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曖昧な日々。
大槻
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2001年08月24日(金)
お見舞い。

左薬指の指輪がちらついた。
腿に置かれた手に銀色が輝く。
指がむくんで取れないのだと、冗談っぽく言った。
日に焼けた腕に点滴の細い針。
透明の液が流れ入る。
逆の腕には採血の痕。
病院のロビーにあるソファに私たち三人は並んで座った。

「で、いつ退院できるの?」
Aが心配そうに聞いた。
「ん〜原因がわかるまで。まぁ、1週間くらいでしょ」
青白い顔で軽く笑顔を作り、Nは答えた。

久しぶりに他愛のない会話をした後、私とAは帰路についた。
指輪の相手は仕事が終わったらお見舞いに来てくれるそうだ。
親には反対されている二人だが、出来れば上手くいって欲しいと思う。
あんなに女の子らしいNは、滅多に見られないのだから。