売約済にさせてもらっていた リメイク服2点をお届けに お得意様のお宅に伺った
わくわく市にいらした時に聞いていた もらったと言う沢山の反物を 片っ端から披露してもらい 初めて見る布たちを前に お休みモードの頭がしゃきっとなった
彼女は普段 着物を着る人でもあるのだけれど 好みはとてもはっきりしていて わたしが作った服も 試着はおろか 値札も見ずにスッパリ決めてしまう こちらが心配になるほど 男気に溢れていてカッコイイのだ
お互いに あまり好きではない柔らかものが多く けれどその中に これはというツボのがあり ノースリーブの夏のワンピースなんかいい ということで盛り上がった
んで 突然の展開で オーダーを受けることになった そういう話は以前からあって とても荷が重いとお断りしていたけれど 今なら 彼女の服なら チャレンジできそうな気がした
布も作るかたちも決まっている それは滅多にないことで なのに これから新しいものを縫えるトキメキは いつもと少しも変わらない むしろ 次の一歩が決まらずどろどろのわたしに カンフル剤をくれたのだった
朝 いつものように 亀3匹に餌をやり 鉢植えに水をあげながら 昨日購入&お礼にいただいた緑の ご機嫌を窺った
苔玉のまあるいモワモワから 小さな柳の葉っぱが くるるんと出ているのや すみれのはあとの葉っぱが あたしあたしと主張しながら伸びているのが 可愛くてタマラナイ
ぽつんとひとつ置いてあるだけで 周囲の動かない商品まで 表情が変わって見えた 昨日までの お祭りのような5日間は これら緑の作る気とともにあった
苔玉を並べたいよね なら知り合いに聞いてみようか 古物着物リメイク服のレギュラー陣に そんな思いつき会話で加わった 驚くほどの数の緑は 最初からそこにあったみたいに ぴったりとはまった
そして わくわく市に並ぶ前の 個々が手を尽くした時間を思い そこに 自分がただ 夢中になって縫っていた時間を重ねる ひたすら 好きを表現していたとき
それは 値段がつかなくても続いていく日々 今日からまた はじまる
うーん いったいどしたのか今回 いつもなら 途中落ち込む日が必ずあって さあっとただ見て 知らない間に帰ってしまう人もいる なのに
なんか濃い 開期中のリピーターもすごいが 知り合いの知り合いからのチラシとかで 初めてのお客様も含め 喜んでいただいているのがひしひしと そして 迎える側のわたし達も 本当に楽しい日々が続いている
前半のハイライトは個人的に 福すずめさんの来訪で 作る側提供する側からの視点が いろいろ共感するところあり 学ぶところありで とても印象に残ったのだった
もちろん気になる売り上げも 毎日同じテンションで推移し さすがに今日は と思っていたのに 早くも過去最高記録を軽く突破
リメイク服も残り少なくなって 折角来てくださったのに申し訳なく 今回はこれが精一杯だったけれど もっと沢山並べなきゃダメだなあと しみじみ思うのだった
残すはあと一日 打ち上げを励みに 頑張るぞお
んもう 開店からむちゃくちゃの忙しさ そして お客さんの誰もが 必ず何かしらご購入くださった すんごい有難いことに
ホントに 宣伝行き届いてないし 平日の初日だし ざんざん降りだし どなのどなのの諸条件にも拘らず
いろんな商品があり お客さんの好みも多岐に渡るので 同じものに殺到してしまうようなコトもなく 何が売れたの? ってぐらい 変わりないスペースなのだ
まあその中には なくなったら寂しいでしょ と 最終日まで売約済みにさせてくれる 優しいお客様の配慮もあったりしてだけど
やっぱ 頑張ってよかった 結構シビアな時もあったけど 今回ばかりは 本当にこころからそう思う
明日は サイトでリンクさせていただいている 福すずめさんもいらっしゃる予定 楽しんでもらえるといいな っていうか お話できるのが楽しみだあ
ギリギリになって バタバタするのはやめようと 早くから値札つけと ハギレ作りに精を出す
でもこれはこれで 適正な加減なんてもんが判らず やたら時間が掛かる上 もっとこんなのがあったら とか余計なコトを思いつき ハギレを取るためだけに 新たに着物を解いて洗ったりして
んで服には ひとつずつに 小さなメモなんか加えて そんなスペースでは 到底伝えきれないあれこれを 全部書き尽くしてしまいたい衝動に 突っ込み入りまくりで
本当はまだ あと少しで縫い上がるのがあるんだけど ここまで最後のところに 時間を掛けたことはないので なんだかとても充実 数も大事だけど こういう小さなシゴトで きちんとキリをつけるってのも 忘れちゃいけないんだと気づく
そんで毎回 展示会の前って ちょっと浮き足立ったカンジになるのに 妙に落ち着いたまま というのも どんな風にしようとしたって プラスとマイナスの両面が必ずあって それを判りながら選ぶのは 小さな腹括りの繰り返しなのだ
後はお客さんの反応を見て 学べばいいや さあて 残りの縫いに取り掛かるかな
昨日のスペース作りで かなり現実味が増してきた 今回の構想そのものが遅く 情報誌に宣伝が間に合わなかったせいもあり 本当にできるのか と思っていたものだから余計に
準備は男手も加えて 4人でしたのだけど ともかくなんでもアリで ごっちゃに置いても気にならないふたりと 例え古物であっても丁寧に チョイスした雰囲気で置きたいふたり そのミスマッチで喧々諤々
わたしの個人的なこだわりは 毎回来てもらっている人にも 新鮮な気分になってもらいたいということ なのでともかく 重い水屋は動かしたかったし 同じく重い棚も移動してひと工夫
そしてど真ん中には 以前コウノトリグッズが載っていた 大きな扉つきの陳列台 これまでにどれだけの人が 囲んだか知れないそれにはきっと 売りのいいパワーが宿っている気がして
どちらかというと 手作り品主体だった最初の展示会に近い 清潔感溢れる雰囲気になりそう というかそうしたい 友人曰く いつもメインはリメイク服だよ うーん潔い その志に惚れる
水星逆行効果なのか いろいろ検討しなおし 今日は縫えないまま
たったひとつの服たちを 釘打ち増やして並べて その共通項に気づき 次には 選択しなかった可能性が気になり バランスの必要性を感じた
んで 今回使う予定のなかった解きものを 急遽洗ってみたけれど アイロンを掛けながらも 作りたい意欲はもとの方向で なんかそれってどうなのよの突っ込みで 結論は出ない
こういうぐるぐるの時って 急速に眠くなる だから昼寝 本当に久々 でも10分で呼び鈴に起こされ 再び寝ようとするも 布の取り方と縫い方が浮かんできて 浮かぶと試さずにはいられない
うーん あがくのはやめよう きっと今はこの 二次元から三次元の繋がりを しつこくいろんな方向から 探ってみることが必要なのだろう バランスしたいと思った共通項は そのままコンセプトになり得るのだし
キャッチコピーは さりげなくホンモノ いまいちだけど 他にうまい言葉が見つからない
職人技に溢れた本物の素材の数々 名もない仕事でありながら 日本人の技の奥深さを 十二分に垣間見せてくれる そんな着物の生地ばかりを選び ちょっぴりの遊びゴコロをプラスして 気張らずにふだんに着たい服たちを作りました 和風が苦手な方にも 抵抗なく取り入れていただけるような ナチュラルなリメイクを心がけました
こんなイメージでプレゼンすると仮定 あー なんか落ち着いた腑に落ちた これが胸の中にあるのとないのじゃ大違い そう だから今回は 別布どおしの組み合わせはなしで ワタクシ的基本バリエにこだわった内容なのだ
というところで 明日は早くもスペース作りの日がやってくる
毎日クサル程来るスパムメール ロボットにアドレス拾われないように サイトは工夫してるつもりだけど 全く効果のない検索リスト登録の 威力をそんなコトで確認したりして
ずらっと並んだタイトルを見 いきなり謝られてもなあ とか そんな問い合わせしてねんだけど とか こころの中でつぶやきつつ 開かずに片っ端から削除となるのだが 今朝はちょっと変わった一通があった
「シルク雑巾女の会」 ん??なんだそれわ フェリシモの新しい雑貨みたいでありながら 仄かに漂う胡散臭さ 思わず内容を読んでみると 30歳前後から40歳後半の一度以上男性関係で 失敗してる女性の集い なんだそう
その集ってる女性のひとりが 昔の貴女はまっさらなシルク素材で 自分ならドレスに仕立て上げたろうけど 前のオトコは雑巾にしてしまった というセリフとともに オトコに切り捨てられた経験から このタイトルになった由
まああえて無断転載はしないけど 昔脚本家目指してました風の クサイ台詞廻しといい このタイトルといい 個人的にスパムメール大賞を差し上げたい 残念なのはサイトのアドレスで ここは是非 シルク雑巾.com でドメイン取って欲しいが如何
昔シルクで今雑巾に 興味を惹かれるとすれば 雑巾からドレスを仕立てるという かなりコアな気概とセンスが必要と思われ 全く予期せぬところから 己のリメイク魂を問われているのだ
油断してはいけない わたしの覚悟がどれ程か 神様はちゃあんと見ているのだから
そろそろ 展示会への日数が 無視できないカンジになってきた 効率の悪い方向へはまりつつ このままじゃまずいぞ気分が じりじりと追い上げてくる
コウノピアの売り場があったときは オフの日にいかに休むか どれだけ睡眠をとるか が最優先事項で そんなに忙しくない頃だって 本当に疲れていた
あそこにいるのが 心底イヤだったんだと思う その時々 前向きに居られるように 意識も仕事も工夫していたつもりでも そういう生活が 如実に嘘を露呈していた
あの状況のなかで 展示会のたびに 僅かな数とはいえ よく製作できたと今は思う 構想しては立ち消える 分断された日々 あの時の自分が 哀しくて可笑しい
さあ だから今なのよ アイデアを温めながら眠り 朝もはよから布に向かえる そのシアワセを 充分表現できているのかわたし あまりにも布に 振り回されちゃいないか
んで 突然ですが 昨日からレッチリ
縫い部屋の 壁はがしするときも聴いてたんだっけ 乾いたあつい空気を顔に受けながら むきだしの土地に造られた 白い道路をただ走っていく感覚 人間臭い格闘を どこか遠くに見ながら それでも走るのをやめない
まさに 今のツボだ
麻のトップスは ボタンをひとつつけたら なんとなく格好がついて終了
んで 次も薄物をと手にして 大きくふわりと使いたいのに 穴がありすぎて またその制限に苦労しそうで まずはカルテを作成
要するに 解いた布の図に疵の箇所を記入し 最大限大きく使える場所の長さと幅を ひと目で分かるようにしておくのだ もっともこれをするのは 余程貴重な布の時なのだけど
いくら作りたい形が浮かんでも 繋ぎが入れば印象が変わってしまう 数字を見ながらぐるぐるしているうち 突然思い立ってドーナツ作り ナゼに今なのか どしてドーナツなのか 創作意欲の方向がヘンすぎ
卵ふたつを泡立てて メープルシロップとヨーグルトを投入 そこにベーキングパウダーと強力粉 全て分量は適当 その種を生クリームのオマケについてた 絞り袋に入れて 熱した油の中で丸や棒やツイストを描く
あっという間に ポンデなんとかみたいに もっちりふわふわのが出来上がった うーん爽快 そしてウマー
いやだから これを縫いで感じたいんだってば とすると カルテ作ってる段階で 既にダメってことかしらん
崖の際を歩いていたり 自転車で側溝脇を走っているとき ちょっと間違えば あっち側へイッちゃう恐怖とともに 踏み外してみたくなるような感覚 どなたにも覚えがあることでございましょう
やっちまいました つってもロックミシンだけど
日常の冒険者のワタクシとしては ダダダッと勢いよく生地をカットしながら 端縫いをしてくれるアレに 瞬間手元が狂って とんでもないとこを切っちゃう予感に いつもドキドキしていたワケで
やっちゃイケナイけど なんかもう いてまえーっ 的な ギリギリまで慎重にハンドル切ってたのに 何故か最後に思いっきり擦る みたいな いや車の運転はしませんが
不器用ですからジブン (ここ高倉健風に)
後ろ身頃の真ん中をザックリ お陰で それまでテンション下がりっぱなしだったのが いきなり火がつきましたです リカバーせずにおくものかとええ こういう衝動がよく解んない我ながら
何かがあって乗り越える そゆときこそ 生きている実感が得られるってモンで 精一杯いのち燃やせよ と このところちょい死んでたわたしに 喝入れる事件ではあった
はー お楽しみを なんて 思っていたわたしがバカだった 柔らかくなった麻が こんなに扱いづらいとは
当たり前だけど 経験不足を実感する羽目になって 縫う時間は一割を切ると思われ それでも じりじりと少しずつ進んでいるのに すがるようなキモチ
ああ 最初の勢いのまま 縫い上げられる日がいつか来るだろうか 相変わらずムスコからは お母さんシゴトしてねんだろ のオコトバ そう オシゴト未満のままだどうだ とこころの中でつぶやく
んで こゆときの夢には 死んだキク丸が出てきて 一体いつから散歩に行ってあげてないんだろ と ものすごくドキッとする 絡まって伸び放題の細毛には なんだかいろんな虫が潜んでいて シャンプーも散髪もしてあげていない自分に 心底ガッカリするのだ
でもそれでも ヤツの犬臭さを久々に嗅いで みっちり肉感のある背中がリアルで 逢えてよかった なんて思ったりして
次はちょっと楽しく行きたい 前回のがあまりに大変だったので この夏用に考えていた 向こう側が透けて見えそうな とっておきの極薄麻で はずみをつけようという戦略
それは微妙な色違いで二着分あって どちらも着込まれて柔らかく変化し 触れているだけで 暑い季節に 麻を纏うことのできるシアワセを リアルに喚起させてくれる
透ける水色に 白い麻の襦袢の組み合わせは きっと出会う人をも 涼しく憩わせてくれたことだろう 袖裏につけられた繻子の布端は 触れたとたんにぽろぽろと 脆く崩れてしまう程古いものだった
染め直しする前の 古い家紋が二重映しになって 所々色あせも茶変もある そういう布の歴史を大事にしながら さっぱりと生まれ変わったあとの 清潔感を盛り込みたい
流行のリネンとは違う 正真正銘の国産の麻 それを尊いと思うこころが 伝わるようなリメイクが できればいいのだが果たして
ようやくチュニック完成 昨日は一日放置して そのまま来年の夏まで とか よからぬ考えもよぎったが ここで中断すると ズルズル行きそうな気がして
そもそもは 幅の狭い和布を横に使って 身頃からそのまま続いた袖を というアイデアから始まった 型紙なんかはもちろんなく 繋げながら考え考え どんどん深みにはまった
それでも 苦労したお陰で 昨年作った折り紙みたいなトップスから もう少し進み 自由な作り方の可能性が広がった いずれは男性用のシャツだって 型紙なしで作れるようになりたいので そのために一歩進んだ気さえする
以前たまたま見ていた番組で 箪笥のこやしになった服を ざっと切ってダダっと縫って 元の形を忘れるくらい 素敵なリメイクをしている人がいた その魔法みたいな手元が 強く印象に残っている
それはもちろん きちんとした基礎があって 星の数程服を作ってきた人ならではだろうし 既に服になった立体から立体へという過程は 着物リメイクの比じゃない位 難しいだろうけれど
わたしはわたしなりの試行錯誤で 少しでも リメイクの達人に近づきたいと思うのだ
ひとつ服が縫い終わるころ 次に取り掛かるのが浮かび トントンといいカンジで リメイクの数珠繋ぎが続いていたが 今回使う予定のなかった 縮みの麻をふと手にして さあこれが難問
赤っぽい紫の地に 松葉模様が絣で織り出されていて 縮みなので全体にシボがあり それだけ見るとかなりアダルト なのにあえて ギャザーが寄ったチュニックへの試み
有り体で納まりたくない というのは ひょっとして この素材を損なっているかもしれず いいのか ホントにいいのか たびたび浮かぶ疑問符を ともかく完成を待とうと打ち消しつつ
生地を取り出したときは 4幅が縫い合わさっていて 去年は恐らくスカートを作るつもりだった それすら今は 違うだろの気分なのだから 自分がよく解らない
ああこれが 出来上がってみたら 数珠の中にある ひときわデッカイ玉みたいだったらいいのに もっとも このバリエーションで 作りたい生地は沢山あるから そういう意味ではひとつのヤマではある
うーん がんばれえ
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