イトナミ_エイエン

2006年08月17日(木) パレードの朝

驚くぐらいの静寂
夏だというのに、空気はしんと冷たく
僕は自分の耳がどうにかなったのではないかと
何度もつばをのみこむ

君に出そうとしたハガキが
真鍮で出来た目覚まし時計の下に居座ってる

こちらは天気です
空が青いです
笑っちゃうくらいに、最高です

自分のIQを疑いたくなるような文章
なぜこんなにも僕は口下手になってしまうんだろう




2006年08月16日(水) さらさら

さらさらと君の髪

僕の手を避けて、
離れていく

掴もうとすれば逃げて

くるりと振り返って
きみが僕を睨む

さらさら

さら

君が逃げていく音だよ



2006年08月11日(金)

りかさんの恋人は苦しくないですか。
大切な人なのに、その才能に、嫉妬せずにはいられない。
そんな苦しい事はないと思います。
だって、りかさんは何百年という時間で埋める事のできない才能の持ち主。

わたしなら、苦しくて、才能に満ちた恋人を消してしまうかも。
一番、残酷な方法で、彼女を消し去ってしまう事だろう。

そして、少し心の傷が薄れた頃に、青い青い空を見て、
無くしたもの大きさを知り嘆くのだろう。

いっそ遠くに離れてしまえば良いのに
なんて
一番近くに来なかった人の言い分だよ。



2006年08月10日(木) 仮想のミュージアムショップ

地下鉄の出口を駆け上がるみたいに
明るい方を目指して 二段飛び
眩しい外の景色に立つと
目の前が美術館だったらいいね
ショップで買ったカバの文鎮と
ネアンデルタール人の精巧なフィギュア
いくつかの演劇のチラシ
お土産のひとつひとつについて
僕に解説して欲しい

ひょこひょこと動く君のえくぼを眺めながら、
僕は目を細めて
消して閉じないように
笑顔をかえすよ


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