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役立たず
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2001年08月24日(金)
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喫煙室でタバコを吸っていたら、またまた急に思いだした。
ちょっとの期間人手が足りない為、お手伝いに行っていた専門学校の施工現場での話だ。
その日は、先輩が他の現場に研修に行っており、私も朝一で新しい図面を会社まで取りに行っており9時半頃現場に到着した。
カンカンカンと現場事務所の階段を上ると、所長が入口の前に立っていた。
『おはよーございます』と挨拶。すると所長、目玉をまん丸と大きく開け、口をパクパクさせながら現場を指さしている。
『どうしたんですか?』と後ろを振り返ると、現場からモクモクと煙が立ち上っていた。『火事だ!!』慌てて私は所長を吹き飛ばし、事務所にあった消化器を手に、ダッシュ!その辺にいた警備員や土方に『ホースを持ってきて!』と指示し、現場に向かった。
(その間、まだ所長は口をパクパクさせたまま動かなかった)
火だ! 半地下のエレベーター入口付近からもくもくと煙が上っていた。
私は階段の出来上がっていない1.5メートル程の半地下段差を華麗にジャンプ
見ると、三方枠取り付けの際、養生をせずに作業した為、溶接の火の玉が上からバンバン落ちてきており、その火の玉が材料に引火していた様子だった。
すぐにその辺にいた軽鉄屋に消化器を渡し、消化活動開始(それまで誰も気が付かなかった)
上にいた作業員に作業をストップする様、けたたましく叫び、半地下の収納庫に隠れていた消化器を探し出し、私も消火活動開始
その頃、やっとホースを持った所長が到着
「どどど....ドコだ火事は〜ぁぁ!!!」と情けない声で叫びながら、水がビュンビュンに出ているホースを振り回しやって来た。
所長が振り回した水のおかげで私達消化活動班はずぶ濡れ
そんな事はおかまいなしに興奮している所長
『所長〜!水は私達にかけないで、火が出ている場所にかけて下さい!!』(ま、もう殆ど消えているケド)
それでもやっぱり興奮している所長。
半地下の段差をジャンプし、スッ転んだ。
「あいたたたたた....」自分の振りまいた水浸しのスラブにべったり浸かり、なんとも情けない姿になりながらも、ゆっくりと起きあがり、自分なりに一生懸命消火活動をしていた。
火が消えた後、職人達と「やっぱりこのままじゃ駄目だねー。午後から安全対策の緊急ミーティングをしようかー」なんて話をしていた頃、所長は一生懸命火事の痕跡を消し去ろうとしていた。
結局、材料が燃えただけで大事には至らなかったが、改めてその現場所長の役立たずさを認識した一日だった。
ちなみに所長は、この火事のことを隠し通そうとしていた。
結局、すぐにバレてこっぴどく叱られたラシイ...。
そりゃそーだ。すぐ目の前に同じ系列の学校があったんだもん。教室から煙りが丸見えだったでしょうに....
隠そうとする、その考えがまたわからん!!
更新:20時30分
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