空中楼閣

2002年06月03日(月) 久々。

連れて来られた『汚い死体』についての講座。

とにかく私は死体が嫌い。
虫だろうと人だろうと多分同等に嫌うと思う。
でも普通に虫とか潰せるよ、ためらい無く。
なのに潰した時点でもう駄目、汚くて嫌。
急に不完全な物に見えてきちゃって。
不快感や嫌悪感よりも先にイライラする。
「何だよ、コレ?」って。
すごく汚くて、すごく嫌い。
私の家には屋根と屋根の隙間にスズメが巣を作るのね。
それが起こったのは小学校のいつだったか、もう忘れたけど。
台風のあった次の日で、学校に行こうと外に出た私は。
スズメの雛が一羽、玄関の先に叩き付けられてるのを見た。
台風の風が巣を襲って、力ない雛は風に運ばれ落ちた。
それなりに高さもあったから、毛も生えてない雛は潰れた。
ピンクの塊だったけど、その存在が何なのか、一瞬で解った。
小さな手(?)と、少しだけ黄色い柔らかな嘴と、
青とも紫とも取れないような異様に大きい目があったから。
こっちを見てる気がした。
見られてる気がした。
今でもハッキリと覚えてる、残ってる。
瞼に、脳裏に焼付いて離れない訳じゃない。
思い出そうとしない限りは出て来ない。
けど、思い起こせば鮮明に出てくる情景。
それはもう既に記憶を塗り替えた自分の想像かもしれない。
恐らくこの記憶は単なるイメージでしかない筈。
薄れていく映像を知識で埋めていく。
途切れた画像を知識で修正する。
その繰返しで今の記憶が鮮明に甦る。
現実に見た物として現実よりずっと残酷に描かれる。
微々たる霧にも侵される事なく甦る記憶は、
きっと、恐らく、幼い心に焼き付いた衝撃の産物。
きっと、きっと。






だってそれはあまりにリアルだから。


 < 過ぎ去りし過去  INDEX  未だ来ぬ未来 >


亨 [MAIL]

My追加