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馬鹿です 2002年05月30日(木)

馬鹿って呼ばれたっていいさ

ウチはウチで
アンタはアンタ

変えようのない事実を
論じようとは思いませんて

でもアンタは理解してくんない

ウチはウチ

できることも
限られてますってば
アンタみたいにはできませんてば

馬鹿ですけど
馬鹿ですけど
馬鹿でしかないですけど

ウチはウチで
ウチなりにやってます




ランニング 2002年05月27日(月)

あと1回
あと1回だけ
もう1回だけ

私たちは走り続けた
数えようと思っても
数えられないほど

途切れた息
額の汗
膝に置く手
揺れる体

走ることに意味なんてない
走っていることで自分を見る
私たちは
今だけでも足取りをいっしょにして




笑顔の君 2002年05月26日(日)

私が愛した人は
いつも笑ってた

私の前では
絶えず笑ってた

それでも
枕を濡らした日もあったんだろうか
教室の片隅で悔し泣きした日もあったんだろうか

だけど
笑ってた

顔に傷があっても




待ち人 2002年05月25日(土)

笑いあうことしか
アタシにはできないんだけどもさ

それでもさ

アンタが好きだったりするわけさ
果てしなく
あの赤い星よりもさ
熱くて燃えていて

それでもさ

アンタはとっても冷めてるのさ

アタシが溶かしてあげる
アンタのその氷

それでもさ

アンタは誰を待ってるのさ




人の見る夢 2002年05月24日(金)

君の笑顔は
とても美しかった
僕に人間の気持ちをくれた

空を見れば夕焼け
赤く染まって
烏が僕をせめる
雲は横に流れてゆく

明日は雨だろうか
星の行方を追う
光る星を歌う

悲しみなんてここにはない
もう
亡くなった
黒い瞳は
白い肌の上
赤い頬は
白い肌の下

さようなら
ありがとう

簡単な言葉さえ
もう
言えなくなった
白い花は
赤い日々の中

なみだ
なみだ
なみだ




取捨 2002年05月21日(火)

前に進んでいれば
捨てたくなるものもある
拾い逃がしたくないものもある

小指だけを繋げて
どっちにするか迷う

2人の薬指には
目立たない細い指輪

捨てるか
拾うか

あの日を




鬱病 2002年05月20日(月)

僕は逃げ出した
迷子の少年
そう世間から言われる

毎日新聞も読むし
毎日テレビも見る
毎日外にも出るし
毎日歩きもする

小鳥は可愛く鳴くけれど
それは僕のためじゃあない
子供は初々しくはしゃぐけれど
それは僕が見れるものじゃあない

公園のベンチに座っても
僕だけが別世界
何もない


空を見上げて
ささやかに祈る
君が幸せなことを




泣き笑い 2002年05月19日(日)

幸せを勝ち取ったヤツは
笑うんだろう

不幸を押しつけられたヤツは
泣くんだろう

君はどっちだ
僕はどっちだ

僕は泣き笑いして
何かを飲み込んだ




昼下がり 2002年05月14日(火)

通り過ぎた道は
もう戻れなくて
後悔先に立たず

川に足を入れてみても
その流れには逆らえなくて
君は止まったまま

それでも笑顔の君を

白のワンピースは
水の玉で光って

愛してます

だけど
僕らは止まったまま

俯き加減の僕は
帽子を深くかぶって




頑張れ私 2002年05月13日(月)

夢を見ちゃいけないのかしら?

私は生まれたときから私ですよ
どうせ
どうせあんたみたいにはなれませんよ

だからって
夢を見ちゃいけないの?
あんたと同じ夢を見ちゃいけないの?

劣ってたっていいじゃないか
弱くたっていいじゃないか

優越感にでも浸ってろ

今に見てろ
私はここにいるんだ




脱出口 2002年05月11日(土)

愛したのは
ササイなもの
チイサなこと

ちょっとした力で
一突きで
全部壊れちゃった
バラバラになって
直すのは難しいパズルみたい

角から作っていく
小心者な私
真ん中から出てくる
大きな笑いの君

愛したのは
君じゃない
君のその声
君の言うこと

私は
閉鎖された場から出たくて
出たくてたまらなくて




ムシの良すぎる話 2002年05月10日(金)

貴女のお腹から出てきた
ワタシ

沢山沢山汚れた

血の雨も浴びたし
他人を赤く染めもした

泥まみれの今日も
決して泣いたりなんかしてやらない
太陽がこの傷を照らし出しても
痛くなんて
ない

ワタシはもう
ワタシじゃない

声が枯れるほど泣いた
赤子のワタシはもうオシマイ
必死に貴女の手を求めた
幼稚なワタシはもうオシマイ

切ってやる
斬ってやる

それでも
私の帰る場所はありますか




欠片 2002年05月09日(木)

何もここにはないけれど

いらっしゃい
いらっしゃい
さあここへ

掴んだものは
すべて放すな
奪ったものは
全部握り締めろ

自分が弱いことなど知っている

それでも

往こう往こう
あの場所へ

ここからできた
小さな欠片




2002年05月08日(水)

傷ついた壁は
塗りつぶすしかない

傷ついた体は
自分で治すしかない

自分から
自分が始まってゆく

自分の知らないところで
何かは始まっている

何もわからないわけじゃない
何も見えないわけじゃない

すべてはここに詰まっている
何もかも
ここに




2002年05月05日(日)

出会いもあれば
別れもあるとか
そんなありきたりなこと言わないで

私はただただ
別離を期待するの
一生会わないことを望むの

もっと遠くへ
もっともっと
何マイルでも越えて

私はここにいます
どこにでもいます
誰にでも見えます

どうか覚えていて
どうか忘れないで

実体があることだけが
私じゃない




2002年05月03日(金)

何も求めやしないさ
ここで歌って
その歌を

僕と君が出会った歌を

野原で遊んだ
たんぽぽの咲く頃を

歌って

さあ

声は今
闇の向こう

ラララ…




生涯設計 2002年05月02日(木)

生き様は自分で決めてやる

死に様は自分で決めてやる

幸せに慣れすぎて
ごめんなさい

責任をもたない人類
自分を何で染めるの

そんな無意味な泥沼にはまって

どこへ行くと?

生きるならここで生きてやる

死ぬならここで死んでやる





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熊野
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