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何回目の死 2003年04月30日(水)

飽きれるぐらい
死にたい
と言っていたのに

日々着々と
時間は経っていくものなのですね

お腹が空けば
ご飯を食べようとして
眠いと思えば
布団に入ろうとして
お前が欲しければ
いつだって走っていこうとして

誰が死にたいものか

そうですね
大嘘吐きですね

それでもこれからも
死にたい
と言うと思うんですよ

何百回も
何千回も

そりゃあ
耳にタコができるくらいに




小さな背中 2003年04月25日(金)

好きと好き
が重なり合って
僕は
どうしようもなく
怖くなっただけなんだ

目が合うたんびに
感じる痛さとか
少しだけ喋るだけなのに
感じる辛さとか

君の頭一個分小さな体は
僕よりも
とても強く見えて

一生懸命生きてる姿は
僕に僕自身を
卑下させる要因でしかない

君が笑う限り
僕は痛いし
僕は辛いし
僕はとてつもなく怖いんだ

僕だけに笑いかけている
わけじゃないのだから

優しい君
優しい可愛い君

わかるだろう

僕が恋人なんて
どれだけ馬鹿な選択か

こんな自信のない奴を

僕は
君の背中を
追いかけるばかりなんだ




僕のこの手から 2003年04月19日(土)

書きたい言葉が浮かんでこなくて
僕は
ノートとえんぴつと
睨めっこしてた

真っ白なノートに
勝手に文字よ
浮かび出て来い
なんて念じてみるけれど

結局
最後は僕の手が
ノートを埋めていく

描きたい絵がわからなくなって
僕は
ノートとえんぴつを
放り投げてしまった

床に広がるノート
どこかへ転がるえんぴつ
僕の手だけ
真っ黒になっていた

それでも
ノートは白いままで

結局

僕は何も書けない

僕は何も描けない

かきたいことが
いっぱいあったはずなのに

だけれど
しょうこがなければ
それはいいわけにすぎない
っていわれるしかない

僕は
かきたいだけなのに




てのひら写真機 2003年04月12日(土)

夕空がきれいだったから
手で写真機つくって
パシャリと撮ってみた

最初は横長
次は縦長

微妙な色合いの
赤と紫

もうすぐ
陽も落ちます

目に景色を焼き付けよう
とするけれど
どうしてかしら
なんだか目を伏せてしまう

掲げた手の平
形作った指先

君が小さいと言った
私の手の中に
すっぽり埋まってしまった
君が大好きだと言った
夕焼けの空


この景色を覚えてしまったら
きっといつまでも
君のことを忘れないのだろう

ひとつ
手を打つ

パチン

写真機をぶっ壊す




平凡は非凡 2003年04月08日(火)

だらだらと
生きて
ふわふわと
浮かぶ
感じ

わりと
無秩序な世界に
住んでいる

さして
迷惑がられることもなく
いい子
のふりは
とても楽

何も好まないし
何も嫌がらない
いても
いなくても
いっしょの存在

私は空気だ
と自己主張

そんなことは
決してなかったけれど

私の袖を掴まないで
私の手を引かないで
私の目を見ないで

私は平凡でいいの
雑踏に埋もれて
そのままでいいの

どうしてそんなにも
君は
私を巻き添えにしようとするの

平凡は非凡

君の口癖

笑っていた
いつもいつも
むかつくぐらいに

君は何も
つらいことがないように

だって
君は天才だもの

なんてね

平凡は非凡

君は気付いてた

私は
知らず知らずのうちに
君を苦しめて
傷つけた




色を変えて 2003年04月05日(土)

私は
一つ甘い果実を齧って
青空に立ち向かうのだ

それは
とても大きく見えるけれど
それは
どこまでも広がってるように見えるけれど
私の視界に入るそれには
限界がある

仁王立ちして
立ち向かうのだ

そこには
青しかない

いいえいいえ
よく見て
よく見えるから

わかるはず

それしかないのなら
私はここに
立ったりしない

闘ったりはしない




明日のことを考えよう 2003年04月03日(木)

私が
どうでもいい
と言うことを

君は
どうでもよくない
と怒る

顔は怒っているのに
どうして
私の頭を
撫でたりするの?

本当にどうでもいいの

君のこととか
明日の私のこととか
これからの
君と私のこととか

本当に

私は
私のことしか
考えてないんだから

だから
そんなに叱ったりしないで

君が私を
守ったりするから…




つらいと言って 2003年04月02日(水)

君が

つらいときは
つらい
と話して

と私に
言ったけれども

私は
そのほうが
つらいのでした

私は
君が私のつらいで
つらくなるのが
ひどく怖いのでした

私は
臆病でした

私は
君を守るふりをして
自分を守っていたのでした

ねえ
いまさら

君を好きなのが
つらい

と言ったら
笑ってもくれないですか?




嘘つきユキちゃん 2003年04月01日(火)

誰が気付くこともない
些細な嘘を
ついてみよう

今日は具合が悪いので
お休みします。

簡単に
嘘をついてみよう

ベッドに入って
横になって
大好きなならいごと
お休みしよう

それも大嘘

ならいごとなんて
大嫌い
行きたくない
これ
嘘じゃない

誰にもばれない
ばれないように
お熱高くしよう

平熱より二度五分高い
高熱ね
お休みしましょう

どうでもいい
知らない
私の見えないところで
何が起きようと

ごろんごろん
ふとんに包まって
ごろり

早く午後になって
早く夕方になって

大好きなあの子
本当に大好きなあの子
私を訪ねてくるかしら

そして言ってくれる

ユキちゃん
嘘ついたでしょう

って





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熊野
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