やっとわをん通信の撮影に取り掛かる 埋まっていないコンテンツの ゆるゆるコーディネイト がしかし トルソーに着せると どうしてもゆるゆるにはならず 頭を悩ませる
以前もらった古着と 手持ちのセーターなんかを とっかえひっかえ 商品のマフラーと ウェストウォーマーに組み合わせ 途中古着のシャツの ボタンを留めながら なんかかさかさするのが気になった
右胸ポケットの中に なにかメモ紙でも入っているのかと ボタンをはずして手を入れてみた 確かに紙みたいだけど と思いながら出してみてびっくり なんと千円札が3枚 次いで左のポケットからは2枚
うひゃー っていうか本当は 咄嗟に本物のお金とはわからなかった なんか色が薄い上に あまりにもぺたっとふたつ折りになっていて しかも伊藤博文の顔があるのだ でも千円には変わりないので さっそく上のコに見せて大騒ぎ
銀行に行ったら今のに換えてくれるよ と言ったそばから でもオレそれ欲しい と言うのでとりあえず神棚に やっぱり古いものは 大事にしとくべきだなあと 久々のお宝発掘にしみじみ感動
いや これまでだって わたしの中ではじゅうぶん お宝になるものを発見していたけれど 今回のものの価値は 誰もが認めるところだけに このまま進んでいいのだという メッセージだと受け取った
昨日のお葬式の間 不謹慎とは思いながら 弔いの雰囲気と 数日前にあった会議での話が ごっちゃになって 4年前に亡くなった Tさんのことを考えていた
会議の内容は 売り場を含めた 朝市と作業所の今後について もう既に立ち上げ当初のメンバーが どんどん離れている朝市では 出資者を募って加工所を作り より利潤を上げていく方向を目指すそう
自分がリスクを負ってこそ 本気になれるのだという考え方 なるほどと思う一方で やめてしまった人達にも 責任感や進んで参加しようとする意欲が もともとはあったはず それがいつか殺がれて行った過程は わたしにとっても他人事ではない
みんなが無理せず楽しみながら その結果として多くの人が集まり ものが売れて行く ひとりで沢山の雑務を抱えていたTさんが あまりにも突然すぎる死を迎えたとき 誰もがそんなことをもう一度 考えたはずだった
これから 誰のための場所になって行くんだろう あそこで頑張っていたTさんは 今の状態をどんな風に思うだろう みんなが本当に望んでいたことは いったいなんだったのか それはたぶん わたしも同じだったはずなのに
突然お通夜とお葬式が入り 準備予定の商品ひとつは 結局間に合わなかったけれど なんとか業者向けページをアップ あとはまた 少しずつ定番商品を増やして行く予定
以前からの一般小売りサイトも 新商品届いているので 順次アップするつもりだけれど マガジン形式では 到底紹介しきれないことになっていて 何か策を考えないといけない
やっぱり通常のモノ寄りのページもあって その中から少しずつ記事がらみで ピックアップして行った方が良さそう せっかく撮った これまでのお気に入りの商品写真も やっぱりお蔵入りにするのはもったいない
うーん頑張ろう 業者向けのページは わたしがコンスタントに製作できる 生活の糧としてのものが中心だけれど それだけではなく 一点ものの商品も作って行きたいし 手染めの羊毛の世界ももっと広げたい
で そんな中 この日記だけでは飽き足らず 密かにブログの準備もしているのだった まだ製品にならない段階のあれこれや この日記と内容がリンクしてる画像の紹介や わくわく館での動きなどなど 載せたいことが山ほどある
本当はそっくり乗り換えようと思ったけれど やっぱり文字だけの日記は わたし自身にとって 大切なことを気付くのにどうしても必要 そして何より 本当に自分らしい人生を歩もうと始めた 全てがここに詰まっているから
ひつじには 沢山の種類があって 飼われている場所もさまざま そんなのをひとつひとつ ネットの画像で見ていると いつまでも飽きない 持ち主の顔こそ載っていないけれど 毛筋にも個性がある
たまにテレビで見かけるような 毛がたくさん伸びたひつじを くるんと抱えて まるごと刈り取る 草や土が絡まって おしっこの臭いなんかも残っている そういうなんの処理もしていない毛を そっくり買い取って 自分で洗うこともできる
一頭の毛の中にも 生えている場所によって ふわふわで繊細なのから しっかりと強いものまでいろいろで 洗った毛を選り分けて その質に相応しい用途に使う 毛を紡ぎ糸にして 編んだり織ったり
今手にしている ミルク色の綺麗な毛も 洗って使い易いように処理されてはいても 時おり枯れた草のかけらが混じっている 確かにいつかどこかで 一頭の羊の命のいとなみに繋がっていた そんな証拠を見つけると 懐かしいくらいに胸がいっぱいになって しあわせに満たされる
この懐かしさはなんだろう そう思ったら ふと菊丸のことが浮かんできた 犬なのに細くて長くて すぐに絡まってフェルトになってしまう キクの独特の毛触り あいつに触れて癒された日々が 羊毛を通じて甦る
キクの毛の一部は 今でも大切に取ってある 持ち主の身体から長い時間離れて ほとんど繊維のかたまりに過ぎなくなった けれど いつも嗅いでいた 日向のような匂いは忘れない
羊毛に触れるあれこれは 毛を刈られたあとも どこかで息づいているはずの 変わらぬ生を喜ぶことと同時に 失った生への鎮魂 たくさんの生き物の犠牲の上に 成り立っているわたしの命をも そうやって一緒に包み込む
最後の犬を失った わたしの魂鎮めもいっしょに
商品作りのために 今まで使っていた羊毛が あまりに高いので 原毛に近いものをネットで購入し 自分で染めることにトライ 以前レインボー染めの経験はあるけれど 基本3色のうちの2色ずつを使って ほんのり淡いパステルシリーズ
残った染料液で 古い障子紙を染めたら これがまたなかなか素晴らしい いや本当は これも以前やったことのある 筆を使ってにじみ染めをするつもりが どうも思うように行かず 悔しいので試した偶然の産物
羊毛も欲しいのはもっと濃色なので また染料を買いに行かなきゃいけない けれどそれは地元で売っているので ちょっと気が楽 今月いっぱいのうちに 企業向けサイトにアップするために 説明書は後から作るとして 画像撮るまでにはもう少し
この件を最優先と動いている間が なんだかとっても充実している それに伴って 今まで思いつかなかった 手作り品のアイデアが次々湧いてきて それを追いかけ過ぎると また眼の前のことが散ってしまうので 強い自制心が必要なのだった
これをきっかけに きちんと売るということを 自分の中の錘にしようと思う そらにまで飛んでいきそうな 夢の羽ばたきに 錘をつけて この地上でバランスを取るために
楽しいわくわくの日 って言っても 変わらず続くお掃除おばさん 今日はまず冷蔵庫から まるごと腐ってるみたいな ものすごい臭いのそれは 手をつけるのに相当勇気がいるのだ
一体いつから入っていたのか 解らないほどのモロモロ 調味料やら小鉢や鍋に入ったままの 得体の知れない物体 冷凍庫には間違いなく モトは生ものだったと思われる ビニール袋に入った何やら
ひとりだったら 絶対に冷蔵庫ごと捨てている けれど不思議とふたりなら やろうと言うひとことだけで頑張れる 自然と役割分担が決まり わたしは庫内をHさんはトレイや食器を ひたすら親の仇みたいに磨いた
その途中でお豆腐屋さんのラッパの音 これまで何度か聞いていたけれど ふと湯豆腐気分になり 急いで大きな木綿豆腐一丁200円を購入 次いで土鍋に水をはり 丁度Hさんが持ってきた 昆布を適当に切って入れ とろ火のストーブの上へ
掃除が終わった後のわくわくの日は ここで製作から始めたいね お昼はありあわせの材料を持って来て 一緒に作って食べて 朝そんな話をしていたばかりだったので お昼は本当に楽しい展開になった お餅を焼いてきなこと海苔で食べ 正月もとうに過ぎてからやっと煮た黒豆をつまみ 大豆の甘味が生きている温かなお豆腐をつるり
先週ふたりで話をしていた時もそうだった どういう訳かこの空間にいると いつもの自分がちょっと特別になっている 遠くそらの上の方にまで わたしの中のどこかが 確かに繋がっているような気がする ただ普通に話すこと食べることをしていても なんだかとっても透明で 祈りのための空間にいるかのようだ
この感じをもっと何度も味わえるように 午後はひたすら床磨き たくさん水を流して 台風の泥を全部落として 古い床下のゴミも綺麗に お互い腰が痛いと言いながら それでも随分いい仕事ができた また来週 ぴかぴかの玄関を入るのが楽しみだな
企業向けの窓口から オファーが来たのをきっかけに 卸価格で出せる商品を きちんと提示できるように これまでやってきたもろもろのことを 整理選択している
時間と手間を掛けて作った こだわりの手作り品では コストを考えると 到底どこかに卸すという価格では 提供できなくなってしまう まして委託品では尚更難しい
お店を開いたとしても ただお客さんを待っているだけではなく 外にも出せるような わをんのオリジナル商品を 柱として持っているのと いないのとでは全く違う それがあれば委託品の収入に 依存することなく余裕を持って預かれる
同じようなことは 何度も考えては形にならず 形になったとしても わたしの根気が続かず消えている その続かないことの理由は ひとつのものを売って終わりという 広がりのなさが原因だったのかもしれない
何がわたしを先に進ませるのか 委託品を売ることや わくわく館でのこれからや そもそも豊岡にきたことと それ以前にしてきたあれこれ 全てに人との関わりがあって その中でいつもいつも思うことは わたしとあなたの たった一度の今を生きること
産まれてきたあなたを喜び 誰でもないあなたの個性を尊び 地上に溢れる美しいものをともに感じ 過去と未来の間で変化して行く そういう全てのことを内包できるような 手段としての何か 限界のない表現を自分の中に問うている
集中しなければと思いながら 一度にいろんなことを こなそうとしていて なかなかまとまらず サイトのページが気に掛かりながら もう少し先になりそう
そんな中 新年最初のわくわくの日は 昨日午後だけだったけど 館のいちばん奥の部屋と コンクリートの車庫を水洗い デッキブラシでさんざゴシゴシして 腰が痛くなったので いつものようにコーヒーブレイク
Hさんとふたり 忘年会の時のままのコタツに足を突っ込んで 年末の出来事を思い返して話をした これまでの人生になかったという位 大きな感情的な山を超えて やっと少し元気が出たというHさんは 穏やかないい顔をしていて お陰でわたしも こころからの言葉を発することができた
たぶん これからわたし達が 進もうとしているのは お互いの内面の道でもある それぞれに無理のない責任のバランスと 意見の一致点を探って行くことは 眼に見えて何かが実現する以前に とてもとても大切なのだと思う
それを丁寧にしようとすれば 結果的にその歩みも少しずつになるから 改めてゆっくり行こうと確認し合った どちらかの意見に引きずられたり 周囲のテンポに急かされて 納得しないままに何かを決定してしまわないよう 自分の感情に正直でありたい
工事を入れる前の段階で 試してみたいイベント的な企画を ここ数日あれこれ考えていた がらんとした何もない空間が その時々でどんな風に変わるのか 厨房が出来てしまえば 却って制限されるスペースも それがないことで生まれる可能性は無限だ
やっとまた 静かに わくわくが戻ってきた気がする
お正月に借りたDVDを観た こういう映画があったことすら 知らなかったのだけれど 静かに静かに惹かれて 終わってからもういちど シーンサーチしながら鑑賞
クジラに乗るという伝説の 理屈を超えた甦りに 巨人を連れていた夢と きんのさかなを釣るお話が 蜘蛛の糸のように 絡み合って 深いところでなにかが動いた
きんのさかなは 老人にしか釣れなかった それは誰かに伝授できるような 実際的な方法ではなかったために お祭りの中だけに残った その結末は 意図して作った訳ではなく 寓話として書いたものでもない
だから 書いたわたし自身 これはどういうことなんだろうと考えた 誰かに伝えられない技術は 結局絶えて死んでしまうのかと思う一方で お話のその後は きっとまた誰かが きんのさかなを釣るのだという予感もあった
未熟なので 釣ることに対する必然性を描けなかったけれど 他の人々の欲望とは別の次元で なにかを成し遂げる人がいる その技は常套の手段を超えていて 理屈なんかでは辿り着くことができない そういう断片を 自分に引き寄せたかったのかもしれない
巨人を連れるわたしは 常識や理性を超えたところで 生きたいと願っている けれどそれが誰かを脅かすとき 巨人の正体を明らかにすることの 必要性も感じる さかなを釣る方法を みんなのものにするように 巨人をみんなが歓迎できるように
クジラに乗る方法は わたしにも解らないけれど
お店のことを繰り返し考えていた 大家さんの入院からこっち わくわく館の掃除は進んでいるものの 詳しいことは決まらないまま 周囲の人たちにも 本当に大丈夫なのかと 心配を掛けているようだ
大家さんが 店舗スペースを整えるためのお金を いくらか出資してくれるという所から 年末一気に設計図を作り見積もりを取る という展開になって 正直わたしは慌てた
もちろん 喫茶や食事を提供することはしたいけれど そのための厨房設備にも 可能な限り手作り感を盛り込みたい 既成のものを置くなら その場所にいちばん相応しいと こころから思えるようなものとの出会いを ゆっくり待ちたい
まだ掃除しか始まっていなくても もうわたしにとっては それすらお店の始まりで 浸水被害のあとそのままの 乾いた汚泥が積もった床を 雑巾で拭く動作ひとつひとつさえ 大切なプロセスなのだった
例えば わくわく館がもし テナントが入居するだけを待つような 綺麗な空間になっていたとしたら たぶんそこからは 何も感じることがなかったと思う
自分が客として通う既成の店舗にも 素敵なところは沢山あるけれど 本当にこころからいいなと思えるのは お店の人がこだわって 作り上げた感のあるスペースなのだった
もちろん 全てを自分の手で仕上げることなんて出来ないし 既にお店のことは わたしだけのプロセスでないのも解ってはいる けれどともかく厨房をと かたちにすることを優先するなら そもそもわくわく館である必然性がない とすら思うのだった
さてさて どんな展開になりますか
除夜の鐘を聞きながら 年が変わると同時に サイトリニューアル コンテンツ半分だけにしても 絶対間に合わないと思いつつ もう必死の大晦日だった
まだまだ手を入れるところは たくさんあって 検索サイトの情報も新しくしなければと 今日もパソコンに向かっていたら 初詣のお誘いがあった はー そうだ しばし新年気分に浸って ゆっくりするのも大事か
みんなで長靴履いて 今年は山王山の日吉神社へ お参りをしておみくじを引いて 破魔矢を買った そのあと ビデオ屋に本屋にパン屋と廻り 友人にお年玉をもらった
気がつけば 上のコは既に 170センチを越す勢いで どんどん大きくなっている 下のコだってもう23cmの長靴だ 子どもはすごい 大人が新しくなるのに うんうん言っている側で 日々リニューアルしてるんだな
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