消えてゆく小さなこと


消 え て ゆ く 小 さ な こ と

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1914年04月30日(木)

夕日色の公園に
まだたくさん子どもたちが遊んでいた
いろんな年齢のグループがあちこちに
落ち着いて遊ぶ声がする
熱気ある声は届いてこなかった
空気が冷たくなって子どもたちも静まるのか
空が高くなって声が空へ逃げるのか


1914年04月29日(水)

気がかりな作業を補修する
一人で黙々とゆっくり進める
仕事をきちんと完結することは
やはり気持ちいい
汗も気にならない
清々しく疲れも感じない
やり直してよかった
でも次こそその場で言おう
もう少ししよう 直そうと


1914年04月28日(火)

またしても同じ後悔をする

どうして人が面倒そうにすると
あと一押しできないのだろう
強く踏みとどまれないのだろう

でも気になるから
結局後になって 自分でやろうと思ってしまう
昨日の作業は 午後からやり直そうと思う
結果を求めたいから手間を惜しむ気にはなれない


1914年04月27日(月)

ふくふくと一面銀の穂の海
朝には兎 夕には狐 
夜半には月が通るのだろう


1914年04月26日(日)

冷たい空気がおりてきて
仰げば羽毛のような白い雲の一団
空というより天という感じ

浮かぶとか流れるでなく
翔けるを思った


1914年04月25日(土)

さらさらと心地よい散文ではなく
ガツンと打ちのめされるような
そんな言葉に出会いたいと思う

小さな棘でなくハンマーのような
涼風でなく嵐のような
慈雨でなく豪雨のような

出会った時はなぜかほっとする
立ち直るきっかけを与えられた気持ちになる
心はざわつくのでなく安らいでゆく


1914年04月24日(金)

なんだかつまらないのだ
日々の些細なことなど
時の流れに過ぎ去ってゆく世間の暮らしなど

抽象の世界であるほど伝わるのだ
言葉の中に 我を見る

生活の記録でなく
心の抽出に


1914年04月23日(木)

離別の言葉を放ってみたい
さようなら  サヨナラ  あばよ
捨てゼリフのように


1914年04月22日(水)

早くそう宣言すればよかったのだ
それで終わったのに

半分は嘘に見えるけれど


1914年04月21日(火)

やっと踏み出したか
その声は明るく張る
饒舌に元気風味で

見せかけでありませんように
こころの言葉でありますように
もう嘘はいらない


1914年04月20日(月)

偉そうに言っても甘えていたのだ
そして身体も甘やかしていたのだ
よくわかった

厳しくしないとね
自分を再建しないとね

お粥の滋味を忘れていた


1914年04月19日(日)

金木犀が通りに香り始めた
この前まで時折流れてくる程度だったのが
今はしっかり満ちている

ただずっとお天気が良くないので
元気な明るい香りではない
うちのに至ってはしょんぼり系

今年はそういう秋
そういう巡り合わせかな


1914年04月18日(土)

肌寒い
切れる言葉でなく
あたたかい言葉をほしくなる

誰の本にするか考える

飲み物を考える
珈琲 チャイ 
生姜湯もいい


1914年04月17日(金)

出世せぬひとりの男がいた
 
友がアドバイスする
喧嘩せずに笑顔になれよ と

名医と呼ばれる友も言う
虫歯を治せよ と

物事の遠因となる
根本の患部を見抜ける力だ


1914年04月16日(木)

ヒロイン願望の人だと思っていたけれど違った
プリンセス願望だった
邪魔者が消えて俄然テンションあがりましたね
でも鼻息荒い人って幸せ感がない

レシピ通りの慰めや励ましの言葉
支える心もない虚ろな言葉の交換
それが苦痛になったはずなのに
単に悪口の吐き合いの場にすぎない集団もある

美しいプリンセスは悪い言葉は吐かないものです


1914年04月15日(水)

カリスマと呼ばれる人の取材が多い
プライベートな部分への密着も多い
その暮らしの すごさに驚きフツーさに驚くのだが
それよりもまずプライベートな部分を世にさらすことに驚く
そして凡人は どこまで本当の日常なのかと思ってしまう
そしてソウイウコトの出来る人だからカリスマなのだと納得する


1914年04月14日(火)

己を癒すのは
己に慰めを並べることでなく

ひとには見えぬ知ってもらえぬ
深きところを見つめることだ
探ることだ知り尽くすことだ
一番の理解者たることだ

底の知れたものは
複雑ではなく素直に応じるものとなる
己を動かすのはそういう言葉だ


1914年04月13日(月)

耐えなくてはと思って
きみは痛さに涙が落ちる
それでもがんばって
きみは涙を落とす
人生を捨てたくないから

あなたもそうでしたか


1914年04月12日(日)

手に入れたくて
早く手に入れたくて

そう熱中して

手に入ると
そんなに急ぐこともなかったのだと思う
なぜこんなにざわざわと急いだのかと思う


1914年04月11日(土)

マジックアワー という言葉を今まで知らなかったので
その映画を手品大会のドタバタか何かと想像していた

マジックアワーの意味(本来の)を知って
あの空 あの一番美しいとき のことだとわかった
そう表現するのか
このあいだ書いたときは知らなかった  <1914年03月02日>

そして一場面 
見逃したらどうするか という問いかけに 
次の日また見る と即座に思ったのと同じことを
役者が言ったのがいい気持ち


1914年04月10日(金)

見なかったものは出会わなかったもの
出会わなかったことは無かったこと
昔々はきっとそういう暮らしだったでしょう
異国の旅話が珍しかったでしょう



でも今は 
情報にあふれた世界の
人の住みかはほんの一角
ものに埋もれて暮らしている
時間に追われて生きている
苦しみながら走っている


世界を広げることだけに血眼になるな
情報を集めることだけに時を費やすな
大海を知らずとも謙虚であればよいではないか

まずは自分の井戸を深くして
清い水を湛え続けることに心したい


1914年04月09日(木)

涼しいですね ほんとうに


うれしい涼しさでなく
うら寂しい肌寒さ

暗い雨が浸み込んでゆく


あしたが見えないような
そんな怖さをおぼえる



元気出してゆこう 

それしかないって 






誰にではなく
自分に


1914年04月08日(水)

自ら行動すると
打開されてゆくんだね
君の笑顔がうれしい


1914年04月07日(火)

密やかに
さりげなく
残されたしるし
その温もりに
世界が集まって
力はかき消える


1914年04月06日(月)

かわいそうに痛かったろうね
痛いだろう辛いだろう
苦しいだろう悲しいだろう

並大抵ではない痛さと
夢を絶たれた悲しさに
寄り添うことしか出来ないよ

誰が救ってくれるのだろう

人が生きるのをやめるのは
闘いに勝ち負けをつけたり
辛さに負けてではなくて
闘いそのものが面倒になるのだ
闘いなど嬉しくも何ともないのだから

だから
生きることは闘いだ などと言わない

生きることは愉しみだ そう言って生きよう

たとえどんな状況でも
命はよろこびなのだと


1914年04月05日(日)

郷愁という言葉があって
胸にあふれる想いがあって

ノスタルジックな熊をもとめ
クリスタルな街をもとめ

水面に影落とす花火は夜陰をすべる
風におされた樹々は路上に横たわる
秋のローランサンはピンクだった


1914年04月04日(土)

お墓になってしまった日記
まだそのまま残されているので
初盆 月命日 お彼岸 そしてまた月命日に
花を届けた

バンクーバーの日まで続けるよ
故人の願いを応援していたから


1914年04月03日(金)

記すことで

諦めねばならぬという想いを
こころに留とどめることができる

受け止め 足掻かぬように

言葉に残すことで
迷いを噛み砕き飲み下す


1914年04月02日(木)

若干の後ろめたさを感じながらも
あれやこれや手を出して
あまり芳しい結果を得られないのは
絞れ という天の声なのかも知れぬ

やるべきことは決まっているはず
エネルギーをそこへということかも知れぬ

考えるべきことは多々ある


1914年04月01日(水)

その人にとって楽しみになることを
情報提供できた時はこちらもうれしい

いいこと教えてあげられた
喜んでくれてよかった
間に合ってよかった
楽しんできてね




天窓より          


−ともすれば消えそうになる自分を見失わぬよう−       

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− ささやかに −          

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日付は通し番号として記しています         


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