a fish called datsu -だつという名の魚-
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2001年07月30日(月) |
声ほど御しがたい楽器なし。* |
私は今ヴァイオリンを習っているが、その前には声楽を習っていた。ロマンチックで、パンチがあって、伸びやかで、叙情的な歌い手になりたかったのだ(目標を持って頑張るのはいいが、我ながら欲張り)。だが、自分の声質が理想と合わなかったり、思った通りの音が意外と出なかったりで、のどのチューニングが難しかった。 そして牛乳が止められなかったのが、大きかった。私は牛乳が好きなのだが、歌のレッスンのある日に牛乳を飲むと、声がうまく出なくなるのだ。『電波少年』で、華原朋美がアメリカで歌の先生に「歌がうまくなりたいなら、牛乳は止めなさい」と言われていたが、確かにその通りなのだ。そして、前の日に無理をしたり体調を崩すとそれが声に響くのだ。いい歌い手になるためには、音感やリズム感の他にスタミナと節制が何よりも大切だと悟った私は、先生にも才能のなさで半ば匙を投げられていたのもあって、レッスンを止めた。それでも2年続いた。 それから始めたヴァイオリンは、チューニングやメンテナンスがのどに比べてとても楽だし、楽器を弾くことが楽しかったので、今もぼちぼちと続いている。弾きたい曲はあったが、誰かのようになりたいとは思わなかったので、高望みもしていない。肩が凝ったり、長く続けると首にあざが付いたりするが、食事制限をしなくても良く、先生が誉め上手だということも大きい。 それでも時々上手な歌を聞くと、生活態度を改めて歌を続けていれば、どんな感じだっただろうなと思ってしまう。それだけ声という楽器には、魅力があるのだと今なお思っている。
後日談(2002/1/16付):ハモネプとか見てても、歌(というか声)の可能性を強く感じる。
文庫中心に最近読んだ本の感想をどうぞ。
『ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹』(ジェフリー・ユージェニデス (著)、佐々田 雅子 (翻訳)/ハヤカワepi文庫) 若いうちの同じ年齢だと女の子の方が成長が早いとはよく言うが、この小説でもこの説は当てはまるように考えた。語り部の「ぼく」たちが姉妹の私物のことで盛り上がっている頃、姉妹の心身は熟れ落ちていく。そして、姉妹は親たちに抑圧されてると思った。親が姉妹にした事は、間違いだよなあ。あれじゃあ死ぬよ。あの子達が死ななかったら、どんな結末が考えられたのかが気になる。おまけに原題は映画の題『ヴァージン・スーサイズ』と同じ "The Virgin Suicides" 。直球過ぎる邦題は日本で考えられた物なのね。
『尼僧ヨアンナ』(イヴァシュキェヴィッチ (著), 関口 時正 (翻訳)/岩波文庫) これもかなり前に映画化されました。見てないけど。悪魔に憑かれた修道院の悪魔払いに訪れた神父の話だけれど、神父が修道院長ヨアンナに惚れて勘違いしてるだけの様な気がする。カソリックの話だけど、肉体的描写が多いわ。いや、カソリックの話だから、そうなのかも知れない。
『性転換―53歳で女性になった大学教授』(ディアドラ・N・マクロスキー (著), 野中 邦子(翻訳)/文春文庫) 元から女装を趣味としていた経済学者だった男ドナルドが、ディアドラという名の女になって行くほど、いきいきとしていて新しい人生を楽しんでいる感じが分かる。治療費をぼったくられたり、妹の差し金で無実なのに逮捕されたりしても、前向きなのが素晴らしい。だが、ディアドラの妻子が彼女を見捨てる気持ちもよく分かる。ドナルドは失踪したも同然だもの。奥さんにしてみれば、私がこの人と結婚してた三十年間は何だったのとしかいいようが無いと思う。
あと、文庫といえばディケンズの『オリバー・ツイスト』を探しています。かつて文庫が新潮と岩波で出ていましたが、今では絶版の様子。古本屋で探していてもないので、次はネット古本屋を当たるつもり。
私にとって宮崎駿は、ウディ・アレンと並ぶ2大見ず嫌い監督だ。前者は説教臭いし(インタビューを読むたびにうるせえよと思ってしまう)、後者は何だか嫌み(何かインテリを鼻にかけてるてゆうか)だ。私が修行していた高野山にはスタジオジブリのアンテナショップがあったが、一度も足を踏み入れたことがなかった。だが勧める人が多いので、『千と千尋の神隠し』を見に行くかどうかで迷っている。でも行かなくてもいいか。ほっといても自分以外の人たちが沢山見に行くし、来年あたり日テレでやるでしょう。
テレビ、選挙報道ばかりで面白くねえ。選挙報道やってないのはNHK教育だけだが、壇踏みがでかい顔してて、鬱(2ちゃん風)。でも、選挙中継は日テレちゃんのが一番おかしい。つっこみ入れ放題。バラエティのノリって言う奴ですか。
後日談(2001/08/08) ディケンズの『オリヴァー・トゥイスト』は、ちくま文庫から上下で出ている様子。
2001年07月23日(月) |
人間の本性とは何か? |
人間の本性について説明する言葉の内、人間の本性は善とする性善説はちょっと違うと思うし、同じくそれを悪とする性悪説は何かイヤ。そう思っていると、どっかの週刊誌で「性駄目説」というのを読んで、そうだよなあ、いい言葉を読んだと思った。そう思っていると、新聞の本の広告で「性アホ説」という言葉を見て、それは「性駄目説」と大体同じ意味だと思ったが、それはそれでうまい言い方だと思った。 何て言うのか、人間の本性なんて善し悪しで言い切れるものではないと思う。良くあろうとしても中途半端になってしまうし、ワルなふりしても何だか悪くなりきれない。そんな中途半端さに「性駄目説」とか「性アホ説」という言い方は良くフィットしていると思う。
映画のページとオトゥールズのページを明日くらいまでにはアップする予定です。でも、何だか思うんだけど、ルークって、過去に作った曲のモチーフを使い回していることがここ数年(特に"Bootboys"以降)多いような気がする。それは作風なのか、それとも他の曲想が思いつかなくなったのか。新作でもいい曲を書いてるんだから、できるだけバラエティに富んだ曲を書いて欲しいと思う。それは望み過ぎなのかもしれないが。
何か嫌なことが心に引っかかっているときには、涙を流すとすこし楽になると思った。 何が起こったか考えることはとりあえず止めて、辛いという感情にどっぷりと浸ることも大切。 人にどう見られるかは気にしないで、我慢せずに泣くといい。
2001年07月11日(水) |
ルークの新作とツイスト盤。それと呼びかけとしての「奥さん」考 |
ルークの新作、OLIVER TWIST MANIFEST を聴いてる。個人的にBOOTBOYS やFACTS OF LIFEは好きなアルバムと思えなかったので、ファンとして何だかやる気が起こらなかった。だが、今回のソロ2枚は久しぶりに良かった。とてもいい意味で、初期のオトゥールズを思い出したよ。2枚とも歌詞カードが付いてないのが残念だなあ。久しぶりに聞き取り(完璧かどうかはさておき)を頑張ってみようかな。でもそれは日本盤が出るまで待てば良いような気もしないでもなし。そして、あのジャケットのカラフルな丸、あれってツイスター?あのアルバムのアートワークを考えたのは、ルークだというから、ダジャレのつもりなのか?
ツイスターといえば、最近、骨盤の曲がりが気になってるので、小学生の時に買ったツイスト盤に乗っている。骨盤の矯正に効いてるとは思えないが、ウエストの贅肉が落ちてきているので、まあよしとする。
よく店で働いていたり、買い物に行くと「奥さん」という言い方をしたりされたりする。私はそれは一定以上の年齢の女性についての呼びかけの言葉だと割り切っているが、心のどこかで結婚してるからと言っても奥に引っ込んでるとは限らないとか、他の(特に中高年の)独身女性がそれを聞いてどう思っているかが気になっている。だからといって、「あなた」とか「お客さん」というのは何だかよそよそしい様な気もする。気取った店でもないので、「お客様」でもない。どんな年齢でも「お嬢さん」と呼ぶのは、みのもんただけだし。何か、もうちょっとジェンダーフリーかつ、わざとらしくなくて、親しみやすい新しい呼び掛け方を何か考えた方がいいと思うし、店員としても楽だ。でも、やっぱり「お客さん」と呼ぶのが一番なのかな。いかにもお客さんの名前を覚えてないようで嫌な気もするが、名前が分からないのは同じなので、できるだけそう呼ぶようにしようか。
2001年07月02日(月) |
Christie Malry's Own Double Entryって、どんな映画?* |
アマゾンUKに注文していた'Christie Malry's Own Double Entry'が届いた。一聴した感想としては、バーダー・マインホフの続編ぽいイメージの曲もあれば、きれいな感じの合唱の曲もあってバラエティに富んでる。インストもなかなかいい。彼はひょっとしたら、新しい鉱脈を掘り当てたのかも知れない(映画を見てから評価しろちゅうねん)。ルークにはこれからも機会があれば、サントラの仕事をしてほしい。 映画の方のChristie Malry's Own Double-Entryの事が気になったので、IMDbで調べてみたら、この映画を気に入った人には、北野武のBROTHERもお薦めなのだそう。主演のニック・モランの仕事で最も有名なのが『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』。彼の役はスティングのコドモで、お父ちゃんにどつかれれる印象が強い役だった。日本で出ている他の作品には、『犯罪潜入捜査官』というビデオがあるんだと(全洋画ONLINE調べ)。日本では公開数が少ないけど、ここ数年で出演作が増えてる様子。ルークのことも調べてみたが、ほんとにちょこっとだけだった。 一回見てみたいけど、日本でやるのかが気になっている。現在、あのサントラも日本では出るのかでないのか分からないし、映画の公開が決まったという話も聞かない。ラッキーだったら、札劇(イギリス系の映画が結構掛かる、こんなサービスをしているいかす劇場)まで来るかも知れないけど、来たらぜひ見たい。
後日談(2001/07/09記) その「きれいな感じの合唱の曲」、In the Bleak Mid-winter はホルストというクラシックの作曲家の曲だったりして。組曲『惑星』を書いた人。聖歌っぽい感じだと思ったら、 本当に聖歌だったよ。
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