消えてゆく小さなこと


消 え て ゆ く 小 さ な こ と

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1910年09月30日(金)

その細道いっぱいに
とてもよい香りが満ちていて
それは鉢植えの大きなエンジェルストランペット
きれいなオレンジイエローで
少しパステルなコーラルピンクがかっていた
たくさん花を下げていて
葉が少なく見えるほど

本当にいい香り
こんな空気に香るんだね
暮れるのが早くなって
少し冷たい夕闇なのに


1910年09月29日(木)

手帳を選んだ
落ち着いた目立たないのにしようか
吸いつくようにしなやかな革のにしようか
いろいろ迷ったけれど
別の少し華やかなのにした
来年は 元気に過ごそう
活発に暮らそう
そう思って

古風な柄の和紙のレターセットも買った
穏やかにのびのびと千両が描かれている
ひっそりとしてはなやかだ
一目でうれしくなった
冬になったら手紙を書こう
そう思って


1910年09月28日(水)

蟲師ギンコの本 読んでみた
丁寧に細かく描かれているのに
語り部の話を聞いてその場で 
ささっとスケッチしたかのような
静かなさらさらした感じ
重くないのに妙にこころに残る

愛の賛歌 という言葉をふと思い出した
なんだろうね
みな生きたいんだね
この世界でみな
バランスを取り合って生き合っている
生き分ける というより
生き合っている のだと思う

小さくて哀しくて少しあたたかい
決して冷たくはない
不思議な気持ちになる話だった
誰も笑ってはいないけれど
大仰に哀しくはない
心の底から生きている
そういう気持ちになった
それが定めというものかもしれない


1910年09月27日(火)

貴方が私に遺してくれた
小さな灯は息づいています
ずっと消えることなく灯っています
こころの芯にあるロマン
貴方から私への かけがえのない宝
言葉にしない絆


1910年09月26日(月)

はしゃぎすぎるオトナはきらいだ
ムリしてはしゃいでみせるオトナは見苦しい
ほら 人が離れてゆくよ
遠巻きにしているよ


1910年09月25日(日)

吐き気にかわるので
もう さようなら

人の幸せはそれぞれだ
クロスしないパラレルだ

サヨナラ もう会うことはないでしょう


1910年09月24日(土)

己の言葉に酔いしれて
己に呪文をかけ続けるひとよ
ふわふわとしあわせごっこ
いったいあなた方は
何同士なのだ何繫がりだ
上っ面のことばさがし
実体のないあなたの言葉に疲れました
いつかきっと
自分に嫌気さす日がくるよ


1910年09月23日(金)

地に吐き捨てる言葉は 
天窓へ届かぬ のぼってゆかぬ

思いを届ける言葉は 
天へとのぼってゆく言葉だ


1910年09月22日(木)

こびとになろう
スケールを小さくして
自分なりに力一杯
自分の世界で大きく生きて
悪くはないと思う

膨張を続ける宙ではなく
コアに向かって収束してゆく
そんな生き方


1910年09月21日(水)

swing するものがいい
首飾りはペンダントがいい
重いブローチよりピンバッジがいい

軽やかに自由に素直に
気持ちを表して
私といっしょに揺れてほしい


1910年09月20日(火)

この季節の
少し雨模様の重い空気はやさしい
乾燥しすぎたからだに
ゆったりと流れるものが
忘れた時間を思い出す

そうだ
誰かのために何かをしようとしていた
そのことを思い出す
ひとのために何かをしていた自分を思い出す

自分のことを忘れている自分を思い出すとき
ひとは優しくなっている


1910年09月19日(月)

蟲師むしし って

見たことあるかもしれない
ないかもしれない
流したかもしれない
 
イマ唐突に興味
なんか深そうでよさげかも

ひょっとして
好きになるかもしれないものを
字だけで毛嫌いジャンルに入れたかもしれない
今までクロスしなかっただけかも


1910年09月18日(日)

気配があって
ちいさな音がして
何かがよぎった

それが灰色の栗鼠だったりしたら
うれしいだろうな
シジュウガラでもうれしいな

どんぐりが落ちたり
もっと小さな種が落ちたり

林の中の小さな音を聞きつけるのは
愉しいだろうな


1910年09月17日(土)

十三夜の月見だった
ほんとうにきれいな月だった
明るくて大きくて
漲る生命のエネルギーを感じるような
動的な感じだった

満月のしずけさとは違う
身近に感じる月だった

満月が緊張する晴れの場で
こちらは普段の日常生活のような
そんな感じ

この間 いい月を見たと思ったのは
まさに栗名月に近かったんだ
この十月の満月は 今年で一番大きい満月らしい
光の大きさというのは
知らずにいても感じるものなんだね


1910年09月16日(金)

お話に出てくるような山あいの学校に憧れがあった
夕日が真っ赤に山の向こうへ落ちる
鳥の囀りが絶えず
皆で遊ぶのは裏山・・ みたいな

漁港のにおいが苦手だから
漁村の学校 というのはケンガイでした

でもふとお話の中の島の学校を思い出した
少し高台にあったり
先生と皆で浜を歩く ってちょっと憧れました
潮風というのは 人を平等にする気がする


1910年09月15日(木)

昨日は半月に近かったので
松の上にすっきり輝いていた
今日は半月よりふっくらしている月を見た
その形はなぜか懐かしく
子どもの頃見ていたのはこの月だ と思った

満月も三日月も見ただろう
でも 藍色の空にこの月だ と思った
不思議な感覚だった

たぶん 夕方家に向かって
ひとりで歩いている時に見たのでしょうね
季節や時間帯 高度と方角 
そういったものの関係でしょうね
比較的大きく感じる月だった

月齢でしか呼べないような月なのに
絵や写真にもならないのに
一番知っている月に思えた


1910年09月14日(水)

毎年同じ写真家のカレンダーを買うので
予約案内が来た
もうそんな時期かな
いつもより早い気がする
青田刈りみたい

まだ少し気が乗りません
割引期限もまだまだ先だし


1910年09月13日(火)

手伝わない
助けない
そう言いながら
心配ばかりする

甘いね


1910年09月12日(月)

この通りは金木犀が多い
どこの庭先にも香っている

十月の空は
明るくあたたかだ

ひとを信じる そんな空


1910年09月11日(日)

温度差を 
すれ違いという

単に
色違いなのに


1910年09月10日(土)

轟く トドロク (雷鳴が轟く 海の轟き)
永遠 トワ 
言葉の響きが好き

モスリン て
どんな布なんだろう
レトロな響きが美しい


1910年09月09日(金)

許すなら
許すなら
苛立たなくてすむ

苛立ちを
鎮めずとも

消える


1910年09月08日(木)

がらがらと大きく音立てて
シガラミが崩れ去った気がする
ぐちゃぐちゃになった蜘蛛の巣が
凍って壊れるように
何の繫がりもすべて散った気がする


1910年09月07日(水)

気持ちを深く沈めてゆくという
そのことだけをしていると
時間を止めたように静かにいると

したくてたまらなかったことが
まさにしようとしていたことが
ただ単にざわついた波に流されていただけとわかる

気持ちをしずめてみれば
不必要なものが見える
必要なものがわかる

静まる って だいじだ
鎮める って だいじだ

明日は落ち着いた気持ちで整理できると思う
気持ちが定まったから
もう揺れていないから


1910年09月06日(火)

雨音しか聞こえない世界にいて
世はどう動いているのだろう
あれこれ想うと
忘れ去りたい人たちを
また思い起こしてしまった

断ち切りたい思いを
雨音が無言でつないでゆく

雨が心に重く溜まってゆく
流し捨てる場所もない


1910年09月05日(月)

急にひどい雨になった
予定がすべて崩れ去る
可能性も消える
ぽっかりと白紙

そうだね
この委ねられた選択は
思い切り有効に使いたい
予定以上の成果を生み出したい


1910年09月04日(日)

前は絶対に嫌だと思っていたバンジージャンプ
この頃 外国の深い峡谷にせり出す台を見て
ひょっとして飛べるかも と思える
思い切れる気がする
飛び降りる のでなく
空へ羽ばたく そんな気持ちがする

ビルからは飛び降りたくない


1910年09月03日(土)

思い切りをよくして
思い切りをよくして
そうやって自分を整えてゆくしかない
切り捨てて切り捨てて
身軽くなってゆくしかない


1910年09月02日(金)

当たって砕けろ 
そうしようと思うときもある
どうにも先行きが見えなくて
不安ばかりがつのって
そんな自分から脱出をはかって

でも基本的には
なかなか当たりに行かない人間だ
一か八かは好きじゃない
そんなに簡単に砕けたくない

粘りに粘って
調査に調査
研究に研究
修練につぐ修練
そういう後じゃないのかな 
当たるのは

そう考える人間だ


1910年09月01日(木)

金木犀が一斉に開いてた
枝々にびっしりとオレンジ
蕾だったときは白っぽかったけれど
どっしりと香りを放つ




天窓より          


−ともすれば消えそうになる自分を見失わぬよう−       

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− ささやかに −          

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日付は通し番号として記しています         


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