絵画制作日誌    Diary INDEXBACKNEXTHOME GALLERY


模写続き。和紙・メーカー差、ジェッソ地差の実験。         2005年06月25日(土)

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フラアンジェリコ・受胎告知の模写〜続き
フラアンジェリコ・受胎告知模写・顔の輪郭線2005-0624_07.jpg フラアンジェリコ・受胎告知模写2005-0624_06.jpg
顔と手に白色系のモデリング。バックがないとなんかピンとこないなぁ。
ちょっと集中力がない感じ。夏が近づいて、この部屋も暑い…。

暑さにどこまで耐えられるか(笑)
クーラーも扇風機もない部屋、角部屋北東向きで環境はいいけれど、
風がないよ。湯煎用の温度計が30℃越えていた。
30℃越えるとやっぱり耐え難く、集中力散漫。
早くも夏ばてしそう。昨年まではクーラー付きの場所で制作してたけど、
今年は耐えられるかしら。はぁ。

今日、やっぱり光化学スモッグ注意報が。窓も開けない方がいいらしい。
昨日も暑さて窓開けてたらいきなり隣の空き地で業者が芝刈り機。
たぶんそのうち近くの廃墟公団も大々的に壊して新築するんだろうな。
騒音はイヤだなぁ。それでなくても金箔も今後使う予定だから、
窓はあんまし開けられない。暑いとなると…。買えるとしたら扇風機か…。
はぁ…、どないしょっとか。暑さに慣れればいいのかしら(^^ゞ。

和紙の差
和紙・因州水墨画用麻紙2005-0624_05.jpg
麻紙が丈夫でいいと聞いていたので、『因州水墨画用麻紙』を使ってみた。
う〜ん、キャンバスに和紙貼りしてる途中、膠水で毛羽立つなぁ。
和紙のデコボコが裏目に出て、ツルツルした画面をつくるのが難しい。

和紙・水墨画用画仙紙2005-0624_03.jpg
こっちに変えてみた。厚みがあり、表面がツルツルしている。
そのままの紙の状態で描いてみる。品名、達筆すぎて読めません。
和紙、ケルト文様・魚・右部分、ドクターマーチンの顔料系黒インク、ニュートン透明水彩2005-0624_02.jpg
さすが水墨画用。にじみますね。にじみの線は面白いけれど、
鉛筆下描きは不向き。消せない。
でも透明水彩の色は、しっかり出て、日本画絵の具のような味わいが。

和紙にジェッソ、ケルト文様・魚・左部分、ドクターマーチンの顔料系黒インク、ニュートン透明水彩2005-0624_01.jpg
ジェッソを塗ってから描いてみた。
厚みがあるのでジェッソが塗れる。ジェッソに水を加えず厚めに塗り、
ヤスリがないので布で磨いてみた。結構ツルツルになるぞ。

おぉ、鉛筆の下描きを受け付けるぞ。インクはにじまない。
水彩は吸収を抑えられ、はじきはないけれど、
タッチがそのまま残り、水がたまりがちなので丁寧に筆で吸い取り
はっきりとした絵ができた。毛羽立ちもないし、結構いいかも。

by HPY


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模写・手のモデリング。グラッフィート実験開始。         2005年06月22日(水)

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フラアンジェリコ・受胎告知模写・顔の輪郭線2005-0622_01.jpg
今日は時間がなくて、手の輪郭と白色モデリングだけ。
シルバーホワイトとフレンチバーミリオンで、中間色より明るい白部分だけ描く。
真っ白にせず、暗部はそのままテールベルト色を残すのがコツ。…だそうだ。

この絵、首や手がやたら長い。長いけど優美。
それでいて筋肉とかきちんと押さえてる。
ダ・ヴィンチより前だから、まだ解剖学発達してないと思うんだけれど、
経験値だけでこの正確で端正なラインがとれてるのか…。
やっぱフラ・アンジェリコってエライ人だなぁ。

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金箔と油彩層のテスト
金箔テスト・板地2005-0622_03.jpg 金箔テスト・キャンバス布に膠つけ2005-0622_02.jpg
左が板地金箔、右がキャンバス布に金箔。
明らかにキャンバス布の方は情けないが、絵の具をのせるとそうでもないかな?

板地金箔に油彩層をのせ、ニードルで引っ掻いてみると、細いラインに金がのぞく。
グラッフィートという技法だそうで、ペン画と同じように描ける。
結構面白いので、油彩層をのせて乾かしている。
ペン画は黒くしていくのに対し、グラッフィートは明るい部分が見えてくるのが
違う。キャンバス地でも試してみようっと。

by HPY


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受胎告知彩色!〜顔料水練りとメーカーの色差、密閉容器         2005年06月20日(月)

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フラアンジェリコ・受胎告知模写・顔と服の着彩2005-0621_03.jpg フラアンジェリコ・受胎告知模写・顔の輪郭線2005-0621_07.jpg

やーーーーーーーっと、着彩だよ!!
ここまでの道のりは長かった…。石膏削り、トレース、トレース線刻、
金箔貼り、金箔磨き、金箔線刻、はみ出し部分チタン白+膠で修正…。

顔や手の肌部分にテールベルト(緑土)、シルバーホワイトを卵黄テンペラで、
服部分は、フレンチバーミリオン・アリザリンレーキ、チタンホワイトを。
髪の毛はローシェナとシルバーホワイト、
輪郭線は、ローアンバー、イエローオーカーなどの土性顔料と、
赤味にローズマダー、含み白にシルバーホワイト。

卵黄だけのテンペラは初めて。全卵やオイル入りテンペラはいつもやってるけど。
卵黄テンペラ、混ぜものなくて、それだけで半艶があって綺麗だなぁ。

油彩画と違って、最初から部分を攻めていく(らしい)。下地塗りが終わったら、
いきなり輪郭線をキメル。ラファエル筆8408・3/0号サイズの細〜〜い面相で行く。

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メーカーの顔料の違い
テールベルト顔料見本2005-0621_04.jpg
メーカーによって顔料の色味がずいぶん異なる。これはその見本。
テールベルト。左上、ホルベイン。少し黄緑がかっていて色は薄め。
右上、マツダ。一番色が濃く、黒に近い。
下、先生がイタリアZECCHI(ゼッキ)で買ったテールベルト(明色)。
結局、先生のを使わせていただいた。
真ん中は適当にシルバーホワイトを入れたりして色調整したもの。

テールベルトは天然土だから、と言うこともあって、
メーカーによってものすごく色が違うというのは知っていたけれど、
こんなに違うと顔料選びにも気を使うなぁ。黒いのは使いづらいよ。

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顔料の水練り
顔料水練り2005-0621_01.jpg
顔料は今まで適当に水を入れ、冷蔵庫に保管してあったけれど、
粒が残ったり乾燥してカラカラになったりして、困っていた。
顔料は、パレットの上で水練りして(色によってはアルコールを加える)、
密閉容器に保存して、乾き気味になったら水を加えるといいらしい。
冷蔵庫に保管する必要はない。でもカビたことあるので、
今回精製水を使った。

専用のガラス練り棒も売ってるけれど、高いので、
ペーパーパレットとパレットナイフで水練りOKらしい。
でも、ペーパーパレット嫌いだし持ってないので、
100円均一で白いプラスチックのまな板シートを買い、
代用した。一回ごとに軽く拭いて水洗いしていいじゃん。ゴミ減量。

水練りすると粒が消えてよく馴染みいい感じ。
容器で保管して、絵を描く時に使う量だけスプーンの柄でほんの少量、
皿に出して卵黄(+酢)と混ぜて絵の具を作る。
すぐ追加できるから、作りすぎて使い切れず捨てる量がぐんと減るね。

顔料水練り保存2005-0621_06.jpg
こうしてみると、ローズマダーもメーカーでずいぶん違う。
洋画顔料のイエローオーカーと日本画水干の黄土、
名前は共通して天然黄土。ま、色は若干違うけど。
どっちも使ってみよう。日本画顔料、好きなんだよね。
洋画顔料にこだわる必要はないしさ。

密閉容器はポスターカラーの容器などがいいんだろうけれど、
空容器を買うのもバカバカしいので、100円均一で
化粧用トラベルクリーム三段のヤツを買う。それを密閉容器に入れた。
三段は使いやすいよ。バラバラにならないから。

by HPY


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和紙貼りキャンバス実験。金箔でめのうヘラで線刻。         2005年06月17日(金)

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地塗り実験(キャンバスに和紙貼り)2005-0616_02.jpg
和紙貼り実験
金箔を貼りたいが、板地は石膏削りが辛すぎる。
普通のキャンバスだと布目が粗すぎて平滑じゃないから光りが鈍い。
10回ジェッソを塗りたくっても、布目は消えない。
紙だと油彩層をのせるのが不安。

そこで実験。キャンバス(水性)に和紙貼り。和紙は水墨画用の麻紙。
選んだ理由は価格と、麻紙は丈夫だから。黄ばみがあっていい感じ。

できた下地は、ケント紙のようにつる〜〜〜んとして、触ると気持ちいい!
和紙なしでは、ここまでつるんとはしない。ヤスリがポイントなのは間違いないけど。
うんうん、なかなかいいんじゃない?
和紙貼りの描き心地はいかに?!
…って、昔やったことあったわ。線描や細密には適してたっけかね。

あと特徴としては、当然板より軽い。
チタン加えたから少し合成樹脂分が押さえられて柔らかめ。かな。

キャンバスのほかに、トールペイント用の白木、版画用の朴(ほお)の木で試す。
理由は手頃な値段&大きさ&軽いから。これには文様実験をする予定。

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金箔線刻
彫金用めのうヘラ2005-0617_01.jpg フラアンジェリコ・受胎告知模写・金箔線刻2005-0617_02.jpg
彫金用めのうヘラの先を少し磨いて丸めてからで線刻。
以前エッチングをやったとき、金属彫りは堅くて手が痛くて辛いから、
もう絶対辞めようと挫折したのに、今やってることは、同じことだぁ。
銅板より柔らかいとはいえ、金箔4層の上に、めのう棒で線刻。

3層だったんだけれど、傷が目立つんでもう一枚のせてみた。
水を使うまでもなく(乾かないし)、はぁっと吐く息程度の湿り気で充分貼れる。
慣れれば湿り気なくても強引に貼れる。
磨き用めのう棒(1〜2万円)がないので、困ったけれど、
めのうヘラのヘラの部分で磨いちゃった。
面積狭いから時間かかるけど、…う〜〜ん、できないことはないな。

めのう棒、買うなら大きい平型がいいな。>>めのう棒購入メモ
4層の方が、線刻しやすいね。強すぎて下地を削ることもないし、
だんだんこの柔らかさに慣れるといい感じ。手は痛くなるけど。休み休み。

写真では光やカメラが写り込んじゃうんでうまく撮れないけれど、
板地金箔って、本当に綺麗!!
ピカーーッッと光って神々しい。
暗い部屋に置いて、隣の明るい部屋から覗くと、そこだけピカピカ目立つのなんのって。
当時の建物は電気もないし、窓も小さいんだよね。
窓を大きく取ると、石作りの建物の強度が保てなくなるから、
ステンドグラス窓は頑張ってるけれど、あれはガラスの間の金属棒が
補強になってるんだと思う。

そんな中で、わずかな光で金箔だけ光ってるの。
キリストや聖人のシルエットに沿って貼られた金が。
これは信者じゃなくても、何か降りてくるような、不思議な気分がしちゃいます。

by HPY


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これからの手順と、めのうヘラ磨き。意固地なウツな事。         2005年06月15日(水)

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金箔、めのう棒で線刻して、余分な金箔を湿らせた綿と竹串で取り、
チタンと膠を溶いて、その金箔とった箇所に白をのせて隠し、
顔料を水練りして用意し、展色材は卵黄、
顔部分にテールベルト、服部分に朱、髪はシェナ土、それぞれ
シルバーホワイトを少量入れて塗る…。

この手順を日曜夜考えていたら、途方にくれて、
月曜から何にも手に着かず、なんとなく疲れてやたら寝てしまう。

制作関係で昨日やったこと。
渋谷ハンズで1080円で買ってきためのうヘラ、
そのままでは先が鋭すぎて金箔を切ってしまうので少しヤスリで
丸くする。2000番。何度か試して落ち着いた。

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のんびり行きたいんだけれどさ。マイペースで。
やらなくちゃいけない事があると、やりたくない。意地でもやらない。
前々からそういう傾向あったけれど、最近は意固地にひどい。
先週金土日が怒濤のような3日間で絶好調だったんだけれど、
月曜からその反動か雨のせいか、もう全然燃え尽きてるよ。

あ、途中2度ほど入った仕事と、
子供がプールで捕まえてきたヤゴの世話はやったけど。
絵画教室のblogも作り直したなぁ。ネットは活字の宝庫で麻薬的。

ウツ的傾向が出るのヤだから、〆切はなるべく避けたい。受注なんかもってのほか。
職人としてプロとして、やっていきたくともこの性癖はまずいなぁ。

そういやUTU-NETは面白いよ。>>http://www.utu-net.com/

不安とは、「明確な対象をもたない怖れの感情である」と定義されています。つまり、ある人に漠然とした危険が迫り、自分がそれに対処できないかもしれないと感じたときに、生まれる感情であると言えます。

今までに不安な気持ちを一度も感じたことがないという人は、ほとんどいないでしょう。不安は私たちの最も身近にある感情で、人が生きていくための一種の防衛反応であるとも言われています。

…だそうです。まぁ、『心の風邪』とも言われてるウツ、
そんなにびびんなくてもいいんですけれどね。

by HPY


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エチルアルコール、金箔貼り〜上には上が…。         2005年06月12日(日)

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エタノール2005-0612_01.jpg
薬局でエチルアルコールを探した。ないじゃん。
ネットで調べたら、エチルアルコール=エタノールだった。

http://www.live-science.com/honkan/partner/ethanol.html
エタノール(エチルアルコール)(CH3CH2OH)
ethanol, ethyl alcohol

な〜んも知らなかった。(^_^;
値段も3倍ぐらい違うんだけれど、
パーセンテージの高い「無水エタノール」を買った。
用途は、水に馴染まない顔料を溶かす用、金箔二度貼り用。

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金箔実験 あかし紙
あかし紙を買う。さっそくやってみる。
ん〜〜。アルコールとは相性が悪い(和紙部分ににじむ)
やっぱり水だけでの作業となる。
簡単と言えば簡単だけれど、思ったよりは簡単ではない(苦笑)。
相変わらず認識が甘い。

あかし紙ごとはさみで切って、部分貼りもやってみたけれど、
本当にさっさと手早く作業しないと
あかし紙に貼りついちゃうんだよね。
貼りたい場所と同じ大きさに切るのが、以外と難しい。
図形の問題みたい。

西洋式の箔バケとの差は、広い面積はあかし紙、
狭い部分、曲がりくねった所、補修には、箔バケ、 が、便利。
住み分けですね…。

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フラアンジェリコ・受胎告知模写2005-0612_02.jpg フラアンジェリコ・受胎告知模写2005-0612_03.jpg
さて、日曜の講習会。
金箔貼りは自分では上手くいったと思ってたけれど、
とんでもなく上手い人がいて、惨敗気分。ただの及第点。

その、とんでもなく上手い人は、同時点スタートだと思うんだけれど、
練習量が違うのね。何百回もやってみた、と言っていた。
注文した100枚使い切ったらしいから、スゲー。

自分の最初の見本が、多少傷有りだったので、
こんなもんかな、と思って容認していたけれど、
本当に鏡のように綺麗にツル〜〜ン、ピカ〜〜〜ッと
行けるんだなぁ。貼る枚数にはあまり関係ない。
重要なのは、下地石膏に傷がないことと、
ボーロの濃度、磨きのタイミング、だそう。
自分の失敗は、特にボーロが影響しているようだ。

講習会でやったこと。

  1. めのうコンパスで光輪を描く
  2. 金箔に刻印を押す
  3. 放射線状にめのう棒で光の帯を入れる

先は長い。

by HPY


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金箔貼りの手順(今度は失敗しなかったぞ!)         2005年06月08日(水)

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フラアンジェリコ・受胎告知模写2005-0608_02.jpg
金箔貼りもテスト5枚目を経て、ようやく慣れてきた。