新人監督日記
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2003年04月11日(金) なぜフットボールか?

大学では入学式も終わったそうで、
来週からは新入部員獲得のための勧誘期間となる。

新入部員を迎える前に今一度、何故フットボールなのか?
改めて自分自身に問いただしてみる。

私がフットボールと出会ったのは中学1年のころであったか。
深夜のテレビ放送でNFLを初めて見たときは、
なにがなんだか分からなかったことだけはしっかりと覚えている。
ルールはともかく、そのプレーのすごさに一瞬にして虜になった。

初めてあの楕円形のボールがきれいなスパイラルを描き、
青空の下を飛んでいく様を見たときの感動は今でも忘れられない。
野球のボールなどと違い、ただきれいに投げれるだけでうれしかった。

そんな私にフットボールとは何かを根本的にたたき込んでくれたのは、
指導者もいない高校時代に出会った、あるアメリカ人コーチの書いた
一冊の本であった。

「ポール・ブライアント」
彼の名を知らないコーチは存在しないのではないだろうか?

私に取ってのフットボールの原点は
この1冊の本であるといっても過言ではない。
その中のある1節を今一度、振り返ってみる。

フットボールから得られる最も有利で有益な教えは、
勝つことだけが持つ価値を知ることである。
試合での単なる勝利ではなく、激しい消耗戦において自分自身に勝つことを
少年達に教えるのが重要なのである。

もちろん、試合で勝つのは重要で、重要ではないとは最後まで言わない。
しかし、平静心や自信、選手自身の誇りや責任感を発達させるために
若者の手助けをし、より努力をする意味を教えることが、
フットボールでの勝利を教えることの本当の目的なのである。

試合に勝つかそれとも若者が信念を得るのか、いずれかを選ぶ権利があるとしたら、
私はためらわずに後者を選択する。
コーチにとって、教え子が人生における最終目的を達成し、
その成功への努力のささやかな一部分を共有できたことを知るのは、
何にも勝る報酬である。

今年も、様々な出来事があろうが、原点を忘れず、
幹部以下現役部員達とともに乗り越えて行ければと思う。

そして、今は静かに待とう。新たな私たちの仲間を。





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