へい太の日記

2003年10月18日(土) 森のインコ かごのインコ

母屋の榎の大木に どうやら一月前からインコが住み着いている
何というインコだか わからないけれど
ふだんは聞き慣れないコロラチュラ 榎の周りに降っている
木の下にまで行くと 葉陰になにやら緑の羽が見えたような
どの枝に留まっているのか 見えないが
わざわざ外国からきたとも思えないので
きっと鳥かごから抜け出し 飛び出して
一羽だけ間借りしてるに違いない

けれども我が家には猫が四匹
巣立ったばかりのツバメの雛が 狩りの獲物となって
リビング床一面スプラッタと化した
洗面所の隅に追いつめられたスズメの雛 猫と奪い合い
ヒヨドリの羽が畳の部屋に散らばって
点々と血の跡が部屋の奥まで
柿の木の大枝 母屋の屋根の上 じっと身を潜める猫たちは
狩りのシーズン真っ只中

インコの住み着いた榎の大木
育ってきた鳥かごよりはずっと大きなはずだけど
聞いたこともない調べは
生まれ育ったかごを恋しく想うのか
かつての飼い主に助けを求める声か
仲間の生まれた地を想ってか
仲間を探し 鳴き続ける叫びなのか

榎の傍のスレート屋根で徘徊する猫どもを前にして
いっそインコの羽根を 黒く塗りつぶしてしまおうか
カラスやツバメに成って 榎のかごから飛び出してゆける
それとも榎の枝や葉を インコ色に塗り直してしまおうか
インコの密集する榎の大木に 猫が飛び込むなんてできるだろうか



2003年10月11日(土) 森のインコ かごのインコ

母屋の榎の大木に どうやら一月前からインコが住み着いてる
何というインコなのだか わからないけれど
ふだんは聞き慣れない コロラチュラソプラノが榎の周りに降ってくる
木の下まで行くと 葉陰になにやら緑の翼が見えたような気がした
どの枝に留まっているのか見えないけれど
わざわざ外国からやってきたとも思えないので
きっと鳥かごから抜け出してきたか 飛び出したかして
榎の大木に一羽だけ間借りしているに違いない

けれども我が家には猫が住んでいる しかも四匹も
巣立ったばかりの雛が狩りの獲物となって
我が家の床が一面のスプラッタと化す
ヒヨドリの羽が畳の部屋一面散らばって
点々と血の跡が部屋の奥まで続いていたこともあった
洗面所の隅に追いつめられた雛を猫と奪い合ったこともある

インコの住み着いた榎の大木
きっと育ってきた鳥かごよりは ずっと大きなところだろうに
聞いたことのない調べは
仲間の生まれた地を想ってか それとも
生まれ育ったかごを恋しく想うのか
仲間を探して鳴き続けているのか
かつての飼い主に助けを求めた声か

榎の傍の屋根から降りてくる猫どもを前にして
インコの羽根を黒く塗りつぶしてやるなら
カラスやツバメに成れるだろうか
榎のかごから外へ飛び出してゆけるだろうか
それとも榎の方を塗り直してしまえばよいのだろうか
インコをもう一度かごの中に閉じこめることができるなら
インコは自由になれるだろうか



2003年10月04日(土) 鳴き声に惹かれて

母屋の榎の大木に 一月ほど前からインコが住み着いている
何という種類だか知らないが ふだん聞き慣れない美しげな声が
榎の周りに降ってくる
木の下にまで行くと 葉の陰から緑の翼が見えることがある
それ以上は隠れてしまって何も見えない
外国からやってきたとも思えないので
きっとどこかの家の鳥かごから一羽だけ抜け出して
榎の大木に間借りしているものに違いない
だが我が家には猫が四匹もいる
春になればスズメやツバメの雛まで狩猟のターゲットになり
我が家の床は一面スプラッターと化す
ヒヨドリの羽が畳の部屋一面に散らばり
点々と血の跡が続いていることもあった
部屋の中を逃げ回る雛を猫と共に追いかけたことも

インコが住み着いた榎の大木
きっと育てられた鳥かごよりはずっとずっと大きなところなんだろう
聞いたこともない美しげな調べは
仲間が生まれた地を想ってか それとも
かごの中を恋しく想うのか
仲間を探して鳴いているのだろうか
榎のそばの車庫の屋根から降りてくることもしばしばの猫たち


 ← 昔々あるところに・・・  ここはどこ?わたしはだれ?  いつまでもいつまでも・・・ →


へい太 [おてがみ] [へい太のほむぺ]

My追加