと、じょりぃのことなんて考えてなかろうと、求められれば突き放せないでしょってこと」 「そんなことないよ。 ワタシだって自分勝手さには自信があるし」 「だってできてないじゃん。誰に対しても。あははははははは」
何がそんなにおかしい。
話を変えようっと。
「でもさ、あの奥さんは、なんでわざわざショーンの具合が悪いときに戻ってきたんだ? それに、どうして気持ちが離れているのに子供が欲しいとしつこかったんだ?」 「映画の中で言ってたじゃん。『さびしかった』んだよ」 「勝手だ」 「確かにそうだけど、有効でしょ?じょりぃにだって」 「ワタシはさびしいと言われたくらいじゃ」 「突き放せるんだ?」 「自分がかわいいもの」 「じゃ、すれば?」 「(怪訝そうにナナを見るじょりぃ)」 「できっこないって。 できてないじゃん」 「・・・・・・・・(おもしろくない)」 「それにさ、あなた、なんだかんだ言って、好きそうだよ」 「何が?」 「がんじがらめにされるの」 「イヤだね」 「がんじがらめにされたいんでしょ? ホントは?(嘲笑)」 「ゴメンだね」
なんなの一体。
そこまで言うなら、ぜひ、アナタがワタシをがんじがらめにしてみてください。
なーんて。 例えナナでもゴメンですけど。 がんじがらめなんて。
「ホントはされたいクセに(嘲笑)」という、ナナの声が聞こえてくるのは空耳でございます。
ゆうべ、仕事の途中。 Macが固まりやがりました。
まーーたーーーでーーすーーかーーーーー。
と思いつつ、力ずくで再起動し、立ち上げに異常に時間がかかるため、気分転換に庭へ。
わあっ。
月がウソみたいにキレイです。 夜になったばかりのときも、今日の月って輝きすぎ!冬みたい!と思っていたのですが、 深夜1時近くになった今では、さらに煌々と。 ずっと見つめていて、視線を黒い空に移せば残像が見えるかも、というくらい輝いていたのですが、実際やってみたら残像はできませんでした。 しゅん。
月の丸みすらしっかり見えます。 宇宙人が手を振っているのもかすかに見えました。 本当ですって。
ひとりで見てるのもったいない。 誰かに教えてあげたい。
きょんは既に寝ているし。 しかも、相変わらず、リビングで。 ベッド行けベッド!
ナナ。 ナナはもう寝てるかな。 寝てるだろうな。
でもいいや。 とにかく誰かに「月がすごいんだよ!」と言いたかったんですワタシは。 とかぐだぐだ言ってますが、実際はナナだけに言いたかったんです。
携帯を取り出して、親指で不器用にメール。
もう寝てるとは思うけど。
月がきれい過ぎ。 頭がおかしくなりそーなほどです。
もちろん返事なんて来ません。 ナナは最近、早寝なのです。 寝てるだろうとわかってメールしたので、まあそれでよしと。 おまけに最近、携帯はほぼ長女ちゃんのものになっているので、「メール来ても気付かない」って言ってましたしね。
40分くらいたって、思いがけず着信音が。
ホントだピカピカだね。 末子と一緒に見たよ。わーきれいって言ってた。 じょりぃもほどほどに。 おやすみ。
末子ちゃん、まだ起きてたの? ダメじゃん。
でも。
ワタシのメール見て、そうか月か、と思ってくれて、 きっと寝ないでぐずっていたのであろう末子ちゃん連れて庭に出て、 ふたりで「わーきれい」って言いながら月を見たのかな。 と思うと。
お月様に月見団子でもお供えしたいようなキモチでございました。 ススキ、ススキはありませんか。 誰かけんちん汁つくってください。
ナナからのメールを見た後、ワタシはもう一度庭に出て、 ピカピカの月の光のせいでくっきりとできた自分の長い影といっしょに 「さみーー」なんて思いながら一服いたしました。
一服しながら「ぽよん」と浮かんでくる映像は、なぜかナナの顔ではなくて、嬉しそうな末子ちゃんの顔ばかり、というのが自分でもおかしかった、月の輝く夜でございました。
ナナにちょっと会いました。 もう、4日ほど前でしょうか。 届け物がありまして。 朝、電話して「これから頼まれてたもの届けてもいい?」と訊きましたら「わざわざ来るの?こっちに用事があるの?」と。 用事はなかったんですが、ないと言えば「じゃあ、わざわざじゃ悪いから、いいよ」と言われるのがわかっていたので「うん。そう」とウソをつき、教習所に申し込んだ帰りの足で、ナナの家へ。 帰りの足で、って言っても、全然反対方向で、まさに「わざわざ」なんですが。 ワタシにしてみれば、ちいっとも苦じゃないわけでございます。
で、玄関先でブツを渡しまして。ちょっと話して。ホントに他愛もないことを。2分くらい。 え、そのときに結局「それだけのために、わざわざ来た」ということも白状させられたりして。あらあら。
「じゃあ寄ってく時間あるの? お茶でも飲んでいけば?」とナナ。
寄りたかったけど、社交辞令だろうし。
「ううん。帰る」 「仕事があるの?」 「うん」
帰宅。
ここまで、伏線です。
そして今日。ナナから電話。
「落ち着いたんですか?」と。 きょんとのゴタゴタのことでございます。
「うん。おかげさまで」 「もうすっかり、何事もなかったかのように?(笑)」 「まあね。表面上は」 「もうわだかまってないの?」 「よくわからない。 とりあえず、慣れた」 「慣れた?」 「うん。 ゴタゴタしてからの心境に、慣れた」
そのあと、何かいろいろと抽象的な質問をしてくるナナ。 何が言いたいのか、何が訊きたいのかよくわからなくて、とんちんかんな答を返すワタシ。 しばらくちぐはぐなやりとりをしまして。 どうも、遠回しに何か言いたいことがあるのではないですか、アナタ。
「何が言いたいのかよくわからなかったりするんだけど」と、正直に伝えてみたワタシ。
「んーーー・・・あのさ、 じょりぃはきょんさんと一緒にこのまま暮らしててもいいの?」 「(笑) なに、突然」 「だってさ、なんか、見返りがないじゃん」 「見返り?」
見返り? ってなにそれ?
「そんなもん誰にも期待してないけど?」とワタシ。 「んー・・・ 物理的な見返りじゃなくてさ、精神的な見返りだよ」
前回の電話(きょんとケンカしてすぐの電話)のときも、ナナはきょんに対して「どうして?」と思ってしまったようで。 しまったようで、と他人事のように言ってますが、そう思わせてしまったのはワタシだったりするんですが。 ナナには今回のゴタゴタの、差し障りのない部分(要するに、ワタシときょんが実は内縁関係みたいなもんだ、というところだけ伏せた内容)を話したので、ナナなりになんだかもやもやしていたらしくですね。
前回の電話のときに、めずらしくきょんを批判したナナ。 以下がその内容です。
「前にさ、あたしがきょんさんのことを非難するようなことを、じょりぃに言ったことがあったじゃない?」 「あったっけ?」 「あったんだよ。 そのときに、あたしじょりぃにきっぱりと言われたんだよね。『きょんのことを、悪く思ったり悪く言ったりは絶対するな』ってさ」 「ああ。 言ったねそう言えば」
ワタシもなんだかたいした態度でナナに申し伝えたものでございますが。 いつもはペコペコと腰が低いクセに、実は図々しいじょりぃの実態が。
ナナの知っているきょんというのは、95%以上、ワタシがナナに話しているきょん像なわけです。 なので、ナナがきょんに対して悪い印象を持ってしまったとしたら、それはワタシの伝え方に問題があるのであって、実際のきょんとは違う、だからワタシの一方的な話だけできょんを判断しないでほしい、と言ったのですよ。 繰り返しますが、たいした態度ですねワタシ。 ならきょんのそんな話をするな、と。 でも、きょんとケンカしたときに限って、ナナが根ほり葉ほり訊いてくるもんですから、そのときの気分をワタシも正直に話してしまいがちなんですね。 で、2年ほど前にきょんが怒りを爆発させてワタシがケガしてしまったとき、ナナが猛烈に怒ったんです。きょんに対してもワタシに対しても。 「なんで一緒にいるの?」「じょりぃがそんな目に遭ってるの聞かされて、あたしは何もしなくていいわけ?」とワタシを責める一方、きょんに対してもエラく腹を立ててましてね。
そのときにワタシが言ったのが上記。 ワタシの話しか聞いてないんだから、一方的に判断するな、と。 きょんに対してフェアじゃないよなと反省し、ナナにお伝えしたわけですが。
「あたし、すごくそれって心に残ってたのよ。 だから、今まで結構きょんさんについては言いたいことがあったけど、じょりぃにそう言われてたから、ガマンしてたんですけど」 「そうですか」 そんなにきょんに対して言いたいことがあったとは。 「でもさー、きょんさん、冷たくない?」 「心根はやさしい人なんだけどね」 「じょりぃに甘えてるんだね」 「どうかな」 「・・・・これからもずっと、きっと一緒にいるんでしょ?」 「たぶんね」 「いいの?」 「いいんじゃないかな」 「じょりぃにもしものことがあって、動けなくなっちゃったりしたときに面倒見てもらえるの?」
ナナ、随分と現実的な心配をしております。
「(笑) そういう『かわいそう』な状態になってしまったら、相手がワタシでなくてもきょんは助けるから大丈夫だよ。『かわいそう』とか、弱い立場の人にはとてもやさしいからね」 「・・・・アナタはそれでいいんですか?」 「別に」 「いいの? なんで?」
ええと。 ナナはどこまでわかってこの話をしているんでしょうね。
「慣れた」 「さっきもそんなこと言ってたけど、何に慣れるわけ?」 「『そういった』状況に」 「それってなんかさびしくない?」 「慣れれば平気」 「・・・・あたしはさ、 うーーーーーーん・・・・・・なんて言ったらいいんだ・・・・・・自分の子供がじょりぃの立場だったら、もう、絶対にイヤ。どうしていいかわからないくらいイヤ」 「子供だったらって(笑)」 アナタ、いつもワタシを子供に例えますね。 萎えます。 「母親ぶって悪いけどさ(笑)。 あたしがきょんさんに物申してはいけないわけでしょ?」 「それは勘弁してください。いい結果になるとは思えないな」 「どうして、さびしいようなキモチのままきょんさんと一緒にいるの?」 「これでいいやと思えるからじゃないの」 「そんなにきょんさんのことが好きなんだ(笑)」
ええと。
「うん。好き好きーはははははは(乾)」
ナナ、反応無し。 何か反応してくれたまえ。 寒いから。
「あたしがたまに、料理をじょりぃに持たせたりするのも、きょんさんのためじゃないんだからね」
なんだ?その展開と話の内容。
「へ?」 「じょりぃのために、持たせてるんだから」 「あ、ありがと」 「きょんさんがじょりぃのこと大事にしないんだったら、あたし、もうああいうことはしないから」
ナナ、誰に圧力をかけたいのでしょう。 さっぱりわかりません。
「どういう意味?」 「うちで食べてってもらえばいいんだもん。 あたしはそれを遠慮して、きょんさんと夕飯食べなきゃ悪いのかなと思ったから、ホントは食べてってもらいたいのを持って帰ってもらってたんだよ」 「え! そうだったの?」 「恩着せがましいとか思われるかもしれないけどさ。ちょっと言いたかった」 「いや、思わないけど。 どうもスミマセンでした」
なんだ、そんな風に考えていたのですか。 でもやっぱりナナが何を言いたいのかよくわかりません。 ていうか、「食べてってもらいたかった」なんて初めて聞きましたが。混乱じょりぃ。
「何考えてるかわかんない」とナナ。 「誰が?」 「じょりぃ」 「そう?」 ワタシにはアナタの考えていることの方がさっぱりわかりませんが。 「あたしに対してもさ、アナタがいったいどのようにしてほしいのか、わからないわけだ」 「 どういうこと?」 「例えば、このあいだあたしが頼んでおいたものを届けに来てくれたじゃない? わざわざそれだけのために」 「うん」 「すごく悪いな、とか思ってさ。お茶も出さずにさ(笑)。 でもあたし、お茶飲んでけばって言ったと思うけど」 何が言いたいのか。 「言ってくれたね」 「でも帰ったでしょ?」 「うん」 「寄りたくないのかな、と思って無理強いしなかったんだけど、どうだったの?」 「寄りたくないなんてことはないよ」 「じゃ、あたしがもうちょっとしつこく誘えば良かったの?」
ますますもって、この人が何を言いたいのかわかりませんワタシには。 なんだか責められてる気がしますし。
「は?」 「そういうことを、ぐだぐだ考えちゃうのよ。 満面の笑顔で『持ってきてくれてありがとう!嬉しい!』とかはしゃいで言わないと、きょんさんに対してみたいにさびしいキモチにさせちゃうのかな、とかさ」 「そんなことしなくていいから」 かえって怖いし。 「もし、そうしなければいけないのなら、つきあいかたを変えなきゃいけないな、と思って」
かちん。
「何それ。 どういう意味?」 「だって・・・・ そうじゃん。 今のままだとじょりぃがイヤなのなら、そうしなきゃいけないんだろうけど、それはあたし疲れちゃうし、だとしたらつきあいかた変えなきゃならないでしょ? 楽しくないもん」
一体なんの話をしているのかさっぱりわかりません。 さっきまで、きょんのこと話してたのに、何これ。
「でもじょりぃは、あたしが好き勝手にしてるのがいいのかなって気もするし」 「そのとおりだよ」 「どうしてほしいの? あたしに」
前回の電話と同じ問いですね。 なんで訊くの?そんなこと。 何が聞きたいのですかあなたは。
「フツウにしててほしい」 「それじゃさびしいんじゃないの?」 「かもね」 「・・・・あたし、旅行に行こうって誘われても時間取れないし」
なにそれも急に。
「いいんだよ気にしなくて。その状況にも慣れたし」 「あたし、こんなことばっかり考えてるの疲れちゃうんだよ」 「考えなきゃいいじゃん」 失礼なヤツだな。勝手に考えて怒るな。 「考え始めると考えちゃうんだよっ。 知ってるでしょ?」 「はい。 でも、つきあいかた考えるとか言うな」 「だって」 「言うな」 「ホントにイヤなら、もうスパッと切るよ、あたしだって。めんどくさいのは嫌いなんだから。 でもそうしてないでしょ」
だからなんだよっうがあああああああああああああ。 キミ、ハッキリしなくて何が言いたいのかわからなくて、まるでワタシみたいですよ?
ああ、イライラする。 あ、なるほど。 こういう心境か。
「あたしさ、昔はじょりぃにすっごい勝手なことばっかり、言ったり頼んだりしてたじゃない?」 「そうだったかな」 「してたんだよ。急に呼びつけたり、つまんない用事頼んだり、長々と電話に付き合わせたりさ」
そう。 あの頃のナナは、その傍若無人さから、きょんやなっちゃんの心証が大変悪かったものでございました。
「ワタシはいっそ、あの頃は楽しかった」 「でもあたし、あの頃はフツウじゃなかったんだよ。ちょっとおかしかったの」 「おかしかったのか」 「うん。 母が亡くなったばかりで感情のバランスが崩れてたし、末子の育児も煮詰まってたし、長女の反抗も始まってきてたしで、すごく参っちゃっててさ」 「そう」 「だから『呼べば来る』じょりぃに、すごく甘えてたのよ。 なんでも言うこときいてくれたでしょ?」 「ワタシは楽しかった」 「でも今は自分でコントロールできるようになったの」 「そう。 よかったね」
ナナにとってはすごく良いことのはずなのに。 もう不安定なナナは見たくないのに。
なぜかすごくさびしいワタシ。
「うん。よかった。 いろいろ考え込まなくて済むようになったのだよ」 「そう」 「でもそれってさ じょりぃがあの頃あたしにつきあってくれたおかげなんだよね」 「 ふうん」 ぽ。
サゲの後にアゲですか。 ていうか、全体的になんて脈絡のない会話なんでしょう。
あげくの果てには
「じゃ、もう寝る」と突然のナナ。 「え! 寝ちゃうの?」 「うん、寝る。 じょりぃも早く寝なよ」 「わかった」 「寝ないでしょ」 「うん。まだ寝れない」 「もうちょっと早寝のリズムを取り戻してください」 「はい」 「でも早寝しないでしょ」 「うん」 「もういいや(笑)。 おやすみ」 「おやすみなさい」
ちん。
なんだか怒られっぱなしだったんですがワタシ。 イライラプリプリしながら、ワタシのこと心配してくれているんでしょうけど、口調はキツく。
なんだかぽつん、とさびしいじょりぃであります。 なんなのこのおかしな感覚。 ワタシとナナの距離感がつかめません。って、それはもともとですが。 すごく心配はしてくれているけれど、なんだか突き放されたような気もします。
ちょっとブルー。 なぜだ。
そして、眠い。
疲れているのかな。ワタシ。
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