馨絵詞〜かおるのえことば
楽しいことも、そうではないことも。

2009年07月07日(火) 7年前の7月7日

7年前の7月7日。
この日は稲葉の10700日に及ぶ人生の中でもベスト3に入るであろう良き日でありました。

この日、稲葉は自分が作・演出した舞台の千秋楽を迎えていました。

江古田ストアハウス、という劇場で。

   ◆

母校である日本大学芸術学部もある江古田。
駅の南口から徒歩10秒の雑居ビルの中にある小さな劇場。

稲葉が本格的にお芝居を始めて最初に立った舞台もここでした。

小さな劇場からあふれ出るほどに、多くの経験・思い出・愛情が詰まっている劇場です。

そのストアハウス。

今月いっぱいで閉鎖されるそうです。

移転先を探しているそうですがいまだ決まらず、事実上の閉鎖。

ストアハウスから届けられた閉鎖の通知を読み、空虚感に包まれていました。
寂しい、なんてもんじゃないですよ。

役者として売れて有名になってから。
身内や仲間や古いお客さんだけを集めて(だって小さい劇場だからさ)凱旋公演を定期的に行うつもりでいたのに。

閉鎖されたらできないじゃないですか。

しかたがないから、
いつか江古田に劇場を作ることにしました。
小さな劇場を。
もちろん日芸生には特別割引で。

夢がひとつ、潰されてしまいました。
その代わり、にはほど遠いかもしれないけれど、
夢をひとつ、むりやり作ってみました。

   ◆

卒業してから江古田に行くたびに、「あの店なくなっちゃったんだ…」という寂しさに襲われてきました。

その中でも江古田ストアハウスを失う辛さは一入ですわ。


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稲葉 馨

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