Shigehisa Hashimoto の偏見日記
塵も積もれば・・・かな?それまでこれから


2004年11月23日(火) テレビ観察ノート

11/17
石原裕次郎をフィーチャーしたドラマ「弟」を何の気なしに見る。演出・役者はあまり良くないが、何かこちらに訴えかけたいという熱意だけは伝わってきた。それは現代の人気者・大物を徹底的に集めたキャスティングからも容易にわかることである、「徳重聡に何とかしてスターの尾ひれをつけさせたい」という執念の表れなのであろう。本当に褒めるべきなのは脚本である。誰が書いているのかと思ったら、驚いたことにジェームズ三木だった。どうりで安心して見られるわけだ。今の脚本家と違って、まずセリフの流れが自然で無理がない。セリフが上手いと、こちらの感情移入度もグンと上がる。彼の手にかかった<石原裕次郎壇>は、おそらくかなりの美化がなされているだろうけれども、それでもやはり胸に迫るものがある。とは言うものの2時間のドラマを五夜連続で放送すること自体、少し無理しすぎではないか。予想外に良い雰囲気を出した加藤あいを見るためのものと割り切って鑑賞することにした。

11/19
「3年B組金八先生」。
僕が唯一見ていた第4シリーズの生徒役の人が出ていたので見ることにした。それにしても金八の<変わらなさ>たるや、渡る世間は鬼ばかりの意地悪姑(赤木春恵)もびっくりの代物である。しかし、金八は不変でも、世の中は確実にうごめいている。今日の中学生を覆う問題は、もう金八先生の体力と人生観では対応しきれないものではないか。だが、妙なことに金八の視聴率は良いのである。この視聴率のメイン層がかつての「金八世代」のではなく、現代のティーンエージャー層のものであることを祈りたい。

11/20
「めちゃイケ」。ここ数週の好調が嘘だったかのようなつまらない回だった。この日はやべっち寿司、スタンプ、シンクロナイズドテイスティングの三つの企画が放送されたが、どれも凡庸の域を出ず、改めて週一でお笑い番組を作ることの難しさを露見させたかたちとなった。個人的には、めちゃイケはもう期首期末の特番に大掛かりなことをやってくれれば満足で、別に毎週のグレードを保つ必要はないと考えているのだけれど、残念ながら大衆がそれを許しはしないだろう。何と言っても、あの薄ら寒いお笑いブームが間近まで迫っているのだ。内村プロデュースやバクテンといった安易なボケ倒しの番組が増え、それに追従するかたちでネタ見せ番組が氾濫している昨今、リズムや筋書きを大事にするめちゃイケは貴重と言わざるを得ない。今の時代の風潮で、どこまで孤軍奮闘できるか見ものである。


橋本繁久

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