チョコレートミルフィーユと言いたくなるチョコレートケーキ。
色んなチョコレート味を組み合わせているのに、ごちゃごちゃしてなくて美味しい。
なかでもクリスプ入りクリーム部分の旨いこと、旨いこと!
って、単純に私好みってだけですが。
でもねぇ〜、ホント、チョコレートクリームに入った
サクサククリスプ、「おっいしぃ〜〜!」です。
資料がちょっと見当たらないので具体的な情報が書けにゃい!!
見つけ次第更新します。
チョコレートケーキ好きの方、まった来ってね〜!
チャオ!!
2002年02月24日(日) |
20020224 伝えたかったコト |
今年のお正月、約10年ぶりくらいに、ある友人にあった。
私にとっては一緒にいるのがとても楽な人だ。
楽なあまり、いつでも会えるような錯覚があって、
わざわざ特別に時間を割くのが妙な気がするほど。
彼女には家族もいるし、あまり引き止めると申し訳ないという気持ちと、
東京にあまり遅くならないうちに帰りたくて、
本当に少しだけ会うつもりでいたのだ。
ふたりだけで会うのが、ちょっと照れくさいのもあった。
互いに知らない10年間を過ごしてきたというのに、
お茶のできる店を探しつつ、ふたり歩く感じは、
昔、学校の帰りに寄り道をしていた頃のソレを思い出させる。
お茶をしながら、話をする。
目に映る彼女は私と同じく10年分の歳をとり、
10年前よりやや早くなった口調で、家族のコト、仕事のコトなどを話す。
目の前の彼女を見ていると、
シミジミと「会って良かったなぁ」と思えてきた。
「会えて良かったよ、嬉しいわぁ」と伝えると、
ちょっと間があって、
「素直になったなぁ」と返ってきた。
ふふふふふ。少しはね。
当時、回りから見て、私が世話を焼いていた様に見えたかもしれない。
が、実際に甘えていたのは私。
彼女は知らないかも知れないが、
彼女といると私は本当に楽でいられた。
お店を出て、一緒に夜御飯を食べた。
もちろん、私が想像した一緒にいられる時間は大幅に超えた。
当然のように時間を作ってくれたのがまた、こう、ちょっと………ね。
お誕生日おめでとう。
またね。
2002年02月22日(金) |
河原でシュークリーム考 |
夕方、口の中でシュークリームの味がした。
食べてもいないのに。そんな事はないですか?
私は時々あります。
そうしたら、もちろん現物を食べるまで気が済まない。
「シュークリーム、食べな!」
シュークリームを買いに外へ出たら、あまりにも気持ち良くて、
そのまま帰るのがもったいなくなった。
久しぶりに足を延ばして、河原でシュークリームを食べる事に。
好物は何かと聞かれたら答えに困る。
大概のモノを美味しく食べられるので、
嫌いなモノがそれほど無いかわりに、
好きなものを一つ二つあげるのも難しい。
そういう説明をするのも面倒なので、
好物としては、その時々のマイブーム食、
もしくはチョコレート、シュークリームをあげる。
チョコレートは実際、食べたいと思う頻度が絶対的に多い。
が、シュークリームはそうでもない。
その他の菓子や食べ物を食べたいと思う頻度とそう大差はない。
それでも私はシュークリームを好物としてその名をあげる。
友達とシュークリームについて、電話で語り合った事がある。
シュークリームの在り様、
シュークリームの作られ様、
自分の人生とシュークリームとの関わり様、
巷のシュークリーム考、
中でどの店のシュークリームが好きか、
どの店のシュークリームがなっとらんか、等々。
ほんの3時間ほど。
3時間というのは、私の長電話最長記録だ。
その間、落語で言う枕の部分を除けば、
延々シュークリームの話、3時間。
今を去る事○○年前、多感な女子高生時代。
恋の話でもなく、3時間。
受験の話でもなく、3時間。
将来の夢の話でもなく、3時間。
ね?
3時間も話続けていられるなんて、
シュークリームが好きでないとおかしいでしょ?
でないと阿呆すぎ。
そうでも充分間抜けやのにサ。
2002年02月07日(木) |
続々々々・節分のお寿司=ホントはね……… |
「いつまで節分がどうたらこうたら、言って、い・る・の?」
一応日付け的には7日の日記であるが、
実際の更新日はバレンタインもとっくに過ぎた2月18日だ。
こらもう、ええかげんにしとかなアカンで。
さて『節分のお寿司』を書くにあたって、
「節分巻寿司丸かぶり」の謂れについても調べてみた。
うちの母は言いました。
「アレ?海苔業界の作り(きっぱり)」
寿司業界ではなく、海苔業界と言うところにひねりがあって、
なにやらもっともらしい。
が、なにせ相手は私の母である。
いくら節分気分を堪能したいとはいえ、
有り合わせで作ったチラシ寿司に、
たまたま思い付いた名前をつけるわ、
ついでにソレが食べられるようになった謂れまで、
妄想の羽根を羽ばたかせ、
ちゃっかりシッカリでっち上げてしまう私の母である。
そんなヤツの言う事を迂闊に信じるより、
ここは一つ、慎重に調査を行うべきであろう。
調査結果。
やはりこの一風奇異な行動に映る風習については、
多くの人がその出生(?)を気にかけていた。
数あるサイトの中でぜひとも紹介したい2件を上げておきます。
スッキリする事、間違いなし!!GO!!!
まずはその壱。
続いてその弐。
どわっひゃっひゃっひゃっ!!大笑いでしょう?
その壱とその弐を合わせて、思うに………。
まずは、その弐からはじまった。
そして全国的に広がるきっかけとなったのが
その壱で書かれているイベントだったのではないか、と。
ウチの母の証言は寿司屋に勤めていた事もあり、
その壱のイベント便乗組って事なんでしょうね。
一ケ所だけ引っ掛かる、
『もともとは愛知県の方の風習らしい』という部分にしても!だ。
このイベントを、今や当然の風習として行っているのは関西地区、
もしくは関西出身者だ〜け〜。
その他区出身者には、「関西からやってきた風習」として認識されている。
すくなくとも、私の回りではそう。私は思うね。
『もともとは〜』という部分も含めてぇ〜〜〜!!!
信憑性出そ思てぇ〜〜〜!!!
おっちゃん、作ったンちゃぁ〜〜〜ぅん???
怪しいわぁ。怪しすぎて、社長さんもおっちゃん呼ばわり。
そして最後の私の邪推部分を外してもぉ〜〜〜〜!!
おっちゃん、えら作りやな(=えらい大きな作り話ですね)。
商魂逞しいっちゅーか、商才に長けるっちゅーか。
『勝手寿司の謂れ』どころやないです。
真相を知ってしまった以上、
来年から節分の日に巻寿司なんてっっっっっ!
私は食べます。たぶんね。
しかもしっかり恵方を向いて。丸のまま。無言で。笑顔で。
あんなバカバカしい格好で食事するなんて、
阿呆みたいで楽しいよ。
1年に1日くらいそんな日があってイイよ。
日本人が一斉に阿呆になって、
楽しくその年の無病息災をお祈りすりゃーイイやん。
学校でいじめられて悩む子も、
仕事や勉強、人間関係のストレスから
カリカリトゲトゲして毎日を過ごす人も、
失恋したてで哀しみに暮れる人も、
皆が皆、あんな阿呆みたいなカッコして食事してたら、
あまりにバカバカしくて笑うしかないよね。
力がぬけて、皆リラックスできるよ。
そしたら翌日から、また頑張れるよ。
おっちゃん、やるやん。ええ事考えたなぁ………
…………………………………………………………。
って、ほめるンやったら「社長さん」って、呼べ!
まぁ、会社の社長さんにもなるような大人物、
こんな些細な事で怒るような小さい人間ではない!!
………………………………………………ハズです。
社長さんの大人物ぶりに甘えて!!
(って、私は会った事も話した事もないけど。
でも、でも、大人物に決まっているもの!決めたの!!)
あえて、もう一言だけいわせていただきます。
「○○入りシャーベット」は………………………
…………………………………………………………
…………………………………………どうかなぁ?
そのうち、ぜひとも食してレポートさせて頂きマスです、はい。
==========================
追記
「社長さんが言い出す前から、巻寿司の丸かぶりやってましたよ」
という愛知方面の方、いらっしゃいましたらぜひぜひ御連絡下さい。
お願いします。
「真相暴露」の紹介を快諾いただいた、
ニラさんのHPはコチラ!!
2002年02月06日(水) |
続々々・節分のお寿司=『勝手寿司』の言い訳 |
あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!
くさっ!くっさい、くっさい!!
すいません。臭いましたでしょう?2月5日付けの日記。
ホラ臭………というか、作り話臭。っも、ぷんっ、ぷんっ!!
『勝手寿司の謂れ』も何も、『勝手寿司』自体、
私が、それこそ勝手に名付けました。
しかも、今年の節分の日に。は・じ・め・て。
豆と鰯は買ってましたが、お寿司は当日買うつもりでした。
ところが、奥さん、ハンサムさんも。
思い出して下さい、今年の節分!2月3日!!
寒かったでしょう?
覚えてないですか?
少なくとも、私の住む街はかなり寒かった。
昼間の早い内から、外出する気ゼロ!つーかマイナス。
「こらあかん、も、ええわ。今年は巻寿司中止!!」
それでも『節分の日=巻寿司』が染み付いているこの身体。
寿司は食べたし、酢・海苔なし。
そこで覗いた冷蔵庫。
残っとります、「橙4分の1カット」「レモン半分」。
この果汁を使えば、酢飯もどきは作れそう。
出し汁を煮立たせ、砂糖を入れる。分量、適当。
「レモン果汁はいきなり高温にすると、栄養価が壊れてしまう」
と、某番組で見た記憶がある。
温度を下げるために、若干の水を足す。
ちょいさめた甘い出し汁に、絞って混ぜておいた2種の果汁を入れる。
どれ、どれ?
………………………………ふふふふ。
え〜え、感じやないですか。
寿司酢に代用するには充分。
例え『もどき』でも酢飯を作れれば、こっちのモン。
よっぽど妙なモノを加えない限り、チラシ寿司になる。
御飯はレンジでチンした発芽玄米(白米50%入り)。
酢をふり入れ、さっくりと混ぜた後に白胡麻を加える。
再びさっくり、混ぁ〜ぜ混ぜ。
人参と一緒に甘辛く煮た干し椎茸、錦糸卵、
薄切りハンペンは器に盛った御飯の上。
針海苔にした味付け海苔を散らして出来上がり。
このように勝手気侭に作ったチラシ寿司、
自分で言うのも何ですが、これが結構イケました。
『節分の日=巻寿司』が染み付いている身体的には、
充分に納得したものの、気持ち的にはちと寂しい。
せっかくの節分に食べるお寿司。
食べるからには欲しいよなぁ、節分らしさ。
一年の無病息災を信じられるような、
鬼を追っ払えるような、それなりのコジツケ。
それが『勝手寿司の謂れ』。
え?バレバレでした?謂れに作りが入ってるの?
あら、それは失礼。
ともあれ。
勝手気侭につくった節分のお寿司、
勝手につくった謂れ付き。
自分勝手な私にとっては、充分に楽しく美味しく、
節分らしさを味わうのに一役勝手くれました。
って、コレじゃあ「ただの駄洒落好き」やん!
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それでもって、まだ続く
2002年02月05日(火) |
続々・節分のお寿司=『勝手寿司』の謂れ? |
さて、登場しました『勝手寿司』、
『太巻寿司丸かぶり』以上に「何?それ?」であろう。
それは我が家で『太巻寿司丸かぶり』風習を取り入れる以前、
節分の日に食べていた寿司。
簡潔に言ってしまえば、
『ありもん(=冷蔵庫にある残りモン)で作った寿司』だ。
「なんでも有り合わせで、作ったらエエねん」であるが、
ただ一つだけ、守らねばいけないルールがある。
それは『酢を使うべからず』。
『太巻寿司丸かぶり』、
これは海苔業界の人が流行らしたとはいえ、
節分に行う風習としてそれなりに納得する謂れも用意されている。
「丸ままかぶるのは福を切らない為」だの、
「その年の恵方を向いて、福を呼び込む」だの、
後付けにしたってなかなか良くできた謂れだ。
ではなんで酢を使ったらあかんのか?
むかしむかし。
節分の日は「鬼がその辺、歩きまわってんでぇ」なので、
買い物に出かけてはならなかった。
夜に豆まきが行われるまで、昼間の街はひっそりしたものだ。
その日に食卓にあげるべき食材は前日までに買い揃えていた。
とはいえ、わざわざ買うべきは豆と鰯ぐらいだ。
後は「鬼を散らす」という事から、
作られていたチラシ寿司をつくるための材料。
節分の日のチラシ寿司など、鰯があるのだから、
上に豪勢な刺身などのせる必要はない。
干し椎茸、胡麻、シラス、でんぶ等々。
最後に欠かせない錦糸卵と、飾り付けにつかう赤や緑の野菜。
要するに常備されているハズの調味料で酢飯を作って、
常備されているハズの乾物を入れたり上にのっけたりして、
後は卵と、その時にある野菜で彩りを取りゃーエエのだ。
そんな訳で、チラシ寿司については「アレ、アレ!アレ、買っとかな!」
といった緊張感などつゆほどもなかった。
ところがある年の事。
なかったんですねぇ、お酢が。切らしていたんですねぇ、うっかり。
昔の人は律儀です。
「今日は買い物に出かけたら、アカンねーーーーん!
鰯食べてぇ!チラシ寿司食べてぇ!鰯臭と駄洒落で鬼散らしてぇ!
鬼ひとりづつになってぇ!勢力よわぁなったトコに豆まいてぇ!
そんな卑怯な手ぇ、使って鬼撃退!
鬼散らす前に買い物行ったらアカンやん!恐いやん!鬼勢力分散させな!
鬼散らしてからやったら買い物に出かけてもエエけど………。
チラシ寿司、作られへんかったらアカンやーーーーん!」
と、焦ったトコロに目についたのが、橙。
そう、正月の御供え餅のお飾りに使われていた橙である。
神棚に御供えしていたのやら、各部屋に御供えしていたお飾りの、
小さめの葉付き蜜柑や橙から処分していっていたので、
鏡餅のドンの上にのっけられていた橙様は、
鏡開きから3週間過ぎてなお、今だ食されていなかったのだ。
「正月の御供え餅にお飾りしてた橙やんか。
コレ、いくらなんでもそろそろ使わな、水気とんでパサパサになんで。
ちょっと酸っぱみ弱そうやけど、コレ、使えるンちゃう?
なんやったら、皮を鬼の顔めがけて絞ったら、汁が目に入るかもしれんし……、
アレ、目に入ったらけっこう痛いねん。
(↑かなりセコイ戦術である)
そや、そや、皮をとっといてもエエし、果汁で酢飯もどき作ったらエエやん。
お吸いモンの香り付けにも小っさく切ってのっけたらエエし。
あー、コラええわ。あーよかった」
そんなこんなで、酢を使ったらあかんと言うより、
酢を使えない絶体絶命状態の中、
まさにありもんで作ったチラシ寿司。
意外や味は好評であり、節分の日以外にも
家人のリクエストにお答えして作られるようになった。
酢飯もどきを作るにも、橙が必ずあるとは限らず、
その時に家にある柑橘類、時にかぼす、時にユズ、
冬場には必ずちゃぶ台の上の篭にのっけられていたみかん。
夏場には、庭先からもぎってくる夏ミカン。
まさしく、その時々にあるもんで勝手気侭につくる寿司、
ついでにどんなに絶体絶命状態の中でも「鬼に勝って事を成す」という事で、
後々『勝手寿司』と呼ばれるようになったのだ。
=====================
続きがあります。
また読んでくださいね。
「ああ、昔はせなんだてソラ当たり前や。
アレは海苔業界の人が作った行事やもん。
店の大将が言うてたし、間違い無いわ」
………………………………即答であった。
身も蓋もないとはこの事だ。
一応バレンタインの事もあるし、
ひょっとして、寿司業界の陰謀かと訝しんではいたものの、
海苔屋とは盲点であった。
確かに家でやりだしたのは、彼女が寿司屋で働き出してからで、
海苔業界の策略に便乗して、寿司屋も普及に勤めていたのだろう。
しかし昔からの風習でもなんでもない事が、
クッキリハッキリ、火を見るより明らかだったと言うのに、
おかんよ……………。
なに張り切って、阿呆みたいな事させとんねん………。
子供が面白がって楽しむのはわかるが…………。
……………おかんよ……………。
まったく、海苔業界が言い出しただけに、
ノリやすい…………。
などと自爆するような、やすっ〜い冗談でも言うしかない。
そんなことを思い出しつつ迎えた今年の節分。
実をいうと、ひそかな今年のテーマの一つに
『昔ながらの祭事を子供の時みたいにやる』
というのがある。
そういう訳で、正月休みには
お彼岸とかにできそうもないお墓参りもしたし、
おせち料理もたらふく食べた。
七草粥だって、一応は作った。
『節分もやらな!』だ。
節分といえば、とにかく豆と鰯。
これぞ由緒正しい節分……などとソノ気になったものの、
豆まきはともかく、鰯をどうするのか知らなかった。
ネットで調べた所、いろんな説があった。
頭をヒイラギの葉とともに家の前に飾り、
葉のとげとげと鰯の頭の臭い匂いで、鬼を追い払うという説。
鰯を焼く匂いが臭くて、その匂いで
鬼が家に寄り付かなくなるという説。
ま、さすがに部屋の前に
生臭い鰯の頭を飾る気にもなれなかったので、
鰯を丸焼きにして夜御飯にした。
だいたい、子供時代といえど、
実家ではそこまでやってなかったし、ヨシとする。
そして、太巻寿司を丸かぶりするようになる前に食べていたもの。
『勝手寿司』の登場だ。
節分だ。
節分といえば『勝手寿司』である。
『勝手寿司』とはなんぞや?
それを説明する前に、最近、関東でもボチボチ
知名度の上がって来た例の風習を忘れてはならない。
『節分には恵方(その年に縁起がイイとされる方角)を向いて、
太巻寿司をまるかぶりする。
その間、決して声を発するべからず。
さすれば1年、無病息災、恵方から福も呼び込める』
「何?それ?」と思われた方もいるだろうが、
関西ではかなりの家庭が、節分の日のお約束として行っていると思う。
が、そんなもん、私の子供の頃にはしていなかった。
小学校の低学年になって、母親が寿司屋で働きだしたのだが、
そんくらいから我が家でもそういう事をするようになった。
はじめて母が、切ってない太巻寿司を家族の人数分持ち帰り、
そう言い出した時、「なんじゃそら?」と
疑問を感じるには、私はまだまだ子供だった。
夜に働いている母とのコミュニケーションをとる時間は貴重で、
母が家にいて一緒に食事をとれる、
ただそれだけがとてつもなく幸せだった。
母がソコにいて、楽し気に
「太巻き、丸かぶりするでぇ〜。話したらあかんねんでぇ〜」
などと言われたら、
「そういうものなのか」という認識もないまま、
ワクワクしてきて、素直に実行した。
だいたい巻寿司をそのまま丸かぶりするなんて、
お行儀の悪い事を親黙認でできるなんて。
いや、親黙認どころか、親推奨だ。
当時の私にとっては、豪勢でもあり、
「何や知らんけど、阿呆みたいで楽しいわぁ」だ。
もしゃもしゃ。
………………む……ふんが、……んむ、…ごっくん。
もしゃもしゃ。
………………む……ふんが、……んむ、…ごっくん。
それはまさにひと昔、サザエさんが番組の最後に食していたコロッケを、
まるままのみ込む時に苦労をしていたようになる。
実際、丸かぶりした事のある人ならわかるだろうが、
太巻きを丸ままかぶるのは、なかなか咽に負担がかかる。
途中で時々、お味噌汁を口に運び、
口の中、咽を潤しながら一本をなんとか食べ終わるのだ。
そうして『太巻き丸かぶり』は、阿呆みたいで楽しいイベントとして、
我が家の風習に取り込まれていった。
何年かたって、阿呆みたいで楽しいイベントを間近に迎え、
ふと幼い頃の節分を思い出し、母にたずねた事があった。
「なぁ、なぁ、たしか子供の頃は節分に、
太巻丸かぶりなんかやってなかったよな。
これって関西の風習なん?
お母さん、九州の人やし、知らんかったん?」
そう質問した私に母は、いともあっさりと言ってのけた。