なべて世はこともなし
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2004年09月29日(水) 国際電話。どこの会社がまともですか?

国際電話、どうされてます?


つい最近までTalkshopというところの自宅サービスを使ってました。ここ、値段はちょっと高かったですが、自宅からのアクセスならいちいち12桁の暗証番号を入れる手間もなくしかも、アカウントのトップアップはクレジットカード一枚で自動で簡単にできるというお手軽さ。かくして、ここ数年何も考えずにここを使ってました。


ところが。8月のある日を境にTalkshopの自動トップアップができなくなり、しかもカスタマーサービスは音信不通


つぶれた?


町に行くたびに町中にあったTalkshopはどうなったかを調べようと思うのですが、いつも忘れます。ウェブサイトが潰れて久しいところからして、多分潰れたのだと思いますが…誰か知りません?


ともあれ、トップアップに失敗すること数回でさすがの私も諦めまして、仕方なく、USIT(学生旅行社)の中にある某店でカードを買う。日本人の方もお勤めの会社なのであまりあからさまに悪口は言いたくありませんが


絶望的に使えません


ここで買った20ユーロのカード、つながらないことのほうが多いくらいだし、つながらなくてもしっかりカードに課金されているおまけつき。さらに、こちら側には何も起こらなくても、相手側の電話はしっかり鳴るらしい。つまり、こちらが数度試して何も起こらなかった(でもしっかり課金された)場合、相手側から言わせれば、ほとんど嫌がらせの無言電話が数度鳴ったことになるわけ(実際にそれで先方に怒られた)。


かくして、20ユーロ分のカードを買いましたが、未だに半分しか使えてません。さらにこのカードは2ヶ月で無効となるらしいので、たぶん使いきれないままに無効になりそうに(使いたいのに使えない)。私はいくらか余計に払ってもいいから、まともに使える電話会社と契約したい。


どなたか、信頼できて使える電話会社をご存じないですか?


話はここでは終わりません。私がTalkshopでトップアップしてから数週間後、ひとりで「なんじゃこりゃー!」と叫ぶ私の姿がありました。


10ユーロが8回しっかりクレジットカードに課金されている


ナメてますね。さっそくバンクオブアイルランドのクレジットカード部門に電話。すると、書面で抗議してくれとのこと。10分ほど使ってさくっと抗議文を書くと80ユーロはその日のうちに返金されました。…この素早さには正直驚きましたがこれが当たり前という説も…。


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2004年09月28日(火) 今月の給料が理不尽に安い理由

本日は給料日(この日記27日に書きました)。月給制の私にとって月に一度の♪な日です。ところが…


残業手当が入ってない。


私の給料。アイルランドで手に職のない大卒20代…という目線で見ると決して悪くはない(良くもないけど)なのだが、それにしても残業手当がないと目も当てられないくらいの薄給になる。日本の給与体系からするとほとんど論外。特にアイルランドは日本と違い賞与(ボーナス)がないのだから目も当てられない。…思わず愚痴になったけど、残業手当がないということは、今月で言えばおおよそ7万円の減収。総務に行くと…


総務:「えへっ、忘れてた」


あまりに予測通りの答えにかえって笑ってしまう私。本当にいい加減。「来月はちゃんと入るから大丈夫だよ」と言われたのでかえって心配になる私。


いい加減といえば某デパートのレジ係の話。この話をする前の前提として「違算」という言葉を御存知でしょうか。私が知る限り広く流通業界で使われている言葉ですが、要は、レジでの売上高と現金が合致しないこと。私が勤めていた某店では1000円以上の違算があると報告書、5000円以上となるとレジの責任者が血眼になって原因を探してました。そりゃそうです。レジでの間違いは売上に直結します。


聞いたところによると、アイルランドではレジ係ですらいい加減だそうな。レジの係が現金をちょっとくらいちょろまかしても大丈夫…という噂を聞きましたがホントかウソか。


で、話は市内の某デパートへと飛びます。ご多分に漏れず最近改装されて前に比べると格段にこぎれいになったこのデパートの地下には安売り専門のコーナーがあります(こう書くと、該当するのは2軒のみですが)。で、ここで、安売りのワイングラス4つで4ユーロ(ホントに安売りだな)を二つ買おうとレジへ。私の番が来て50ユーロを差し出しました。はい、ここで問題です。


一体お釣はいくらでしょうか。


…別に読者の皆様をバカにするつもりはありません。言うまでもなく答えは42ユーロですよね。レシートにもそう書かれてありました。なのに返ってきたのは47ユーロ。…どこからその数字が出てきたんだ?


この5ユーロがどうなったかは読者様のご想像にお任せします。日本のレジならあとで問題になりそうですが、アイルランドでは…ねえ?


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2004年09月26日(日) European Car Free Day顛末記

22日は、European Car Free Day…カタカナで書くとマヌケですが、ノーカーデーでした。要は、マイカーを自宅において、電車やバスなどの公共交通機関、または徒歩、自転車で通勤・通学しましょう…という、ま、日本でもどこかの自治体が忘れたころにやっているやつですな。


何やらこれが、ヨーロッパ全体で毎年この日に行われるらしく…今年もやってまいりました。European Car Free Day。


私は…と言えば…いえ、あの、私の場合、そのですね、バスだと通勤に片道1時間30分もかかるんですよ。で、車だと30分。そんなわけですから、ま、あの、いわゆる、例外…として認めていただきたいとかように考えて………。


で、うっかりしていていつもより5分遅れの7時20分に家を出た私。今日はあいにくの雨模様。気がつくと体がべっちょり濡れているという霧雨タイプの最悪の雨


ああ、車を持ってて良かった(はあと)。


European Car Free Dayが聞いて呆れるようなことを思いながら、表通りに出る。今日はいつもより道が空いているかと思いきや




(ケータイのカメラで撮影)




…むしろいつもより混んでません?
ともあれ、聞いたところによれば本日ダブリンバスは無料…だったはずなのに、ラジオを聞いていると、「午後1時から6時までは無料」とのこと。その中途半端な時間帯がすごくウソくさい。割り込んでくるアホな車をよけながらそんなことを考えていると今度はラジオに「今勤務中のダブリンバスの運転手」なる人物が出演。


運転手:「ハァ?ノーカーデー?んなもん聞いてねえよ。去年もよく分かんないまま運転しはじめて途中から司令が入って無料になったなあ。毎年何がなんだかさっぱり分からねえや。今日は無料じゃない。それだけははっきりしてるな」


さすがいい加減王国アイルランド(あるいは「さすがダブリンバス」)。European Car Free Dayも何がなんだか訳が分かんないまま乗り切ってしまうつもりも模様。…というか結論から言うと、結局この日はダブリンバス、通常運転だったそうです。


話はがらっと変わりますが、最近、「出会い系サイト」からの攻撃に閉口いたしております。「よしなごと掲示板」へのおげれつな書き込みはご覧になった方もいらっしゃるでしょうが、それと同時に、メールへの攻撃も続いております。今回のはあまりにしつこいし、あまりの頭の悪さに思わず笑ってしまったのでここに書き込んで晒します。


タイトル はじめまして。プロフィール見てメールしました。


いささかの胡散臭さを感じる。なにせ、うちのホムペ「100の質問」はあっても「プロフィール」はない。ま、書き間違いもあるかと思いメールを開けてみると

差出人 : Hiroko Sato
送信日時 : 2004年9月22日 3:44:03
件名 : はじめまして。プロフィール見てメールしました。


MIME-Version: 1.0
X-Originating-IP: [218.219.247.241]
X-Originating-Email: [hiroko12sato23@hotmail.com]
X-Sender: hiroko12sato23@hotmail.com
Received: from 218.219.247.241 by bay13-dav5.bay13.hotmail.com with DAV;Wed, 22 Sep 2004 03:44:07 +0000
Message-ID: <20040922034407.4150f507108bc@hotmail.com>
X-MSMail-Priority: Normal
X-Mailer: Microsoft Outlook Express 6.00.2800.1437
X-MimeOLE: Produced By Microsoft MimeOLE V6.00.2800.1441


はじめまして。ひろこといいます。26歳の主婦です。毎日同じ事の繰り返しで刺激が欲しいな…と思ってメールさせてもらいました。お昼からなんなんですが、正直言ってしまいますと、私としては最終的には会ってエッチが目的なんです…都合のいい女にしてもらえますか?メールから段々と知り合って割り切った中にも温かみのある関係になれたらいいな…と思ってます。よかったらメールしませんか?お返事待ってます。


やられたよ。出会い系だよ。私だけですかね。「出会い系」と気がつかずにメールを開けてしまって「悔しい!」と思うのは。


ちなみに日本はお昼でしょうが、アイルランドは真夜中です。はい。


差出人 : Hiroko Sato
送信日時 : 2004年9月22日 5:53:31
件名 : あの…メール読んでいただけてるでしょうか?


MIME-Version: 1.0
X-Originating-IP: [218.219.247.241]
X-Originating-Email: [sato310hiroko@hotmail.com]
X-Sender: sato310hiroko@hotmail.com
Received: from 218.219.247.241 by bay10-dav34.bay10.hotmail.com with DAV;Wed, 22 Sep 2004 05:53:35 +0000
Message-ID: <20040922055335.4151135f360ffffff65@hotmail.com>
X-MSMail-Priority: Normal
X-Mailer: Microsoft Outlook Express 6.00.2800.1437
X-MimeOLE: Produced By Microsoft MimeOLE V6.00.2800.1441


もしまだでしたら、焦ってしまってすみません。もし見ていただけているようでしたらお返事いただきたいと思ったんですが…断りのメールでもいいので…どんなお返事でも待ってます。


わずか2時間後にさらに第二通め!これには私も驚いた。業者もここまでしつこくなったのか。…というかさあ、よーく見ると、メアドがビミョーに違うよ。ビミョーに。それにしてもこんな恥ずかしいメアド、フツーの神経してたら使えんぞ。そういえば会社でお客さんにメアドを聞いたら、spiderman2004@なんたらかたら…とかいうのがあって、思わず吹き出しそうになったことがあったなあ。


このメールでこいつの目的が判明。要は、生きているメアドが欲しいのね。うっかり返事したら、次の瞬間から出会い系から大量の迷惑メールが届くパターンと見た。...それだけにしては手間暇をかけている印象を受けますが。


…まさか三通目が来るとは思っていなかったけど、来たよ。三通め。


差出人 : Hiroko Sato
送信日時 : 2004年9月22日 8:54:12
件名 : 申し訳ないのですが、うちのパソコンおかしいみたいなんです。


MIME-Version: 1.0
X-Originating-IP: [210.149.229.113]
X-Originating-Email: [love2me_hiroko@hotmail.com]
X-Sender: love2me_hiroko@hotmail.com
Received: from 210.149.229.113 by bay14-dav5.bay14.hotmail.com with DAV;Wed, 22 Sep 2004 09:04:00 +0000
Message-ID: <20040922090400.41514000000d9@hotmail.com>
X-MSMail-Priority: Normal
X-Mailer: Microsoft Outlook Express 6.00.2800.1437
X-MimeOLE: Produced By Microsoft MimeOLE V6.00.2800.1441



もしかしたらお返事いただいてませんか?
フリーメールで少し話してからプロバイダーの方のアドレスを交換しようと思っていたのですが、契約している方のアドレスを今送っても、送れているのかでさえわからないので、サイトに載せることにしました。ついでと言ってはなんですが、自己紹介というか、ひろこの写真も見てください。
主人にばれないようにこのサイトに登録してあるんで、最初ここに空メールしてもらえれば見れるようになるので無料ですし見てください→ hiroko.free-gallary@candypop.tv 名前は「ひろみ」で登録しています。他の人と間違わないように念のために、そこでメールしてもらえますか?あなた以外の人とは一切やり取りしないと誓いますのでよろしくお願いします。では待ってます?



ちょっと待てい!どこの市井の主婦が、独自ドメインを取っておげれつ写真をウェブ上に乗っけてるんだ?「アナタ以外の人とは一切やり取りをしない」と誓いつつ、なぜ「待ってます?」とわけのわからんクエスションマークがつくんだ?説明しろ説明を!しかも、なんで、「ひろこ」「ひろみ」に変わるんだよ。しかも毎回メアドを変えるな!


結論:頭悪すぎ。


…って、最初に騙されてメールを開けてしまった私も充分頭悪すぎだね。うん。でもさ、なんで毎回メアドを変えなきゃいけないの?そのすべてのメアドをチェックしているのだろうか。疑問が残りますが。


今度、こういうあのメールが来たら、わざと引っかかってみようかとも思ってます。「年上の人が好きなんですが、優しくしてくれますか」(書いていて恥ずかしくなった)なんてテキトーなホットメールのアカウント作って。…うん、アホらしいけどやってみよう(そんなことしてる暇があったら更新しろよ)。



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2004年09月21日(火) 選択。どっちの新幹線に乗りますか?

デュッセルドルフ発20:25。ダブリン着21:15(1時間の時差があります)。


これ、エアリンガスの699便。さて、ここで問題です。これに乗るためにどの新幹線に乗ればいいでしょうか。ハノーバー方面から来る新幹線は毎時1本。すなわち、午後6時ちょうどに着くか、午後7時ちょうどに着くか、午後8時に着くか(正確には毎時57分に着きます)。ちなみに空港駅からターミナルまでは5分おきに出るモノレールで所要5分。


ヨーロッパの多くの空港は出発30分前に搭乗受付カウンターが閉まります(注:これより長いところも短いところもありますが、概して30分前がいちばん一般的)。つまり、午後8時のではいくらなんでも間に合わない。で、午後7時着か午後6時着。午後7時着だと85分前に着くから、ちょうどいいタイミングと思われます。…以下読み進める前に早いほうの電車に乗るか、遅いほうの電車に乗るか決めてから読んで下さい。


意外と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、私は2時間30分前に着く早いほうの新幹線に乗りました。というのも、この新幹線にハノーバーで乗り継ぐために、私はこれまた毎時1本のローカル線に乗らねばならず、ハノーバーでの乗り換え時間が9分しかないので、万が一にもローカル線が遅れた場合を考えると、早いほうに乗っておいて損はないと思ったわけです。


もっと正直に書くと、今回、なぜか理由なくドラえもんの「虫の知らせアラーム」が鳴ったのです。今までは1時間30分前に着く新幹線に乗っていたものの、なぜか今回は2時間30分前の新幹線を選んだ次第。ちなみに、一般論としてヨーロッパの搭乗受付は出発前30分に終了する(注:これより長いところも短いところもあります)。かつ、駅からターミナルまでは5分おき、所要5分のモノレールに乗らなければいけない。


ハノーバーでの乗り継ぎはカンペキ。新幹線も定刻に着き、座席予約をしていた私は、私の指定席に座っていたアホタレオッサンを追い出して、混んだ新幹線に陣取る。


ハノーバーを出て最初の駅Bielefeld(ハノーバーより110キロ)には定刻着。この先まさかの事態になるとは知る由もなく、Bielefeld発。次の駅は67キロ離れたHamm。


ところが。


Bielefeldを出てすぐのこの新幹線の通過駅、Güterslohでこの新幹線は臨時停車。車掌のアナウンス(注:ドイツ語です)。


車掌:「お客様にご案内いたします。この先で事故発生のため、ただいま運行を見合わせております。しばらくお待ちください」


言うまでもなく私のドイツ語なんて中学1年生の英語力以下ですから意訳ですが、おおむねそんな感じのことを言っておりました。その後も同じアナウンスばかり。ちなみにドアーは開け放してあり、ホームに自由に降りることができる。ともあれ、いい加減イライラしはじめた1時間後。ようやく、


車掌:「間もなく発車いたします。ご乗車のままお待ちください」


…って車外にアナウンスしないで車内にアナウンスしてどうするのよ?


結局新幹線が動きはじめたのは1時間15分後


Güterslohの駅から新幹線は歩いたほうが早いくらいの超徐行運転。それでも500メートルくらい進んだところで乗客が総立ちになって何かを見ている。私もみんなが見ている方向を見ると


トレーラーが線路のガードに激突してる。


日本でも良くありますよね。桁下の低いガード。大型の運転手は細心の注意を払って運転しなきゃいけないのですが、うっかりミスか何か知りませんが、そうしない運転手がいることも確かで。ここでもトレーラーを思いきり線路のガードにぶつけたアホタレがいたわけ。よくは知りませんが、やはり線路のガードに衝突されると、脱線の恐れがあるのか、列車は一度運行を停止しなければいけないようです。


で、お客のひとりの発言。


客:「またこのガードかよ!」


日本でも良くある、いつも大型車がぶつかるガード、ドイツにも存在するようです。


何とかしろよ。ドイツ国鉄(または道路管理者)


で、暇だったので隣りのおねえさんと話しはじめまして、この方オランダ人。オランダ人のご多分に漏れず、英語もドイツ語も自由に操る人でして、いろいろ話しはじめる。で、私がダブリンに8時25分のヒコーキに乗らなければいけないことも話す。すると、彼女は…


彼女:「あら、そうなの。さっきGüterslohのホームでアイルランド人が話しかけてきたのよね。彼、ドイツ語を話さないから、『何が起こっているのか教えて』だって。彼もデュッセルドルフ空港から同じヒコーキに乗るみたいよ。偶然ね」


で、デュッセルドルフ空港駅の一つ前のDuisburgに着いたのは定刻の1時間30分遅れ。つまり午後7時15分。ヒコーキの離陸70分前。ここでくされ車掌は私にとって痛恨のアナウンス(しつこいけどドイツ語ね)。


車掌:「お客様にご案内申し上げます。当列車、ただいま1時間30分遅れで運行しております。少しでも遅れを取り戻すために、当列車、デュッセルドルフ空港駅を本日通過いたします。空港駅ご利用の方は、地下道通りまして5番線より各駅停車をご利用ください」


てめえ!ただでさえ間に合うかビミョーなのにそういう仕打ちをするか!


で、慌てて5番線ホームに行き各駅停車に乗る。で、またコメディの定石としてこの15分に1本の各駅停車が来ない!定刻に遅れること10分。ようやく各駅停車がやってきた。この時点で午後7時30分。あと1時間。つまりあと25分で搭乗受付が閉まる。現時点でDuisburgから空港まで14キロ。各駅停車での所要18分。かなりやばい。


で、デュッセルドルフ空港駅に着いたのは午後7時45分。40分前。上にも書いた通り、ここから5分おき、所要5分のモノレールに乗らなければいけない。


モノレールが到着して走ってたどり着いたエアリンガスのカウンター。言うまでもなく私が最後の客でして、出発33分前。すなわち、搭乗受付終了3分前。遅いほうの新幹線を選んでいたら完全アウトでした。


で、搭乗券をもらってふと、新幹線でとなりの席に座っていたオランダ人の言葉を思い出した。


彼女:「アイルランド人が同じヒコーキに乗るはずよ」


そういえばほぼ貸切状態のモノレールに該当する人物は乗っていなかったし、チェックインカウンターでも該当する人物はいなかった。…とどのつまりは


乗り遅れた?


やはり、どこかの国に行くにはその国の言葉を最低限マスターするのが良いと思います。幾らも入ってませんが、以下の仮定に財布ごと賭ける自信があります。


このドイツ語の全く分からないアイリッシュはヒコーキに乗り遅れた。


いやー、これがイタリアとかじゃなくて良かった。イタリアだったら完全に乗り遅れてました。皆様:空港には早めに着くようにしましょう。


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2004年09月18日(土) ああ、憧れの食堂車

新幹線に乗ったことはあるでしょうか。


…って、ほとんどの人は「ある」とお答えになるでしょうが、では


新幹線の食堂車を使ったことがあるでしょうか。


…この答えに関しては多くの人が、「ない」と答えられる気がします。私の答えも「ない」です。食堂車って、子供のころの憧れだったんですよね。初めて新幹線に乗ったのは小学校5年生のとき。しかもひとりで東京からQ州まで。なんだか放任主義の親だったような印象を与えかねませんが、そういえば、ひとりでヒコーキに乗ったのも3歳のときだったという話なので…まあ、そういう教育方針をして、アイルランドに住みついてしまうばか長男…というものを産み出したのかもしれません。ちなみに3歳でヒコーキにはひとりでは乗れません。つまり年齢をごまかし…ごにょごにょごにょ。


何をほざきはじめたと思われている方、そう、今日のお題は「食堂車」なのです。


先週、いつも通りドイツに行ってきたのですが、今回はいつもとちょっと違いました。というのも、ダブリンからロンドン経由でハノーバーに飛ぶのではなしに、ダブリンからデュッセルドルフに飛び、そこからICE(ドイツ版新幹線)でハノーバーに行くというもの。こうなったのはエアリンガスの安さ。片道税金等全部入れて40ユーロはもはや、ハープのマークでおなじみのあの会社と同じレベルです。しかも、デュッセルドルフ=ハノーバー間の新幹線もネット上で列車を指定して買えば通常価格の半額以下の37ユーロで往復できてしまうのです(しかも指定席で)。とすると、合計120ユーロ(15,000円ちょい)。ロンドン経由の下手をすると半額程度の値段です。


ま、このネタに入るとまた脱線してしまうのでさらっと流しますが、とにもかくにも、会社を早引けしてエアリンガスの水すら有料のフライトで意地になって食べ物も飲み物も何も買わずに腹を空かせてデュッセルドルフ着。それから午後9時の新幹線でハノーバーへ。


ここからが本題。デュッセルドルフ(空港)=ハノーバー間はおおよそ280キロ。所要2時間30分。自分の席でボーっと座っているにはちょっと長すぎます。かくして、前回初めて「高い・まずい」と決めてかかっていた食堂車を利用してみました。この「高い・まずい」というのは、日本の新幹線で聞いた噂なのですが、ドイツの友人からは「高い・量が少ない」と聞かされてまして、まあ、概してろくな噂じゃないですな。で、実際のところはどうだったか。


デュッセルドルフ空港駅から新幹線に乗るなり、そのまま向かったのは一等車と二等車の中間にあるBordRestaurant(Googleの画像検索結果が別ウィンドウで開きます)と書かれた食堂車。この日のハノーバーまで行ける最終の新幹線はいつも通りがらがら。食堂車も二人組の男とひとりの寂しい男のみの3人の客しかいない。「寂しい男」って今こうやってひとりで食堂車に入ってきた自分もそうなのだが。


まずこの点にツッコミを入れると、新幹線のレストランって、町中のレストランよりもひとりではいることに抵抗感が少ないような気がする。…気のせい?なんだかこれを書いているのが日曜日ということもあって、だらだらと書いてますが、よろしければおつきあいください。


ともあれ、真っ白の綿の(ビニールではない)テーブルクロスがかかった食堂車は確かに「高いのよ。ビンボー人はお呼びでないのよ」と訴えかけてきている気がする。が、他にも客がいるし、とりあえずウェイトレスにあいさつしつつ二人用のテーブルに陣取る。


メニューは、独仏英の3カ国語で書いてあるのはともかく、値段は思ったほど高くない。ビールが日本的にいえば中ジョッキサイズで3ユーロ。メインコースが10ユーロって…ダブリン市内のレストランよりも下手をすると安いぞ。もっともドイツのその辺にあるレストランと比べたら、2-3割増くらいの値段のような気もするから、ドイツ人が「高い」と敬遠するのも分かる気がする。でもダブリンのキチガイじみた物価になれた私にとってはあまり高いという印象は受けない。


ともあれ、チキンとビールを注文し、さっそくやってきたドイツのビールを片手に新聞を読みはじめる。ちなみに食堂車にはちゃんとドラフトのビールもあるが、今日頼んだのは瓶ビール。アイルランドの酒屋で売っている2.5ユーロのビールが3.8ユーロ。割高だけどまあ、許せる。


で、外は真っ暗なので新聞を読んでいると程なく頼んだチキンが来た。うーん、量といい味といい日本のファミレスレベルか。まあ、どっちも、ちゃんと料理しないでチンなり電磁調理機なりで暖めているだけという事実をもってすれば同じようなものになることも肯ける。


あ、今思い出したけど、あれは忘れもしない(なんだか矛盾のある文ですがまあ気にしないで)97年の夏のお話。私はウィーンからワルシャワまで列車で向かっておりました。チェコで乗り換えた列車の中であまりに暇さに耐え兼ねて、食堂車に行ったのです(考えてみるとこれが私の食堂車デビューだけど、この時は食堂車の雰囲気があまり良くなかったことも有り余り食堂車自体の印象は残っていない)。その時にソーセージか何かを頼んだのですが、この時は、こともあろうにちゃんとガスコンロで火を使って調理していました。「大丈夫なのかな」と心配になったのでよく覚えています。しかも食堂車の要員はたったひとりで「シェフ兼・ウェイター」という超リストラが進んだ姿でしたが。


で、かくして、量はあまりなかったものの、ビールのおかげで満たされて、私はシアワセに食堂車を出る。で、数少ないコンパートメントに侵入して(なぜ「進入」ではなく「侵入」なのかというと、ここ、本来はコドモのプレイルームのついた「親子用席」なのだ。でも空だから使わせたもらった)、電気を消していると何時の間にか寝てしまい、次の瞬間にはハノーバー着。これほど楽な鉄道の旅行は他になかった気がします。


ありがとうエアリンガスさん。あなたが機内サービスを止めてくれたばっかりに、いい発見をしました。…と余裕をかましていたところ、帰りに思わぬ災難に遭うのですが、この話は明日の日記にて(すでに書き終わっているのだが、あまりに長くなったので分割しました)。


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2004年09月16日(木) The world's greatest cityの要件

今日、思わず笑ってしまった会社での同僚の会話。バリバリのダブリン英語で話す地元の女の子(ダブ)と新人のスペイン人の女の子(スペ)が何やらパリについて語っている模様。


スペ:「パリはどうだった?」
ダブ:「パリ?正直言って好きになれなかったね。あそこって、博物館や美術館を取ったら何も残らないじゃない」



私は、猛烈に忙しくて、このどうでもいい会話についていってなかったのですが、この言葉に反応して思わず顔を上げてしまう。「パリから美術館を撮ったら何も残らない」とはちょっと乱暴な言い回しではないかい?素人考えにもパリではいろんなことができるぞ。案の定といえば案の定、相手のスペイン人もきょとんとした顔をしている。そのスペイン人のきょとんとした顔を見て取ったのか、地元の彼女は


ダブ:「だってパリにはパブがないじゃない。パブが。カフェとか気取っちゃってさ」


だ、脱力。


そうですか、良い町かどうかの基準はパブの数ですか。…その理屈でいくと、確かにダブリンはThe world's greatest city(世界最高の街=某ラジオ曲がいつも言っている言葉)ってことになるなあ。…単純な構図というか何というか。


はい、つかみはオッケー(そんな人たちがいましたね)というわけで、こんばんは。お久しぶりです。まーた、忘れたころに更新ですが、ご賢察の通り、またドイツなぞに行っておりました。ドイツとアイルランドの現在の最大の違い。


アイルランドは寒い


なんなんですか、この寒さは。もう、朝晩は「冷え込んでいる」と言っても過言じゃないと思います。実際朝晩はヒーターがあってもいいかなと思うもんね。長い長い冬がもうそこまで来ております。


で、ですね、ドイツの本題に入ろうと思ったのですが、今日は溜りに溜まっているメールのお返事と(ひどいのは2ヶ月近く放置してある=そりゃあんまりだ)こちらも2週間も放置してある掲示板のお返事に全力を尽くしますのでパス。明日か遅くとも明後日にはがんばって更新しますのであしからず。


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2004年09月07日(火) 「ただ可能だったから」日記を更新しました。

まずはこちらの新聞記事から。


クリントン氏の手術成功…全快までは2、3カ月
退任後の“不摂生”たたった?心臓病



 クリントン前米大統領(58)=写真=の心臓のバイパス手術が6日、ニューヨークの病院で行われ、約4時間余りで無事終わった。前大統領の事務所は「手術は成功した」と発表したが、医師団は動脈の一部が90%ふさがっており、放置すれば将来的に「かなりの」心臓発作の危険があったことを明らかにした。

 医師団によると、4、5日後に退院できるが、全快まで2、3カ月を要する。11月2日の大統領選挙を前に、ケリー民主党大統領候補の応援には影響が出そうだ。

 クリントン氏は胸の痛みと息切れを訴えて9月3日に入院、手術が必要と診断された。医師団によると、数カ月前から運動後などにこのような症状があり、最近になって悪化した。

 クリントン氏はジョギングに熱心だが、ファストフード好きとしても知られ、大統領在任当時は太りすぎといわれていた。しかし、在任当時の厳しい健康診断では、心臓病の兆候は全くなかったという。

 最近はややスマートになり、ファストフードを控えて、炭水化物や脂肪の摂取を制限するダイエットを実施していると述べたと伝えられる。

 クリントン氏は01年1月の退任後も民主党員らに人気が高く、ケリー氏の応援や先に出版した自伝の販売促進、講演などで多忙だった。(共同)


(出典zakzak


クリントン前大統領、先週だったか2週間前だったか、来愛(アイルランドに来ること=今作った造語)しておりました。目的は、氏の自伝の宣伝のためで、Easonほかでサイン会をしてらしたようです。


この氏の自伝、読んでないのにこういうネタを振るのもなんですが、かのモニカ・ルインスキーとの不倫のネタが出てくるそうな。で、そのくだりに彼女との不倫の原因は「ただ可能だったから」という記述があるそうな。


これを知ったときにふと思い出したこと。


クリントン前大統領はアイルランド系の移民である。


アイルランド系の移民がアメリカの大統領になったこと自体、私には何の不満もありません。ただねえ、この「ただ可能だったから」という発言の片隅に「アイルランド的」なものを感じたのは私だけでしょうか。


例えばアイルランドの交通マナー。本気で悪いです。割り込みや優先の無視など日常茶飯事。で、ここでキーワードとなるのは「ただ可能だったから」という言葉。なんで割り込みをしたかといえば、「ただ可能だったから」。なぜ右折禁止の場所を右折したかといえば、これまた「ただ可能だったから」。こと交通マナーに関してはアイルランド人は物理的に可能なら、法的に不可能でもやってしまいますね。「ただ可能だったから」という言葉、アイルランド人を語る上で外せない言葉だと思います。


以上、駄ネタですが、「ただ可能だったから」更新してみました。


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2004年09月06日(月) Tesco、嫌いです(その5)

最近、TescoがClaire Hall (Coolock)に新しいショッピングセンターをオープンしました。と言っても、複合型の大型ショッピングセンターではなく、核となる店はTescoのみで、そのほかに小さな店が数店あるという感じ。午後7時まで仕事をする日が続き、ついに冷蔵庫から食べるものがなくなってしまった(でもビールはたくさん入っていた)私は、やむなくこの新しいTescoに行った。


どうやらこのTesco、敷地面積に制約があったらしく、一階が駐車場。二階がTescoの店舗。三階が他の店(未探索)という感じになっており、かつ、ガソリンスタンドも併設している。このガソリンスタンド、このシリーズの1で出てきたClearwaterとこのClaire Hallの二軒ありまして、 「他のスタンドより5セント安い」といううたい文句で多くの客を集めてます。この日も行列ができてましたが、とりあえず無視。


駐車場ですが、やたらと天井を高くとってあり、かつ、二階三階に店舗があるにも拘らず柱の数も極端に少ない(強度は足りているんだろうか)。ゆえに立体駐車場にありがちな閉塞感、あるいは駐車しずらさを感じさせない。この辺はよく考えていると思う。日本でも最近オープンしているショッピングセンターの駐車場は例外なくゆったりした設計になっているもんね。


で、ショッピングカートごと乗れる傾斜のついたベルトコンベア(正式名称は何というんですか)で二階へ。店自体はClearwaterの品揃えとほとんど変わらない。Tesco Extraという形態で、食品だけでなく、ちょっとした衣料品やテレビやスーツケースまで売っている。通路の幅も広く、天井も高い(が陳列線(=棚の高さ)も高いのであまり開放感はない)。


で、最低限の買い物をしてレジに行くと、なにやら新しいものを発見。


セルフサービスレジ。


どうやら試験導入らしく、下手したら20とかそれ以上あるレジの中でこのセルフサービスレジは3つのみ。


前で「セルフサービス」で会計をしているのは30代半ばのカップル(夫婦かな)。このレジ、フツーのレジと逆。つまり、フツーのレジは、ベルトコンベアに商品をのせて、その商品をレジの係がスキャンするのですが、ここでは自分でスキャンした後にベルトコンベアに乗せ、商品を袋詰めする台に送るらしい。


で、どうやら、すべての商品の重さがすでに機械に入力してあるらしく、スキャンされた商品と重さがベルトコンベア上で一致しているかどうか確かめているらしい。なるほど、ベルトコンベアに乗っていない商品はスキャンしていない商品だからこのやり方だと万引きも容易にはできない。


ところが、これがまたうまく行かないのだ。まず、何らかの理由でスキャンした商品とベルトコンベアの重さが一致しないと機械が止まる。係がやってくるまで待つしかない。さらに、バーコードのついていない野菜などは自分でタッチスクリーンを操作して、品名を入力しなければならない。面倒。そんなこんなで何度も途中で中断する羽目になり、その度に係が何度もやってくる。かくして、前の人がお会計を終えたのは10分後。慣れていないことを引き算に入れても時間かかりすぎ。


で、私の番。この時生まれて初めて気がついたのだが、商品をスキャンするってなかなかテクがいることなのだ。商品をちょっと持ち上げて角度をつけてやらないと機械様はスキャンしてくださらない。さらには一部のバーコードは全然読んでくれない。頭に来た私は途中からスキャンではなくいちいちバーコードをテンキーで手入力(実際、昔やっていた私には何度もっスキャンさせようと悪戦苦闘するよりもそっちのほうが早かった)。で、ようやくすべての商品を入力し終わると、機械様は冷徹に


管理者の承認が必要。管理者を呼んで下さい。


どうやら一部の商品は確認が必要らしい。たとえば、フツーのトマトとプラムトマトは値段が違うが、機械様にはその見分けがつかない。その確認は結局人間の係がやらざるを得ないらしいのだ。


で、のそのそとやってきた係は、私の買い物を確認すらせずに、自分のIDを入力して会計終了。


何のための確認なんだ?

で、お会計にかかった時間は5分程度。普段なら2分もかからないような買い物なのに。


ただ、このレジ、一つとってもいいことに気がつきました。いちいち表示される値段を確認しながらスキャンできるので、このシリーズの1で散々もめたようなインチキができません。もし、値段が違っていたら、その場で文句が言えます。この点だけは誉めてもいいかなあと思いました。


Tescoシリーズ、不定期で今後も続けますよ。皆様のご意見や体験談をお寄せくださいませ。


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2004年09月05日(日) マンデーブルーをぶったたけ!ダブリンバスの「特別サービス」とは?

よく、マンデーブルー(The Monday Blues)という言葉が使われますよね。要は、月曜日に学校や会社に行きたくない…というものですね。確かに、週末あれだけパブのテレビでスポーツ観戦をしながらビールを飲み干してたら、そりゃ、月曜日に仕事に行きたくないというのも分かります。数字で証明できないのが残念ですが、ダブリンの朝の交通量、月曜日と金曜日は週半ばに比べてあからさまに少ないです。きっと起きられない人が多数いるんだろうなあ。


かくして、そんなマンデーブルーを少しでも軽くしようと、自称「ダブリン最大の公共交通機関」たるダブリンバスが、明日、月曜日にスペシャルサービスを実施します。


バス運賃一律85セント(おおよそ110円)。


うーん、考えましたね。ダブリンバス。85セントは通常の「初乗り運賃」です。この運賃さえ払えば、乗り換えない限りどこまでも行けるという。この運賃、ちょうど日本で最近流行っている100円ワンコインバスと同じようなものですね。確かに、ささやかながら、こういう割引があれば、朝ベッドから這い出ることのできない重い体をなんとか動かして会社や学校に行けるかもしれない。これ、試験的な導入とのことで、明日一日限りですが、好評なら定着するかもしれません。


ただ、たったひとつ問題があります。


割引実施時間:午前10時から午後1時まで。


あのー、そんな時間にはみんな学校なり会社に着いていると思うのですが。それとも割引を実感するために昼休みにバスに乗れとでもおっしゃるのですか?だいたい、そんな時間に乗る客のほとんどって、だいたいご老人など無料パスを持っている人たちなのではないですか?


やはりどこかがヌケていると思われるダブリンバスのスペシャルサービスのお知らせでした。はいはい、Tescoの話、ちゃんと約束通りに24時間以内に更新しますよ。

参考サイト(ダブリンバスのプレスリリースのページ(英語)に飛びます)


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2004年09月04日(土) Tesco、嫌いです(その4)

Sainsbury'sに行ってきました。ここ、Superquinnと並んで、店員や商品の質の良いスーパーマーケットです。個人的に大のお気に入りなのですが、ひとつ大きな難点があるのです。


店まで遠い。


…遠い、なんてもんじゃないんですよ。片道80キロ。はい。「スーパーに行く」という概念を超越した距離です(日本のイナカでたまに、「ジャスコまで60キロ」とか書いてる看板が田んぼのど真ん中にあったりしますけどね)。残念なことに、このイギリスのすばらしき大手スーパー、くされTescoと違いアイルランドには未だに進出していないのです。ゆえに、北アイルランドの国境の町、Newryまで行くことになるわけです。


過去日記に書いている通り、EUの資金を使いまして、ダブリンからアイルランド側の国境Dundalkまで、つい最近高速道路が開通しました。これを使うと、ダブリンから80キロ離れたNewryまで、1時間ちょっとで着くことができます。それでも往復160キロ(あるいは2時間30分)は十分辛いですが、それに見合うだけのことはあるのです。それは





アイルランドのほぼ半額です。ゆえに、ひと缶やふた缶買うだけじゃ、このガソリン価格高騰の折まさしく「骨折り損のくたびれ儲け」ですが、ケース単位でどどーんと買えば、ドライブがてら、まさにおトクです。


かくして朝早くから向かったNewryのSainsbury's。行くと、ををっ、カールズバーグがダブリンの市価の半額以下♪7ケース(1ケースは日本同様24本)ほど、ついでに、その他の生鮮食品、もひとつついでに、安売りしていたアルコール飲料(スミノフアイスもどき)もショッピングカートに入れ、レジへ。


で、レジで支払いを済ませ、袋にビール以外のその他のものをテキトーに詰め、再びカートに入れて駐車場へ。蛇足ですが、アイルランドではスーパーのビニール袋に15セントの環境税が課されるのに対し、北アイルランドでは未だに無料です。ともあれ駐車場に行って気がついた。


あ、買い物袋、レジにひとつおきっぱにしてきた。


とりあえず、重いカートを引いて店に戻るよりはマシとビールをトランクに詰めて店に戻る。で、レジに行ってみると、レジの若い兄ちゃん(多分バイト)


「え、そんなもん、見なかったよ」


と言い、ちょっと申し分けなさそうに、


「そこにカスタマーサービスがあるから、聞いてみて」


で、レジの真後ろにあるカスタマーサービスに行くと、そこにいたのはRachelという名札をつけたかわいいお姉さん。にこにこしながら私の用件を聞いてくれる。で、カウンターの周りを調べて、まわりの同僚に聞くが、そんな袋の存在を知る人はなく…大方、私の次のお客さんが、故意か気づかずにかは分からないけど、3本5ポンドのアルコール飲料の入った袋を持って帰ってしまったというところだろう。


そういえば、大分前にTescoの買い物から帰ってきたら、訳のわからんもんがかなりの数混ざっていたこともあった(しかも、瓶詰めの見たこともなければ食べ方の想像もつかないような謎の物体だったので、しばらく保存していたものの、廃棄)。そんなこともあるから、後の人が仮に気づかずに商品を持って帰ってしまったとしても文句は言えない。


ま、とにもかくにもクレジットカードを受け取ることばかりを考えてすっかりと忘れてしまったこの買い物袋。なくなってしまったものは仕方ない。何せ完全に自分の過失。怒りをぶつける矛先すら見つからない。とぼとぼと帰ろうかと思うと、サービスカウンターのRachelさんが呼び止める。


彼女: 「レシート見せて」


私がレシートを見せると、


彼女:「どれが袋に入ってたの?」


…これとこれとこれの3本。


彼女:「じゃ、私についてきて」


と言われ、彼女についていくと、向かったのはお酒のコーナー。彼女は、商品3本を棚から出して、


彼女:「はいどうぞ」


え?


くれるんですか?



これにはさすがの私も驚いた。何せ、客を完全に信用している。理屈の上からいえば、私が嘘をついていないという証明は全くできないのだ。つまり、インチキをしようと思えばいくらでもできる。なのに、Sainsbury'sの店員は完全にお客を信用しているというか、お客の満足を最優先に考えているらしい。


で、サービスカウンターに戻ってRachelは上司と思しき人に向かって


彼女:「いいでしょ?」
上司:「いいよー」



だ、脱帽。そりゃ、ここまでやればSainsbury'sのファンが多いことも肯けます。月曜日、会社に行ったらみんなに言いふらしてやろうと思ってます。


悔しかったらまねしてみろってんだ。Tescoさん(とついでにDunnes Storeさん)。


またTescoに話がたどり着く前に長くなってしまいました。次(取り合えず完結編)は24時間以内に更新します(約束)。


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