へい太の日記

2005年05月31日(火) 桃鬼太郎

弓削の河川敷で水遊びに興じる幸せそうな家族を眺めたあとだった
坂根の堰から桃に入ったまんま下流へと滑り落ちた
苔に覆われずるんと滑るような丸石の川底があちらこちらに広がり
ごつんごつんとお尻が当たりながら桃は川を下っていった
カワウに見送られ 鴨越の堰を流れ落ちた頃にはもう潮の香りが漂ってきていた
途中で声をかけられ引き寄せられかけたけれど
桃から生まれるつもりはさらさら無いので
児島湾からさらには瀬戸の流れへと身をまかせ漂って行った
誰かに救い出してほしいとは思わなかった
仲間を引き寄せるための団子も要るとは思わなかったし
ましてや鬼どもを退治しに行く気にもならなかった
ありきたりな名誉も金銀財宝も必要に思わなかった
そんな思いを抱いた赤子たちの入った大きな桃が流れ着く島がある
いつかはこの島に日本一の旗を掲げ仲間と共に攻め入ってくる輩が現れる
勝ったのは桃太郎じゃない負けたのも桃太郎だったのだ
負けたのは鬼じゃない勝ったのも鬼と変わりはしない





2005年05月21日(土) 鬼太郎

瀬戸内の海を潮の流れにまかせ 漂う大きな桃
海へと流れ込む前に
誰かの腕に抱き寄せられ不用意に揺れたような気もするが
桃の中から救い出してくれるおばあさんは要らない
助けてくれる三人の仲間も要らない
仲間を引き寄せる不思議な吉備団子も要らない
鬼を退治に行くのも嫌
財宝も要らない
美しい娘も要らない
そんな
大きな桃が流れ着く島があるという
鬼ヶ島


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