なべて世はこともなし
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|アイルランド真実紀行へ
2005年11月30日(水) |
臨時ボーナスにぬか喜びする |
うちに帰ってきてみると、2枚の手紙が来てる。どう見ても請求書系の見たくない手紙だが、だからと言ってごみ箱直行!というわけにもいかないので開けてみた。
まず、一通め。
お、小切手だ。10日ほど前に提出したばかりの今年の医療費の還付の小切手がもう送られてきた。このアイルランドらしからぬ素早さに私はちょっと驚く。Vhi(アイルランドでたぶん一番よく知られている医療保険会社)侮れないぞ。ともあれ、229ユーロ(30000円)の還付というのはこのクリスマス前にお金が要るという状況では涙が出るほどありがたい。
で、ちょっとうきうき気分で二つ目の手紙を開けた。
「自動車税納付用紙。一年分539ユーロ(73000円)を耳を揃えて払ってね(はあと)」
注:正確には3ヶ月・6ヶ月納付も可能ですが、その分一日あたりでは当然高くなる。
前回は輸入のどたばたと一緒に払ったからさほど気にならなかったけど、年間539ユーロだって?ほぼ一日1.5ユーロの計算じゃあないか!トヨタのYaris(日本ではヴィッツというんですか)なら、年間の自動車税は151ユーロ(20000円)だというのに…。考えてみたらほぼ3.5倍の税金がかかってて、ついでに燃費も悪いと来たもんだ。好きで乗ってるからいいんだろうけど金をドブに捨ててることは間違いないようで。
かくして、310ユーロの赤字というわけで、小切手を受け取った瞬間のうきうきした気分はどこへやら…。明日から怒涛の師走が始まります。
蛇足。そういや、郵便といえば、ストライキで止まっていた郵便が何通かまとめて届きました。Bootsの1週間前のセールのお知らせなど。結構脱力しました。
2005年11月29日(火) |
底値更新。マンチェスター往復全部込みで25ユーロです。 |
まーたくされRyanairがわけのわからんセールをやってます。今回は、なんと、ダブリンからCardiff、またはマンチェスターまで片道9.99ユーロ(1350円)。…なーんだフツーじゃんという擦れた方、ちがうんです。この値段、なんと税込みです。
マニアックですが、ダブリン=マンチェスター間、仮に運賃が0でも、Ryanairの場合、税金だけで往復53ユーロ(7100円)かかります。つまり、この53ユーロが底値のはずなのに、なぜか今回のセールは往復20ユーロ(2700円)…6割引です。ちゅうか、この差額(33ユーロ=4400円)はRyanairが出すらしい。売れば売るほど赤字になるというチケット。公正取引委員会だかどっかから怒られないのかな…とも思いますが。
ちなみに、クレジットカード使用手数料とやらを取られるので、往復25ユーロ(3400円)になりますが、それでもストで動くかどうかわからないフェリーよりはるかに安い。
というわけで、私、12/17にマンチェスターにクリスマスショッピングに行くことにしました。12/10は往復40ユーロでロンドンです。
そんなにダブリンが嫌いなのか(>自分自身)。
このセール12/1までだそうなので、興味のある方はRyanairのサイトへどぞ。ご利用は計画的に。Ryanair、嫌いだけどこの値段の前には文句は言えない…。
2005年11月28日(月) |
駄更新:まだアイルランドに正義はあった |
毎朝の通勤にDrumcondra Roadを使ってます。どこじゃそれ、という方、市の中心部から真っ直ぐ空港に向かおうとすると自然に使うことになるN1(国道1号線)のことです。フツーにダブリン空港に着いて、フツーにバスやタクシーに乗って街に向かった(あるいはその逆)という方はほぼ間違いないという確率でこの道を使ってます。
私がここを通過するのは朝7時半頃。まだピークとまではいきませんが、結構混んでます。
このあたり、おおよそ片側2車線で、外側はバスレーン…なのですが、なぜかバスレーンが300メートルくらい指定解除になっている場所があります。つまり、普段は乗用車が使えない外側のレーンがその場所に限って使えるわけ。腹が立つのは、この区間を使って左から割り込んでくるやつが多いんですよね。
あ、この話を理解していただくためにはアイルランド(およびイギリス)のバスレーンのシステムを理解してもらう必要があります。日本のバスレーンって、左折する時は入っていいとか、脇道から合流してきたときはちょっとだけ走っていいとかなんだか抜け道がありますよね。ところが、アイルランドのバスレーンは、太線でしっかりと区分されていて、問答無用で入ってはいけないのです。「ここからはバスレーンだから入っては駄目」とはっきりと自己主張しているわけですな。
で、300メートル行った先で再び外側のレーンがバスレーンになるのですが、当然、ここの合流で渋滞します。意地の悪い運転手が入れてくれなかったりとか、あるいは頭が悪いのか勇気があるのかは知らないけど、何らかの理由で、バスレーンを冒進するやつが出てくるわけ。
で、ゆるい右カーブを抜けた先に結構な確率でお巡りさんが待ってます。そう、通行区分違反で切符処理されるわけ。
で、私がこの合流した先のゆるい右カーブを渋滞の中とろとろ走っていると、タクシーでもない乗用車がバスレーンを冒進してきて私の後ろにさっと割り込む。「また、『物理的に可能だからやりました』というアイルランド理論かい」などと呆れていると、おお、お巡りさんがいつもの場所に待っている。私の後ろのアホに気がついたかな…と思っていると、お巡りさん、何を血迷ったか私を停めようとする。
私:♪わーたしーはやってないーけーっぱーくだー
どこかで聞いたような歌が頭の中に流れる。お巡りさんが私を停めようとしたので右手の親指を立てて後ろをさして、
私:「ボクじゃないよー」
というジェスチャーをしたら、おお、ちゃんと私ではなく後ろの車が捕まった。まだこの世に正義はあった。
ただ、ねえ、実を言うと、仮に捕まっても切符処理をされることのほうが少なくてちょっと怒られて終わり…というのがアイルランドの現状のようです。
昨日の日記に「寒くて嬉しい」などとすっとぼけたことを書きましたが、発言撤回します。
寒すぎる!
今朝、玄関を出た瞬間に見たもの。
うぁーい、初雪だー
もちろん、積もったわけじゃあないけどうっすらと雪化粧してます。
そのあとも、
♪ゆーきーはふーる
なんてこったい。午前中2時間くらい雪が降ってました。積もらなかったので別に大きな問題にはなりませんでしたが、とにもかくにも、寒い!
で、雪が止んだ午後、帰宅。ふと前を行くバンを見ると強風で煽られている。…ん?と思うと、なるほど、結構な強風が吹いている。アイルランドの長い冬はもう始まっているようです。
2005年11月24日(木) |
Bootsでクリスマスショッピング |
寒い
...です。
ダブリンの朝晩の最低気温はほぼ0度。すでに三回霜が降りて、車のフロントガラスが凍りました。それをスクラッチャー(早い話がへら)でがりがりこすり落とすわけですが、これをやっているアイルランド人は少ないような印象を受けます。じゃあ、他はどうしてるかというと、ポットで沸かした熱湯を凍り付いたガラスにぶっかけてます。…よくガラスが割れないもんだと感心しますが。
それにしても、寒くて嬉しいです。そもそも暑いより寒いほうが100倍マシだと思っている私ですが、この地球温暖化だななんだかの世の中で、今年もちゃんと寒くなったということが嬉しいわけです。むろん、これだけ寒くても昔より全然寒くないとかいう可能性はあるわけですが。
このくそ寒い中、Liffey Valley Shopping CentreのBootsに買い物に行ってきました。今日の夕方5時から9時に限ってポイントカードを持っている客に対しての優待セールをやっていたのです。システムは非常に単純で75ユーロ(10000円)使う度に1800ポイント(18ユーロ=2400円)還元。単純計算すれば一律25%引きになるわけですな。
で、さらにBootsは1ユーロに対し4ポイント還元…つまり4%引きを常時実施。かつ、「ダブルポイントクーポン」というのがあり、これで8%還元。あああ、話がややこしくなってきたけど、要は75ユーロの買い物をした場合、1800ボーナスポイント+600ポイント(75x0.08)で2400ポイント…つまり32%引きになるわけです。かなりおトクです(ってお前はBootsの回し者か)。
かくして私が目星をつけていたのはキャノンのデジカメ。そう、クリスマスプレゼントにしようという魂胆。現在価格コムでの底値は23,000円。で、Bootsの広告によれば299.95ユーロ(40,000円)。アイルランドがいかにぼったくりかわかる値段の差ですが、件のポイント還元で実質200ユーロ(27,000円)になって日本との価格差がほとんど無くなるわけ。こりわおトクだ。
で、午後5時。Liffey Valley Shopping CentreのBootsのフォトカウンター。
私:「この広告の商品はある?」 係:「調べてみますね…品切れです」 私:「どっか他の店にもないの?」
この店員さん、ごていねいにも他の支店もあたってくれましたが結局見つからず(何のための広告なんだ?)。店員の質のいいBoots(今まで無礼な店員に当たったりとか不愉快な思いをしたことのないアイルランドでは珍しい店)なので腹は立ちませんでしたが、あんたら、300ユーロのチャンスロス(たぶん和製英語=機会損失)をしたことを胆に命じるべきです。はい。
2005年11月20日(日) |
Dalkeyの激しくオススメレストランThe Guinea Pig |
ダブリン市内から南に向かって30分ほどDARTに乗ると、Dalkeyという村に着きます。地図を見てもらえばわかるのですが、ダブリン湾の北の外れにあるのがHowthという半島で、その逆にあるのがここDalkey。半島と呼ぶほど突き出ていないのですが、小高い丘になっており、丘に上ればダブリン全景を見ることができます。
(表紙の「今月の一枚」に採用されながら、表紙がリニューアルされたおかげでほんの短期間しか陽の目を見なかった写真)
ね。きれいでしょ。当然のように、夜景もなかなかのものなのです。そういうわけでかどうかは知りませんが、ここDalkeyはダブリンでも屈指の豪邸街です。丘の斜面に立つ建物は庭まで含めるととてもダブリンのそれ(あるいはSnigel宅)とは比較にならないくらい広いです。U2のBonoやThe Edge、Enyaに映画「マイケル・コリンズ」の監督Neil Jordanが家を持っている…と書けば、ここを知らない人でも、けっこうなハイソ(死語)でセレブな村であることがわかっていただけるかと。
村も、特に目玉となるような名所がある訳じゃあありませんが、同じダブリン郊外のSwordsなどに比べると何か雰囲気が違います。キッチンのショールームなんかをのぞいても、誰がどう見ても超大金持じゃないと買えないようなシステムキッチンのみを売ってたりとか、なんか、ダブリン県の中にありながら、ダブリン市とはまったく違った雰囲気なのです。
前置きが長くなりつつありますが、昨日このDalkeyに行ってきました。実はまだ前置きはしつこく続いたりします。
ことの起こりは先週。会社の同僚で仲の良かった女の子(アイルランド人)が突如退職して、新しい仕事に就いたこと。実は退職自体はもう2ヶ月くらい前のことで、ついに新しい仕事に就いたと嬉しそうに電話をかけてきたのです。調子のいい私は「おめでとう。ならお祝いしなきゃね。そうだ、友達とご飯を食べに行こう」と言ってしまったのです。
言ったあとに後悔。何せ、ダブリンのレストランなど知らん!
ビンボー人の私は外食などほとんどしません。私のお気に入りは、某Kilbarrackにある、お持ち帰り店に毛が生えた程度のイタリア料理くらい(安くてうまいのだ=機会があったら紹介します)。その前には忘れるほど昔にYamamori(日本料理レストラン)で天ぷらを食べたとか、イタリアンレストランで食中毒事件を起こしたとかしかない。まあ、パブでご飯を食べることはたまにはあるんだけどね。そんなわけだから、昔行ったいいレストランは何時の間にか質が下がり、昔行ったひでーレストランは何時の間にか消えてなくなり…と、完全に時代に取り残されているわけ。
うーん。困った。困った。確かに街中にはそれこそきら星の数のごと数のレストランはあるけど、できれば街中を外してちょっと奇をてらいたい。MalahideにあるSham Thaiというレストラン(街中に支店あり=過去日記にレポートがある)にすべえか…何て思っていたときに、5年ほど前に行ったDalkeyにあるThe Guinea Pigというレストランを思い出したわけ(考えてみれば、すごい名前のレストランですが)。
私の記憶が正しければ、このレストランでEarly Bird Menu(夕方の早い時間に出す低価格メニュー。ディナーに比べるとかなり割安になることが多い。平たく言えば、ランチとディナーの中間ですな)を食べていたくおいしかったことを覚えている…が、いたくおいしかったということ以外に何も思い出せないのだ。
こうなったら電話。The Guinea Pigに電話する。
相手:「Early Bird?やってますよ。土曜日は午後6時から7時までの間だけです」
速攻予約しました。
こうして話はようやく最初に戻るわけです。
で、転職してうきうきの友人と、別の友人の3人を車に乗せて、Dalkeyへ。駅に車を停めて(注:この村は駐車場がやたら少ないので車ではなくDARTで行くのが正解)くだんのGuinea Pigへ。
外観。見ての通りかなりこじんまりとしたレストラン。実は右隣の家も買収したらしく実は広さはこの倍なのだが、ともあれ、テーブルは20程度とどっちにしても小さなレストランには違いない。
開店と同時に着いた私たちは一番乗り。中はこじんまりとしており、英語で言うとこのcosyというやつ。着くなりにまずはパンでごあいさつ。
(うーん、フラッシュを使いたくなかったので写真がボケている。グルメレポーターとしては完全に失格だな)。
このパンをかじりながらメニューを見る。
スターター
Sundried Tomato and Cream Cheese pate, with Toasted Fingers. A Seasonal Salad of Lettuce, Tomatoes, Onions & Basil Dressing. Chicken Liver Pâté with Cumberland Sauce & Toast. Deep Fried Mushrooms with Garlic Mayonnaise. Smokies Smoked Cod with Cream, Tomato & Herbs, topped with Cheese & Baked. Dublin Bay Seafood Chowder with Cream & Croutons.
すでにヨダレが垂れてきそうなメニューです。ちなみに元同僚と友人はまったく一緒のメニューを注文したので、以下はあたかも二人でこのレストランに行ったかのようになってます。
私が注文したのは…日本人なら納得してくれるであろうシーフードチャウダー。元同僚は、チキンリバーのパテ(私なら絶対に選択しないもんだな)。
ワインもやってきたので乾杯。車を運転する必要のあった私はワインは残念ながら舐めただけでしたが。しばらくして、パテとシーフードチャウダーがやってきた。
パテのことは知りません。元同僚と友人は絶賛してましたが。で、私の頼んでシーフードチャウダー。
激ウマ
シーフードで有名なのはThe Johnnie Fox's Pubなのだが、ここでもシーフードチャウダーを頼んだことがある。おいしかったけど、貝の砂ぬきがしっかりしてなかったかなにかでちょっとじゃりじゃりした感があった。もっと言えば、無骨な印象を受けた。その点ここのシーフードチャウダーは文句なし。
スターターを食べているうちにも周りのテーブルが別の客で埋まっていく。なぜか落ち着いた感じの年配の客が多い。見る見るうちに完全に満席に。予約なしの客は申し訳なさそうなマネージャーに追い返されていく。テーブルが完全に満席になった頃にメインコースが届く。
Fish Mixed Grill, 3 Varieties in Lemon or Garlic Fish & Chips. Goats Cheese topped with Sesame Seeds, Grilled, served on a bed of Salad with Croutons & Honey Dressing. Calamari Pan Fried, with Ginger & Spring Onion, bell Pepper, Garlic in Olive Oil. A Pot of Steaming Mussels with Cream & Herbs Baked Dalkey Crab Meat with Cream & Cheese. Grilled Fillets of Sole with Ginger & Spring Onion. Lamb Shank Braised for one hour with Root Vegetables, Herbs & Wine. Chicken Breast, stuffed, wrapped in Bacon Pot Roast, served with Whiskey Sauce. Honey Roast Half Duck Boned & Sliced, served with Apricot Sauce. €5.00 extra. Sirloin Steak with Pepper Sauce. €5.00 extra.
これ、ホントに選択に困りますよ。どれもおいしそう。こんないいレストランに来てFish & Chipsなんて論外のように感じるけど、でも、こんないいレストランだからこそ、想像もつかないようなFish & Chipsが出てくる可能性もある。普段は避けている牛肉だってここならきっとおいしいに違いない。ビーフステーキというの捨てがたい。でも魚レストランに来たのだからヒラメ(sole)というのもいいなあ。
とまあ、さんざ悩んだ挙げ句に元同僚と友人が選んだのがヒラメ。私が魚レストランで選んだのはダック(…なんでやねん)。
で、ダック。
今まで食べたダックの中でいちばん。近所のお持ち帰りの中華料理店の出すダックとは根本的に次元が違う。ジューシーというかなんというか、アプリコットソースとの絶妙なからみはもうネ申の所業ともいえる。で、同僚が頼んだヒラメも激ウマ。
さっきから比較に出して申し訳ないが、the Johnnie Fox's Pub。ここでヒラメを食べたときは、悪くはなかったが、料理の仕方がいまいちだったのか肉が乾いていて素材の味を殺しているような印象を受けた。ところがここのヒラメは素材の味を殺すことなく絶妙。
ちなみにサイドサラダ。何の変哲もない…といえばそれまでだが、新鮮でした。
シメに出てきたのはデザート。私はアイスクリームを注文。はい、写真では何の変哲もないアイスですが、自家製でおいしかったです。
友人が注文したのはアップルパイ。アイスクリームが2すくい出てくるなら、こっちにすれば良かったと思った時はすでに遅かった。
で、このEarly Birdメニュー。前菜とメインコースでたったの22.5ユーロ(3000円)。デザートは6.5ユーロ(880円)。高いといえば高いけど、ダブリン市内ではフツーのレストランでのディナーの相場とほぼ変わらないと思います。言い方を変えれば、ワインやチップまで入れて、3人で120ユーロ(16000円)。味もさることながら、雰囲気がいい。おかげで6時から8時半過ぎまで2時間半以上も居座ってしまいましたが、迷惑そうな顔一つされませんでした。
ちょっと郊外まで足をのばしておいしい物を食べたい…って人にはオススメのレストランです。このディナーのあとで夜景を見て…という下心みえみえのデートコースにも使えそうですが。
詳しく知りたい人は、レストランのサイトへどぞ。
2005年11月18日(金) |
長期滞在(予定)者必見:アイルランドの知られざる長期滞在権 |
もう1ヶ月も前の日記にこんなことを書きました。
ちなみに、この石の上にも三年寝太郎の法則で、アイルランドで5年働くともらえるご褒美って御存知でしょうか?市民権じゃあありません。その話は…眠くなったのでリクエストがあれば続くということで。
その後、読者さんからの反応が鈍かったこと、さらに、 「このことは書かないで」というある筋からの要望があったりなんかしてしばらく放置していたのですが、複数のお問い合わせがあったことですし、本日、いよいよ発表です。アイルランドで5年仕事をした人、する予定のある人、必見です(というか実はみんな知っていたりしたら赤っ恥だな)。
アイルランドで、5年間、合法的に就労する(つまり「就労許可証」を保持して仕事する)と長期滞在権(Long Term Residency)というのがもらえます。これ、要は、今まで1年ごとの更新だったビザが、5年間有効になるわけです。あのイミグレーションオフィスに毎年行かなくていいというだけですでに朗報ですが、実は、これにはとんでもないおまけがついてまして、この長期滞在権をもらうと就労許可証が不要になります。
そう、転職自由。今までもいちおう転職は可能でしたが、新しく就労許可証を取り直すことが雇用主側に嫌われて、実際のところは転職は困難でした。しかし、この長期滞在権をもらえば、転職は自由になるわけです。そろそろ転職したいと思っていただけにこの情報が耳寄り。ただ、あまりに話がうますぎると思ったけど。
というわけで、司法省(Department of Justice)に問い合わせてみました((01) 616 7700)。電話に出ないとか何とか悪い評判ばかりを聞いてましたが、機械でたらい回しにされつつもちゃんと電話はつながり、かつ、かなり親切ていねいに教えてもらいました。要件としては、上に書いているとおり、「5年間合法的に仕事をしていたら申請できて、許可されればむこう5年間アイルランドに滞在することができ、就労許可証は不要。で、申請したら、3-4ヶ月で結果が出る」とのこと。
それじゃあと、申請しました。ちなみに「申請書」なんてありません。自分で手紙を書きました。それに、ガイジンカード(Certificate of registration issued by Garda National Immigration Bureau)、パスポートのコピー、今まで持っていたすべての就労許可証の写しを添えて。ただし、私の場合前の会社の分の就労許可証は紛失、前の会社もどうやら無くしたかなんかで結局もらえなかったので数枚欠けて提出しましたが。
ちなみに住所は… Department of Justice, Equality &Law Reform, Immigration and Citizenship Division, 13/14 Burgh Quay, Dublin 2 そう、イミグレオフィスの上にあるらしいですな。
まあ、言われたとおり3-4ヶ月待つことになるんだろうなあと、気を長くして、しばらくはこの件は忘れることに。ところが。わずが1ヶ月後に司法省から手紙が来まして…
「あなたの長期滞在権が認可されました。この手紙をもってイミグレオフィスまで来てね」
まじっすか?
というわけで、例のBurgh Quayのイミグレオフィスに行ったところ、
「2010年までアイルランドにいてもいいよ」
というハンコをあっさりともらいました。ついでにガイジンカードのハンコのカテゴリーもStamp1からStamp4とかいうカテゴリーに変わりました。これ、調べたところ、Stamp1は就労許可証の保持者、Stamp4は認可された難民、アイルランド生まれのコドモ、アイルランド人(またはEUの人間)と結婚した人で就労許可証はいらない。で、職業訓練にも参加できる…ということらしい。ということは、もしかしてFASも使えるの?(これは今この日記を書くためにリサーチしての新発見。すごく得した気分。)
こんなに簡単でいいんだろうか?と思うくらい簡単。おかげさまで私は、今じゃ転職自由の身になりました。これって、精神的にかなり救われますよ。アホアホ上司にも文句を言えますし(言ってます)、すごく気が楽になりました。
で、イミグレオフィスで興味本位で「5年経ったらどうしたらいいの?」と聞いてみました。すると、
係:「アイルランド国籍申請すればいいじゃん。はっはっはっ」
という答えになってない答えが返ってきました。さすがいい加減王国。
ちなみに、8年経つと(つまり、この時点から3年後)、「無期限の滞在許可」がもらえるそうです。それさえもらえば、アイルランドに骨を埋めることは可能ですね…ってそんなつもりは毛頭ありませんが。
ええと、これを読んで申請しようという方、ttp://www.justice.ie/80256E01003A21A5/vWeb/flJUSQ5YUK7K-en/$File/Permission.pdf(コピペでお願いします)に情報が載ってます。ただし、いい加減王国アイルランド、申請に何が必要かなどの本当に必要な情報は載ってませんが。あと、パスポートの有効期限が5年より短い場合、その短い期間分(パスポートの有効期限までの期間)しか許可が下りないそうなのでご注意を。
で、この私が調べた限りに唯一「長期滞在権」のことが載っているこのページも、司法省のホムペの片隅にこっそりとひっそりと置かれていただけでした。たぶんですが、あまりこの情報、広まってほしくないと思っているんじゃないかというきらいがあります。だとしたらごめん、司法省さん、こんなページでもろにばらしちゃったよ。あと、いつも通りですが、情報には気をつけているつもりですが、間違ってても責任は取れないので悪しからず。間違っていた場合や補足が必要な場合は教えてください。
2005年11月17日(木) |
うちの住人の母の揃い踏み |
ここ数日、帰宅するたびに事件が発生してます。
まず、おとといの夜のお話。うちの、ドイツ人の同居人(女)が私に言うのです。
同居人:「今、お母さんが遊びに来てるから(日曜日からうちに滞在してます)、一緒にウェストコークかケリーに行こうと思って」 私:「ふーん、いいんじゃない?そしたら車でも借りるの?」 同居人:「いや、バスで行こうと思ってるけど」 私:「あっそう、そしたらケリーは遠いからゴルウェイとかにした方がいいんじゃない?」
で、翌朝(つまり昨日の朝ねん)超のつく早朝にふたりは出かけていきました。
で、しがない勤め人の私はフツーに会社に行き、夕方帰ってきた。で、玄関前に一瞬立ち尽くす。
玄関のドアが少し開いている。
そう、施錠もされてなくて、ドアが開いてるんですよ。すわ、ドロボーにやられたのかと不安になります。で、中に入ると、このドイツ人の同居人のお母さんがやったのか、台所は荒らされてるどころかきれい。私の部屋は荒らされていたが、なんのことはない、自分で汚しただけだった…というわけで無事。そう、どうやら、このドイツ人母娘がドアを閉めずに出かけたらしいのだ(正確には母が忘れたらしいが...フツー忘れるか?)
こりゃ、ケリーだかゴルウェイだかから帰ってきたらとっちめなきゃいかんな…と思う。
で、その夜遅くにドイツ人母娘が帰ってきた。あれ、ケリーに行ったんじゃなかったっけか?
私:「お帰り。ケリーに行くんじゃなかったの?」 同居人:「ケリーは遠いからゴルウェイに行ってきた」
へっ?ゴルウェイ日帰り?
私:「え?日帰りで。Cliff of Moherとかは行ったの?」 同居人:「時間がなくて無理だった」
そりゃそうでしょう。ゴルウェイまで片道少なくとも3時間。往復6時間。ゴルウェイ日帰りを考えるというのはすごすぎる。
同居人:「ゴルウェイなんて何もなくてつまんなかった」
あーのーなー、何を言っとるのだ。あそこは、レストランだとかパブとかのナイトライフを楽しむ街でしょうが。昼下がりのEire Squareを見たところで何の意味があるというのか。まさに仁和寺の法師の話ですな。
ドアの件、文句は言いましたが、訳のわからん話の展開に怒りがそがれてしまったのであまり文句を言うことができなかった。
これが昨日の話。そして今日。
渋滞を抜けて帰ってきて、車を停めてドアを開ける。すると中には見慣れぬ女性。あ、ドイツ人同居人母だなと思う。良く見ると足元には荷物。あれ、ドイツ人同居人母、明後日帰るんじゃなかったけか?私は拙いドイツ語で「あれ、今から空港に行かれるんですか?」と聞いてみる。…通じない。私のドイツ語が駄目とかいう以前に何かが変だ。数秒考えてやっと気がついた。
この女性、君の瞳は星だらけのフランス人同居人の母だ。
なんでうちの同居人は同時に母親を家に連れてくるんだ?しかもひとりはドイツから、ひとりはフランスから。
困ったことには、この、フランス人母、まーったく英語を話さないのだ。とっさに私が取った方法。
指さし!
作者の特権でうちには指さしシリーズが「参考文献」という形でほぼ全巻揃ってます。フランスは「フランス編」と「食べるフランス」が揃っているという充実ぶり。これでなんとか急場をしのぎました。
それにしても君の瞳は星だらけのフランス人、訳のわからん口説き文句よりも、母親がくるなら事前になぜわしに言わん。
で、指さしで会話した結果、持ってきたボジョレーヌーボーを飲ませてくれるという話でしたが、もう午後11時になるのですが…(もうあきらめてベルギービールを飲んでる私)。
2005年11月16日(水) |
続:Bank of IrelandはBank of Idiotという読者さんは正しい |
私の会社の直属の上司、Derek(仮名)は私とほぼ同い年のアイルランド人男性。彼、最後に床屋に行ったのは10歳のときだそうな。信じてもらえるかどうか、それ以来、ずーっと自分で髪を切ってるんだそうな。
自分のことはさておき、どんな髪型をしてるかというと、前髪は揃えられたマコトちゃん、横は耳まで伸びており一言で言えば、ビートルズカットのどうしようもない出来損ない。頭頂部から耳まで一気に長い髪が伸びていて突然切られている様は一見の価値あり。写真を公開できないのが本気で残念。
今朝、彼を見ると、どうやらひさびさに髪を切った(「切りに行った」ではなく「切った」)模様。声をかけてみました。
私:「おはよう。髪切ったの?」 Derek:「おはよう。そう言われるの今日もう2回目なんだよね。昨夜髪を洗っただけなんだけど…」
なんですと?
あーた一体どれくらいの割で髪を切ってるのよ?とのどの先まででかかったけど怖くて聞けなかった。
11月7日の日記に書いた、アホアホBank of Ireland。ネタにされた読者さんから抗議の電話が入りました。
読者さん:「口座から金が引き落とされたことを書いてないじゃないか!」
そうなのです。使ってもいない300ユーロ、「心配しなくても大丈夫」と言われたのに、しっかり金が口座から落とされているという罠。ここでも「アイルランド人のいう大丈夫ほど大丈夫じゃないものはない」という法則が成り立っている(詳しくは拙書、「指さし」をご参照くだされ)。
で、かくいう私のとこにも、新しいカードがきましたよ。
上が銀行の社用封筒を使った暗証番号を書いた手紙、下がクレジットカードが入った自称「社用封筒を使ってないセキリュティに配慮した手紙」
はい。ちゃんと着いたから良い。結果オーライ。でもさ、郵便局のスト紛いのおかげでこの二つが同じ日についたというのも事実。万一にも盗まれてたら、新しいカードはあるわ、暗証番号はあるわで、犯罪者にとっては願ったり叶ったりな状況になっていたはず。
11月7日と同じ結末で申し訳ないけどいわずにはおれない。
Bank of Idiotお前救いようのないバカだろう。
2005年11月15日(火) |
目からウロコのドンマイ |
紀宮さまと黒田さんが結婚されたとのニュース。はい。結婚はおめでたいことです。で、それ自体は別にこの日記で書くようなことでもないのですが、このニュースを読んで、目からウロコが落ちました。
ドンマイ
コドモのときからこの言葉の意味を知っていて、たまに使ったような記憶がありますが、この言葉が、don't mindだとはこの記事を読むまでぜーんぜん気がつきませんでした。言われて見りゃそうだけど、英語から来てる言葉とは気がつかなかったなあ。
大丈夫なのか?指さし作者。
言い訳をさせてもらうと、アイルランドではどちらかと言うとdon't mindじゃなくて、never mindという気がします。ゆえに、ドンマイではなく、ネバマイならさすがの私も気がついていた…と…思う。でもさ、少年野球のコドモが「ドンマイ」なんて言ってるけど(少なくともわしの時代は言ってたんだい)果たしてどれだけの人が意味をわかって言ってるやら。
まあ、そんなことはドンマイで、本題に入りましょう。
ただいま、うちの会社の部の主任さん職に空きが出まして、主任さんを公募してます。以前、私のとこにお鉢が回ってきかけて断ったとこでして、今回は公募。野心ある同僚数名がすでに応募したらしいです。私は…応募しません。
今のマネージメントは完全におかしくて間違ってると思います。ところが、それをおおっぴらに批判できる雰囲気ではないのです。で、この主任さんになるにはマネージメントのありがたいお言葉を下々にあまねく伝えるということが重要な任務になるわけですな。きれいごと以外の何物でもないですが、自分が間違ってると思うことを人に押しつけるなんてできませんから、主任さんになどなれません。
しかも、以前にお鉢が回ってきたときとはマネージメント連中が完全に入れ替わってまして、仮に私が応募しても間違いなく主任さんにはなれません。勤続年数とか経験から言えば私がなるのが一番自然という気がするのですが。これは、ドイツ人の同僚がいみじくも言ってたこと。
「私より経験の浅い彼女のほうが主任さんになる可能性が高いわね。だって、彼女、アイリッシュだもん」
うーん、残念ながら彼女は正しい。最近は昇進できるのはみんなアイリッシュだけになったもんなあ。証拠はないけど、上がそういう方針であることを強く感じる。
そろそろこの会社も潮時な気がするけど、なかなか別のいい仕事も見つからない。たぶん、このままで年を越しそうな雰囲気です。
そうそう、9月5日の日記に書いた「各国の伝統料理を持参して昼食会を開く」というトホホ企画、ほんとうにやりやがったんですよ。このアホアホ会社。「毎月」でなく「単発イベント」としてですが。
言い出しっぺのスーパーアホバイザーは当然、この企画を別の平社員に丸投げ。この結構仲のいいヒラ社員が私のとこに泣きついてきまして、「お願いだから何か日本食を作って」と言ってくる。で、調べたら、戸棚の中に賞味期限が2年切れたフリーズドライ赤飯があったので、それをおにぎりにして持って行った。自分で言うとなんだけど、塩味が効いてておいしかった。賞味期限は2年切れてたけど。
でもねえ、全然売れなかったですね。不人気。ほとんど売れ残ったので冷凍してうちのガレージにあるしたいも保存できる巨大冷凍庫に放り込みました。うーん、赤飯って確かに色も毒々しい気がするし、こっちの人にとっては気味悪いたべものなんですかねえ。ま、義理は果たしたし、しばらくご飯を炊かなくていいので異論はありませんけど。
2005年11月13日(日) |
ドイツの国鉄から更新 |
注:オチもくそもないだらだら日記です。
さてふたたびドイツ国鉄の車内からの更新です。今日乗っている列車はドイツの誇る新幹線ICEではなくIC(InterCity)です。で、旧型だからかなんだか知りませんが、コンピュータ用の電源コンセントがない。さあ電源がなくなるか、更新が終わるかどっちが先か。
今日の車内はっきり言って最悪です。まさかICまで混んでないだろうという予測の甘さで予約なしで乗ってみたら見事にゲロ込み。ようやく見つかった席は喫煙席。この列車、一両ごとに禁煙席と喫煙席に分けられているらしく、薄い壁の向こうは禁煙席。仕方ないから乗ってますが、煙たい。
この日記の長い読者さんならご存知でしょうが、私は別に嫌煙派の人間じゃあありません。むしろ、吸いたかったらどうぞ吸ってちょうだいといういわば容認派です。というか容認派でした。…ところが、慣れというのは怖いもの。アイルランドで煙のない生活を一年以上していると、煙がないのが当たり前に思えてくるから不思議です。考えてみれば、たった一年半前まで、パブなどで当たり前にタバコがすえていたのに、公共の場での禁煙が実施されて、この短い間に私の考えが根本から変わったというのは素朴に驚きです。とはいえ、逆に今度喫煙が公共の場で認められることになったときにそれを認めることができるかどうかは疑問ですが。
現在のところ、ドイツは日本同様愛煙家にとっては肩身は狭くなってきたとはいえ、まだまだマシです。タバコは一箱5ユーロ程度とアイルランドよりはるかに安い。値段だけじゃあない。パブでもタバコは吸えるし、昨日行ったレストランでも隣の席でタバコを何気なく吸っていた(この時もちょっとした違和感を覚えたことは事実)。駅も未だに喫煙エリアがあるし、列車も今書いたとおり喫煙席がある。言ってみれば、未だに喫煙者に対し人権が認められた国といえそうです。
ほんで時間は飛んでただいまエアリンガスの機内。オーバーブックされていたせいでか、機材が変更されてます。おかげで隣に誰もいないのがいい。が、しかし、いつものことながら、品のないアホな一部のアイリッシュが私の席の後ろで大騒ぎしてます。窓が開くならつまみ出したい気分。まあ、乗ったときからずーっと騒ぎっぱなし…だったのですが、乱気流のせいでヒコーキが揺れ始めた瞬間に借りてきた猫のように静かになりました。
で、今回のフライトオーバーブッキングをしていることはわかっていたので興味本位で、もし乗れないときはどうなるか調べてみました。EUの規則によると、オーバーブッキングで予約されたヒコーキに乗れずに2時間以上の遅れが出る場合は、航空会社は150ユーロのコンペンセーション(日本語でなんていうの?「免責金」「お詫び金」?)プラス、必要ならホテル代・食事代、および、通信費をなど払わなきゃいけないんだそうな(注:飛ぶ距離などによって違うそうな)。
まあ、150ユーロしか払われずに、デュッセルドルフに一泊して明日会社に遅刻して…なんてまったく割に合わないのですが、よく読むとこんなことを書いてました。
「コンペンセーションはチケット代を超える必要はない」
…ってことは私の場合、万が一にオーバーブッキングで乗れなかったら、5ユーロしか払ってない私は5ユーロのコンペンセーションしかもらえないわけですか。仮に、ホテル代が出たとしても5ユーロですよ。5ユーロ。
…冗談じゃあないわ。
何せ、自分が予約した客の中で一番最低限の運賃しか払ってない自信があるので(どういう自信やねん)、いの一番にほっぽり出されるのは自分という自信があったので、ほんの少しだけ不安でしたが、フタを開けてみると機材変更というわけですが。まあ、エアリンガスさんのこと、まさか5ユーロのコンペンセーションでことを済ませようとしていたとは思いませんが、Ryanairならやりかねんな…と密かに思った次第。
電池がなくなってきたので今日の更新はここまで。明日からまたフツーどおり仕事だと思うと死ぬほど欝です。
2005年11月09日(水) |
ミニ更新:ロンドンバスの行く末とは |
ロンドン名物の旧型2階建てバス、老朽化などで引退
12月で引退することになったロンドンの名物バス=中村光一撮影 【ロンドン=中村宏之】ロンドン名物のドアなし旧型2階建てバスが、12月9日を最後に一般路線から引退する。
半世紀にわたって街を駆け抜け、優美な姿と乗り降りが自由な開放感からロンドン市民に慕われたが、車体の老朽化や車イスへの対応を理由に新型バスに代わるからだ。姿を消しつつある「ロンドンの象徴」に、市民の間ではお別れムードが高まっている。
「ルートマスター」と呼ばれるこの旧型バスは、1956年に運行を開始。車内では車掌が、検札業務のほか、行き先案内をしたり、混雑時にお年寄りや子供連れに席を譲るよう協力を求めたりするなど、人情味あふれる乗り物だった。
乗客は、停留所でなくても、自由に乗り降りできた。危険な飛び乗りに、車掌が大声で注意する姿もロンドンらしい光景だった。
68年の製造終了まで、ロンドン向けだけで2760台が作られた。第2次大戦中の航空機製造技術を活用した屋根やボディーは、女性的な曲線で、石造りの堅牢(けんろう)な建物が多いロンドンでは際だって見えた。
これまで、さまざまな映画のシーンに使われたほか、エリザベス英女王が在位25周年を迎えた77年には、銀色に塗装した25台の特別仕様車が、バッキンガム宮殿の周囲を走って祝福したことでも知られる。
ただ、車イスでは乗り込むことができず、障害者に配慮した公共交通機関を2016年までに整備するよう求めた欧州連合(EU)統一基準はクリアできない。車両故障や、飛び乗り・飛び降りの事故も多く、「年間1人は死者が出る」(市交通局)点も、時代にそぐわなくなっていた。
今月14日からは、「遺産ルート」と銘打った観光用路線での運行が始まるが、一般路線を走る姿を見る機会は残り少なくなり、バス停で写真を撮ったり、車掌と思い出話に花を咲かせる乗客が増えている。
子供のころからバスに親しみ、「私たちの愛したバス」の著書があるフリージャーナリスト、トラビス・エルボローさんは、「ルートマスターはロンドンの街の魅力を宣伝するために生まれてきた」と振り返り、ドア付きで乗り降りが自由にできない新型バスについては、「街の中で思いがけない発見をする楽しみが減る」と惜しむ。
一般路線を走るルートマスターは現在、市中心部を通る「159番線」の25台を残すのみ。ラストランの当日は、マラソン中継のようにテレビカメラでバスを追いかける計画もある。ロンドン市民の哀愁を乗せて、ルートマスターは半世紀の運行に幕を閉じる。
(2005年11月8日23時31分 読売新聞)
だそうです。そんな中でダブリンで発見したもの。
...そう、なぜかロンドンバス。
空港近くで走っているのを偶然発見しました。理由は不明ですが、マニアが買い取ってきたんですかね。
おまけ。
M1が通行止めで大渋滞中に突如路地裏から出てきたAircoach。 なんでこんなとこから出てくるの?という裏路地から出てきました。迷ってたのかな?
2005年11月07日(月) |
Bank of IrelandはBank of Idiotという読者さんは正しい |
ようやくアイルランドでも、「チップアンドピン」のクレジットカード・キャッシュカードへの移行が進んでいるようです。
「チップアンドピン」のクレジットカード・キャッシュカードとは、買い物のたびにいちいちサインをするのではなしに、レジに備えつけの機械に暗証番号を打ち込んで本人確認をしようという新しい方法。セキリュティが強化されて詐欺などへの対策になる…んだそうな。ま、暗証番号を盗み見られたらハイそれまでよ…なんですが。
ともあれ、現在通常のカードから、「チップアンドピン」のカードへの移行が進んでます。ただし、本人が希望すれば、暗証番号の入力ではなく、サインでの決済もできるらしい。
(Googleで画像検索したらこのカードが出てきた。 要は、この画像のように、前面にチップがついているカードのことね)
かくして、ある日、A5サイズの茶封筒が私宛てに届きまして…
お客様各位: BOIはこのように会社名を書いていない封筒でカードを送ってます。これでセキュリティは強化されています(えっへん)。
中には、新しいLaser Card(デビットカード)が入っていた。
なんだかおげれつビデオを「家族にはわからないように個人名でこっそりお送りします」とかいうのと次元は変わらんな。だいたいセキュリティ強化うんぬんをほざくなら、書留とかで送ればいいだろうに。
とか思っていたら、案の定、読者さんの中でひとりやられたという報告が入ってます。
あるダブリンにお住まいの読者さん、2ヶ月ほど前に、アホアホBOI(Bank of Irelandの略だが、その読者さんいわくBank of Idiotの略だそうな)から一枚の手紙が来て…
10日以内に新しいクレジットカードを送ります。暗証番号は1234(架空)です。古いカードは60日以内に無効になります。
と言われたそうな。
ところが、10日経ち、待てど暮らせど新しいカードは来ない。2週間後しびれを切らせてBOIに電話すると…
係:「なら新しいカードを送るから、最寄りの支店名を教えて」
と言われたそうな。市内で働くこの読者さんは、市内の支店で新しいカードを手に入れたそうな。
…とまあ、ここまでなら、いい加減王国アイルランドのこと。カードを送り損ねたんだろうなあというわけで話は片付く。ところが、そのおよそ一月後に事件発生。件の読者さんがクレジットカードの利用明細を見ると、覚えのない請求が数件。しかも、市内のTescoなどからの請求。覚えのない請求額およそ300ユーロ。
読者さんはすぐさまBOIに電話。
係:「そうですか。いや、こちらの記録によりますと、古いカードと新しいカードが両方使われていたので、古いほうは2週間前にキャンセルしました」
…どうもカードが郵送中・あるいはポストから盗まれたらしい。
このかわいそうな読者さん、ダブリンになんぞいもしない同居家族がカードを盗んだなどと疑われて、結局、警察からの盗難証明と引き換えにこの300ユーロは払わなくていいということになったらしい。考えてみると、サインをしてないカードを盗まれるってものすごく危険なことだと思う。何せ、本人確認のすべがないからね。
あのー、突っ込んでいいですか。
アホか、このbank of idiot。てめーらが普通郵便でクレジットカードを送るからこういうことになるんだろうが。だいたい、この読者さんの手許にはカードが届いてないのに盗難もクソもあるか。なんで、読者さんがケーサツくんだりまで行って盗難届けを取らなきゃいけないんだよ。
で、うちの同居人のひでかす。日本に行く日(つまり先週の木曜日)、空港でお金を下ろそうとしたら、どうも使っているカードがキャンセルされてたらしく、お金を下ろせなかったんだそうな。
…あんたもカードを盗まれたクチ?
で、私は私で、「新しいクレジットカードを送ります。暗証番号は1234(架空)です。10日以内に新しいカーを送ります」と書かれた手紙がこの2週間に(同じカードに対して)二通届いたが、未だにカードそのものは届かず。
おーい、わしのカードはどこよ?
同じ手紙が日付を変えて二階届くというのがすでに変だが、だいたい、普通郵便で暗証番号を送るというのも信じられない。怖いから暗証番号は今度ATMを使ったときに変えようと思ってます…って、新しいカードが着かないとにっちもさっちも行かないんだけどね。
結論:Bank of IrelandはBank of Idiotという読者さんは正しい
2005年11月03日(木) |
運だけで生きている?やたらと悪運の強い私 |
トップページからお情けでリンクしているうちの同居人ひでかすのブログ、「別冊アイルランド真実紀行」人がリンクしてあげてるにも拘らず(居丈高)更新が滞ってます。2週間ほどインドに行って、ようやく月曜日に帰ってきたと思ったら、今日、「弟の結婚式だ」とやらで日本に行ってしまい、来週の水曜日まで帰ってこない。ちなみにアメリカ経由でダブリンに戻ってくる彼は、実質4日しか日本にいない計算になる。で、ダブリンに帰ってきたと思ったら、翌日またインドに行くらしい。ほんで、1ヵ月後にインドから帰ってきたら、その足で日本に行き…。
インド=日本=アイルランドをまたにかける国際派ひでかす
…ってさあ、うちの家賃払ってるだけ無駄じゃないのか?と突っ込みたい。こうやって書いてるだけで疲れ果ててしまいました。
そんなひでかすに朝の5時にたたき起こされたのは私。
ひでかす:「空港まで乗っけていって」
てめー甘えんじゃねえ。路線バスで行け!
と言わずに空港まで送った私は偉いですよね。偉いと言ってくれ。ひでかすは
ひでかす:「今からどこに行くんだっけ」
と本気とも冗談ともつかないことを言ってましたが。
人のことばかり言ってますが、私もひでかすに負けず劣らずのアホアホぶりです。
10/14の日記で書いたとおり、私、5月か6月に安さに釣られてデュッセルドルフ行きの航空券を買ってすっかりと忘れていたつける薬のない私。しかも、夕方の便を予約したつもりが、朝の便を予約している。すなわち、エアリンガスのデュッセルドルフ行きは毎日2便。朝の7時ごろ出るやつと夕方の5時くらいに出るやつ。で、いつも夕方の便に乗って、午後9時に空港を出る最終のICE(特急)でハノーバーに向かうわけ。この方法だと会社で通常どおり仕事をした後に移動ができるから時間に無駄がない。かくして私はこの夕方のデュッセルドルフ行きの常連客なわけ。
で、6月の時点ではどうやら、安さだけに目が行って、間違って朝の便に予約をしてしまうという大ボケをかましてしまったわけ。「木曜日と金曜日の休みをちょうだい」とマネージャーに言ったら、マネージャー、見事におかんむりだし…無理もない。先週まるまる1週間休んだばかりだもんね。
やむなし、風邪でもひくか(ズル休みができるという点ではアイルランドは本当にいい国)と決めて、ドイツ国鉄のチケットをオンラインで買うことに。そのために正確なヒコーキの到着時刻を知ろうとエアリンガスから届いた「スケジュール変更のお知らせ」を見てみた。
ちゃんと朝ではなく夕方の便に予約されている。
なんだ、オレはそこまでアホじゃなかったんだと思い、ドイツ国鉄の午後9時発の最終の新幹線を行きにする往復券を購入。
ここまでは今週の初めの話。昨日になって何か変だと思い航空券の再確認をしてみる。
手元に残っている予約時のプリントアウトによると6月の時点では間違って朝の便を予約している。で、エアリンガスから来たスケジュール変更のメールは夕方の便の予約になっている。
?
狐につままれたような気分になり、エアリンガスのサイトに行って気がついた。
朝の便がキャンセルされている。
そう、もともと大ボケで間違って予約していた朝の便がキャンセルされて、その代わりに夕方の便に振り替えられたわけです。
何たる運のよさ。私の人生運だけで生きてるってホントだな。
…ただ、この事実にもっと早く気がついていたら、このチケットキャンセルできてたな。ドイツ国鉄のチケットを買ってしまった以上もう変更はできない。それにしてもそういう重要な変更なら、もっとちゃんとわかりやすいメールを送ってほしいと思う、自分がちゃんとメールを読まないことを棚に上げて人のせいに使用とする私。
で、話はここで終わらない。
このデュッセルドルフ9時発のハノーバー行きの最終のICE。この列車以上に乗り心地のいい列車はないと言い切れます。なにせ、がーらがら。すーかすか。1両に2人とか3人しか乗ってないんじゃないだろうか。いつも、食堂車で軽く食事して、そのあとコンパートメントで長くなって寝るというのが定番。おかげでこの3時間近い旅はまったく苦にならない。
で、すでにクリスマスも全く同じ旅程(つまり夕方のデュッセルドルフ行きのヒコーキに乗る)でチケットを買ってます。で、来週のチケットを買ったついでにクリスマスのチケットも買おうと思ったのだが思わぬ問題発生。
このICEの運行終了。
ええと、注意深く読まれた方はお気づきかもしれませんが、私、このICEが最終と書きました。そう、夜デュッセルドルフに着いてもその先の列車がないのです。
…どうしよう。
ヒコーキの変更はもはや無理。私、この往復券を100ユーロで買ったのですが、現在同じ旅程は350ユーロするようです(つまり、値段が跳ね上がった)。夜行列車もあるにはあるが朝の3時発。まあ、ヒコーキと列車には何のつながりもないのだからこうなっても文句のいいようがないけど…ああ、その昔、ロンドン経由でハノーバーまで一気に飛んでいた頃が懐かしい。「point to point」(単純にA地点からB地点に移動するチケット)が主流になった今、乗り継ぎのチケットは高くなって実用的じゃなくなってしまったのだ。
ま、なんとかなるべ…と、また、運だけで解決を狙う能天気な私。
数日前の日記で初めて満足した美容師さんの話をしましたが、何とまあかなりの数の反響(というか「その美容師さんを教えて」)という数のメールが届きました。これらの方には本日一部コピペのメールを送らせていただいたのでご確認ください。万一お返事が届いていない方はご一報を。また、溜まっていたメールのお返事を終えたつもりなので、返事が来てない方はこれまたご一報を。
今日の夕方、会社からの帰宅途中、これでもかというくらいの交通取締の白バイを見ましたが、「秋の交通安全運動」でもやってるんですか?
以上業務連絡でした。
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