ナナとワタシ
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| 2003年12月31日(水) |
今年最後の「ナナとワタシ」 |
一日悩んで、「やっぱりケンカしたまま年を越すのはイヤだー」と弱気になったじょりぃ。
そもそも、ナナの方はケンカだなんて思っちゃいないでしょうけれど(ワタシに関心ないだろうし。へっ)、ワタシの気持ち的にこのまま年越しはイヤだなあと。
ということで、プライドを捨て、勇気を出し、10時頃メールいたしました。
今日って早寝? 電話しても大丈夫かな。 用事はないので、無理しなくていいんですけど。
どきどきどきどきどきどきどきどきと返事を待つじょりぃ。
しばらくして、着信音。 ナナからです。
ごめん。今日家にいないんだ。
一年の最後も、「ナナとワタシ」らしく締めることができました。
| 2003年12月29日(月) |
じょりぃ、怒る。 フリして拗ねる |
ちゅどーーーーーーん、 ぐしゃ となって終わった前回の「ナナとワタシ」でございましたが。 事後報告をさせていただきます。
翌日の午後になって、「これから行きます」とナナから電話がありました。 「じょりぃの家の近くのショッピングモールに行きがてら、寄るから」と。 そうですか、ということでワタシはなっちゃんと仕事をしながら待機。
しーーーーばらくして。
ぴんぽーーーーん。
ドアを開けると。
パパでした。
「こんにちはぁ」にこにこじょりぃ。 「じょりぃちゃん、今回は無理言っちゃって悪いねー」 「いいんですよー」
ていうかですね。
家族みんな車に乗って待ってるみたいなんですが、なんでナナが頼みに来ないんでしょう。
「でね?じょりぃちゃん。・・・・これなんだけど・・・」 申し訳なさでいっぱいという感じで「年賀状の元」を手渡すパパ。 中身を確認するワタシ。
「1種類増えてますけど」 いけね。 声が低くなっちまいました。
一昨日の晩、お誕生会で頼まれたときは「2種類つくって☆」と言われ、そのときも「冗談でショ☆」と返事しておいたじょりぃだったんですが。 スキャンしてプリントするだけ、というだけのもので、ワタシの作業が少ないからいいっていえばいいんですけど。 それでも年末で、自分の仕事も年賀状も終わらなくてアップアップしているときに、勝手に増やすなと。 インクジェットプリンタ使っていると、じーやじーやと時間ばかりかかって、その間パソコンが使えないんだよと。仕事にならないんだよと。
と思ったモノの、パパにそんなこと言っても始まらないですからね。 それに、1種類増えちゃったとかパソコン使えないよとかに関しては、特にやぶさかではないんですよ。
ただ、こう↓思ってひっじょーに腹がたったじょりぃ。
頼みづらいもんだからパパ任せにして車から降りてこないんだなこの卑怯者め。
ワタシはいいかげんでだらしなくてお調子者で根気がなくてウソツキでと欠点ならいくらでも出てくる人間ですが、こういう筋の通らなさは大嫌いです(勝手)。 降りてこい! ちゃんと頭下げろ! お願いしますと言え! 何をしてもらいたいんだ! その口で言ってみろ! ひざまずいてお願いしてみろはぁはぁ。
ちょっと違う方向に興奮していってしまいましたが。
さらに、「オレとしてはすげえ言いづらいんだけど、伝言されたから伝えちゃうけど・・・・『急いでね☆』だって」
はい?
パパも! 言いづらいなら言うな。 アナタの希望でもあらせられるんでしょそれって。 27日の午後に持ってきて、急げって、まあ無理もないけど腹が立つわ。
「急げません。 と、お伝えください」<棒読み。
ということで、おそらく「気にいらねえ」ということが態度に出てしまっていたじょりぃ。
いつもなら車のところまで一緒に行って、ナナや子供たちと親睦を深めたいところですが、絶対車になんか行くもんか、口きくもんかとパリパリに意地っ張り状態に。 しかし、離れたところから車を見やると、中から一生懸命手を振っている子供たちの姿が。
よしよし。 じょりぃちゃんはキミたちを愛しているよ。
と思いつつ、ナナと目が合ったらナナにも手を振ったことになってしまって悔しいので、子供だけ見て子供だけに手を振るべく努力するじょりぃ。 でもワタシったら目が悪いので、実は誰が誰やらよくわからなかったんですが。 全部で何人乗ってるのかもわからない始末。
で、そのあと、じょりぃ、荒れる荒れる。
そもそも、なんでこんなつまんないことで荒れてしまったのか。 冷静になってきた今思えば、単に拗ねたんですよワタシ。 ゆうべ会えると思ったのに会えなかった。 今日は会えると思ったのに会えなかった。 用事だけは無理難題を頼まれた。しかもパパづてに。 おもしろくない。
に加えて ・年賀状の種類がひとつ増えていることに事前アナウンスがなかった。 ・パパに頼んで自分はしらばっくれた。 という、「かわいいちゃっかりを通り越して、筋とおらなすぎ」をやらかしやがったので、じょりぃ、ぷりぷりプリシラ大好きカリメロ状態。
このままじゃおもしろくない。
とりあえず、ナナにメール。 くどくどと文句は言いたくない。(カッコつけじょりぃ) でも、ワタシがおもしろくないと思っていることは伝えたい。
と、送ったメールがこれ。
いそげないよ。
そのまま、しばらく放置。 「あ。 じょりぃ怒ったかも。 ま、いいや。放っとこ」てな具合だろうな。 け。
6時半頃、電話がリンリンリン。 ナンバーディスプレイを見たら、ナナ。
卑怯者には卑怯で返そう。 だいたい、今、口ききたくないし。
じょりぃ、居留守作戦。
たいへん卑怯ですネ☆
しばらくしてまたナナから電話。 居留守。
そのあとすぐに、大変めずらしいことに、携帯にも電話が。
こりゃちょっと焦ってるかしらふふふふふ。<卑怯に加え根性曲がり
携帯もスルー。無視。口ききたくないの。 キミにとってはどうってことないでしょワタシがこんな態度とるくらい。知ってるのワタシ。悲しいことに。
そうしたらメールがやってきました。
・ごめん、急いでっていうのは言ってみただけだから。 ・マジで忙しいようなら遠慮します。 ・今日のうちに、渡した年賀ハガキを取りに行きます。
という内容。
じょりぃ、またもやマジ切れ。
自分勝手に無理に頼んでおいて「マジで忙しいんなら、じゃあいいよ。返して」と言ってるように受け取ってしまったんですが、ワタシ何か間違えてますか。 ていうか、忙しいって言ったじゃん!ワタシ。 でも引き受けたのよ! 忙しくてもなんとかしてあげたい、という、友達がいで引き受けたの! 忙しいからできないということであれば、最初から頼まれないの! ていうか、ワタシの「忙しい」を、口ばっかりだと思ってたわけ? ああああああくやしいことばかり。
そもそもナナ、車から降りてくることすらしなかったくせに。 そこよ、ワタシが腹立ててるのは。
というわけで、ナナの問いには答えず、ワタシの言いたいことだけメールすることに。
今日、車に乗ってたの?
返事が来ました。
・乗ってたら普通私が行かない? ・パパがじょりぃの顔色変わったって言ってたから、そんなに忙しかったのに悪かったなと。
という内容です。
なにこの一行目。 「乗ってたら普通私が行かない?」って、どういう意味で言ってるんでしょう。 「乗ってなかったよ」って言えばいいじゃん。 アタシのこと、なんだと思ってるわけ?って感じでしょうか。 ところでワタシはなんで、いつもなら許してしまうようなことにこんなにいちいちつっかかってるんでしょうか。 拗ねてたからでしょうかやはり。
というわけで、頭にきたので、放置決定。 ワタシとナナでは、ナナの方が頭がいいんです。 ズル賢いし。 口論すればワタシが分が悪い。 なので、試合放棄。 メール放置。
していたら、夜の11時頃、またもやナナからメールが。
・今どこにいるの?(居留守作戦してますからねえワタシったら。でもナナがこのひとことを発するには、すごおおおおくプライドを捨てたはず。気分いいです) ・ハガキ取りに行こうと思うんだけど、何時頃ならいる?
というもの。
なんだかですねえ。
ワタシが忙しいなら、誰か他の人に頼もうってことで焦りに焦っているのでしょうか。
勝手なんだよ。
一度ワタシに頼んだなら、もうあきらめやがれ。 27日だよ今日? ていうか、ワタシを信じれば? ちゃんと急いで上げてやろうと思ってるのに、気持ちが萎えますよハッキリ言って。
というわけで、じょりぃ変身 違う 返信。
なんでそういう話になるわけ? 随分勝手なんだね。
穏やかですが、意地が悪いです。 今までメールも電話も無視していたくせに、ここで急に「なんでそういう話になるわけ?」です。 イヤな人間です。 じょりぃ、本領発揮。
ナナからの返事。
・確かに勝手です。すみません。 ・そんなに忙しいのに気付かなかったもので。 ・別にハガキは後でもいいんだけど、置いておくのも悪いかなと。 ・じょりぃには怒らせてしまって本当に申し訳ないけど。 ・今夜がダメなら明日にでも取りに行くけど、いつならいい?
てな内容です。
ワタシが怒っている、というのは、なぜか伝わっているみたいですね。なぜかしら。不思議☆
しかし、向こうも怒っているようですね。 一見ていねいに、腰を低くしているようにも見えますが、なんとなく慇懃無礼という感じです。 「そんなに忙しいのに気付かなかったもので」あたりに、イヤミがひしひしとうかがえます。
だからワタシは、忙しいのに頼みやがって!とかいうことを怒ってるんじゃないんだってば! そんなことはちっとも怒ってないの! キミがワタシを粗末にするから、スネスネに怒ってんの!
と怒ったところで、それをきちんと伝えていないワタシがいけないのはようくわかっているんですけど。
伝える気にもならないや。(スネスネに怒ってるなんて、恥ずかしくて伝えられないし) わかってくれないなら、もうそれはそれで結構。 けっ。
じょりぃのメール。
だからなんで勝手に決めつけるの。 私「いそげないよ」って言っただけなのに。 もう作業も進めてるよ。 なんだか遠慮するフリして責められてる気がするんだけど、気のせいかな?
穏やかです。 が、意地が悪いです。 もう、イジワル・ネチネチ・オブラート攻撃同士の会話です。 お互いに遠回しに相手を責めながら、相手に対しては「言いたいことがあるんなら、ハッキリ言えば?」という具合です。 相性がいいですネ☆('-^v)
ナナの返事。
・ごめん。ただ様子がわからないから・・・。 ・じょりぃの様子もみたかったし・・・。 ・大丈夫ならいいや。 ありがと。
てな感じです。
ウマイですねえ。 まるでワタシのこと、思いやってくれてるみたいです。 でもここでだまされてはイケマセン。 いつものパターンです。
「あ、悪いこと言っちゃったかなとじょりぃに反省させる作戦」です。 と、考えるワタシはひねくれすぎてますか?
でもきっとそう。
だったらワタシもそれなりにお返ししないといけません。 一見やさしそうなメールで返すのが礼儀というものです。
私は大丈夫だよ。 ありがとう。
その日の部はこれでおしまい。
ナナはどうだったか知りませんが、ワタシはこのあともプリプリプリシラになりながら、朝の5時までプリンタ稼働。
ねむひ。
翌日。
そう、結局翌日渡してあげるワタシってば、ホントにやさしいと自分で言ってみますが。 ナナの家へ持っていくことに。 「自分で取りに来させれば(冷)」となっちゃん。 「あたしが置きにいってあげるよ。そしてじょりぃがいかに忙しいか、説明してきてやる」ときょん。
・・・・・・・・・・・。
ワタシが動く方がワタシが楽だからとなっちゃんに説明し、 ワタシは忙しかったのを怒っているわけではないのだよときょんに説明し。
なぜか小さくなりながら、ナナの家へ向かったじょりぃ。 ちょっぴり情けない風味が漂うのが美味しさの秘訣です。
ポストにだまって置いてこようっと。 子供たちに気付かれると厄介だな。 でもまあいいや、なりゆきで。
と思ったら。
インターホンを押したら、出てきたのはパパ。またもやパパ。 ワタシと結ばれる運命なのかもしれません。パパ。
「え!じょりぃちゃん、もうやってくれちゃったの?・・・・ごめんなー」 「いえいえ。やっぱり早いほうがいいですもんね」 「ナナも時間はたっぷりあるはずなのに、何もこんなに押し迫ってから頼まなくてもなあ。ホントごめん」 「いえ。そんなのは全然平気なんですよ」
というわけで、まあ、ナナに会わずに済んだので、ホッとしましたが。 パパに直接にこにこと渡せたので、「ワタシは別におかしなことで怒ってはいません」というアピールもできたことですし。
夕方、ナナからふたたび慇懃無礼の見本みたいなメールが。 個性もクソもないメールなので、これはそのまま転載しても問題ないでしょう。
結局急がせてしまいすみません。ありがとうございました。大変たすかりました。
だそうです。
こんな棒読みなメールもらえて、じょりぃ超うれしー。
返信。
それはなにより。
それっきり。
不穏です。 が、ケンカにすらなっていません実のところ。 なので、仲直りもできません。 でも、お互いなんとなく「けっ」という気持ちは強く持っているように思います。
絶対ワタシからは懐柔するもんか、と思っていたのですが、その逆はさらに絶対にありえなそうなので、やれやれどうしたものかなと思案中でございます。 ナナはたぶんワタシが「忙しいのに頼みやがって」とつまらないことで怒っていると思っているであろうことも気がかりです。 ワタシはそこまでセコイ人間ではありません。 でも「何を怒ったのか」説明するのもスマートでなくてとてもイヤです。
しかし、それよりなにより。
このまま年を越してしまうのは、どうにもスッキリしません。 幸先悪そうですし。
ていうより、ナナは今回のことなんか、全然まったくひとっつも気にしていない可能性も大でございます。 自分で書いてて悲しくなってきましたが。 十分ありえる。
ワタシに弱みを握られている状態だった年賀状も、もはや手にしたことですし。 ナナとしてはもう無敵。怖いモノナシ。じょりぃの存在価値ナシ。
・・・・・・・・・・・・。
急に弱気になってきたじょりぃ。
もう寝ます。 きっと憑かれている いえ 疲れているんです。
くすん。
| 2003年12月26日(金) |
これがワタシの生きる道? |
掲示板にも予告編のようにちょろっと書かせていただきましたが。
「年賀状の下書きができたから、今晩持っていっていい?」とナナからメール。 メールが来ていたことにしばらく気付いていなかったワタシは、メールチェック後、慌てて電話。
「来るって、何時?」 「遅く」 「遅くって何時よ」 「わかんない(笑)」 「じゃあまあ、電話してね。出る前に」 「わかった」
昨日の末子ちゃんのお誕生会のときは「夜中の2時頃」なんて言ってたから、それくらいに来るつもりかしら。
というわけで、仕事部屋にて自分の年賀状づくりをしているきょんにご報告。
「・・・・ということで、ナナが深夜にやってくるそうです」 「ふうううん。 今夜じゃないとダメなわけ?」 「わざわざ来るんだから、そうなんじゃないの」 「へえ」
この「へえ」は、きょんの得意技で「へ」にアクセントが来ます。 かなり強く。 さあ、声に出してアナタも言ってみましょう「へえ」。
相手を責める感じは、うまく表現できていましたか? できていれば合格です。
でまあ、そのやりとりをしたのが9時頃ですか。 それからはワタシ、落ち着かなくてですね。
わざわざ深夜にナナがやってくる。 きょんが同じ部屋にいるから、うかつにそわそわと浮かれることもできません。 ていうか、もうこんな時間で、いつもならぐうぐうとリビングで寝てしまうきょんなのに、今日に限ってがんばって作業を続けているのはやはりナナがらみですか?
気のせい気のせい。
「ねえ、まだがんばるの?」 きょんにさりげなく尋ねるワタシ。 「だって、年賀状、終わらないよーこのままじゃ」 「ワタシがつくってあげましょうか」 「ヤだ。 自分でつくるんだもん」
そうですか。
いつもは11時頃にリビングで寝ちゃって、3時頃起きて、ごそごそとふとんに入るきょんなのですが。
12時過ぎてもまだ起きてるし。
ナナが来たらどうしようかな。 きょんが起きてるうちに来ちゃうかな。寝てから来るのかな。 年賀状渡しにくるだけなのかな。 それとも、おしゃべりとかしていくのかな。 ちょっと出掛けたりできるのかな。
夜、ふたりで出掛けることなんて滅多にないから(子供がいますのでねえ)、なんだかワクワクしちゃうなぁ。
なんて考えながら、むっつり仕事をするきょんを横目でちらり。
サービスして、ギャグを連発してみるじょりぃ。
きょん、年賀状作成に夢中で、ほとんどスルー。 聞いてないし。 無視。
べ、べつにいいもんね。 ワタシもちょっと後ろめたくて、ゴキゲン取りにギャグってみただけだし。
ていうか、おもしろくなかっただけかも単に。
そして、1時ちょっと前。 電話が鳴りまして。
「あ」とワタシ。 「ナナかな」ときょん。
ナナです。 どきどき。
「もしもしー」 ナナと話すときは気取ってる、と今日こそはきょんに指摘されないように、明るく楽しく電話に出るじょりぃ。 「ナナですけど」 「これから来るの?」 「ていうかさ。なんか雪降ってるの。今日は行かないことにした」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
マジですか?
「雪ぃ?」
降ってないよね? 期待にふくらんだワタシの気持ちはどうしたらいいんですかお天気さん。 窓を開けてみたら。
降ってないじゃん。
「降ってないよこっちは。 ・・・ホントに降ってるの?」 あらぬ疑いをかけるじょりぃ。 「降ってるよ! 何疑ってるわけ?」 「・・もごもご・・」 「だから、明日届けに行く」 「雪積もっちゃったら来れないでしょ。スタッドレス履いてるの?」
ていうか、ワタシは今夜会いたいの! それも深夜! 楽しみにしちゃったの!
「履いてないけど・・・・パパになんとかしてもらうから大丈夫」 「 あそ」 「(何かを察知したらしく) じゃあ行きますよーこれから」 「いいよ来なくて。 事故ってばっかいるんだから」<ひとこと多い 「そうだよ。あたし、危ないんだから」
確かにアブナイ。 いろんな意味で。 運転もアブナイ。
しかしまあ、気を取り直して。 明日会えるんだから、いいぢゃないか自分。 妄想で勝手にスケジューリングした夜中のドライブはなくなってしまったけど、とりあえず会えるんだから。 どうどう。
「じゃあ、明日は何時頃来る?」 「出掛けちゃうの?」 「昼間は仕事だもの。いない時間もあるよ」 「今すぐ返事できないよー」 「どうして」 「だってパパに行ってもらおうかなと思ってるから」
ちゅどーーーーーーーーーん。
ぐしゃ。
じょりぃ、再起不能。
「そうそう! 『ナナとワタシ』はこうでなきゃ☆」と思ったそこのアナタには、 ヘヴィー級の式神を放たせていただきます。
ナナのバカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(号泣) 雪のバカーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(てか、みぞれだよただの!)
本日、クリスマスなんですが、ナナ家では「末子ちゃんの誕生日優先」ということで、お誕生会にお呼ばれしてまいりました。 末子ちゃんの誕生日は12月25日。 嬉しいようなお気の毒のような日でございますね。
お誕生会とはいっても、家族でお誕生日を祝うだけのことでございます。 なので、じょりぃとしては呼ばれて嬉しい気持ちもあるんですが、どうも、こう、他人がお邪魔してるようで申し訳ない気持ちもありですね。 ナナにしてみると、ワタシがいれば子供たちの相手をワタシ任せにでき、食事の支度やらが随分楽なので、いないよりはいた方がずっと良いみたいなんですけど。 端的に言えば「便利」ということでございます。 自分で言ってて滅入ってみたりしますが。いいの。便利に使って使って。
6時半頃ナナ宅に到着いたしまして。 相変わらず、車から降りるか降りないかのうちに、末子ちゃんが玄関からワタシの名を叫びながらダッシュ。 そのまま抱っこして、玄関に入ると、長女ちゃん・次女ちゃんが揃ってお出迎え。 今日はみんなにこにこと穏やかで、大変幸せそうです。 なによりなにより。
子供たちの愛情いっぱいの歓迎ぶりに比べ、ナナ。 言いたいことがあるぞおまへ。
キミの顔が見れたのが、ワタシが到着してから1時間後というのは、どういうことなんでしょうかコラ。
ナナの家のキッチンは廊下から出入りできるんですが、のれんのようなものが下がっていて、ナナの姿は見えないんです。 キッチンがナナの部屋のようなものなので、ある程度プライベートな空間にしたいらしく。
で、その前を通り過ぎるときにワタシが「お邪魔してます」、ナナが「どうも」とのれん越しに声をかけあっただけで、ワタシはそのまま子供たちと「ごっこ遊び」に興じてしまったと。 ナナもそのままワタシを放置。 約1時間後に「じょりぃ」と呼ばれたのでキッチンへ行き、本日初めてご対面。 「何?」 と、呼ばれて嬉しいくせにすげーつまんなそうに受け答えするワタシもワタシですが。 「子供たちの飲み物がなかったー。 (甘え声)買ってきてくれない?」にっこりと。 「はい」
やっぱりそんなことでしたか。
「末子も一緒に行くー」 「次女も行くー」 「じゃあ、お姉ちゃんもお財布持って一緒に行ってあげて」 「はいよー」
そうですか。 ワタシが子供3人連れて行くんですね。 ジュースとパルメザンチーズを買うだけのために。 一人になりたかったんだろおまへ。
子供たちと買い物を済ませ、家に戻ると、パパも帰宅。 お誕生会スタート。
パパが得意そうに、末子ちゃんが生まれたときのことを話始めました。 きっと毎年話しているんだろうな。
「末子が生まれるときはさー、パパがずっとママの腰をさすっててやったんだぜー」
ふうん。
へーき。 全然気になんない。 よくあることだよねそんなの。 パパったら、何そんなありがちなつまんないことを得意そうに。はははははははははははは。
と自分に言い聞かせてみたものの。
ずーーーーーーーーーーーーーーーーん。
あーもー、どーして! 前はこのくらい全然気にならなかったのにーーー。 なんだかどんどんワガママになってる気がする自分。
さっきまでは「あー、なんだか、ナナへの気持ちも以前ほどじゃなくなってきてるかも。このまま友情にゆっくりと変わっていくんだろうか」なんて思ってたくせにワタシったら。 どうしてどうして、こんなにずーーーんと来れるわけですか? ずうずうしいです。
こんな気持ちが表に出ていませんようにと祈りつつ、にこにこと微笑みながら、でも無言で食事をするじょりぃ。 みんなの反応がいまいちだったせいか、もう一度同じ話を繰り返すパパ。 「ママがすごく安心するんだよパパがそうしててやると」と駄目押しの一言もきれいに添えてみたりして。
あ、パパと目が合っちゃった。 にっこり。 そりゃそうですよねママも安心ですよねという意味を込めた、じょりぃの微笑み返し。 ふ。
「今どきめずらしくないけどね。 ていうか、みんなやってるよそんなの」とナナ。 「もういいじゃんそんな話。 食事中なんだし」と。
もしかして、ワタシに気をつかってくれてるんでしょうかナナ。 お互い目を合わせることなくいるので、何考えてるのかはよくわかりません。 まあ、ワタシはナナに気持ちを伝えているわけではないので、ナナがワタシに気を遣う義理はないんですが。
でもなんとなく嬉しくなるじょりぃ。 心はいじけたままですが。
そうしたら次女ちゃんが 「えー・・・・みんなそうしなきゃいけないの? 次女、なんかヤだな、子供産むときに腰さすってもらうのって・・・」と。 ナナ、「別にそうしなきゃいけないなんてことはないよ。 でもねー、ホントに大変なんだよ、子供産むのって。そうしててもらうと、すごく落ち着いて、安心するのは確かだよ」 「ふうん・・・」と次女ちゃん。
ふうん。とじょりぃ。
例えキミがどんなに出産で辛かろうと、ワタシは絶対に腰なんてさすらないけどねと、勝手に心の中でケンカを売るじょりぃ。
今日はこれ以降、ナナと目を合わせられず。 たかがこんなことで。 ワタシって、器が小さい。 こんなに小さくはないはずなんだけどな。 そもそもパパあってのナナなのは最初からちゃんとわかっていることだし。 ワタシ、きっと調子に乗ってるんだ。 前ほどナナへの気持ちは思い詰めていないくせに、前よりナナへの所有欲が強くなってる。 自己嫌悪。
観察力バツグンのナナが、ワタシのそんな「ずーーーーん」具合に気付かないはずがないとは思うのですが。 放置。 なんとなくいつもよりやさしく気にかけてくれているような感じはあることはありましたが。 基本は放置。 ワタシも放置希望。 なんだ、ワタシたちってば、相性バッチリ? って、でもなんだかカナシイ気がするのはナゼかしら。
途中、キッチンに入ったナナのところへ行き 「今日はこのあと、きょんの年賀状を手伝う約束になっているので、早めに帰るね」(本当です)と報告。 「え!そうなの? なんだー・・・・・・」 なんだー、って、なんだー? どういう意味で、どういう気持ちで言ってるんでしょうか。 「じゃ、もうケーキ切らなくちゃね」
なんだ。 ケーキの心配ですか。 なんだー。 け。
ケーキも食べて、そろそろおいとまを・・・と思い始めた頃、ナナが「ねえねえじょりぃ」と。
これは、お願い事のときのモードでございます。
「なに?」 「年賀状ってさー、ハガキのサイズに絵を描いたり、すっかりできあがった状態にしておけば、パソコンでの処理も楽?」 「どういう意味かな」 この時点ですぐにわかったんですが、ワタシったら意地がわるいもので。 「あのねえ、年賀状、まだつくってないんですけどぉ」 「ふうん」 くるりとナナに背を向けるじょりぃ。 「なんでそっち向くのー(笑)」 「なんとなく」 「じょりぃんちでできない?」 「(背を向けたまま無言)」 「こっち向いてよー」
このくらいのイジワルはアリですよねえ。
「お姉ちゃんちでできるかもしれないから、そうすればじょりぃに迷惑かけなくて済むんだけど」 「お姉ちゃんちでできるよきっと。スキャナはあるの?」 「わかんない。 けど、ないと思う」 「あってもなくても、いいよ。やるから、持ってくれば?」 「さっきすごくイヤそうな顔したくせに」 「してないよ」 「してたじゃんっ」 「してないよ(笑)」 「してました」 「してないよ」 「してた」 「(笑)」
あまりナナがムキになるのでおかしくて笑ってしまったのですが、パパがそんなやりとりを聞いて、ちょっと怪訝そうな顔を。 ホントは「ちょっとイジワルしたくなっただけだよ」と最後に言いたかったのですが、なんとなくやめておいたほうがいいかなと思い、飲み込み。 いわゆる「うじゃじゃけた」会話になっていたのかも、と自ら警戒したじょりぃであります。
うじゃじゃけるもなにも、放置放置のじょりぃなわけですが。 どこに行っても放置。 ひとりぼっちでぽつーーーんのじょりぃ(命名K姫)であります。
とはいえ、このときやっと目を合わせて、いつもの調子で笑い合えたふたりでございます。 ナナ家へ着いてから、およそ4時間後のことであります。
「ねえ。年賀状の元が出来次第、夜中に持っていってもいい?」 「夜中? 夜中って何時?」 「2時とか」 「あん? やだよ」 「なんでー」 「まあいいよ。 じゃあ、電話してから来てよ一応」 「うん」
翌日とかでいいだろうよ、と不審に思ったじょりぃだったのですが、これってもしかして、夜中にナナがひとりで家に来たいってことなんでしょうか。 「元旦につくように、年賀状がんばらないと!」という人ではもちろんありません。 なので、もしかしたら、その線(夜中に家に来てみたい)もなきにしもあらずという感じなんですが。
いやでもまさか。
でもそうなったら楽しいだろうな。 ふたりで夜中のドライブに出掛けるんだそしたら。
は。
いかんいかん。
余計な期待はしないでおきます。 じょりぃったら、ちょっぴりいじけ気味だし。 ダメージはゴメンです。
そんなこんなで、じょりぃ、ちょっぴりおセンチモードでございます。 と同時に、ああでもやっぱり好きなんだなと、ヘンな安心の仕方もしたりして。
「子供抜きで、ナナとじょりぃちゃんと3人でゆっくり外で飲みたいよなー。俺の今のささやかな希望」と言ってくださるパパを出し抜いて「なんとかナナとふたりでゆっくりしたい」と思いを募らすじょりぃを、神様は決して許すはずがないなんてことはないはずです。 と、どっちだかわからなくなるような言い方で、神様を混乱させようとしてみました。
なんていうか、たとえばちょっと手と手を重ねるくらいの程度のものでいいんです。 どんなにささやかでもいいから、そういうスキンシップがあれば、ものすごく気持ちも落ち着きそうな気がするんですが。
なんて今は考えていても、もしその願いが叶ったら、その次、またその次と、欲はどんどんふくらんでいくんでしょうね。
再会当時は「年に一度でいい、また会って話ができれば、夢のようだ」と思っていたのに。 ていうか、今目の前にナナがいて話をしている、という現実すら、うまく把握できないほど興奮して舞い上がっていたワタシだったのに。
欲深だ、ワタシ。
クリスマスに、自分の欲の深さを痛感したじょりぃであります。 ちょっとブルー。 ホワイト・クリスマスならぬ、ブルー・クリスマスでございます。 ビジュアルを想像すると、とってもきれいですが、すごく寒々しいですね。ブルー・クリスマス。
何はともあれ、末子ちゃん、お誕生日おめでとう。 ママがキミを生んでくれて、じょりぃちゃんはとてもホントに嬉しいです。 たとえ、そのときにパパがママの腰をさすっていようとも、 キミがどんなにじょりぃちゃんをいじめようともね。 ただ、じょりぃちゃん、一応人間なので、あんまり乱暴に取り扱わないでね。 壊れると、もう遊べなくなっちゃうからね。 よろしく。
ラヴリーなタイトルにしてみました。
明日、クリスマスはナナの末娘・末子ちゃんの5歳のお誕生日。 「プレゼント持って、行くからね」と末子ちゃんと約束していたものの、なんだかナナと連絡を取るのがだるくてですね。
なぜなら、昨日、ナナに粗末に扱われたからです。 昨日、とか言ってますが、考えてみたらいつでも粗末に扱われていることに今気付きました。
どーしようかなあ、でも、今回は内容的に向こうからって電話しづらいだろうしなあ、なんて思っていたら、末子ちゃんから電話が。
「あのねじょりぃちゃんわだしだけど」 「うんうん」 「明日わだしの誕生日なんだけど、来る?」 「うん。覚えてるよ。 行くよ」 「プレゼント持って?」 「うん。プレゼント持って」
そしたら電話の向こうで最近気むずかしいと評判の次女ちゃんの怒った声が。
「末子! そういうこと言うもんじゃないのー! 失礼でしょーもー」
あら。 末子ちゃん、次女ちゃんにお説教されちゃってます。 めずらしく、なんだかしょんぼりモード。
「ママと代わる・・・・・」
かわいそうに。
ママ登場。 「もしもし?」 「あ、どーも」 「(無言)」 「(無言)」 「なに?」 「ていうか、末子ちゃんから電話もらったんだけど」
かわいくないわワタシ。 でもなんだかムカついたんですよね。
「ああ。 明日、来れるの?じょりぃ」 「うん。 そのつもりだけど」 「どうする? お誕生会に来る? それともすぐ帰るの?」
来る?と言われると、なんだか「来ないで欲しいけど聞いてる」というニュアンスに受け止めてしまうのは、ワタシがひねくれてるからなんでしょうか。
ていうか、冷静になってみれば、たぶんナナは忙しいワタシを気遣ってそういう訊き方をしてくれたんだろうと思えるんですが。 たぶんですけど。 しかし電話中は、そこまでワタシも気が回らず、カチンと。
というわけでワタシの返事は「いや。 プレゼントだけ渡して帰る」 「え? そうなの?」 「うん」 「忙しいの?」 「いや、別にそんなでもないけど。 家族水入らずでお祝いしたまえよ」 「ああ、・・・はい。わかった」 「何時頃なら行っても大丈夫?」 「いつでもいいけどさ。 んーと、 末子はさ、じょりぃちゃん来るの、楽しみにしてたみたいよ?」 「そう」 「お誕生会にってことだけど」 「うん」 「忙しいの?」 「ううん」 「・・・・・・・」 「じゃあ、お誕生会に出ようかな」 「うん。そうしてよ」
最初っからそう言えよ。
ワタシも相当かわいくないですけど。 「じょりぃ、再会当時と比べるとかわいくねーなー」と、ナナもきっと思っているはず。 こんなワタシにアナタがしたのよ。 ていうか、地が出てきたのかしら。
というわけで、明日、6時にナナ宅へ行くことに。
おそるおそる、きょんに報告。
「あの、末子ちゃんの誕生日の件なんですけど」 「ああ」 「明日、6時にうかがうことになりまして」 「そう」 「明日はきょんもお休みなのに、ひとりにしてしまって恐縮なんですが」 「ああ、全然平気だから」
そ、そうですか。 まあよかったです。
明日は、子供たちにご奉仕してきたいと思います。 そう。ワタシは奴隷。
ナナと奴隷ごっこやりたいなはぁはぁなんて一瞬思ったじょりぃですが、奴隷は奴隷でも 「あ、そうじ終わったら、次は洗濯ね。そのあとはパパの肩揉んでやって」 なんて具合の奴隷扱いになるのは目に見えておりますので、やっぱ脚下。
なーんかおもしろくないじょりぃであります。 なんなのかしらこれ。
あ、生理前か。 なーんだ。
今日ってば、ナナとデエトの日だったんですが。 3時まで遊べるよ、ということでしたので、仕事はその時間までばっちりお休みにしまして。 今回のデエトは、我が家からのほうが目的地に全然近かったため、ナナがウチに寄ってから出掛けることに。 いつもはワタシが迎えに行くんですけどね。
しかし、そうなると、時間が心配。
打ち合わせの電話のときに 「というわけで、9時半にあたしがじょりぃんちに行きます」とナナ。 「んー・・・・やっぱりワタシが行きます」 「なんで? ムダじゃん」 「だって、絶対時間守れないよキミ」 「守れますー」 「じゃ、約束は8時半にしておこう」 「なんで? 無理だよ、8時半なんて」 「8時半にしておけば、9時半に着くよ、ちょうど」 「失礼な。 ちゃんと時間どおりに行きますー」
結果。
10時過ぎてますけど。
呼び鈴が鳴ったので玄関に出てみると。
うわっ。
すごい不機嫌そうなナナ。
「遅くなっちゃった。 ゴメン」むすーっ
ゴメン、て言ってますけど、アナタ全然申し訳なさそうじゃないんですけど。 おまけに、ナナの不機嫌ぶりに押されて、なぜかワタシがぺこぺこする事態に。
間違ってます。何かが。
車に乗り込みまして。 相変わらずむっすりしているナナ。 おどおどしているじょりぃ。
やはり、アレです。 「次は周期的にサゲデエト」というワタシの予想はほぼ当たったのではないかと。
なんだか重々しい雰囲気でドライブ出発でございます。 「景色のいいところがいい」と言っていたので、目的地まで遠回りして山道を通っていくことにしたじょりぃ。
「山道通るけど、体調はどう?」 風邪ひきそう、なんて言ってたもので。 「大丈夫だけど。なんで?」 「いえ、 べつに。 酔わない?」 「いつもそれ訊くけどさー、酔わないって言ってるじゃん。なんで訊くの?」ぷりぷり
前にキミが自分で酔うって言ってたからだよ!
どうやら、ワタシがおどおどナナの様子を気にしているのが、かえってカンに触っている様子。 まあ気持ちはわかりますが。 不機嫌には不機嫌で対応するのが基本的なじょりぃの法則ですので、ワタシもそれ以降は沈黙。
それが功を奏したのか、だんだん口数も増えて機嫌も直ってきたナナ。
ほっ。
そのフラワーパークには一度行ったことがあるので自信満々だったじょりぃだったのですが、 やっぱり道に迷いまして。 もはやお約束でございます。
「うーむ。 見えているのに辿り着けない。 何かの罠だろうか」 「くるくるしてみれば?」
くるくるくるくる。
さらに迷いました。
「いよいよわからなくなってしまった。もうパークも見えないし。お母さんに電話して訊いてみようかな」
かなり情けないじょりぃであります。 いい年こいて「お母さんに訊いてみようかな」です。 だって、母はここに何回も来ているものですから。つい。 (この話をきょんにしましたら「かっこわりーーー。ナナもきっとあたしよりそう思ったことだろう」と断言しておりましたとほほ)
「いいよ。探せるよあたしたちで」 「電話すると、まためんどくさいしな。お母さんも行く!とか言われてもなあ」 「それは言わないだろうけど、だからいいよ、電話しなくて」
はい。
くるくるくるくる。
深みに。 ここはどこですか?
「やっぱ電話してみる。お母さんじゃない人に」 「誰に?」 「そのパークを担当している仕事仲間の男の人」 「いいよ、しなくて」 「だってホントにわかんないんだもん」 「このまま行けば着くよ」 「着かないよ。 どんどん離れている気がするし。 ええと、携帯携帯・・・」 「しないで、電話」 きっぱり命令調。 「でも・・・」 「絶対着くから。 あたしを信じればいーのっ」 「 はい」
ナナも相当な方向音痴なんですが。 しかもワタシは土地勘がいくらかあるんですが、県を越えてしまったこのへんは、ナナにはまったくわからないはず。 心配。
「あ! アレじゃないの?」 「・・・・あれ、ただの工場だよ・・・」 どこをどう見れば、あれがフラワーパークに見えるわけ? 「あれは?」 「ただの丘だよ。 あんなさびしい禿げ山のはずないじゃん」 「違うのか」 「やっぱ着かない気がする。電話しちゃダメ?」 「ダメ」
じょりぃ、そわそわ。 ナナも何をそんなに意地を張っているのか。 ていうかナナはきっと「じょりぃって頼りなーい。すぐに人に頼りたがるし」と内心軽蔑しているはず。 内心というか、かなりハッキリそう意思表示されている気もしますが。
くるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくる。
あら、着いちゃった。
「すごい! 着いたよ! キミ、天才だな!」 「だから言ったでしょーーー。 ていうか、あたしが想像していた方向とは全然逆だったけど(笑)」
ナナの機嫌もすっかり直りました。 ワタシの方向音痴のおかげですね。 違うだろというツッコミは、まあまあという感じで。
で、フラワーパーク入場。
・・・・・・・・・・・・。
まあ、今、冬ですし。 ていうか、何を見ればいいんでしょうワタシたち。 とりあえずてくてくと散歩。 ワタシが知っている花木はナナが知らないことが多く、 ナナが知っているものはワタシが知らないことが多く。 なので、おしゃべりが弾むような弾まないような。
そんなひとときを過ごしまして。退園。
すっかり冷えまして。 車に戻るとぽっかぽかー。 エンジンかける前に、しばし休憩。
「鼻が冷たいよー」とナナ。 「鼻?」 「手より冷たくなっちゃうんだよ」 「鼻が高いからかな」
ワタシも鼻が高い方なんですが、ナナのがさらに高いかも。というくらいなので、まあ、冷えるかもね。
「あんまり相手にしてないでしょ」とナナ。 「してるよ。でも鼻だとなんだか親身になれない」 「じょりぃは、鼻、冷えないの?」 「考えたことないな。耳なら冷えるよ」 「じょりぃの鼻、さわっていい?」
え?
「いい けど 」
人差し指とかでちょん、と触るのかなと思っていたら、手のひらごと顔に接近。 じょりぃ、緊張。 どうも最近目の具合がよろしくないので、本日メガネっ子だったじょりぃのメガネが邪魔して、鼻に触りづらそうなナナ。 メガネをよけながら鼻にさわったら
手のひらに、じょりぃのくちびるがさわっちゃいまして。
キスですよ!キス! ナナの手のひらにキスしちゃいましたよみなさん。(騒ぐなよ、という声が今多数聞こえましたが、まあいいです)
ナナ、小さく「あ」と言って、鼻に触れたまま、口に触れてる手のひらだけビミョーに浮かせまして。
じょりぃ、大変緊張中。 硬直。 息止め。
間。
ま です。 あいだ と読まないでください。 かん も不可です。 どうでもいいですかそうですか。
「やっぱ冷たいじゃん」とナナ。 「そうかな」と、自分の鼻を触ってみるじょりぃ。 顔が赤くなってそうでとても心配です。
「あたしの鼻もさわってみてよ。ちゃんと冷たいから」
え!
ちょっと待ってください手のひらが急に汗ばんでしまいましてどうしたらいいんでしょう。
「ん」 と、気のなさそうな返事をしつつ、ナナと同じように鼻に手を持っていってみるじょりぃ。 くちびるにはさわりませんでしたけど。
「冷たいでしょ?」 得意そうなナナ。鼻が冷たいのがそんなに自慢ですか? 「冷たいね(笑)」
と答えましたが、緊張のあまり 鼻が冷たいか冷たくないかなんてどうでもいいこと、さっぱりわかりませんでした。 手が震えるとあまりにもカッコ悪いので、ホントに一瞬しかさわれませんでしたし。
ああ。 でもなんだか、得した気分。 ナナにしてみれば「あたしの鼻の冷たさを思い知れー」という程度のことでしょうけれど、ワタシにとってはこれはもう、大事件でございます。清純派だから。
ごほん。
ええと、他にも史跡を見に行ったり茶ァしたりといろいろあったのですが、「鼻」描写でじょりぃ、すべてを使い切ってしまいました。 どうにも、思い出すだけで緊張しちゃうんですよねえ。 まあ、たかが鼻なんですけどね。 されど鼻 つうことで。 ひとつ。 おまけに、ナナにくちびる触られてしまったので、じょりぃったらガラナチョコレートを一気食いしてしまったコドモのように大興奮でございます。
今日は「予報より暖かかった」とはいえ、とても寒い日でしたもので。 中学のときにナナと二人乗りして帰るときに、「寒いよー」と言いながらナナがワタシのポケットに手を入れて、顔を背中にぴったりくっつけて後ろに乗ってたっけなあ、なんてことをセンチメンタルに思い出してみたりして。 あのときもとってもドキドキしましたが。 このままずっと冬ならいいのに、なんて思ってみたり。 今日もそのことを思い出しながら、ふいにナナが「寒いよー」と言いながらワタシのポケットに手を入れてきそうな錯覚に陥ってしまったり。 ありえないんですけどね。
30過ぎた今、「鼻」でドキドキです。 なんだか色っぽさが中学のときより落ちてる気がしますが。 あまり気にしないことにします。 いえい。
本日、ナナとちょっとだけデエトしました。
前日、ナナから電話が来まして。 「明日、10時頃、じょりぃんち行ってもいい?」と。 特別用事もなさそうなのに、ワタシが比較的自由に動ける午前中を狙ってわざわざやってきてくれるなんて、じょりぃ、大変嬉しゅうございます。 なので「うん、いいよ」とにっこにこと返事したのですが。
この人、2〜3日前から、機械モノの修理を持ち込むためにとある会社に行き着こうとがんばっているのですが、迷子になりっぱなし。 おととい「○○という会社に行きたいんだけど、行ってみたら行けなかった。じょりぃ、場所わかる?」と、相変わらずワタシをネットにつながったパソコン代わりにしているような電話を寄こしまして。 親切なじょりぃは調べて地図をプリントし、ファックスまでしてさしあげまして。
で、昨日の電話で「じょりぃんち行ってもいい?」と冒頭の会話をした後に「今日もチャレンジしてみたけど、結局行けなかった」と。
マジですか?
「じゃあ、そこってウチから近いみたいだし、明日一緒に探してみようか」 「ホント? やった」
しまった。
それが目的ですか?
でもまあ、とにかく久しぶりのデエトです。 10時に来るということは、1時まで一緒にいられるとして、ええと3時間か。 ふふ。
と思っていたら。
いつもどおり1時間遅れて到着。 ホントに時間の守れないふたり。 そう、ワタシも守れたことないので、まあいいんですけどね。
さて。 ここでワタシも迷子になったら、地元なだけに面目丸つぶれです。 緊張して出掛けましたが、 驚くほどあっさりさっくり見つかりました。 その会社ったら、もう、見つけてくださいワタシはココですと大声で叫んでいるかのようなたたずまい。
「どうしてこれがみつからなかったの?」 「ホントだねー」
ホントだねー、じゃないですよまったくもう。
滞りなく修理依頼も終わりまして、帰路へ。
来た道戻れ、って言ってるのに、逆に曲がろうとするナナ。
「だから逆だって」 「え? なんだかこっちに曲がりたい気がするんだけど。じょりぃ、間違ってない?」 「そっちでもいいけど、そっち、ラブホしかないよ」 「あ、そうなの?」
さっくり素直に、来た道の方に曲がりやがりました。
時間が余ったからどこか行こうか、と言ってもらえたので 「天気がいいし、○○公園にいって、散歩でもしましょうか」と、素敵な提案をするじょりぃだったのですが 「あ! あたし、じょりぃに連れていってもらいたいところがあったんだ。せっかくここまで来たのなら」 「え? どこ? いいよ。そこに行こう。 で、どこに?」 「うん。 超安い八百屋があるって聞いたからさ。前にじょりぃにも話したことあるじゃん?覚えてる?」
八百屋ですか奥さん。
「八百屋?!」 「あ。 ヤならいいです」 「行きたいです」 <ヘタレ 「(笑) じゃ、行こ」
八百屋でデエトです。 なんだか自転車で来ている老夫婦が多いような気がするんですが。 なじんでいたらどうしようワタシたち。 チャーミーグリーンの手をつなぐ老夫婦のCMがキライだったひねくれじょりぃなんですが。 なぜワタシがこのようなミステリーゾーンへ?
ナナはなんだか楽しそう。 「あ!安いよホントにー。 へえー、こんなものもあるのか。 あ、これ買っていこうっと」てな具合。 ワタシなんて、安いだのなんだの言われても、通常の値段を知りませんし。
「じょりぃも何か買っていけば?」 「ここでワタシに何を買えと?」 「あ、ほら、バナナがあるよ。 買いたいでしょ?」 「なんでバナナ」 「なんだか似合うよじょりぃ。バナナ。 買いなよ」
これはやはりアレですね。 ワタシのことサルだと思っているという、そういう話ですよね。
「あ! アイスが安いよ。 買いたいけど、うちに帰るまでに溶けちゃうしなあ・・」 「(あまりにも興味がないため放心)」 「じょりぃ、ほら、アイス」 「いらない」 「安いんだよー。買わないともったいないよー(笑)」 「アイス食べないもん」 「つまんないヤツだなー」
つまんないヤツと言われてしまいました。
八百屋が終わってもまだ少し時間があったので、近くのミスドでお茶。 やっとデエトらしい雰囲気に。
こんなにお互い正面で顔見て話すのなんて、ホントに久しぶり。 ぢいいいっと穴があくほど顔を見ながらおしゃべりしてまいりました。
次のデエトの約束も取り付けまして。 じょりぃもなかなかやります。
「何して遊ぼう」と問いましたら 「景色が良くて、散歩できるところに行きましょう」と。
景色が良くて散歩できる八百屋、とかでないことを祈っております。
なんて言いながら、八百屋デエトも楽しかったんですけどね。 チャーミーグリーンみたいで(鳥肌)。
最近、ナナがあまりイジワルをしてくれないので、話がオチなくてつまんないです。 って、ワタシがこういうことでつまんながるのもいかがなものかという感じですが。 「で、オチは?」という容赦ないツッコミを入れてくださる素敵なビューワーさんが多いもので。 ワタシったら思考がおかしなことになっているようでございます。
たぶん、次のデエトはオチると思います。 なんか、周期的に、そんな気が。 期待していてください。 と言うのもいかがなものかと。
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