Mimi の映画感想記

2006年12月05日(火) トランスアメリカ

2005年、米国。
フェリシティ・ハフマン、ケヴィン・ゼガーズ出演。

LAに暮らすブリーことサブリナ(ハフマン)は、性同一性障害を持つ男性。近々性転換の手術を受けることが決まっている。
その彼女のもとへNYから電話が。トビー(ゼガーズ)という男の子が警察に保護されているが、彼はブリーの息子だと言う。
セラピストに諭され、トビーの保釈に向かうブリー。
ブリーを教会から派遣されたボランティア女性だと勘違いしたトビーを乗せ、二人の車は西へ向かって走り始める・・・・・

と、いわゆるロードムービーなわけで。
トランスジェンダーと、アメリカをトランス(横断?)するのがかけてあるわけね。
いや〜、実際アメリカ走ってみると、ほんとにロードムービーだな!!って景色や町を通るので面白いのよね。
日本で見てた時にはピンと来なかったけど、あの広さ、何も無さ、果てしなくただただ走り続けるだけ・・・・という時間の経過は、やってみると良くわかる。
気の合わない人と乗ってたらそりゃ苦痛だろうな!とか。

この映画はかなり(ロードを走ってるとこは)はしょってた感じはするが、その分テンポが良くて話が進むので面白かった。
でも、いくつかのエピソードはとても良く練られていてキャラクターが生きており、簡潔すぎる感じでは無かった。
むしろくどくどと饒舌すぎなくて良かったかな。

私としては途中でトラックに乗せてくれたインディアンの末裔(グレアム・グリーン)のおじさんとのエピソードが好き。

トビー役の男の子は「リバー・フェニックスの再来!」とか言われてるそうだけど、顔が丸っこいので「再来」ではないけどディカプリオっぽい感じ。

でも、でも、でも、なんと言ってもこの映画の白眉はフェリシティ・ハフマン!!!

女優が女装した男性を演じる、という難しい役柄なのにこんなに真に迫って上手いなんて・・・・って、これは、女性として誉めてるのか!!??
だってほんとに「男性が女装してる」ように見えたんだもん。
でもその中身は「間違った入れ物に入って生まれて来た魂」であって、「本当の正しい人生を欲して努力している魂」なのだ。
入れ物が何であれ、人間って中身だなあ、と、陳腐な感想だけどそう思わされてしまった。

ラストも希望が持てる終わり方で、でも大げさでも無くて良かった。



2006年12月03日(日) The Weather Man

2004年、米国。
ニコラス・ケイジ、マイケル・ケイン出演。

シカゴのTVのローカル天気予報士デイヴィッド(ニコラス・ケイジ)。
収入は良く、人もうらやむキャリアを持つエリートだが、家族との関係には色々な問題が・・・。
デイヴィッドがピュリッツァー賞作家の父(マイケル・ケイン)との関係や自分の妻子との関係を通じて自身の人生を考え直していくお話。

・・・いやあ、良い映画だった!
私は好きだな、こういうの。

なんと言ってもマイケル・ケインの名演が!!!
さすが名優。重厚さが違うっていうか。
この人のおかげで映画の格が違ったという気がする。

随所に笑えるシーンもあり、テンポも悪くなかった。
ケイジも、父に憧れてそれを乗り越えられず反抗することも出来ず内心ではあがいている息子であり、自分の子に対しては理想の父を演じられない自分にもどかしさを感じている中年男性、という役柄を上手に演じていた。
この人、結構うまいんだなあ。
もっと年とったらもっと良くなりそうな感じ。
もとから好きな俳優なのだけど、前より良くなってきたように思う。

しかし、シカゴ寒そうだ!!


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