空にオチル

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白い指輪。


あなたの指輪は捨てたのに

わたしの指に、残ってる

消せない想いと日焼けの残像。

白い指輪を、はめたまま。





雑踏。

変わる信号。

動き出す人のうねり。顔、顔、顔。


どこに行くの?どこに生くの?どこに逝くの?

みんな、幸せになりたくて、歩いているのに。


ここでは、人の嘆きやため息もSOSも、

嬌声とクラクションと宣伝に、かき消されちゃうね。


あぁ、ぼくは、この雑踏に、ぼくを見つけられるだろうか。

ぼくの嘆きは、今、僕自身にすら、届かない。

ぼくは、いったい、どこにいこうと、しているんだろう。



夜明け前。

朝は、いつになったら訪れるのだろう。

朝は、どうやったらやってくるのだろう。


夜明けの来ない夜はない、そんなの知っていたって

この闇を見てると、まるで、永遠に続くような気がして

わたしは恐怖に目を閉じてしまいそうになる。


「闇が深ければ深いほど、暁は近い。」

濃さをましてゆく闇が、もし、夜明けを連れてくるのなら

夜明けに気づくために、わたしは闇を見据えよう。


「闇が深ければ深いほど、暁は近い。」

その言葉だけを、呪文みたいに、くりかえし、くりかえし。

ただ、迷いながら彷徨いながら休みながら、その全てが確実にたぶん、

夜明けに向かって。


Real −Release−

「だって、おカネがない」「時間がない」「わたしなんか」

「あいつのせいだ」「だって不況だし」「才能ないもん」

こんなもんでしょ?現実なんて。


そんな捨て台詞を遺言に、たくさんの現実をこしらえては

自分の首をしめて。


現実なんて、存在もしないやつを殺人者に仕立てて

きみは今、ゆるやかに自殺しようとしている。


現実って言葉に縛られて、動けずに、苦しんでる姿は

さながら地縛霊のようさ。


でも、ほんとは、知ってるんだろ。

動けないんじゃなくて、動かないだけだということ。

苦しいのは、ほんとは、いきたいからなんだろ。

きみが苦しいのなら、いきたいのなら、まだ、

その現実を変えるチカラは、その手の中に生きてんだ。


だから、行こう。

泣きそうになる、このRealをにらみつけて

自分のお尻をひっぱたいて。

きみが麻痺しちゃう前に、何も望まなくなる前に。

この道のりって、辛いなんてもんじゃないだろうけど

じっとしてても苦しいんなら、動いて苦しんだほうがましってもんさ。

そして、きみが動くなら、現実もまた必ず、動くだろう。

きみに最後は、屈服するだろう。きみは屈服させるだろう。


ぼくらは、もう、生きてるってだけで、

望めば、どこにでもいけるパスポートを持ってるんだ。

さぁ、ぼくは、どこに行こうか。


大地。


ぼくが、ぶざまに転んだとしても

大地は変わらず、ぼくを受けとめてくれるだろう。


地面に這いつくばって、気づく、

その温度とか、大きさとか。

ぼくが落とした涙も、残らず全部、吸い込んで

ただ、静かに、いつも、ぼくを支えてそこにあった。


ぼくが、ぶざまに転んだとしても

大地は変わらず、ぼくを受けとめてくれるだろう。


君がいるから、立ち上がれるんだ。

大地のように、君がいるから。


走光性

光に向かって、一心腐乱に

人から愚かと笑われても

例え、身が焼かれることがあったって

飛ばずにはいられないなら

いきなさい、夏の虫たち。

その光の向こうへ、自身のままに。


ばななこ |MAILHomePage

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