消えてゆく小さなこと


消 え て ゆ く 小 さ な こ と

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1911年06月30日(金)

タチツボスミレがこんもり咲いた
どこかの細い隙間に咲いていた株を頂戴してきたもの
種が運ばれたのか 庭のあちこちに見え出した
嬉しい限りです
野生の生命力は本当に強い
芽生えた株はひとりで大きくなってゆく
少しのことではへこたれない
鉢で世話される花とは全く違う
誇らしげに揺れている


1911年06月29日(木)

秘話という言葉を自分から使ったのは初めてだ
自分を含め、秘話を持つ人など回りに居なかったから

貴方の話題 十分秘話になるでしょう
まつわる苦労話ならきっとOKなのだから

私も 自分の秘話 考えてみようかな
ちょっとどきどきしますね


1911年06月28日(水)

あと二つほど頼まれ事を仕上げれば
やっと自分の時間が取り戻せる
自分の仕事ができる

季節が知らぬ間に
去って行った

ラベンダーがたくさん蕾をふくらませている
紫のフリージアをたっぷり切ってきて生けた
この香りが好きだ
しあわせな気持ちに包まれる


1911年06月27日(火)

マーケットの花売り場に
ピンクの釣鐘草が出ていた

花屋さんのより小振りに思う
値段が安いから?

でも野原の風情がして
ゴージャスなのより らしさがある

色が可愛いピンクで
雛祭りを思った


1911年06月26日(月)

小鳥のようなひと と形容されていた
ほんとにそう思う
愛らしくてくるくるして
あたたかでやわらかで軽やかで
自由で高らかで誇らしげ
きびきびと素早くて
夜眠る以外は きっとさえずり続けている
素敵なひとだと思う


1911年06月25日(日)

大きなボタンの
少しレトロな
その洋服を
着てみたい気がする
襟の丸みがノスタルジック

レトロモダンなRED
シックで華やか
甘すぎず落ち着きがあって
品がいい

小ぶりのジャパニーズオードリー


1911年06月24日(土)

道路も、花吹雪の道になっていた
フロントガラスに幾片も
嵐のように舞い込んできた


1911年06月23日(金)

その作業も楽しくはあるけれど
ボランティアには限界がある

そろそろ限界だ
そろそろ本業に戻りたい
自分の仕事が溜まってきていることが
気になった時点で
ボランティア作業に焦りが出る
終わりを作ろうと思う

呼んでくれてお茶会気分の作業場に
いつまでも居るわけにいかない
自分の仕事が鬼のように溜まっているのに


1911年06月22日(木)

天窓が目映すぎて
見上げられない

初夏が押し寄せてくる

モクレンの葉が開きだした
子兎の耳のように

春は 掴めぬまま過ぎていった


1911年06月21日(水)

真珠は  海の回帰


1911年06月20日(火)

本来の自分ではないと感じる
賑やかさに流されてゆく
明るいかもしれないが喧騒だ

本来の自分に回帰して
静かに生きるのが
しあわせだと思う


1911年06月19日(月)

全神経を集中させて重要な作業をしている時に
下らないヨモヤマ話を話しかけて来ないで。

在り得ないミスをしてしまったよ。

ひとの所為にしたくはないけれど
やっぱりあなたの所為です

作業ができないなら
している者の集中を途切れさせないでほしい

一からやり直しだ
半日遅れだ
あぁぁ もう



でもほんとは
気をゆるめた私が悪い


1911年06月18日(日)

私の島を知っていますか
海の真ん中
何処にも繋がっていない
たまに鳥が来るけれど
カメが泳いでゆくけれど
誰も気づかぬ小さな島

夢に鯨を見ました
大きな星が流れた日


1911年06月17日(土)

その街にネットをはって
住み着くつもりなんだね

青い花は合わないよ


1911年06月16日(金)

その作家のこと
全く人違いしていた

俳句の人と混同していた
でも何かヘン と訝しかった
どこかで名前を取り違えたらしい

くだらない
妄想を書く作家だ
本を買う人がいるのだろうか

俳句の人に少し申し訳ない


1911年06月15日(木)

新聞で見た投句欄
竜天に昇りて・・ 
ってかっこいい
こんなふうに使われるんだね

竜天に昇る 
って 使うの難しいんだろうね

芭蕉の桜の句
やっぱり女性の句に思えてしかたない


1911年06月14日(水)

熱中していたものを
ふたりとも断ち切った

それでいいのだ
流れを変える
少しは健康的になるだろう

新しい何かをみつければいい
見つけるためのステップになればいい

春なのだ
馬鹿な日に乾杯
金環に祝福を


1911年06月13日(火)

人のこと言えた義理じゃないのです
それは私にも言えることなのです
いいえ私自身に向かって吐いた言葉なのです
自分にもう一度しっかりと
思いを確かめた言葉なのです

だから一緒に頑張れたらいいなと思う


1911年06月12日(月)

さまざまのこと思い出す桜かな

CMで和服の女性が言って
最初俳句と思わなくて
何のCM?と思ったり
俳句と気づいても
芭蕉と知らなかったので
その女優さんの句か いや
ちょっと違うね
そうだきっと有名な女性の句かも
花衣ぬぐやまつはる紐いろいろ 久女 を思い出す

芭蕉と知って 自分の無知を恥じるも
ちょっと嬉しかったりする
芭蕉の俳句って つまらないと思っていたから
これ すごく気に入った
本当に気に入った
えらそーに 芭蕉を見直したりした自分

俳句の使われたCMが すごく新鮮だった


<追記>
小学館 週刊「日本の歳時記」のCM
樋口可南子さん


1911年06月11日(日)

その扉は封印した

開かずの間
もう踏み込むことはない


1911年06月10日(土)

怒濤ではなく

ことことと音立てて流れ続ける
小さなせせらぎに
耳をすませて
鼓動をあわせて

私の中に
あたたかな血を廻らせて

静かな時を想い出して

古いアルバムの写真のように


1911年06月09日(金)

やっとの思いでゼロにしたのだ
もうそのままでよいのだ
リセットではないのだ
リプレイはしない
不毛の地に種はまかない

捨てたままの土地を
もう一度たがやそう
よい土地にしよう


1911年06月08日(木)

捨てることに怒濤を入れようとした

静かに置く それだけで
捨てることは出来るはずなのに

怒濤という言葉に巻き込まれて
静かな判断を忘れただけだ


1911年06月07日(水)

大好きな川沿いのルート
土手に春の兆しがあるだろう
そう思って選んだのに
トラックで一杯
渋滞なだけだった

でも 春の芽吹きの木々たちが
綺麗な緑のレースになって
向こう岸が透けて見える
さわやかな景色だった


1911年06月06日(火)

馬鹿の日の
小さきひとよ
哀しきひとよ
涙をためて
別れるひとよ

誓いをたてよ
金と銀の環
欲するままに


1911年06月05日(月)

怒濤という言葉に
惑わされた日々に

怒濤という言葉で
決着をつける

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1911年06月04日(日)

ひたむきがいい
熱中がいい
道をそれることがない


1911年06月03日(土)

真赤で
あまりに大きな夕日だったので
道を一本戻って
真っ直ぐ見ようとしたけれど
ほんの少しの間に
下が欠け始めていた

大きかった
今までに見た夕日の最大かもしれない


1911年06月02日(金)

木蓮が開ききって散る
湿った土の上に
白磁の大きな片のように
厚みと丸みを帯びて
幾片も横たわる
風に舞う花びらでなく
ただはらりと落ち
土になる


1911年06月01日(木)

ゆっくりと過去の栞となってゆく
そのブックマーク

望みどおりに

もう苦痛はない




天窓より          


−ともすれば消えそうになる自分を見失わぬよう−       

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− ささやかに −          

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日付は通し番号として記しています         


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