言わずと知れた黒澤明監督作品(1954年、白黒)。
ずーーーーっと昔、多分テレビの名画劇場とかそういうので見たのだと思うが、ほとんど内容を覚えていなかったので改めてビデオで鑑賞してみた。 こちらの図書館にちゃんと置いてあったので感心。しかも「外国映画」ではなく「名画」として揃えてあったのには驚いた。
「Full-Length Version」と書いてあって二本組トータル208分というのでたまげる。 ・・・そんなに長い映画だったの!?これって???
ともかく本腰を入れて見始める。 黒澤映画の特徴なのか古い邦画の特徴なのかわからないが、とにかく台詞が聞き取りにくくて閉口。きっと録音技術のせいもあるんだろうが、早口なのに通らない音声でイライラする。 さすがに志村喬の台詞は聞こえたものの、三船敏郎にいたっては全く何を言っているのか聞こえず。思わず英語字幕を見て大体何を言っているのか見当つけてしまったりして。
しかし、映画コラムで 「若き三船敏郎の陽性の魅力がこの映画をひきたてている。 このバタ臭いダイナミックな肉体の青年がいることで、全体が明るくなる。」 といった評を読んだことがあるが、本当にそうだと思った。
「羅生門」でもそう思ったのだが、この当時の三船敏郎の役ってものすごくいい加減でお調子者でひょうきんで明るく、かわいいのだ。 おまけに顔立ちが日本人離れしていて、とても時代劇向きとは思えない。 それを起用した意外性。 野性的で野放図で、でも憎めないキャラクターの「菊千代」がいるおかげでこの「七人の侍」も暗く深刻にならないですんでいる。 菊千代って名前になる経緯も大笑いだし、戦となると刀をどっさり持ってきて 「一本の刀じゃ5人も切れん!」 なんてとこは良いねえ。ほんと。
三船敏郎の芝居は(もっと後年になってからも)全く上手いとは思えないのだけどね。 「羅生門」「七人の侍」「用心棒」のミフネは好き。 っていうかやっぱりこれは監督の力ってことか。
村の娘と恋に落ちる若侍は、若い時の真田広之に似てるような。 妻を野武士に取られてしまった村人は、ちょっと竹中直人っぽい。 黒澤明が若い時に竹中直人と出会っていたら、なんか面白い映画が出来たかもなあなんて全く関係ないことを思ってしまった。
・・・じゃなくて、映画の感想だった。
えーと、どの役者も走る姿がいいね。腰が決まっていて。 あと、音楽が良かった。これはどの映画でも思うけど、パーカッションがきいてる。
あれ、これも映画の感想とは違うか・・・・うーむ。
うーんと、いや、面白かったよ。 機会があったら見たほうが良いと思いますです。まる。
でもやっぱり用心棒の方が好き。
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