絵画制作日誌    Diary INDEXBACKNEXTHOME GALLERY


人物背景に文様を〜金箔貼りの復習&テスト         2005年04月26日(火)

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女性像 女性像(文様バック)

静物3部作が終わったので、人物を久しぶりに描いてみようかと。
ポイントはやっぱりバック。0号小品にテスト。
地塗りはホルベインのアクリルジェッソ、
ブラック、バーントアンバー、白で色を作り、10層塗る。
金箔貼りを勉強中なので、どこかに金箔を入れたい。

絵としていくつかパターンがあると思うんだけれど、
最近流行は、形にならない流動的な模様を
マチエールを駆使して使いこなすことだとしても、
自分は偶然できる形や模様に興味がないような気がする。
それならばと、いっそ文様を入れて装飾的にしようかと。
文様は自分で最初から創作できるとは思わないので、
ペルシアあたりの古い文様を参考に、
人物の後ろに配置することにした。金箔貼り、楽しみ〜〜。

人物は、黒い帽子、黒い服、赤いショールで、
シンプルだから、文様が複雑でも比較で映えるだろう。

金箔道具(自作)

さて、問題の金箔貼り。
今、目黒区美術館・石原先生のワークショップに参加している。
前回までの講義は、金箔用の道具を作り、貼りのテスト。
講義中はなんとなく流れでできたけれど、
自分一人でやるとなると、ムズいのなんの。
勝手知ってるはずなのに、失敗ばかり。
箔、鼻息でひらひら飛んでっちゃうものね。

ワークショップで作った道具は、金箔台、箔刷毛、箔ナイフ。
全部市販の買うと数万円するけれど、自作だから3000円くらいかな。

金箔と金泥の差

金箔テストと、前回金泥テンペラとの比較。
やっぱり金の色味が違う。
テストは板地だけれど、キャンバス地だと
どういう感じになるのかな。
テストは続く。

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火曜日、仕事の打ち合わせに。
体調・精神的にしんどくなって、仕事を辞めようと
思っているんだけれど、外面がいいもので、
メールや実際に会ったりすると、やる気満々な態度をとってしまう自分が哀しい。
限界なのよ、わたし。二重人格というより躁鬱気味なのかも。

ちょっくら近所のメンタルクリニックに相談に行ったりして薬を貰う。
調子良いときは絶好調でシアワセいっぱいなんだけれど、
ウツ気味な時は何にも気持ちが動かず、ヘタリきって一日中寝てる始末。
3日あれば立ち直るんだけれど、3日目にはたいてい仕事が入るから、
また体力的にもヘタって。一週間丸々描けないなんてこともザラ。
なんとか持ちこたえて、それだけは避けたいなぁ。

そうそう、火曜日は帰りに品川の原美術館・タピエス展を見る。
他の人に紹介して、難しかったと閉口気味の感想を貰ったけれど、
どうしてどうして、タピエス、かっこいいじゃん!!
全部とは言わないけれど。いいのが何枚か。
久しぶりに満足して帰る。

箔貼りの絵で、かっこいい作家を見つけた。
綺麗だなぁ。フィレンツェ在住。>>吉川龍さんのHP
いいなぁ。留学は無理でも、行きたいフィレンツェ。

by HPY


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枯れ花(勝手にできたお気に入り)         2005年04月13日(水)

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前回2作の背景反省
『遠目で見ると描き込む割にはモチーフがぼやけて綺麗に見えない』。
そこで今作はモチーフと背景をはっきり分けてみた。
モチーフが薄くモノトーンで繊細ならば、
背景は厚塗り、有色、重く荒くで。

枯れ花 枯れ花

油絵の具の白とセルリアンブルーをナイフでよく練り合わせ、
最近ほとんど使うことのなかった、速乾性メディウムを混ぜる。

中は茶系のインクで描写した後、決まった輪郭線を更に外側から固める。
活躍したのはラファエロ8000番。
点描用のこの筆は、面相としても盛り上げとしても役に立つ。
ん?
背景のこの捉え方は9月に描いた植物に少し似ている…。

やり方は新しいと思っても、やっぱりやりたいことは、
以前から大なり小なり意識下にあったんだなぁ、と。
そういやこの方法で以前は失敗したんだっけ…と思い出すが、
今度はもっとうまくやるさ。

ペンのタッチを殺さぬよう、外側を丁寧に面相で固めた後、
豚毛の筆で模様をつけるように盛り上げ、なすりつける。
下地色があるから、ランダムで面白いかも。
これに薄く色を付けるつもり…。

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描きだしからの経過。
枯れ花 枯れ花
枯れ花 枯れ花 枯れ花
縦横斜め円弧、錯綜する色の帯は、途中で計画倒れ。
初案はいいような気がするんだけれど、
途中から詰められないんだよなぁ。

by HPY


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完成と反省点 (とうもろこし、松かさと文様)         2005年04月11日(月)

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とうもろこし(完成)

経過をまとめる。

できあがりは綺麗だし、マチエール実験としてはいいかな。
主題について突っ込まれると言葉に詰まるが。

松かさと文様(完成)

もう一枚は、以前やった遊びの窓に何かを描いてみた。
モチーフの形の捉え方は割とすんなりと行く。
結果的に少しモチーフが暗いような気がする(?)

背景のテンペラ白ハッチの手間にはやっぱり辟易気味。
極端に細い上に、
テンペラ白、描いた瞬間より乾くと色味が弱く、消えていくような感じ。
そこに油彩を乗せると、ホントに消えいりそう。
愛はあるんだけれど、『効果のない労力』が多いと疲れちゃうから、
労力と釣り合う効果を求めたいよねぇ。心情的には。

油彩層は厚いかなぁ。色味ではなく物理的な厚みを、
薄く…、そう、叩いたり擦り込むような感じで。
……。

周囲の黒ペンの、エッチング風の編み目は気に入ってる。

by HPY


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とうもろこし(続き)、地塗りとオイルのサンプルつくり         2005年04月05日(火)

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とうもろこし

前回続き。テンペラ線描が油彩層に食い込んで一体化する
そのさまが美しくてカンドーしてたけど、
あまりにも細かくて、単位面積小さいよ。
やっぱそれだけじゃ絵は成り立たないなぁ。

太く淡いタッチで、テンペラ白の層を挟む。
テンペラ、筆につけるたび濃度が毎回変わって、
一定の太さの線を引くのが難しいんだよなぁ。
今更ながら。そこでふと。

地塗りと調合油サンプル(途中)

地塗りとオイルの実験をしているので、
テンペラとペンも追加することにした。
まだ途中だが、記録を残す。

地塗りはホルベインのアクリルジェッソ(灰色)。
下から2層、5層、8層、10層、15層。
左2列目、いつも使っている透層用オイル(自作)を、
1、3、5層ずつ塗る。

5列目〜透層用オイル+バーミリオン、部分テンペラ白、ペン。
8列目〜描画用オイル+バーミリオン、部分テンペラ白、ペン。
右端1列はホルベインジェッソ白+ペン、描画用オイルとテンペラ白。

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 最近使用の透層用オイル
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4:ダンマル(2:1調合)
1:ヴェネツィアテレピン
2:サンシックンド(スタンド)
4:テレピン

※ここまでは佐藤一郎センセの処方箋。
 これにさらにテレピンプラスしている。べたつきが激しいので。

特徴は、層の透明感が美しく柔らかい、
柔らかく、厚みが出るのでペン素描は難しい、
乾かないうちに何度もこすると剥げる、
指触乾燥まで3日〜1週間ほど。この間かなりべたつく。

━━━━━━━━━━━━━━━
 描画用オイル
━━━━━━━━━━━━━━
9:ダンマル(2:1調合)
2:ヴェネツィアテレピン。
4:スタンドオイル
9:テレピン
※ここまでは佐藤一郎センセの処方箋。

 あれ〜〜?これって透層用とさほど比率は変わらない…。
調べてみたら、比率の差は本当にちょっぴりだった。

透層用比率 調合オイル 描画用比率
36 4 ダンマル(2:1配合) 9 36
9 1 ベネツィア 2 8
18 2 サンシックンド(スタンド) 4 16
36 4 テレピン 9 36

この描画用オイルにテレピンを目分量、コーパルワニス目分量
入れたのが、右側の4列。
透層用オイルより厚みが薄く、刷毛ムラが少ない、
安定している(ような気がする)、
しかしどうしてなのかは分からない。
硬くなる予定なので、ペンがのりやすい(ような気がする)。

それにしても、テンペラで二度と同じような線が引けないなんて!!!
改めてこうやってサンプル作ると、
むらなく同じようなパターンをテンペラで描くことが本当にできない。

それがこの絵の具の特徴と言おうか、己の技術不足と言おうか、
ま、どっちでもいいけれど、無駄な努力と時間を、強いられてきたと
感じるならば、この絵の具と、調合油の特徴を
もうちょっと整理して捉えられるといいんじゃないかと思う。

by HPY


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香水瓶とトマト、フルート奏者のDTM         2005年04月04日(月)

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香水瓶とトマト

この絵は板に石膏地…はつぶしてアクリルジェッソ塗り、
テンペラ+油彩で模様の上にテンペラと油彩で素描…。
終盤、黒インクで線描を入れたもの。
黒インクは綺麗だと思う。締まるし。

昨日は寒くて。ストーブの前から動けなかった。
アトリエに行っても、音楽に浸りながらぼーっとしていたよ。

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ワーグナーのワルキューレ騎行を聴いてしまって、
えー、めちゃくちゃかっこいい!!!!!!!!!!!!
勇壮なパンパパーーンパンを聴いていくと、我を忘れるような高揚感、
確かにヤバイ感じもしないでもない。(↓笑)

by HPY


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金糸ハッチング。とうもろこしペン素描再び。         2005年04月02日(土)

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白っぽくなりすぎた花に固有色を。
青系が少ないので、花の中心部分に油彩+面相筆で加える。

テンペラ線描は油彩透明層が乾かないうちに。
二層目となる背景部分の油彩透層は、
インディアンイエロー。赤と黄、その間の色を挟んだ。
そしてテンペラ金でのハッチング。

花

そしてこの絵は完成。
気に入ってるところ → 金糸のハッチング。
花の群の、なんだかよくわからないごしゃごしゃとしたかたまりの形。
気に入らないところ。 → 相変わらずヘタなサイン(?)

線描が硬いとか息苦しいとか描かない方がいいとか、
はるか以前に言われた批評、反論もせずに甘んじて受けた、
忘れて、ほじくり出して、忘れられず、こびりついて、考え、やってみたけれど、
他人の提案通り期待通り、変えられるほど
器用でもなかった。望まぬ事を努力しても無駄。

いい気分だけ味わおう。
そういえば、忘れているけれど気に入ってくれる人もいたかもしれない。
他人の言葉を、あまり気にしないように。他人はわたしではなく、
励まされても自分が望まぬ事は、自分は全くすることができない、
そういった限界を自覚すると、背は低くとも強く自由になれるような気がする。

何ができて何ができないのか。もう少し知りたい。
とりあえず、枚数をまずは重ねよう。

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とうもろこし とうもろこし

1月の絵の続き。
油彩層の上のペンは、油層が柔らかいと描けない。
ペンで最初に素描してしまっても、あまり意味がなく、
技法と手順という意味では失敗。でも素描は悪くない。
これを活かしたい。

とうもろこし とうもろこし

煙をくゆらせながら空を見ていたら、
背景は弱い白ではなく、さわやかな青にしようと思った。
青い空に浮かぶとうもろこし。

そしたら何故か。赤くなってるし。
炎のとうもろこし。

とうもろこし とうもろこし

あぁ、どうなってしまうのか?(笑)
赤の濡れ色に溶け込む、絹糸のようなテンペラ白は、
恐ろしく綺麗に見えるけれど。

by HPY


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