Memorandum
− メモランダム −
目次|過去|未来
2001年05月31日(木) |
はっきりものを言う政治 |
相変わらず田中外相の”真紀子節”が止まらないようです。先日話題となったのは、先の訪中の際の宿泊ホテルの話。 外務省が用意したのは二つのフロアをらせん階段で結んだ最上級のスイートルーム、宿泊費は一泊約30万近い というもので、あまりの贅沢さに外相は、ランク下の9万円の部屋に変更してもらったそうです。 で、真紀子節で曰く、「今まで累々と、『首相や大臣はそういうところに泊まるもの』という感覚でいた方たちの 顔を思い浮かべながら、なんじゃこりゃと思っていた」とか。(つまり森前首相と河野前外相の顔を思い浮かべたと(笑) 私もテレビのニュース映像で実際にその約30万の個室を見ましたが、なるほど、確かに王侯貴族のような 豪華な部屋でした。こういうところに森氏や河野氏はふんぞり返っていたわけですね。 ただニュースのコメントで、9万円のホテル代を指して、それでも庶民感覚からはほど遠いシロモノ云々、 と言っていたのは気になりました。 庶民からは…って、アナタ、日本を代表する外相ともあろうものが1〜2万円の安ホテルに泊まったら 却ってみっともないでしょうが。7億5千万円もの資産家(真紀子氏)から庶民感覚を説かれるのも違和感がありますが かと言って何でもかんでも庶民を基準にすればよいというものでもない。こういうのは悪平等というやつでしょう。 ついでにもうひとつ別な事、新聞記事で首をかしげたことがあります。 小泉内閣への90%近い支持現象をどう見るかという続きもの記事なのですが、その中でとある識者が、 小泉首相や石原都知事のようなはっきりものを言う人に喝采を送る傾向は怖い、とのたまっておられました。 何が言いたいのか、私には何故それが怖いのかよくわからなかったのですが、それは私が鈍感なせいか、 この方が特異な感覚の持ち主なのかどちらかなのでしょう。 ファシズムに繋がる可能性があるというのがその理由のようですけど、 だったらはっきりものを言わない密室政治は怖くないんでしょうか?こういう言い方がよくないのは 話をすりかえているからです。本当は、はっきりものを言う人一般への支持が怖いのではなくて、 個別小泉氏が靖国参拝や憲法改正など右よりの思想傾向の持ち主だから、左の立場からは怖い、という事でしょう。 例えばこれが、この点に関して逆の立場にある土井たか子氏あたりだったらどうなのか。 彼女も随分はっきりものを言うし、現にかつてはおたかさんブームとやらで相当の人気を集めた事もありました。 でもその時、はっきりものを言う土井氏に人気が集まることをファシズムと結びつけて怖いと言われた話は聞きません。 また、高支持率が怖い、異常だというのなら、お隣の共産主義の大国は支持率100%ですからとてつもなく異常だし、 そしてそんな怖い国の言いなりに進んでなろうとしている政治家は怖い、と言う事にもなりますが、 でも、多分そうは思わないのでしょうね。つまり左の立場から右の思想が気に食わないと単に思っているに過ぎないのに、 それをあたかも高支持率やものをはっきり主張すること自体が悪であるかのような言説に強引に持っていくところに 進歩派メディアのまやかしがあると思わざるをえません。
2001年05月28日(月) |
カブレラは王貞治を超えられるか? |
正確に言うと、王貞治を超えるチャンスを与えられるのか、と言う事です。 西武ライオンズの新外国人選手カプレラが驚異的ペースでホームランを打ちまくり、 このままの勢いなら王さんの持つ55本の年間ホームラン記録の更新は確実と見られます。 しかし、果たしてそうなった時に投手陣から勝負してもらえるのか、今から注目の的です。 と言うのは、過去に日本のプロ野球ではタイトルや記録が絡んだ時の悪質な四球合戦、 特に外国人選手への四球作戦が物議をかもして来ました。 有名なところでは、まず南海の野村克也(現阪神監督)と三冠王を争った阪急のスペンサーへの敬遠攻撃です。 野村と同じ南海の投手陣だけならまだしも、直接タイトル争いと関係のない他チームまでがスペンサーに 露骨な敬遠で打たせまいとし、激怒したスペンサーはバットを逆さまに持って打席に入りましたが、 それでも勝負しようとしませんでした。外国人のスペンサーにはタイトルをとらせまいとして、 日本人である野村に日本球界がこぞって味方したと言われても当然でしょう。球史に残る醜い事件です。 また、件の王さんの記録絡みでは、あの阪神のバースに対する巨人投手陣の態度が問題となりました。 55本にあと1本と迫って迎えた阪神の最終戦が巨人戦、しかも当の王さんが当時監督。 バースを全打席四球で歩かせた巨人投手陣への指示は、王さん本人によるものなのかコーチなのか、 それとも球団フロント、更には球界上層部によるものなのか、いまだに真相ははっきりしません。 個人的には、私にとって子供時代のヒーローであり今でも敬愛する王さんの意向ではなかったと信じたいですが、 しかし非難の的になった事は事実です。 そしていかなる運命の巡り合わせか、今年、カブレラが所属する同一リーグのライバル球団の監督はまたしても王さん。 記録更新がかかった時、ダイエー投手陣は勝負するのか。いや、そもそも西武以外のパ・リーグの他球団は どういう対応をするのか。バース事件の当時はまだそれほど日本野球がアメリカに注目されてはいませんでしたが、 今や野茂やイチローがメジャー・リーグで活躍する時代。”国産”の記録を守ろうと醜い対応をした日には、 海外から非難される事は請け合いです。もうそういう時代ではないと信じたいものですが、果たしてどうなる事でしょう? 考えてみれば王さんも実は外国人(台湾人)だし、そして最多勝記録、最多安打の金田、張本は在日韓国人、 連続試合出場記録の衣笠は黒人とのハーフ、更に言えば年間最多勝はロシア人のスタルヒン(あと稲尾)、 年間最高打率記録保持者はバースです。国産主義にこだわる割りには純血の日本人はいませんね。皮肉なものです。
大相撲夏場所千秋楽、凄い声援でした。え、貴乃花?いや、小泉首相(笑) 右膝負傷を押して出場して優勝した貴乃花の表彰式、総理大臣杯授与にはなんと小泉首相が自ら登場しました。 優勝した貴乃花に送られたのにも負けない割れんばかりの場内声援の中土俵に上がった小泉氏、 表彰状の文面を読み上げた後異例のアドリブで貴乃花に祝福のメッセージ。曰く、 「痛みに耐えてよく頑張った!感動した!」 …、これは構造改革に伴う痛みに国民も耐えてくれとのメッセージでしょうか(笑)。 明日の新聞の政治面のコラムでは多分ちくりと皮肉られるのでしょうね。 それにしても貴乃花、本割りの相撲でのあっさりした敗退は、予め決定戦を見こんでの計算だったのでしょうか。 いずれにしろ相手の武蔵丸はさぞ取りにくかったろうと、勝った貴乃花より負けた武蔵丸にいささか同情を禁じ得ません。 でももし武蔵丸が優勝者だったら小泉首相もパフォーマンスがしにくかったろうと思うと、 つくづく小泉氏の巡り合わせの幸運を感じます。 尤も、一番幸運だったのは、感動の歴史的一番に加えて純ちゃんまで見られた今日の国技館のお客でしょうけどね(笑)
小泉政権発足から丸1ヶ月、今のところ私の評価では、プラス項目は先のハンセン病控訴断念の英断、 そして従来の利権構造にメスを入れる改革の方向性にリーダーシップを見せた事、 一方マイナス点は官邸機密費問題に関する塩川財務相のボケかトボケかわからない発言、 そして真紀子外相の独断先行外交と言うところでしょうか。 ことに親米そして親台湾的傾向を見せる小泉首相と、父角栄元首相がらみで反米親中的感情を露わにする 真紀子外相との外交政策を巡る閣内不一致は、国の根幹に関わる問題だけに重要です。 また、小泉首相自身、靖国参拝や集団的自衛権、そして歴史認識問題に関して、彼の見解はひとつの見識、、 彼自身の信念として仮にいいとしても、でもそれで中韓との善隣友好はどう折り合いをつけるつもりでいるのか。 中韓の言い分を全て是として日本が謝罪と賠償を繰り返す土下座外交が良いとは決して思えませんが、 さりとて現実問題として隣国とどう関わっていけば良いのか難しいところです。 ところで、野党マスコミの政権評価はどうか、というと、発足以来の高支持率に持ってきて、 この度のハンセン病控訴断念へのますます世論の賛辞で、いよいよもって苦しい立場に追いこまれているところでしょう。 まあ野党はまだしも、これまでずっと反権力のポーズで売ってきた一部の自称進歩派マスコミは、 そのタテマエからも、また首相のタカ派的性格への警戒感からも、素直に首相のリーダーシップを肯定する気にはなれず、 例えばかのハンセン病裁判控訴断念にしても、「首相の人気取り」と言いた気な本心がありありです。 確かに世論の風頼みの政権としては当然そういう計算がないわけはないでしょう。 でもそれを批判するマスコミにはまた別な思惑があって評価したくないのだからどっこいです。 こう言う態度を見せられると、却って控訴断念したのが残念みたいな気分があるのかとも疑わしくなります。 進歩派の弱点は、常に弱者の味方を装いながら、実は弱者がずっと弱者のままでなければ困る事です。 何故なら彼らのアイデンティティは常にそこ、つまり弱者は正義であり、そして、 その弱者を支持する自分たちもまた常に正しい、ということにしかないからで、 そのためには弱者はずっと弱者である必要があるからです。 こうした欺瞞性が徐々に彼らの信頼性を失わせつつあるような気がします。 正義を最も危うくしているのは実は最も正義を信じる者自身であるのかもしれません。
ハンセン病判決に国が控訴断念、という画期的な政治判断が出ました。 これは小泉氏個人だから、というよりは、少数派政権で世論の支持頼みの小泉首相だからこそ可能な決断 だったと言えるでしょう。また、これで野党は政権批判の材料を失って、 またしてもコケ役を演じさせられる仕儀と相成りました。まさか、控訴断念にがっかりしてる・・・わけはありませんよね? ハンセン病について私はよく知りません。戦国の武将、大谷刑部が確からい病ではなかったでしょうか。 あと知っているのは、松本清張原作の映画『砂の器』(野村芳太郎監督・1974年松竹) で取り上げられていることぐらいですね。 (ハンセンと言うと思わずスタン・ハンセンを連想してしまふ。全然関係ナイ)。 映画『砂の器』は、数多くの自作が映像化され、そのことごとくに「失望させられている」と述べいた松本清張が、 唯一、原作を上回ると高く評価した作品。 原作ではほんの少し取り上げられているに過ぎない、ハンセン病のために故郷を追われた父子の遍路の道行を 日本の四季の中に描いた橋本忍脚本、そして野村監督の映像世界は圧巻です。 余談ですが、昔この映画をテレビで見ていて、明かな言葉遣いの間違いに気付いた事があります。 映画の後半、捜査会議の席上で犯人の経歴を聞いた内藤武敏演じる捜査課長が、「順風満帆というわけか」というのですが、 これを「じゅんぷうまんぽ」と言ってました。「まんぱん」ですよね。スタッフは誰も気がつかなかったんでしょうか? さて、清張作品の映画化では、私は同じ野村監督による(そして加藤剛主演による)『影の車』が好きなんですが、 これについてはまた別の機会に。
少女マンガ界の『こち亀』と言われ(?)、 今年で連載開始から丸四半世紀を迎える長編大河マンガ『ガラスの仮面』って、 最近一体どうなっているんでしょ? 個人的には少女マンガはあまり読んだ事がないクチなのですが、 この作品だけはコミックス全巻を揃えているファンです。 私の持っているのは41巻までなのですが、その後新刊も出ているのかな? 何せ、なかなか続刊が出ないので現在の状況を把握しておりません。
初めてこの作品を知ったのは、アニメが先でした。 大学時代の夏休み、夕方に再放送していたのをふと見たのがきっかけで 原作も読んでみる気になったのです。 リアルタイムの放映がいつだったのか知りませんが、 勿論、まだ連載途中のアニメ化ですから、 確かコミックスで言うと第11巻あたりまでしか取り上げられてなかったはずです。 まだまだ話の入り口ってとこですよね。
そして、私が初めてコミックスを買い始めた頃には30巻ぐらいまで出てたでしょうか。 それからもう14,5年経ちますから、その間に10巻余りしか続刊してないのは むしろ少なすぎますね。 現にやはり同じ年から始まった『こち亀』はもうとっくに100巻を越えているし。 ここ数年は殆ど途切れがちです。 美内すずえはホントにちゃんと結末を考えているのかな?(笑) どーも予想では、マヤは真澄さんとは結ばれず、紅天女=月影先生と同じ道を歩みそうな感じですが。。。
それはさておき、私がこのコミックス買い始めたときには まだ二十歳ちょっとだったから別に違和感なかったけど、 前回、最後に書店で購入したときにはもういい年したオジさん。ちょっと照れくさかった。 と言う事は、これからますますキツクなる。。早く完結してくれ〜(笑)。
それに実際、四半世紀も経っていれば、今読むと内容的に随所に古臭い部分が出てます。 美内すずえ自身は普遍性をかなり意識していて、なるべくその時々の流行を作品の中には取り入れないように 務めていたそうですが、でも、どうしてもひとつだけ時代を感じさせてしまう部分があるそうです。 それは電話のシーン。何せ25年前にはまだダイヤル式ですからね。それが今や携帯です。確かにIT革命は進んだもんだ。
話がそれますが、 先日土曜ワイド劇場か何かの古いサスペンス物の再放送を見ていて、 電話シーンの時代性を痛感しました。 主人公がふとどこかで犯人一味を偶然見つけ、一人でこっそりとつけて行って、 とうとう一味のアジトを発見する、というようなシチュエーションでしたが、 その場を離れることができず、仲間に電話で連絡できないでいるうちに、 逆に相手に見つかってしまい囚われの身になってしまう・・・という展開でした。 でも今なら単に、携帯で連絡すりゃいいじゃんかよ〜と言うわけで、 そもそもこういうプロット自体が成り立ちません。 そういえば、往年の古典的名作『君の名は』を始めとする、愛し合う者同士がいつもすれ違ってしまうラブ・ロマンスも、 今なら会えなきゃ携帯で連絡とればいいじゃんか、というだけの話にしかならず、テーマ自体が成立しませんね。 「君の名は」と聞く代りに、さっさと携帯の番号を聞いておけって感じ(笑)。 閑話休題。
話を『ガラスの仮面』に戻しますが、この作品のいささか古臭いところは、 基本的設定において、演劇界のスポ根物路線を踏襲しているところですね。 主人公=マヤ=貧乏人・ライバル=あゆみさん=大金持ちという対立図式は、 『巨人の星』『アタックNO.1』とかの60年代スポ根物以来の典型パターンに 添っていると言っていいんじゃないでしょうか。 尤も、でも継続は力なり、で、時代が1回転すれば新鮮な図式として読めなくもありません。 また、山あり谷ありの迂路を経ながら少年(少女)が完成を目指していくという構造は 19世紀のドイツ教養小説以来の伝統的パターンでもあります。 この作品が普遍性を持っているゆえんはもしかしたらその辺にあるのでしょうか。
2001年05月20日(日) |
マッキーはつむじ風(笑) |
「♪なんてったってアーイドール・・・って歌、知ってる?」 と、小泉首相が都議選候補者とのポスター撮影の合間にマスコミにふと言ったそうです。 言うまでもなく、「小泉」今日子が、かれこれ17,8年前にヒットさせた歌の一節ですね。 まさに世は小泉人気です。そして真紀子人気、更に最近は塩爺こと塩川正十郎財務相にも妙な人気が集まり、 90%近い支持率・人気に野党も攻め手を失っている感じですね。 国会で小泉首相や田中真紀子外相を追及しようものなら、抗議のメールが殺到する有様だとか。 NHKの国会中継は異例の高視聴率13%を記録したそうです。 政治への関心が高まる事は良い事ですが、その一方で野党、そしてマスコミから危惧の声が上がっています。 つまり批判が許されないかのような風潮は不健全だ、問題がある、という事でしょう。 一般論としてはその通りだし、私も同意するのですが、 つい先日まで森政権に対して、あらん限りの非難・罵倒の嵐が浴びせられていた事は 果たしてそんなに「健全」だったのかと疑問も涌きます。 日本人はよほど談合や根回し、調整型密室政治がお好きなようで、常日頃リーダーシップの欠如を嘆いていたかと思うと、 石原都知事や田中長野県知事、それに小泉首相と持論を述べて大衆にアピールする政治家はすぐに やれ独裁だ、ファッショだヒトラーだと批判を始めるようです。この点ではマスコミも同様ですね。 つまり国対政治、密室政治と言う枠の中で野党もマスコミも時の政権批判をしていればよいのであって、 国民大衆にアピールするのは自分たちだけという夜郎自大的思いこみがあるので、 権力そのものが直接PRする事には拒否反応を示すのでしょう。マスコミにも意識改革が必要ですね。
ところで田中真紀子外相、ナニかと物議をかもしてますね(笑)。 現時点では外相失格とワタシも思いますが、それでも真紀子批判にシンパシーが沸かないのは、 その急先鋒が外務官僚上がりの野党議員だとか、利権と癒着した旧竹下派議員だのと、 今現在、大衆に蛇蝎の如く嫌われてる連中だからでしょう。 「なんてったってアイドル」で思い出しましたが、昔、「ナッキーはつむじ風」という榊原郁恵主演のアイドル・ドラマが なかったかな?(笑)ナッキーならぬマッキ-は、まあ、話題は提供してくれる外相ではあるでしょう それで政治に関心持った国民が良し悪しを判断してくれれば御の字ですが。
そう言えば小泉氏も、野党第1党民主党党首鳩山氏も、同じく世襲議員なのに鳩山氏にはさっぱり人気が集まらないですね。 永田町では「宇宙人」と呼ばれている鳩山氏だそうですが、あまりにぶっ飛びすぎていて、 「永田町の変人=普通の国民」(首相CM)にはかなわない??
テレビドラマを殆ど見ないんですが、子供の頃から時代劇、というより歴史物が好きなので NHKの大河ドラマだけは毎年欠かさず見てます。 尤も、昨年の「葵 徳川三代」はややハズレでした。 その前の年の「元禄繚乱」もそうですが、長年見ていると同種の題材はいささか食傷気味になるのは致し方ありません。 第一、西田敏行の秀忠。秀忠なんだか「釣りバカ」の浜ちゃんなんだか、何を演じても最近同じに見えてしまいました。 スーさんや、佐々木課長、奥さんのミチコさんは出てこないの?とつい思ったりして。 役者が同じ役を続けすぎるとよくないとですね。 西田敏行も渥美清の道を進むのだろうかと心配です。余計なお世話ですが。
さて、NHK大河ドラマでよく取り上げられる時代・題材は、戦国時代、忠臣蔵、そして幕末がベスト3でしょう。 そしてもっとも人気の高いのは戦国物、逆にフシギといつも視聴率が悪く人気がないのは幕末物です。 派手な合戦シーンのある戦国物に比べると、主に京都とというごく狭い場所がその舞台、 しかも宮廷内での陰謀や駆け引きなど、密室政治が中心で話が複雑だし、 せいぜいアクション・シーンは新撰組の斬り合いくらいしかないので視聴者が退屈するのかもしれません。 また、使用された原作のNO.1は司馬遼太郎だと思いますが、 さすがにもう大河の元ネタには今後あまりならないでしょう。 原作はまだまだ豊富ですが、映像化可能な作品となると(・_・?)ハテ。 聞くところによると、日露戦争で活躍した秋山兄弟と正岡子規を扱った 「坂の上の雲」のドラマ化をNHK側は強く望んだそうですが、 生前、司馬遼から断られたし、死後も映像化しないコトを遺言しているそうです。 確かに、スケールの大きい話だけに、ちまちま扱われては原作を損なうだろうし、 演出によっては単なる英雄談や戦争物にされて、原作に込めた司馬の歴史観を歪める結果になりかねないから、 なかなか映像にはなりにくいかもしれません。
さて、今年の大河は「北条時宗」です。 史実と照らし合わせると何だか怪しげなところもありますが、今まで取り上げられたことのない時代ゆえ、 個人的には面白く見ています。でもあまり一般受けはしていないんでしょうか。 私は面白いですが、でも馴染みないから面白くない、 信長、秀吉、家康のような定番話の方が視聴者も安心して見られるというところもあるでしょうね。 (尤もマンネリの典型である水戸黄門は定番から離れましたが)。 更に来年の大河は前田利家とその妻まつを描いた、またしても定番戦国物、そして内助の功物?、 しかも民放トレンディドラマから総トレードしたような配役だそうで、 個人的には興味が今から失せてるいけど、でも若い人は見るのかな?
考えてみれば、大河ドラマって、高度成長期の遺物、つまり山あり谷あり、しかし努力して成功をつかむという あるべき庶民出生物語の象徴として存在していた側面があると思います(これは朝の連ドラにも言えることです) そう言う意味では、価値観の多様化した今、国民的ドラマとしてはその使命を終えているのかもしれません。
ところで今後の大河、 何十年後かには明治以降、或いは昭和も取り上げられる事があるんでしょうか(それまで続いてれば、の話ですが) もかしたら、田中角栄とかも「昭和太閤記」とか言って、大河ドラマになったりして。。。?
CSのフジテレビで『白い巨塔』を放映しているそうですね。 残念ながら私は見られませんが、往年の名作ドラマであり、 そして薬害エイズ裁判や医療ミスなどが問題となっている昨今、タイムリーな企画だと思います。 できれば地上波でもやってくれないかな〜。 このドラマ、リアルタイムの放映時には見られませんでしたが、再放送時にすっかりはまってしまい、 のちに山崎豊子の原作も読みました。 原作も素晴らしいのですが、やはり特筆すべきはこのドラマの撮影終了直後に謎の散弾銃自殺を遂げたという、 田宮二郎の演技でしょう。財前教授の知的でクールで、内に秘めた野望を表現できる役者は田宮しかいない と言っても過言ではない気がします。 1970年代に田宮は「白い滑走路」「高原へいらっしゃい」などの連続ドラマに一貫して主演していますが、 エリート、それも屈折したエリートの役はまさに適任です。 そして共演の俳優陣がまた凄い。中村伸郎、小沢栄太郎、加藤嘉、佐分利信らの名優が教授役で勢ぞろいしています。 もうこれだけ重厚な配役は実現不可能でしょう。また、財前の義父役の曾我廼家明蝶も 豪快な浪速の男というイメージがよくでているし、里見助教授役の山本学も好演です。 端役に至るまでいちいち尤もと思わせるキャスティングです。うーん、昔はこんなドラマが製作可能だったのですね。 ストーリーに目を移すと、医学には全く素人でありながら、 これだけの作品を書き上げた原作の山崎豊子の筆力の凄さには圧倒されます。 ただ、誤診裁判の部分で若干強引な部分も感じられる気がします。これは、先般の薬害エイズ裁判などで 医療サイドの責任に同情的な判決がでた事例があるからでしょうか。 それはともかく、アカデミズムの内幕物には松本清張などの著作もありますが、 医学界にこれだけ鋭く”メス”をいれた作品はほかに例を見ないでしょう。 ドラマに話を戻すと、田宮二郎はそれ以前にも山本薩夫監督による映画版で財前を演じています。 でも、この時には田宮もまだ若すぎて、少壮の助教授としてもいささか貫禄不足でした。 それに、大阪が舞台という事を意識して、台詞が全部関西弁になってるのですね。 関西の方には失礼かもしれませんが、シリアスな大学病院の話としては、何となく間の抜けた印象でした。 テレビでは昔、佐藤慶主演でドラマ化された事があるそうですが、これは見た事がありません。 また、田宮版よりずっと後で、スペシャルドラマで村上弘明が演じていますが、 やはり田宮版の印象が強烈過ぎるため、かなり違和感がありました。 そう言えば同じ田宮主演の医者物である「白い影」が先般リメイクされましたが、 まさかそれに味をしめて次は「白い巨塔」も、なんて話はないんでしょうね。 現在のちゃちな演出で安易にドラマ化して欲しくないし、まして中居正広なんかでやられた日には、 原作も田宮の名演もぶち壊しです。絶対それだけはしないで欲しいと切に祈る今日この頃?です。
2001年05月05日(土) |
全日本プロレス解散の噂 |
ネットで、全日本プロレスが解散するかもしれないと言う噂を目にしました。 ガセネタかもしれませんが、あってもおかしくない話だけに気になります。 馬場・鶴田の死去、そして昨年の分裂後は殆ど関心のなくなってしまっている私ですが、 29年続いた老舗団体の消滅が事実だとすれば一抹の寂しさは拭えません。 思えば全日は馬場個人商店であり、馬場一代の組織、 分裂や消滅も必然の流れだったと言う事でしょう。 かたや、力道山のプロレスを継ぐもう一方の雄、新日本プロレスは、 創始者である猪木が潰しに掛かっているという話もあります。 世紀の狂人・猪木サンという人はそれくらいやりかねません。 現役を退いた今でも常に時代の中心であり続ける猪木という人にはある意味感動すら覚えます。 それはともかく、さて、全日解散の真相は如何?
凶悪事件が相次ぎますね。台東区の路地裏で女子短大生刺殺とか。 唯一日本の世界に冠たるところは、治安のよさ、犯罪の少なさだったのですが、 6年前のオウム事件このかた、それもすっかり怪しくなってしまいました。 そう言えば今日はネオ麦茶こと西鉄バスジャック事件1周年。 某巨大掲示板あたりでは何事かまた期待する書きこみが相次いでいましたが、 金正日の息子?不法入国と言う思わぬ事件が勃発しました。 小泉政権発足早々危機管理のあり方が問われる事態となりましたが、 とりあえず触らぬ神に崇りなしとばかりに、第三国に国外退去させることで決着させる模様です。 一体何なんでしょうね、お隣の国は。 それにしても首相が森氏でなくてよかったかもしれません。また何をやらかす事かわかったものでありませんから。
今現在特定の球団のひいきというものがない私ですが、 それでもここ3年は阪神タイガースに注目しています。 ダメ虎にあの知将・野村が来てどう変わるのか(或いは変わらないのか) という点に興味があったのですが、 結果の問われる3年目、相変わらずダメ虎はダメ虎、いやダメ猫のままのようです。 これは野村が悪いのかそれとも阪神球団自体に問題があるのか、論議を呼ぶところです。
プロは結果が全てですから、 ひとつも順位を上げられない野村の手腕が問われるのはやむを得ない事ですが、 しかしあの戦力で勝てというのはそもそも無理な話しだという気もします。 戦力アップも監督の役目と言えばそれまでですが、 しかし野村は基本的に、選手を育成するタイプではありません。 どちらかと言えば、ある程度既に能力の備わった選手のいいところを引き出して使うタイプ、 言わば采配型の監督といえます。 これに対して育成型は、典型的なのは元阪急・近鉄の西本監督でしょう。 (あのミスター長島も実はこのタイプに入ります。 従って彼が常勝巨人の監督をしているということは、恐ろしく間違った話なのです。 巨人の監督としては、藤田監督のような人が最適任でしょう。)
阪神と10年前のヤクルトを比較すれば、 阪神には古田もいなければ池山、広沢(いまの広沢ではありません)もいないし、 ましてハウエルやオマリーのような強力外国人もいません。 飯田や土橋になれそうな素材はなくもありませんが、 しかしそれも核となる選手がいてのいぶし銀の脇役です。 だとすると、これは結局誰が監督をしても同じ事であり、それ以前に球団体質の問題、 つまり悪しき「阪神スパイラル」が存在する限りは永久に阪神が浮ぶ瀬はない、 ということになるでしょうか。
ま、阪神は所詮阪神ファンのおもちゃとして存在意義があるんだから それはそれでいいじゃないか、と言えば、阪神ファンに怒られるでしょうが。。
|