へい太の日記

2002年09月20日(金) 月の落書き

オレンジと緑 4両の車体 赤穂線は田園地帯を通り抜け 岡山へと向かう
車窓からは田んぼの緑 ぽつんぽつんと家
車窓からは田んぼの緑 小さな団地や工場がしだいに数を増す

窓の外 夜が目をさまそうとしている
夜が目を開き 夜の目が声を立てず ぼくといっしょに見つめてる

高架道路の橋脚に描かれたスプレー文字
無人の駅舎にクリーム色で塗りつぶされた落書き
国道脇のガソリンスタンド 外壁には意味不明の暗号
空き家のブロック塀に黒いメッセージ 
産廃中間処理場 鉄板の囲いに読めなかった叫び 
記号がぼくの心を刺してくる

電車は音を立てながらスプレー文字の神殿 岡山駅へ
電車は音を立てながらスプレー文字の中心地へと乗り込んでゆく

新幹線の高架下 数は増えていくのに意味が伝わらない
ビルとビルの隙間に 不可解なアルファベット 何を伝えたい?
白いガードレールにシンボル いったい誰に習った?
小さな団地の倉庫にシグナル いったいどこで練習した?
真っ暗な駐車場の脇に徴 ライトは月明かり?
記号がぼくの心に刺さってる

月はビルの蔭から覗いてる
きっと君のものじゃない だけどみんなのものでもない曖昧な壁に
きっとみんなに見られないときに 静かに描いたんだね
どれも 電車から必ず見えるから
見てもらいたくて仕方がなくて 描きたがってるのはわかったけど 
伝わらない言葉で何を伝えようというのだろう
スプレーでしか伝わらない徴のはずなのに
君の内側を突き破ってくる信号のはずなのに
これだけ多くの符号が描かれたのに
君はいったい 何が満たされたのだろう
それが君の叫びたかったことなのか?

月はビルの蔭から覗いてる
自分のクレーターをいっさい隠さぬまま
ウサギやカニやライオンの落書きを残したままで
月にさえ 人の心は落書きをしてきたのに
壁にさえ 人の心は落書きの意味を見いだせないでいる



2002年09月16日(月) 月の落書き

夜が目を開き 声を立てず 見つめる
夜が目を開いて 声を立てずに見つめている

高架道路の橋脚 描かれたスプレー文字
無人の駅舎 クリーム色で塗りつぶされた落書き
田んぼが広がる国道脇のガソリンスタンド 外壁に意味不明の暗号
空き家のブロック塀に黒いメッセージ 
産廃中間処理場 鉄板の囲いに読めない叫び

電車は音を立てながらスプレー文字の神殿へ
電車は音を立てながらスプレー文字の中心地へと乗り込んでゆく

新幹線の高架下 数は増えていくのに何も伝わらない不可解なアルファベット
白いガードレールにシンボル いったい誰に習ったの?
小さな団地の倉庫にシグナル いったいどこで練習したの?
真っ暗な駐車場の脇に徴 ライトは月明かり?

月がビルの蔭から覗いてる
描きたがってるのはわかっている
NYに憧れ 見てもらいたくて仕方がないのに
きっと君のものではない だけどみんなのものでもない曖昧な壁から
きっとみんなが見てるけれどみんなには見られないときに
伝わらない言葉で何を伝えようというの?
スプレーでしか伝わらない徴 君の内側を突き破ってくる信号
これだけ多くの符号が描かれたのに 君は何が満たされたの
世の柵にとらわれず 生きていく術はいくつもあるけれど

月はビルの蔭から覗いてる
自分のクレーターを隠さぬまま
ウサギやカニやライオンの落書きを残したままで


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へい太 [おてがみ] [へい太のほむぺ]

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