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2007年11月07日(水) 「民主党」と書いて「恥知らず」と読む

民主党の小沢一郎代表が辞意を撤回した。
一度は記者会見まで開いて辞任を表明した公党の党首が2日で撤回するというのは前代未聞。
こういう醜態は、自民党は勿論、かつての社会党でもなかった。
むしろ、「ボク、やめるぅ〜」とスネてダダをこねていたキャプテンが部員たちに説得されるという、まるで中学のクラブ活動にでもありそうな話である。
しかし、これが先の参議院で大勝した第1党の実態である。
政権担当能力どころか、まともな大人の対応とすらも思えないが、それも所詮は国民自らの選んだことであるのだから仕方あるまい。
さてこういう有様で今後の政治はどうなっていくのであろうか。
とりあえず小沢が辞めようが辞めまいが「ねじれ国会」の現実は変わらないわけだが、ただこの事態を受けて、参院選と安倍辞任以来防戦に立たされていた与党が「精神的優位」を回復したことは間違いあるまい。
これまで解散総選挙に追い込まれて困るのは与党だったのだが、今度は与党が解散という「伝家の宝刀」をチラつかせるだけで民主党は勝手に怯えるというわけだ。
つまり民主党が一連の茶番で失った信頼を回復するには、かなりの時間を要する。
当面、国会に期待されることは、たまりにたまっていた法案を粛々と処理するという本来の機能を果たしていくことであろう。


2007年11月04日(日) 民主党の「終わりの始まり」と当面の政局

参議院選挙の前後、この日記の中で私は、参議院第1党になった民主党の陥るジレンマと、
そこから政権獲得を焦った小沢一郎が民主党を「壊す」可能性について再三言及していた。
例えば選挙3日前の7月26日「『終わりの始まり』はどっちだ!?」の中で次のように書いている。

今回も小沢はまた「壊し屋」の異名を如何なく発揮し、この参院選が単なる「あだ花」、
民主党の「終わりの始まり」になってしまう可能性がないとは言えないのである。

これは4ヶ月も経たずして今日、現実のものとなった。
と言っても軽度の政治的常識と過去の小沢の言動を承知していれば誰にでも予想がつくことであるので、
何も「先見の明」を誇るつもりはさらさらない。
また、私にしても今の時期まさかこのような形で小沢が辞任することは夢にも思わなかったのである。
ただ、参院選勝利で明日にでも小沢政権ができるかのように妄想狂喜していた民主党信者には憫笑するしかないが。

さて小沢辞任で民主党が混乱に陥ることは間違いないが、さりとて政府与党の苦しさ自体が軽減するわけではないし、
むしろ小沢という与野党協調への取っ掛かりを失ったことでますます当面の国会運営が難しくなることが予想される。
尤も、小沢が分裂し、与党と「小連立」でも組むのであれぱ別である。
ただし衆議院議員を何名連れて来ても、何の役にも立たぬ。
「ねじれ国会」を解消するには、参議院議員を20名ばかり連れて来る必要があるし、
今の小沢にそのような力があるのかまで承知していないのでこれは何ともいえぬ。
いずれにしろ本来「選挙互助会」に過ぎず、ただここ一年余はかろうじて小沢という箍でまとまっていたに過ぎぬ民主党の解体への道はこの事態により予想以上に加速しそうである。
ただ言えるのは、「早期の衆議院の解散総選挙」がこれで一時棚上げとなることであろう。
民主党の場合、党の態勢立て直しにはいずれにしろ時間を稼ぐ必要があり、もはや政権獲得どころの話ではなくなった。
従って早期の解散などは、却って自分の首を絞めるだけである。
一方の政府与党にとっては、民主党の混乱に乗じて解散総選挙に打って出て勝利を収め、
その「直近の民意」を旗印に国会運営を優位に進めるプランは、確かになくもない。
ただ仮に衆院選で勝利しようとも参院の「ねじれ」が解消されるわけではないし、
また、民主党がどうあれ、先の衆院選挙で勝ちすぎてしまっている自民党は議席減が予想されるので、
自民党執行部が今すぐ解散を目論めば必ず反対が巻き起こり、あたら党内に無用の混乱が起きるだけである。
従って当面は民主党の状況の推移を注視しつつ、それにあわせて国会対策に専念することになるだろう。
いずれにせよ、「政界の一寸先は闇」である。


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