ぶらい回顧録

2003年11月05日(水) 眩暈雑感

職場のトイレ個室で用を足しているときに鼻をかんだら耳が抜けた。

鼻をかむときは必ず耳が抜けるまでかむのでそれはいつものことなん
だけど、このときはとたんに目の前がぐるぐる回りはじめたのでびっ
くりした。

天井も床も面白いようにぐるぐる回る。まずい、ここで失神したらま
ずい。下半身裸だ。

そういえば目の前がまわりはじめてものすごくうろたえたことがまえ
にもあった。19歳ではじめてひとりで銭湯に行ったとき。銭湯の作
法がよく分からずいろいろ緊張して必要以上に長い時間お湯につかっ
てしまい、脱衣場に上がったとたんに目の前がぐるぐる回りはじめた
のだ。下半身どころか丸裸だ。

そういえばはじめて秀樹とふたりで暮らしはじめたとき(なつかしの
椎名町)、彼が「銭湯に行く」と宣言して、なにも持たずに部屋を出
て行ったことがあった。しばらくして戻ってきたと思ったら、タオル
を手にしてまた出て行った。しばらくしてふたたび戻ってきたと思っ
たら、今度は財布を取ってまた出て行った。

彼も「作法」がよく分からなかったんだな。気持ちはよく分かる。秀
樹は銭湯で倒れたりしなかっただろうな。

いろいろ思い出しているうちに19歳のときそうだったように世界は
だんだん正常に戻り用の続きを足して個室を出る。


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