本屋でナンパ のひとは 春を待たずに 既に入院中だった
連絡をもらってから 間もなくだったようで 最初はこちらの電話にも 誰だか判らないようで それで何だか このやり取りの意味を 一気に理解した
着物を服にしたい という思いは 確かにあったのだろうけれど 恐らく本人にも 解らないところで 迫り来る危機に対しての それがSOSだったのだ
兄弟が居る大阪で 入院したかったが あっちには行けないかもしれない なんて 長い入院に 随分弱気になっておられた
退院の見通しも 未だ立っていないようで けれどあれこれ話すうち まだ死んではおれん の言葉が出て 思わず強く同意した
果たして 縫えるかどうか 定かではないけれど またお電話下さい 待っていますから と言わずには居られなかった
着物が繋ぐからこそ 仮初めなのに どこか深い こんなご縁になるのだろうか
またまた 腕の痛み再発
少し良くなると 油断して 痛いと思いながらも 内職の大量修正とかが 良くないんだろうきっと
恐らくこれまでに 何万と作っていながら まるで向上の気配ないそれを いい加減に諦めるべき なんだろうきっと
そんなコトを思いながら 昨日はカイロを貼って ひたすら温存 それでも夜は痛みで寝苦しく 休みの今日は 自転車に乗るだけで 痛みの在り処を知らされる
なので 活きのいい魚は ムスコに包丁を任せ パン作りも久々に 全部ベーカリー任せ けれどなんだか 気持ちは落ち着かない
夕方になって 何か収穫が欲しくて ふきのとう探しに出掛ける いつもの宝庫は 新しい雑草が生い茂り 探せたもんじゃなかったが
そこに至る 斜面で僅か五つながら 今年最初の春をゲットして とりあえず今日のところは よしとしよう
昼間は 陽光が眩しく 暑い位である スーパーには ふきのとうや こごみが並んでいる
別れた男女は それぞれに 新しいお相手との デイトの話しで 盛り上がっている
春だね
凍てた不毛から 明るいドキドキを 呼び込む位に 傷は癒え 雄々しく復活する
懲りない繰り返し かもしれなくても 今度こそはと 新しい景色を 誰かと一緒に 探そうとしている
決して 留まっていない 彼らの逞しさを この春に重ねて どこかに眠っている パワーの源を わたしも 掘り起こしてみよう
活きのいい鯵を 見つけたので お刺身にトライ
三枚下ろしではなく 先に皮だけを剥いで 頭も内蔵もそのままに 美味しいところだけを 取ってしまう方法を試す
出刃ではなく はなっから刺身包丁で 皮を取るところまでは すごく良かったのだけど やっぱり身を切るのは いまいち覚束ない
中骨の感触を 頼りにしたいのだが ここって感じが 掴めないまま 浅すぎたり深すぎたり
なので結局 骨抜きも動員して どんどんグズグズになり お刺身ではなく なめろうへと企画変更
うーん 考えてみれば アジフライ用の あの開き方とかも やったことがないし ホント魚は苦手なのだ
とは言え その辺りは 慣れだと思うので またしつこく 頑張ってみよう
明日は 朝から日役があるので 今夜の会議は パスしたかった
けれど 昨日事件があり きっとそのことが 懸案にもなるだろうと 休むワケには 行かなくなった
大事には至らなかったが 最悪の事態を想像すると ぞっとして 昨夜はなかなか眠れず 何とか防ぎようがあった その思いにちりちりした
そうして 恐らくこのことは 最近の気力減退へ 警笛を鳴らすため 起こるべくして 起こったのだ
自分の責任ではないし 全てをコントロールは 出来ないけれど 普段のわたしなら 予兆をそのままには しなかったろう
どんな体調であろうが 現場に出れば 緩んではいられない なのに どこかで自分に 言い訳をしていた そのことを恥じるばかりだ
良くなったか と思えば まだまだスッキリせず 薬に頼っている
依然として 匂いも味も 定かではないので 料理はおろか 全てに気力減退 もうともかく なーんにもしたくない
たまにはいいじゃん こんなのも と思うけど 仕事もしたくない病で どゆ意味 の問いかけに 応えるのも面倒くさい
で そうこうしているうちに また近づく申告時期 ムスコのバイト先から 源泉徴収票が一向に 送られて来ないのも 気になりつつ
調べたら 辞めて一か月後には 出されるのが普通らしいので このまま待っててもダメだと 本人の尻を叩くも こちらも動く気配なく
こうなったら 戻って来た税金分は ホビット鑑賞ツアーに 使わせてもらうぜ
ただでさえ 気分が暮れゆくような 冬なのに 風邪の経過とともに ピリピリだったこの頃
いつものパターンで 鼻にキて さあここからが長い と思っていたら 昨日ゆっくりしただけで 随分と良くなった
悪い間はやたら 洗濯物を干す夢ばかり だったのに 昨夜はナゼか オーダーメイドの ギターケースを考える夢
スタッズを希望どおりに 配置して ポケットや被せのフタに 工夫のある 世界でひとつずつのそれを ばんばん受注するのだ とワクワクしている
喜びのもとは 悉く創造にあることを 解っているはずなのに やるべき仕事に 押し流されて あまりにも遠ざかった
その救いの手にも 応えられないって どうなんだ自分
微妙に風邪が蔓延 少しの咳と少しの熱
同時期に何人もで 始まりはあの土曜日 だったような気がするが 微妙なので がっつり伏せる程でもない
けれど 基本マイナス って感じで 普段は頑張れることが もうどうにも辛くて マスクの下で 自分を保護に向かう
どうしていつも ドタバタなのか こんな施設他にない と他所を知っている人が言う 知らなくったって ないだろうとは予想が付く
こういうものだ と甘んじていることへ 本当にそうなのか 改めて疑問が浮かぶのは 土曜日のあのコと 同じかもしれないけれど
マックスのパワー でなくても やって行けるように 改善できる部分はあるはずだ
お試しで パーキンソン病のひと がやってきた
仕事がしたい というご希望らしかったので 簡単なことから と思い ハサミは使えるか確認して ヒモを切る作業から
見本のヒモと先を合わせて ずうっと手繰って 反対側の先で切る だけなのだけれど 折角手繰っても ハサミを使う段になると 見本の長さは無視になる
なので次は 紙に引いてある線に沿って 正確に切る練習と チラシを半分に折る練習 時々眠っているかのような 気配のなさに 思わず様子を窺う
悠久の時を超えて と 思わずナレーションが 聞こえて来るような 超スローモーな動きに そこだけ異次元の世界が 広がって行く
うちでは 工賃を出せるような 作業レベルにないことは 明らかだが 以前は他の施設で 作業をしていたと聞くと その頃より 症状は進んでいるのだろう
精度や進度を要求しない リハビリ的な内容を 捻出しながら その一方で 数を上げる納期に 神経を遣う なんて
到底わたしのキャパを 超えているぞ
午後の作業時間中 ひたすら 悪態を聞き続けた
体調が悪くなったのを 職員に報告に行ったら 心配してくれなかったので ムカついたのがきっかけ 過去にまで遡り 文句のオンパレード
こうなると いつものパターンで 何もかも全否定まで 矛先が拡大するのだが その負のエネルギーに 晒され続けるのは 本当にキツイ
陰で文句を言っていないで きちんと本人に伝えたら と言っても どうせこう返って来る ってワケで 頭の中の問答も ネガティブの応酬みたいで
さんざ 部屋中をどんよりさせて 結局作業が終わって 言わねばならない と思ったらしく 事務所で神妙に座って 何やら話しをしていた
はい あっけなく それでスッキリー 悪かったな これから気をつける の言葉を貰って あっという間に陽転
いいけどね 直接話す勇気を持てるまで どんだけ 吐き出しゃ気が済むんだ いい加減 こっちがモタないわ
本格的な年明けが 立春でようやく と思ったら お祭り騒ぎが連続
どこぞの ヤクザかゴロツキか ってな口調に加え 狂ったような泣き声と それに脅えて 続々泣き出す女子供
はーヤレヤレ と思ったら今日はまた 独りで泣く暴れる祭り 居合わせた子供が わたしに抱き付いて ぽろぽろと大粒の涙
ようやく帰った その後も 電話の向こうで 怒号がデカすぎ もはや 何を言っているのか 判別できない
年齢制限をして 年輩者ばかりを受け入れよう そんな話しが出る程 ワカモノ達の 無尽蔵なパワーの表出は ひたすら場を荒す
ただしそれは 理由なきものではなくて 誰よりも大切な 自分意識があるからこそ なので 余計にややこしい
本当は 何に依っても 穢されることはない はずなのだけれど それに気づくのは 自分意識を持つより ずうっと難しいのだ
本屋で ナンパしたひとから 電話が来た
っていうか いつだったかも 忘れていたし まして声だけで 覚えてますか と言われても困ったが
あー ひょっとして本屋で と思い当たり おぼろげに顔が浮かんだ リメイクの本を探していた 老婦人の様子に 思わず声を掛けたのだ
何かあったのかと 声を聞きながら くるくると頭を回転させたが 出てきたのは意外にも 服を縫って欲しい という言葉だった
春に大阪で入院するので その時に着たい という 縫える方のはずだったので ひょっとしたら 病のせいで無理なのだろうか
即答はできず 少し時間をいただいた 型紙はあるそうなので 本当に縫うだけだが 果たして今のわたしに そんな余裕があるだろうか
断るのは簡単だが 恐らく彼女にとって その入院は 大きなことに違いなく だからこそ好きな着物地で 作った服が着たいのだろう
そう考えると 縫うことが そのまま彼女への エールとなる気がして すごく悩ましい 出来るのかわたし
昨日の戸外は 気持ち悪いほど 暖かかった
家の中は 別世界のようで 肩が冷えて 痛くて仕方なかったが 恐らくこれは 春の訪れとともに 軽減するだろう予感
ん そう言えば 昨夏の盛りに あまりに暑いので 袖なしで寝て 冷えているのを 感じ続けていたっけ
てことわ 暖かくなっても 油断してはいけないのだ むしろ 夏の冷えの蓄積が 冬に表れるのかもしれない
一年前は 考えなかったこんなこと これが 歳をとる ってことなのかもなあ 勢いだけで今日を乗り切れば いいってもんじゃないのね
今日は節分 年男に豆を撒くか聞いたら 無言だった あの小さかった子が もう24になるのだから 当たり前だな
廊下の豆を かりかり齧っていた キク丸も ほっぺに一杯 詰め込んでいたリスも どんどん遠くなって行くよ
どうして来ないのか その職員の不在に 辞めたとか デマが飛び交い
キミの支援に 自信がなくなった と悩んでたらしい って話しに重ねて 暫く休んで考えるようだから 来た時に成長ぶりを 見せてあげよう なんて
言われた方も ホントなのか と訝しみつつ 泣き声を上げていたので ちょいやり過ぎたか と思ったら 涙なんか流れちゃいなくて
どうしてボクに 相談してくれなかったんだろう なんて 親友ドラマにでも 見立てたみたいで もし辞めたら今度は イケメンがいい っておい
からかっているつもりが その懲りない 立ち直りっぷりは 一枚上手を行っている あまりにも 強い生命力は あらゆる人類の中でも 一番ではないかと思う
何も心配しなくても 誰が関わろうが 関わるまいが 変わらず そのままで居られるだろう ある意味 羨ましい位だ
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