雪柳のはずだった 楽しくしたかった でも世界は一変して 怖ろしい映像が流れ続けている 私は何もしてあげられない 一月の祈りの日と 三月の祈りの日が カレンダーに刻まれる
のはらの草に 思いがなくなっている気がした
すみれ大好きだったのに つゆくさ大好きだったのに のはら大好きだったのに
今はちょっとゴージャスな 花屋の花にひかれたりする
あの花瓶を見てからかも 桃の花を目からウロコの生け方だった あんなふうに飾ってみたいと思った
のはら風に Good-Byかな
拙い口で できないと言って泣き出すのでなく ムリと言って放棄する きみきみ ちびっこがそんなことば どこで覚えたの
ゲームオーバー ゲームセット ゲームはおしまい そんなことはもう止めにして 雪柳を見に行こう
切羽詰って 常々のこだわりや思い込みでは突破できなさそうで そんなものは捨てて 思いもよらぬ方向へ転じてみる
殻を破る瞬間 自分の世界が広がる感触
猫を噛んだ窮鼠も ひょっとするとただの反撃ではなくて ネズミは猫にやられるものという思い込みを 破ったのかもしれない
今年は七段飾りの大きなお雛様は出さず 真多呂の立ち雛だけ飾った そのお顔がとても優しいお顔に見えた
我をはらず主張せずというか 捨てたというか卓越したというか 流れのままに受け入れて 静かにゆったりと構えている 穏やかでおおらな優しいお顔に見えた
今年は飾った日からずっとそう見えた いつ見てもそう見えた 去年は凛々しく見えたのに ふしぎです
なにか諭されている気がする 包まれている気がする 引きずっているニ月の空白など 忘れなさいと
杏の蕾が膨らみ始めた気がする すこし赤みを増した気がする 杏の春が動き始めた ぷっくりと開きだすとき 愛らしい春がはじまる 春らしい春と思う あたたかい春と思う
シフトがかわって あなたの仕事が無くなっても 段取りがかわって 私の仕事は確実に増えました
いつ何があったと 記録しているのではありません
こんな思いもあったと 記憶に残しているのです
使い切れないもの 使いこなせないものを かき集めたり囲い込んだり してはダメということ 欲張るなということ
そぎ落として 3つまでにしよう
ジョウビタキが来た 背中の白い斑とオレンジ色の尾 シロネムの枝先で尾をたたいている めすかな
雨でどっしりした庭の 枝々に雫が並んでいる メジロが杏の枝で囀る 雌雄わからない
誉めあうだけじゃだめなんだ 賛同しあうだけじゃだめなんだ 熱弁をふるって議論して 思いをたたかわせなきゃ
それが若さというものなのかも
歳を経てただまるくなるだけじゃ だめなんだ 思いが老いてゆくんだ
ガーデンセンターの台の上に ヒヤシンスの鉢植えがずらっと並んでいた
庭に咲く数株と違って こんなにたくさん一度に咲いていると 香り自体が風になる
その風はなぜか懐かしくて 小学校の学級園を想う レンガの縁取りの中に 色とりどりに春の花がぎっしり咲いていた
今日はあたたかくて暑いほどで 冬眠から覚めた
体中に春の元気が漲ってきた 大丈夫もう大丈夫 新しい日々を生きてゆけそうだから なんとかなると思える
あたたかな気持ちでいた日々を 思い出せた 大きな背中をいつも見上げて 支えられていた日々を
感謝しています
私は誰かに感謝されるだろうか そういう日々を送っているだろうか
煩雑になって 身動き取れなくなった時 逆転させてみたら いとも簡単に通った そしてすっきり片付いた
簡単に見えて難しい 難しいようで簡単
しずかに月がのぼる
そのセーターは夢色だった 胸ふくらむ色だった 若い父親がまだ小さい娘に選んだ色柄 今でもずっと覚えている おみやげの包みを開いた時の嬉しさ ふんわり軽いやわらかさとあたたかさ
このセーター着る度に思い出す この春色と感触が似ていて
完成できないといやなので 途中で足りないと困ると思って 何でも余分に用意する そして有り余る
それはあなたの血だと思う
その真っ白な白菜が 元気よくみずみずしく あまりにおいしそうに見えて そのままばりばり食べてしまった
渇いていたのだね
わんこのひ ゆきのさとから はこにゆられて やってきたね すとーぶのまえ ざぶとんのうえで ねていたね おおきくなったね
コラムやエッセイ 酔った言葉を並べる人のは好きじゃない 他人事の酔いには惹かれない カラーやキャラやスタイルや いろいろ作りたいのでしょう でもそれは人格とは違うと思うし その人の人格の見える言葉に出会いたいと思う その言葉に酔いたいと思う 自分はそういう言葉をつかいたいと思う
庭に出ると あたたかくて明るくて 春だなと思う 時間を忘れる
一日でこんなに草はのびている 色鮮やかになっている 私の内に力を届けてくる
大きく明るい満月が まぶしいほどに輝いていた 満月の夜は 何か人生を大きく変えることが 起きるのかもしれない
あのひとは臨死体験を したのだろうか 黄泉の国を見たのだろうか
一日だらっと 堕ちていた
そして そんな自分に 腹を立てている
長い間 重く大きく捉えてきた ずっと考えながら引っ掛かりながら 動き出せずにいた でもそれは 動き出さずにいた にすぎない
とりあえず動けばいい ふとそう思えた そう決めたら気持ちが軽くなった 軽く小さく小刻みにして 取り掛かれそうな気がしてきた 案外早く終わるかも
過去の記憶
そのとき とっさに口をついて出た言葉 大丈夫です 大したことありません それは希望的観測で 自分の責任が大事に至るのを怖れただけかもしれない 誰のためでもなく
そして 大したことなかったのかあったのか 今もってわからない
水仙のこと 部屋が暖かくなって 香りが高まった というより
あたたかさが 新しい蕾を開かせたから 元気のよい香りが広がったのかも
今日そう感じた
夜になって外が冷え込んできたのか 寒くてエアコンの設定温度をを上げた 暖かくなってきたとき ふと甘い香りに気づいた 庭から切ってきた水仙だった
はじめはそんなに香っていなかったし 庭でもそんなに香りを広げてはいなかったのにね
ある温度になると というのが あるのだろうか
ほんとうにきれいな雪が 閑かに真っ白に積もって そしてとけて
空気がきれいになった 土は黒々として
季節は少しずつ 準備がすすむ
ゆっくり庭を歩くときもなかった 寒すぎたり 他人事で忙しかったり 寝込んでしまったり
ふと気づけば 蝋梅の花も蕾も皆散らされていた ヒヨドリなのかメジロなのか それすら気づかぬうちに
クリスマスローズの 赤紫の蕾があがっているのを発見
夕方裏戸口から自転車で出ようとしたら 通りをパタパタと運動靴の足音が近づいてきた
3人の少年たちが野球のボールを持って走っていた 通り過ぎながら角の手前で誰かが声をかけた どっち? 高い声で誰かが答える 右に行こっ
少年たちは角を曲がりスピードを上げ 足音高くどどど と駆けていった
まだ声の高い少年たちよ きみたち速いね たくさん走れよ たくさん遊べよ 仲間と鍛え合えよ きみたちの元気が国を支えてゆくんだ
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