なべて世はこともなし
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2004年07月27日(火) トイレの中にスッチーさんを押し込めるのは...やはりまずいというお話

数日前のニュースによれば、全日空のチャーター機の機長がおよそ30人の乗客をコックピットに入れ替わり立ち代り入れたとかで国土交通省から怒られたとか。この記事を読んで思ったこと。


え?全日空がダブリンに飛んできた?


このヒコーキが関空発ダブリン行きということに私は驚いた。だって、アイルランドから日本に行くのに、いちいちヒースローだのフランクフルトだので乗り換えるのって面倒ですよ。直行便があればいいなと何度思ったことか(利用者の数とか考えたら、まず、無理。何せダブリン空港には定期旅客便ののジャンボは飛んできてないのです)。ゆえに、チャーターとはいえ日本から直行便が飛んできたというのは驚き。


完全に論点がずれてますね。問題は、オタクが機長を刺殺したあとに禁止された乗客のコックピットへの立ち入りを認めたという点。まあ、これ、このオタクの機長刺殺事件とか9.11がなかったらニュースにもならなかったろうなあ。


これが事件になるならこっちはどうでしょう?アイルランドの例の格安航空会社は、全日空の社長をしてあきれ果ててアゴが外れるようなことをしてます。



(お約束のイメージ画像)


そう、新しいヒコーキからは窓のブラインドやシートのリクライニングを設置せずにコストを下げるだとか、ゆくゆくは乗客の預託手荷物から金を取ろうとか、まあ、


(ど演歌「浪花恋しぐれ」の節で)
♪ゼニのためならお客も泣かす
それがどうした文句があるか



という会社のお話なんですが、さすが、モラルもへったくれもないですね。



(数日前の夕刊紙の一面)


キョトーン。


この見出しをそのまま理解すれば、


トイレの便座を座席として使った


ということになります。


話の前提として、航空会社には「スタッフトラベル」というシステムがあるのを御存知でしょうか。私もよくは知りません…勤めてるわけじゃありませんから。しったかして続けさせてもらうと、これ、よくある「社員販売」とか「社員割引」のヒコーキ版。席が空いてさえすれば、格安の運賃(あるいは諸税の自己負担のみで運賃は無料)で社員は飛ぶことができるのです。ただし、「空いていれば」の話。空いていなければ乗れません。当然ですがチケットを持った(あるいはお金を払う意思のある)お客さんがいる限りそっちが当然優先です。


とはいえ、航空会社にはけっこう横のつながりがあって、例えばA社の社員でもB社のヒコーキに乗れたりします。つまり自社が満席でも他社に乗れたりするわけ(運賃が同じとは限りません)。ただし、「格安航空会社」と呼ばれる会社にはこの横のつながりがないのです。つまり、自社便が一日一便しかなく、それに乗れない場合、翌日まで無為に待つということになります。ちなみに、「スタッフトラベルで乗れなかったから今日は休む」というのは理由になりません。会社によっては懲戒の対象になるようです。これが話の前提。


以下、この記事および、それ以降の新聞記事、さらには私の勝手な憶測を入れて物語を再構築すると以下の通りになります。


場所はスペインのフランスの国境に程近いGironaという空港。某社はこの空港を「バルセロナ」と言っているらしいが、バルセロナまでは月ほども遠いらしい。ともあれ、この空港から夏はダブリンに一日1本の割で飛んでいるらしい。


夏のハイシーズンということもあって、この日は予約で満席。で、困ったのは、約2名のオフできていたスッチーさん。ふだんなら、no showと呼ばれる、予約をしたにもかかわらず空港に現れない人がいるものだが、今日に限っていない。予約をしたお客は全員やって来た。…つまり、満席で乗れない(ちなみに、この会社はオーバーブッキングはしないそうです)。


こういう時、他の航空会社での一部パイロットは、「オフのスッチーさんならジャンプシートを使っていいよ」という人もいるようです。とはいえ、基本は離発着時には「全員着席」していなければいけません。あの急加・減速時に立っているなど自殺行為ですから。ところが、パイロットが


Ah, that's graaaaand.
(意訳「だいじょうぶだよ」)


と言ったかどうかは知りませんが、こともあろうに、この満席で乗れないオフのスッチーさん2名を勤務中のスッチーさんが座るはずのジャンプシートに座らせ、で、席がなくなった勤務中のスッチーさん2名は離発着時に後部のトイレにいた…と言うのですから、もはや呆れて言葉もありません。上の「話の前提」に書いたとおり、これに乗り遅れると、翌日までヒコーキはないし、もしかすると翌日から仕事だったのかもしれず、どうしても乗りたかった...大方、当たらずしも遠からずだと思います。


で、彼らにとっては運の悪いことに、これをチクった乗客がいるようで。問題になります。この会社の広報の人もなかなか肝っ魂が据わってまして、言うことがすごい。これは確かに問題だと言いつつ、


「これは、オーバーブッキングの問題ではなく、スタッフトラベルの問題ですから」


と開き直る始末。そう、トイレに押し込まれたのは客ではなく自分のとこの社員だから良いじゃないかと言う理屈。「会社もいろいろ。社長もいろいろ」などと開き直って顰蹙を買った総理がどこかの国にいましたが、開き直り具合はそれをも越えてます。


まあ、これに世論かあるいは政府が黙ってませんで、結果、会社は関係者に離職の勧告を出しますが、パイロットを含め、全員拒否。結果、会社はトカゲの尻尾切りよろしく関係者を懲戒解雇しました。


私は言いたい。


この会社にはモラルがないんかい!


例え格安だろうとなんだろうと、機長をはじめ客室乗務員は乗客を安全に運ぶ義務があるはずです。そんなモラルのかけらも持っていないと思われる会社のヒコーキには…やっぱ乗りたくないですね。


かわいそうなのは、この会社のおかげで価格戦争に巻き込まれているアイルランドの国営航空会社。昨日、1300人のレイオフを発表した模様です。この会社も一生懸命セールをやってまして、9月の週末にデュッセルドルフ往復の航空券を買いましたが、往復80ユーロ(税金込みで)。安すぎると思うのですが、ライバル会社のページでは


「うちのセールはぼったくり国営航空会社のセールの半額だけんね」


とケンカを売られてます。この潰し合いとしか思えない価格競争は一体どこまで続くやら。どっちかの会社が大事故を起こすか潰れるまでやりそうだなあ。くわばらくわばら。

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2004年07月25日(日) ダブリンの隠れ極悪駐車場とは

昨日に引き続いて更新です。2週間も放置しておいて、説得力が全くないですが、いちおうこの日記「ほぼ毎日更新中」ですので。もっと白状するとですね、実は会社の方針が変わりまして、明日から残業ができなくなります。かくして、2ヶ月にわたる時給二倍というぼろ儲けももうできなくなるので、少しは日記や家事などにも力を入れることができるかと思います。


ここだけの話、うちの会社、アホですよ(もっとも全世界のリーマンの約8割が「自分の会社はアホだ」と思っているらしいですが>Snigelによる独自調査による)。うちの会社の業績、現在右肩上がりです。それ自体、慶賀に絶えないわけですが…


業績が右肩上がり→よりたくさんの仕事が入る→より忙しくなる→よりたくさんの人を雇う


という当たり前の構図が成り立ってません。つまり、最後の「よりたくさんの人を雇う」ことをせずに今いる人員で乗り切ろうとしてます。で、現在、例えば決算で一時的に忙しい…とかいうなら分かりますが、これからもずっと忙しく、あからさまに人手が足りないのを残業で補おうというのは、誰がどう考えても無理があります。


人を雇いたがらない理由は簡単で、要は人件費をケチってるんですよ。で、今月、私のいる部署約25人で総計550時間の残業があったそうです。で、時給2倍なので1100時間。…つまりこれだけの金を払えば7人の新人が雇えたわけで。そりゃ新人は即戦力にはなりませんよ。でもね、私だってずっと残業し続けるわけにはいかないのですが。


ともあれ、このとんでも人件費のおかげで残業は中止されるわけですが、こうなると、仕事、回りませんよ。一体どうやって対応するのか見物です。実は最近ついにヒラから肩書つきになってしまいましたが、こういう経営に関しては無関係なので高みの見物を決め込もうと思ってます。


かくして、土日、8時間づつしっかり稼いできましたが、そんな中、土曜日の夕方、きっちり髪を切りに町に行ってきました。特に土曜日など街には極力バスで行くようにしてます。道は混むし、駐車場は見つからないしとろくなことがないので。とはいえ、会社から直行しなくてはならなかった昨日は例外的に車で町に行きました。


私、いつも同じ駐車場に車を停めてます。Drury Streetの駐車場に。…どこだという方、South George Streetと並行するAsian Marketのある通り…と言えば分かっていただけるでしょうか。ちょうどGeorge Street Marketの直下あたりにある地下駐車場です。ここ、1時間あたりの駐車料金が2ユーロと破格の安さです。市内のパーキングチケット制の路上駐車が1時間2.5ユーロと言えば、いかに安いかが分かってもらえるかと。かつ、駐車場の収容台数が少ないので、出庫に時間がかかるということもありません。しかも、いつ行ってもスペースが空いてます。…こう書くといいこと尽くしですが、一つ致命的な問題があるのです。


狭い。


狭いなんてもんじゃありません。悪名高いダブリン空港の立体駐車場やTallightにある某病院の駐車場も真っ青です。ダブリン空港の駐車場、確かに(日本的にいえば)3ナンバーの車だと本当にギリギリですが、とはいえ、あの駐車場は腐っても駐車場としてデザインされてます。けど、この隠れ地下駐車場は駐車場としてデザインされていないのです。信じられます?通路を曲がるために切り返しをしなきゃいけないんですよ。


写真を撮ってこなかったのが悔やまれますが、そもそも倉庫か何か用に作られた地下室を力づくで駐車場にしているのです。柱の位置なんか、駐車場にすることなど絶対に考えてませんし(そりゃそうだ。あの辺の建物は築100年とかの世界)、柱という柱には擦り傷がついてます。何も知らずに迷い込んだドライバーが愛車を擦ったという悲話は数知れず(推定)。


この駐車場、かくして整理員が常駐しています。そう書くと聞こえはいいですが、むしろ、この整理員はいない方がいい。この駐車場、路面に線なんて書いてませんよ。というか、地下室の床そのまんまで凹凸だらけです。かくして、この整理員が駐車の位置を指定してくるのですが、これが数センチ単位で位置を指定してくるのですよ。無理もない話で、フツーの感覚なら柱と柱の2台分のスペースに無理矢理3台停めさせるのです。しかも前後の間隔もセンチ単位。文句無しでダブリン唯一の難易度★★★★★の駐車場…世界的に見てもかなりのとこまで行ってる気がします(でも安い)。


昨日もこの薄暗い、何も知らずに迷い込んだらそのまま逃げ出したくなるような駐車場に入庫しました。土曜の昼ということもあってこのくそ狭い駐車場はほぼ満車。で、整理員が指定してきた場所、私は見て泣きそうになりました。確かに幅はあります。でもそこに停めるには通路から直角に切り返さねばなりませんが、その通路にはすでに車が無理矢理並列駐車しており、切り返しはほぼ不可能。しかもその停まっている車が新車のBMWとなると、私じゃなくても泣きたくなると思います。


七回切り返しましたよ。


新車のBMWのどてっ腹まであと5センチまで近づき、怖いからサイドブレーキをひいて切り返すことの繰り返し。前に行きすぎると新車のBMWにダイブ。後ろはすでに100台以上がこすったと思われる柱。ただでさえ泣きそうな状況なのに、うら若き女性3人が私が泣きそうな様を見物してます(暇人め)。こうなると男としていいところを見せようと思うのは当然で、7回のきり返しの後見事に車をスペースに収めました。


拍手をいただきました(実話)。

地獄が見たい方は、ぜひこの駐車場を試してみて下さい。とはいえ車をこすっても私の知ったことじゃあありませんのであしからず。


蛇足ですが、この駐車場のすぐ近所に、怪しげな日本食レストランがオープンしてました。「カラオケボックス1時間25ユーロ」という謎の看板が下がってましたが、いったいどうなってるんですかね。行った方はぜひご報告ください。


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2004年07月24日(土) ドイツ式結婚行進曲(3=完結編)

ひでかすと私の会話。


ひでかす:「今日は何日?」
私:「23日」
ひでかす:「最後に日記を更新したのいつ…」
私: 「えへっ、忘れちゃった」
ひでかす:「…読者さんに見放されるよ」



…もう手遅れかもしれませんが、ほぼ2週間ぶりの更新です。この2週間、すったもんだがありました。川踊りに行ったとか、アホアホVodafoneとケンカしたとか、ネタは尽きませんが、ともあれ、結婚式の件を片づけましょう。


一次会は午後4時30分に終了。で、二次会は午後7時から。なんと2時間30分もあります。…というわけで、Herkules観光へ。




Herkules全景。どういう歴史があるか私はさっぱり知りませんが、ここに、毎週水曜日と日曜日に水が流れます。巨大な噴水。きれいですよ。





ここから反対を振り返るとこんな感じ。ヨーロッパのへそKasselが一望できます。


そして、およそ2キロの道のりを歩いてホテルに戻ります。




ホテルの裏庭で、新郎新婦の車を発見。お約束のカンをつけてます。それにしても、新婚旅行に行くのは、白いリンカーンかロールスロイスと決まってるかと思った。この辺がドケチ質実剛健ドイツ人といった感じでしょうか。


ホテルの中に戻ると、ディナーテーブルが用意されてます。





ディナーが始まりました。バンド、来てますよ。


バイキング方式のディナーが一段落つくと、ゲームが始まります。





ひとつひとつの風船の中にゲストひとりひとりが書いたメモが書いてます。お題は


「あなたは新郎新婦に何をしてあげますか」


例えば、「メシをおごってあげる」とか「映画に連れていってあげる」とか書いてます。で、その風船を割ったら、それが本当に起こるという。私は、


「ダブリンに来たら、観光案内と、部屋を提供してあげる(でも航空券は自己負担<はあと>)。」


と書きました。幸い、当たりませんでしたが。冗談か本気か、「オーストリア旅行」と書いてたやつが当たってましたが、一体その後どうなったか知りません。




シアワセそうに、ワルツを踊る二人(ざけんな。チクショー)。心なしか、新婦さんの目が逝ってます。


さらにゲームは続きます。今度は、「新婚さんいらっしゃいゲーム」(私が今名づけましたが何か?)。二人に、質問して、二人がどちらの名前を選ぶかというゲーム。え?よーわからん?要するにですね、こういう質問をするんですよ。


「二人のうち料理をするのは誰」


で、新郎新婦がおのおのの名前を選ぶわけ。ウケたのは、


「夜の生活を始めるのは誰」


…共通した意見として、新婦さんだそうです。でもいいのかな、コドモもいるのに。


その後、バンドが去ると、入れ替わりにDJが入ります。その後、パーティーは少なくとも午前2時まで続きました。「少なくとも」というのは、私たちはその時点で帰ったから。その後朝までパーティが続いたかどうかは定かではありません。

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2004年07月12日(月) ドイツ式結婚行進曲(2)

先日の日記の選挙予測、見事に大ハズレしました。


はいはいはい。結婚式の続きね。更新が遅くなったけど、まあ、相変わらず忙しいのよ。先週末も仕事だったし、その合間を縫って、バーベキューしたり、映画を見に行ったり。…そうだ、Fahrenheit 9/11を見てきました。今までに見た映画とは明らかに一線を画しており、よかった悪かったという評価が一概に下せないのですが、ややもすれば深刻になりがちなテーマを冗談交じりでうまくまとめていたと思います。ただ、この友人のひとことはなかなか的を得てます。


「『ロードオブザリング』を映画館で見たいと思うのは迫力なる大画面と音でしょ。でも、映画館の大画面でジョージブッシュの顔を見ても嬉しくない」


…そういえば、美女とか、美足とかそういうものが全く出てこなかったな(そりゃそうだ)。面白かったですが、前評判の「映画が終わるなり満員の観客が総立ちになり」とかいう状況からは程遠かったですね。映画館、土曜の夜なのに3割くらいの席の埋まり方だったし。





閑話休題。ドイツの結婚式に戻りましょう。(1)はこちら


丘の上のHerkulesの近所の森の中にあるホテルへ車で向かうは、山の反対側まで大回りしてゆっくり高度を稼ぎながら登る。で、Herkulesから森の中の小道を抜けたところにあったのが今回の披露宴会場となるホテル。ホテル…というよりは、ちょっと気持ち大きめなペンションといった感じか。森に囲まれこじんまりしていい感じではある。


おのおの車で集まってきたゲストが集合し終わると、またなにやら教会でのフラフープに続き「愛の共同作業」が始まります。




…二人で丸太をノコギリで切っております。このあと記念撮影があり中の会場へ。はい、ここで(日本でか日本以外でかを問わず)結婚式を挙げる予定のある方に提案。これはいい考えです。テーブルの席次の「名札」、紙で「高橋建設社長:高橋一郎様」なんて書くのもいいですが、こんなのはどうですか?





そう、バラ。各席に名前の書かれた小さなタグのついたバラが一輪置かれてます。この発想には私、正直にうならされました。テーブルがすごく華やかになります。もし、私が結婚式をやるようなことがあれば、これは使いたいです。このバラは持ち帰ってドライフラワーになったことは言うまでもないかと。ちなみに、バラのトゲはちゃんと取られてました。


もう一回テーブルの写真を見ていただければお気づきになると思いますが、このテーブル、ワイングラスが置かれてません。その代わりにティーカップが置かれてます。理由。この午後の「披露宴一次会」はティータイム。アルコールぬき。


関係ありませんが、ドイツではこういう席ではコーヒー(うすい「アメリカン」)を飲むようです。お茶を飲んでいたのは多分私だけでした。





花嫁父のスピーチ。この人、話しはじめるともうどうにも止まらない。一晩で確か3回スピーチをしました。しかもあんまり受けてなかった感じ。ちなみに、あとから聞いたところによると、このお父さんの職業は神父さん。うん、鼻メガネの感じなんかがすごく納得できる。


あ、書きながらだんだん思い出してきた。日本の結婚式で私が異をかねがね唱えたいと思っていたのは、席順。特に私がイナカ出身だからかもしれませんが、主賓とか来賓とかに気を使いすぎではないかと。ほら、「町長の佐藤さんが来て下さったからいい結婚式だ」とか、「新郎の会社の社長で地元の名士、伊藤さんが来てくれてありがたい」とか。で、下手をすると、新郎新婦とほとんど面識のない人が、ありがたみのない美辞麗句を並べ立てたスピーチをする。


まあ、こういう「偉い人」を呼ぶことはまあいいとしても、私が文句を言いたいのは、席次。なんで、こういう人が式場の一番いい席に座っているわけ?私が考える一番いい席に座るべき人は誰だと思います?他ならぬ両親ですよ。


そりゃ、実際問題、自分の結婚式で、いきなり向かいに両親が座っていたら照れくさいし違和感があるとは思います。でもね、育ててもらって一番感謝をしなきゃいけない人が結婚式場の一番末席に座っているというのはおかしいと思う。「他のゲストより上座に座れない」というのが日本の常識だろうけど、たぶん、両親以上に世話になったゲストってほかにはいないと思うのだが。これ、コドモのときからずっと考えていたんですよ。両親は主賓席に座るべきだって。


で、この結婚式に参加して気がついたのですが「いきなり向かいに両親が座って照れくさい」というのには見事な解決策がありました。新郎新婦(ついでに仲人)と、ゲストを向かい合わせにしなければいいのです。つまり、この結婚式のように、自分たちのテーブルも他のゲストと同じように並べてしまえばいいわけです。


で、訳のわからんことを熱く語っているうちに披露宴一次会は4時30分に終了。披露宴二次会の模様は次回に続く。

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2004年07月06日(火) ドイツ式結婚行進曲(1)

ドイツで結婚式に参加してきました。…言わずもがなですが、私の結婚式じゃありません友人の結婚式です。


いいなあ


…と素朴に思いました。


何が良かったか、一から説明しますのでおつきあいください。


高速道路を150キロですっ飛ばして(合法)向かったはドイツの地理的に「へそ」にあたるKassel。ちなみに、「メルヘン街道のちょうど中間に位置し、グリム兄弟が最も長く暮らした町」だそうです。知りませんでしたが。もっと脱線していいなら、ドイツはヨーロッパのへそに当る国だから、Kasselはヨーロッパのへそということもできる。




町の昔の目抜き通りから、見上げたところにあるのがHerkulesという街のシンボル。(詳しくは、あとで出てきますが、待ちきれない人はこのページに詳しい説明が出てます)。なんと、結婚式はこの街のシンボルたるHerkulesの真下のお城で行われるそうな。


教会はこんな場所です。




ここ、一部が美術館として利用されてます。教会は、写真左手の建物の一部。特に案内が出ているわけではないので、フツーの観光客は気づくことはないと思われます。ともあれ、正午から始まるという結婚式、20分ほど前に教会着。たぶん7-80人くらい着席できる程度のこじんまりとしたもの。もっとも、観光地にあるような巨大な教会(「大聖堂」とか呼ばれるやつ)を見慣れているから、これが小さく見えるのかもしれませんが。


時間が近くなると、立ち見こそいないものの、席は完全に埋まりました。で、メンデルスゾーンかワーグナーかと期待していた私(どちらも「結婚行進曲」の作曲家です...たぶん)にはあまりに意外にも、聞いたことのない音楽で、かつ、新郎新婦がフツーの足取りで入場。あれ?コドモが花びらを蒔きながら、新婦がその後ろをお父さんに導かれて出てくる…という情景を想像していた私には、新郎新婦が同時に「すたすたすた」と教会の通路を歩いて入って来たのには驚いてしまった。スーツとウェディングドレスを着ていなくて、洗面器を持っていたら、横丁の風呂屋に行く神田川の二人…と言えなくもないような、そんな何気ない感じで歩いてきたわけです。ただし、音楽は、パイプオルガンによる演奏でしたが。


で、新郎新婦、着席。


神父さん登場。




ここでもまた、私の想像は見事に裏切られる。年取った、鼻メガネの神父さんを想像していた私の前に登場したのは、女性の神父さん(「神母さん」とはきっと言わないよね)。


しかも、この女性の説教、ええ、そりゃ私はドイツ語など解しませんよ。でもね、この写真からも分かるようにこの神父(?)さん、とっても表情豊かで、二人を心から祝福してるのが見て取れる。


そしてお約束の指輪の交換および、キス。…で、その他、3曲ほどの讃美歌の合唱も含めておおよそ1時間で式は滞りなく終了。

そのあと、教会のホールにてシャンペンを片手にレセプション。そこで行われたちょっとした「余興」がこれ。




日本の結婚式なら、「二人での初の共同作業となるケーキ入刀です」となるところ。この、輪っかを二人で協力して外すという共同作業…と私は勝手に理解しました。ただ、




二人とも輪っかをフラフープにして遊んでましたが。


そのあと教会の外で記念撮影。


そして、披露宴は、午後2時30分から、丘の上のHerkulesの近所の森の中にあるホテルで行うとのこと。直線距離ではほとんど徒歩圏ながら、車だと、高度を稼ぐために山の反対側から大回りをしなければいけない。かくして、車で披露宴会場に移動。


以下続く。




日本は選挙のようで。…「ようで」などと言いつつ、実は私、ちゃんと日本大使館に投票に行ってきました。何せ、アイルランドで投票権がないのだから日本のくらいはしっかり行使しなくては。でも、なぜ比例区にしか投票権がないのから、いまいち分からない。「そりゃ選挙区に住んでないからでしょ」と言われれば確かにそんな気もするが、考えてみると、それを言い出せば「日本に住んでいないから投票権はない」というのも理にかなっているような。ま、「ないよりマシ」といったとこでしょうが。


私、このページでどこの政党に組するつもりもありません。でもね、なんだかマスコミの報道を信じると自民党が苦戦しているようで。…ちょっと予言者よろしく何の根拠もない予測をここでさせてもらうと、自民党、言われているほど負けませんよ。たぶん、ぎりぎりで過半数は取ると思います。理由:その昔、私が見ていたニュースステーションで(当時の肩書き)白鳳大学の福岡教授が言っていた、「アナウンスメント効果」というやつです。


ここ数年の選挙報道を見ていると、どうもことごとく予測が外れているような気がしません?つまり、「支持政党なし」の無党派層と呼ばれる人たちが、報道を見て「自民党が負けそうなら、なら今回は民主党じゃなくて自民党に入れるべ」と言って、自民党に入れ、結果自民党が予測ほど負けないという。たぶん、投票率も低くなり、結果、組織票を持つ与党が、言われるほど負けない…ということになるのではないか…と、勝手に海外から想像しております。


言うまでもなく、「そうなってほしい」とは誰も言ってませんよ。繰り返しますが、このページ上では私は中立です。ただ単に、来週の月曜日に、「ほら、マスコミは大ハズレしたけどオラの予想当たったべ」と威張りたいだけのことです。かなり自信を持って、私の想像は当たるとみておりますが、どうなりますやら。




あ、最後に業務連絡です。このサイト、目下サーバーの容量不足に悩まされております。ゆえに、過去ログの整理を行います。…当座の間、テキストはすべて残しますが、容量の大きい過去日記に使った写真を随時消去を始めます。つまり、拡大写真は基本的になくなると思って下さい。実はすでに2002年の一部の拡大写真は消えました。まあ、大した影響はないと思いますが、業務連絡まで。

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2004年07月01日(木) リクエストにお応えして...LUAS乗車記

なんだか知りませんが、LUASなる路面電車が開通したとかしないとかが、現在のダブリンの目下の話題となってます。ダブリンにお住まいでない読者さんからのご質問に答える意味も兼ねて(←どこか言い訳がましい)、行ってきました。開通二日目(通常運行一日目)のLUASに乗りに。


しかも、朝の8時から夕方の7時までしっかり仕事をして、かつ、翌朝は5時に起きてドイツに行くという完全な強行軍。実を言うと、今だって、さっさと荷物をまとめて寝なきゃいけないのだが、こういう「季節もの」の商品は鮮度が命。何とかがんばって突貫工事ながら更新してから寝ます。


ともあれ、話題になっているとはいえ、夕方遅くまで店が開いている木曜日とはいえ、まあ、こんな路面電車に乗ろうとしているようなアホタレはいないと思っていた。…甘かった。




推定500人超の長蛇の列。
(ちなみに、昼下がりはSt Stephens Greenの反対側まで列が伸びてたそうな)

暇人どもめ…と自分のことを棚に上げて思う私。


じゃじゃーん、これが噂のLUASの勇姿(終点のSandyford駅にて撮影)。




アップにて。




LUASの定員はおおよそ300人だそうな…二階建てバス4台分。かくして、500人の列とはいえ、20分待ち程度。…まあ、テーマパークでもあるまいにたかが路面電車に乗るのに20分待つのは十分酔狂の域に入るような気もするけど。


で、ほぼ最後のほうに乗ろうとすると、「前のほうの車両に乗れ」と係に誘導され、行ってみると、鉄ヲタ御用達の運転手席の真後ろが空いている。陣取る私。読者さんに報告するためです。誰が何と言おうと。


運転手さんは、黒人さん。このLUASを運行しているConnexという会社、イギリスのあちこちで路面電車を運行しているらしい。推定、イギリスからやってきたのではないかと思う。


車内がぎゅうぎゅう(と言っても隣りと肩が触れる程度で十分雑誌が読める程度)になったところで、出発。…ちなみに、日曜日まで運賃は無料。


市内のHarcourt Streetを慎重に徐行するLUAS。確かに人などがいつ飛び出してくるかわからない。




最初の駅、Harcourt 駅に到着。場所は、昔のイミグレーションオフィスのすぐ近所。ちなみに、St Stephen’s GreenからSandyfordまでの駅で、一面二線だったのはこの駅だけだったような気がします。あとはすべて二面二線。…よーわからんという方、要は、この駅以外は、ホームが方向別に二つあるのに、この駅だけホームがひとつしかないということです。…私は鉄ヲタじゃあありませんが何か?




Harcourt駅を出て数百メートル行くと、LUASは専用軌道に入ります。ここから終点までずっと路上を車と共用することはありません。それもそのはず、このSt Stephen's GreenからSandyfordまでの通称Green Line、1950年代まであったHarcourt StreetとBrayを結んでいた私鉄、Harcourt Railwayの線路跡をほぼそっくりそのまま使っているんだそうな。そんな便利なもんがあるなら、もっと前から路面電車を復活させておけば良かったのに…と思うのは私だけでしょうか。




ほら、この切り通しも昔の線路跡をそのまま使ったといえばすごく説明がつくでしょ。たぶん、この路線の95%は専用軌道です。




そうこう言っているうちに、このGreen Line唯一といっていい巨大建造物のDundrumの橋まで着きました。早い早い。




ちなみに最高時速は70キロに設定されているようです。




で、Dundrumの次の駅、Balallyで、私は素朴に驚きました。多摩ニュータウンよろしく、新しい街を作ろうとしているのですが、なんと線路の上に新しいアパートを建ててます。この土地の有効利用策は、アイルランド人のものとはとても思えません(アイルランド人の皆様、あくまで冗談です)。


で、終点のSandyfordまでの所要時間は22分。早い。素朴に感心しました。それにしても終点までお客がほとんど降りなかったのが気になる。暇人が無料なのをいいことに全戦走破しようとしてたわけね。…私もそのひとりなのですが。


車内の様子。



LUASとはゲール語で「スピード」の意味だそうな。確かに、この早さはその名に恥じないと思いました。沿線の住民には、確かに市内までの交通の救世主になり得るなと思いました。

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