あのメール以来、連絡はしていなかった。 接点を絶っていた。
そしたら、貴方からPCメールが来てた。
正直、驚いた。
いつもは私が送っていたメールに返事をくれる形だった。 でもそれも途絶えていた。 私が、メールを送っていなかったからね。
貴方発のメールは、初めてで、びっくりした。 でも、驚いただけだった。
内容が内容だったからかもしれないけど、ときめいたりはしなかったな。 ドキドキして眠れなくなることもなかった。
ただ、私はその時とても落ち込んでいて。 とても心が疲れていて。 泣いてしまうくらい落ちていた。 貴方とは無関係なことで、とても悲しくなっていたの。
だから、貴方のタイミングの良さには驚いたよ。 ちょっとだけ、ドキッとした。
今度、貴方に会いに行こうと思う。 貴方もそれを誘ってくれた。
だけど、すぐには返事は出来ないの。 だって、また身体が拒絶反応を起こすかもしれない。 笑えないかもしれない。 会いたいと思えないかもしれない。
「会えたらこの前の分も楽しませてあげる!!」と言ってくれたけど、 そんなの無理なんじゃないかなって思ってしまっている。
それくらい疲れてる。
恋ってパワーがいるよね。 今はそのパワーが残ってない。
癒されたいけど、それを貴方には言えない。 言える立場じゃない。
だけど甘えてしまいそうで、それも嫌。 だから、やっぱり行かないかもしれない。 まだ、分からない。
心が動くのを、待っているの。
ドキドキしたり、 ポカポカしたり、 フワフワしたり、 キュンキュンしたり。
そういうことが、最近、ない。
なんて言うか、扉が閉まっている気分。
以前のようにがっちりと鍵までかけて厳重に閉じているわけではなく、 ただ静かにゆっくりと、カチャンと閉じてしまった感じ。 いつの間にか閉まっていた感じ。
開けようと思えばいつでも開けれる。 飛び出そうと思えば、扉をバーンと開いて駆けていける。 扉を開けることを禁じてはいない。
でも、私は今、部屋の中にいたい気分。 ずっと眠っていたいような、 窓から空を眺めていたいような、そんな気分。
だけど不思議なことに。 ぼんやりと考える中に、なんとなく貴方が浮かぶ。 心の片隅に、いつも存在している気がする。
前のように会いたいと思ったり好きだと思うことは少ないけれど、 なんとなくは存在してくれている。
とは言え。 自分から行動を起こす力は出てくるわけでもないんだ。
ここから出て行きたいけど、どの方向に行けばいいか分からないし、 自分が一体何を望んでいるのかも分かんない。
だからもう少し力を蓄えるために、 ここにいることにする。
夕方が過ぎて、体調も少し落ちついた。 そうすると、連絡しないで行くのをやめたことに対して、なんとなく気持ち悪くて。 私の性格上、そういうのがダメなので、連絡した。
愛想も何もないメールで、 『体調が悪くて行けなくなりました。ごめんね』 とだけ書いて送った。
返事は来ないと思ってた。 だからすぐに携帯を置いて部屋を出た。 だって、『行く行かない』の連絡に対して、いつも返事はないし。 質問に対する返事も来てなかったから。 ちょっと投げやりな気持ちでもあった。
でも、少しして部屋に戻ると、携帯のライトが光ってた。 『新着メールあり』
予想外に返事が来てた。
『楽しみにしてたのに!』と、『風邪?大丈夫??ゆっくり体休めてな』の文字。
しかも、絵文字付き。
びっくりした。 だけど、不思議と冷めていた。
『お世辞でしょ?社交辞令でしょ?誰にでも言うでしょ?』 なんて、ひねくれた考えが真っ先に出てしまった。
だから、もう返信はしないでおこうと思った。 嬉しそうに、ありがとーー!!なんて言える気力なんてなかった。
それでも、質問されてるのに・・・という律儀な性格上、返信。 『頭痛が治まらないんだー』と、『楽しんでね』と。 短く、愛想もなく。
これで普通は終わりだよね? 同時進行で送ってた女友達は、ここで終わった。 片思いの彼からも、返信は来なかった。
・・・と思ったら、30分後に受信・・・。
『それは大変だ!!ストレッチしてほぐしてから寝なよー!!』と。 一言アドバイスつき。 またもや絵文字つき。
フェイントで。 あまりにもフェイントで、『ちょっと元気でたよ』と、小さくデコメで返信してしまいました。
嬉しかった。 嬉しかったけど、去年のようには喜べなかった。
普通にやさしいだけ。 きっとほんとに誰にでも同じように対応するんだろう。 私じゃなくても、同じように。
去年のような奇跡はもう起きないんだろうな。 偶然にも同じような状況になったけど、去年とは違う。
それを色々感じていた数ヶ月だった。 それでも嫌われないように会いに行って、義務のようにメールして。 当たり前になって返事は来なくて。
そういうのに疲れてしまった。
貴方の良さを。 貴方の空気を。 貴方のやさしさを。
今の私では感じることが出来ない。
自分の気持ちが、一番分からない。
だから一歩引いてみる。 心が動かないのなら、会いに行かない。 笑えないのに会いに行っても意味がない。 それじゃあ、過去の恋と同じ。
貴方は初めての感情をたくさんくれた人。 同じことを繰り返しては、出会う前に戻るだけ。
このまま気持ちが冷めていくにしても、 友達になるにしても、 すっぱりと縁を切ってしまうにしても、 貴方を好きだと思ったことを、なかったことにはしたくないのです。 辛い思い出にしたくないのです。
この恋を続けるとしても、 新しい恋を選ぶとしても。 自分の気持ちを、ちゃんと見つめようと思う。 そうしなきゃ、貴方に出会えた意味がない。
でもね。 ちょっと心に力が入らないから、もう少し、休憩する。 そんな時間も必要だよね。
今月初めのこと。
会いに行けるチャンスはあったし、 会いに行こうと思っていたし、『行くよ』とも伝えてあった。
でも、返答がほしい時に返事はなくて。 いつものことだと思いながら、 問いかけているんだからちゃんと返事してよと思った。
なんだかもう、苦しくて苦しくて仕方がなくて。 義務のように会いに行くこと。 別に歓迎されていないんじゃないかと思ってしまうこと。 会ってもきっと笑えない。 嫌われないように愛想笑いをするんだろうなと思ってしまうこと。
どうして私は貴方を好きなんだっけ? 何が、どこが好きなんだっけ?
分からなくて、会いに行く意味も分からなくて。 体が拒否反応を起こしてしまった。
頭痛が治まらない。 割れそうに痛い。 吐きそうで気持ち悪い。 動けない。
結局私は、会いに行かなかった。 行かないと決めたら、なんだかスーッと楽になった。 頭痛は完全には治まらなかったけれど、 吐き気や割れそうな痛みはなくなった。
自分でも驚いた。 そんなに無理をしていたのかなって。 気づかないうちに、余計なものを溜め込みすぎていたのかもしれない。
ゆっくり眠ろう。 肩の力を抜こう。
そう思った。
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