夕空とクッキー
2003年03月31日(月) 終わりを告げるのは いつも君で 僕はつねに受身体勢 二人で歩くときも 僕は君の半歩後ろで 君の長い流れる髪を じっと見るだけだ ゆうやけこやけ オレンジ色か ムラサキ色か 君の髪の毛に反射して 僕の顔を赤に染めて 照れてんじゃないよ からかわないでよ まったく 君はもう 君の顔は どうしてか 夕闇の中では 悲しそうに見えるよ いつだって 僕の前を行く そういう君でしょう 手を出して 僕が勇気をあげる 「努力しなさい」 2003年03月30日(日) 努力をしても 叶わないものがある と知ったとき 私は努力をやめてしまった 努力をすれば必ず報われる という他人の厚意は ただの偽善で 綺麗事にしか聞こえなかった 努力が実ると言うのならば ねえ先生 どうして私の成績は 5には決してならないのだろう ねえお母さん どうして私のピアノは 上手く弾けないのだろう ねえねえ どうして私のすることすべて 努力したね と微笑まれなければいけないのだろう 努力だけを見たのならば 私は一人前かもね 結果を見たら ひどく惨めすぎて 目を向けられないのね 外見しか知らない 赤の他人は 私をとても哀れがるの 努力に結果がついてくるのなら 私はもっと 楽な顔をしていた 理解不能 2003年03月29日(土) どうして君は あのとき 笑ったのでしょうか 僕は何か とてつもなく 変な空気を噛み締めて 苦い顔をしていました 君は 笑って 笑って笑って ずっと笑っていました 僕には 君がわからない 君は 僕をすべて知ったかのように こわいから やめてください ああ また笑うのですか 僕には 君がわからない ひつようなもの 2003年03月28日(金) 生きるために 必要なものとは なんなのだろうか と何度も尋ねるけれど 確かな正しい 答えというものをくれる人は けっしてけっして いない 今を生きている どうやって生きている? ただ生きるだけなら きっと 自分 がいれば生きていけるのね このまま 何もなく生きていて ねえ 後悔はないかしら さてさて もう一度尋ねてみますか 生きるために 何が必要でしょうか トランプを積み上げて 2003年03月27日(木) たよりないあなた 守りたいけれど とても傷つけたい と思うのは どうしてでしょう ねえ 一緒に生きるには あなたはとても 甘えん坊すぎるの それとも 私があなたを 厳しい目で見すぎですか もしも 私が 突然泣き喚く赤子のように 叫び出したとしても あなたは すべて受け入れられるのですか 私も同じように あなたが塞ぎこんだとき 抱きしめてあげられるでしょうか 私は あなたを軽く見すぎなのかもしれない あなたも 私に怯えすぎなのかもしれない 私にとって 2003年03月26日(水) 教室で居眠りをしても 保健室でサボっていても 家でズル休みをしても 39度の高熱も 35度の低い平熱も あんたにとっちゃ どうでもいいこと そうでしょう? 私にとっても そんなもんなのさ あんたのすべてが 大事なわけなんじゃないの それでも あんたを守りたいとか あんたといたいとか そう思ったりするわけ あんたがそこにいること それが 私にとっちゃ 大切なこと 泥だんご 2003年03月25日(火) また僕が泣いたら 君は嘲笑うかな 馬鹿みたい なんて言ってさ ずっと僕を見下げんだ 君はそうなんだ 君は僕を引きつれて まるで首輪をつけたみたいに 君は僕を従えて まるで下僕みたいに 召使いじゃないよ 僕の反論 二秒で却下 そう 君は女王様気取りなんだ いつだってそうさ いつだってそうさ 君が特別につくってやる なんて言って 僕にくれた 泥だんご すごくすごくすごくすごく まずかった あおぞら 2003年03月24日(月) そして また 空はよく晴れるけれど それは 神様のお恵みですか ねえ あなた わたし いつも空を見るけれど 青空はそんなにないのよ 知っていた? わたしはね あなたを 青空だと思ったの 渦巻き 2003年03月23日(日) 君は私を 最近の君は 君らしくないね なんて言う けれど 今の私は これなんだ そうだよ これなんだよ って自信をもって 言えないんだ 言えない私は やっぱり 私らしくないのかしら ああ でもそれでも 今の私は 本当に私 君の望むように 私らしくいることは 君は満足 だけど 私は不満足 だから 君が離れていっても 私変わらないから 変われないから 私 君が好き それは 君が今の君だから 君 昔の私が好き これから 変化があったら 私は君を好きなままかしら 未来の私を軽蔑 春 2003年03月17日(月) ピンクのランドセルを背負った女の子が 軽い足取りで 私の横をかけていった ああ 私は赤のランドセルを 背負っていたのに 昔 ひとりだけ ピンクのランドセルを 背負った女がいたのを 私は思い出した 毎日自慢をし 毎日嬉しそうに ほっぺたが とてもふっくらとした そんな女だった 私は ふいに カッターを取り出して ピンクのランドセルに 突き立ててやった 女は泣いていたが どこかいやらしい感じがした 次の日 新しいランドセルを背負って 女は笑顔で私を見た 今度は 黄色のランドセルだった 前方を行く女の子は よくピンクが似合う 私は頭上の桜を見上げ 風よ強く吹け と願う もう春か それは両想い 2003年03月16日(日) なんでこんなにも苦しいのだろう それは君が好きなんだろう けれど 私がもっと早く それに気付いていたとしたら 君は私を 好きと 受け止めてくれたかしら 今の君の笑顔じゃなくて そんなにも あの子を愛してると言うのに 今日のお天気 2003年03月13日(木) 空は鮮やかなのだと いつ気付いたっけなあ 本当は空は青くない なんて いつから疑ってたっけなあ 光の反射を どうにか遮ろうと 無茶をしていたあの頃 暗闇を欲していたわけじゃない 今はこうして 寝っころがって 雲の流れを見るけれど でも 雲がどこへ行くかなんて 雲にだってわからない 太陽が 僕の目をつぶさないかなあ と呑気に思ったりして そろそろ 目を閉じてもいい頃だよ 今日は 吹雪だよ 手をつないだあの日から 2003年03月12日(水) 妙に暑い昼下がり 太陽を見ずに アスファルトを俯き見て 踏みつけてやった 足裏には蟻がいて 足をばたばた もがき苦しんでいた 僕は帽子を深くかぶって 汗を垂れ流した 時計がまた 一分進む もう少しで君が生まれた時間だ いつの日か こうなるとわかっていたし 覚悟という なんだか大それたことも していたと言えばしていた 僕はやっと顔を上げて 君の映る窓を見やった 君の横顔は美しい 僕は額の汗を拭って 光る手の甲を触った 僕はまたアスファルトを見て ため息をついた 手をつないだのが 本当の君じゃなければ よかったんだ 結末 2003年03月11日(火) 僕を愛しすぎた君とか 君を愛しすぎた僕とか 一種の事故だって 誰か言ってた 僕は右耳から聞いて 左耳からその言葉を出した 偶然を装って 僕は君を愛したいわけじゃない 必然だと 笑っておくれよ 君を愛したのは当然のこと っていつものからかった笑いを しておくれよ 草原を踏む音は どうにも僕の耳から離れずに 青空の画面は どうにも僕の目に焼き付いて 別れるのが 運命だなんて 笑わないでおくれよ 青空よりマズイ僕 2003年03月10日(月) 青空を食べる 小さい虫は きっと僕のことだって 飲み込めるんだろう そう思って 僕は虫に聞いてみた 僕を食べないなんて 僕がマズイからかい? 虫は僕を見て もったいないから と言って また青空を噛み始めた 僕のこと オイシイとも マズイとも 言わなかった 僕は大きくなって 大人になった いまだ TシャツとGパンを穿いて 青空を見ながら過ごしている もう あの虫はいないのかもしれない 僕はまだ マズイだろうか グッドナイト 2003年03月08日(土) グッドナイト、マミー。 なんて、 可愛い声を出しやがって。 あの、憎むべきアイツ。 くりくりの頭に、 おっきな目ん玉ギラギラ、 白い歯だけ浮き出てやがる。 笑うのは、マミーの前でだけかい? 坊や。 唾吐き捨てて、 私にご挨拶かい? 坊や。 こっちも言わせてもらうわ。 グッドナイト、ボーイ! いい、夢を! しろのゆめ 2003年03月06日(木) みんなはどこにいるのだろう わたしのまわりは 白く白く白くて みんなのおかおも 白く白く白くて それがだれだか 判明ふかのう からだだけが やけにはっきり わたしのおめめに はいってくるの おしゃれさん おしゃれさん おしゃれさん 個性という名のもと いきようよう これ見よがしに バンザイ わたしの裸体は どこがはずかしいのだろう ここにおねんね みんなはやあし ぐっばい 時間はとまらないけれど わたしはおねんね 朝になったら うごけばいい ぐっばいぐっばい この白のもと みる夢を みなさまもご覧になればよい 不変 2003年03月05日(水) 穏やかな暮らしをしたい と 私は不変という 固い固い檻の中に 独り閉じこもって 檻の隙間から見えるのは ただの無機質な壁で 小さな窓があった けど 窓にも檻が付けられている 窓から見えるのは 何か有機的なもので 私は 数秒間で変わる その景色たちが とても 痛く感じられた 私のこの 変わらない体を見て? ねえ 変わることの怖さ どうして 自分から実行? 檻をガタガタ鳴らして 叫ぼうとする 何を? 変わっていくものたちへ 私は 変わらないで と 置いていかないで と 冷たいものだけが 私をとり巻いてゆく 枯れ木の裏庭 2003年03月04日(火) 好き なんて言ってもらえる 資格ない 指でなぞる 私の頬は丸い ピンクに染まる 最上のお褒め言葉 ありがとう でも とても悲しい 好き なんて言ってもらえるほど 強くない 指で巻く 私の髪の毛は 枝毛がいっぱい 私を陥れる言葉 ありがとう とてもとても 痛い 剥き出しの眼球 探すは私を好きな人 ひくひくする鼻 見つけるは私を愛する人 縋りつく私とか 愛せるんですか? だから 好き なんて言ってもらえる 資格ない 朝夕の束縛 2003年03月03日(月) 夜に鳴く鳥は 僕の耳をつつく 痛いのに 起きれなくて 叩きたいのに そいつは僕の 頭に乗って ピーピーピー クルッポー コケコー 足跡が頬につく 朝に鳴く羊は 私のお腹に突撃 お腹が痛くてたまらない 胃腸が咽喉まで来て 口から出ていきそうよ メーメーメー ふさふさの毛が 私の鼻をくすぐる 昼間の自由が やけに喧しい 明日になれば 2003年03月02日(日) イタイイタイイタイ!! 駆け抜けろ 貫通 串刺し 首を落とせ 今日か明日か メグレメグレメグレ!! 生きる 死ぬ ついに王者 それゆけ ほらもう 光る自分 もしもし? 2003年03月01日(土) グッバイ グッバイ グッバイー まだ伝えるのは 俺っち無理みたいだ 困難だ グッバイ グッバイ ハロー 何食わぬ顔して 笑ってやるわ ハローハロー ハーワーユー? 俺っちは 元気です |