馨絵詞〜かおるのえことば
楽しいことも、そうではないことも。

2006年09月11日(月) 心をつかみたい

深夜の雷、ありゃ凄かったね。
眠りを妨げられ、現と自覚しながらも夢を見ている気持ちで窓外に目を向けてました。
怖いには違いないけれど、幻想的ではありましたね。

   ◆

山手線でぼーっと椅子に座ってました。
五反田で乗り込んできたスーツ姿の男性が稲葉の前に。

足を肩幅に開いて体の安定をはかり、手にしていた本を開く。
『なぜか「人の心をつかむ男」の共通点』という本。

彼の荷物はその本1冊のみ。
他にはカバンも何も持っていません。

稲葉の前で一生懸命に文字を追っています。
熱心に「人の心をつかむ男の共通点」を探っていました。
真剣そのもの。

それを見て稲葉はどう思うか。

ああ、この人、人の心をつかめなくて苦労してるんだなあ……

ま、そう思ってしまいますわな。
完全に余計なお世話なんですけど。

彼はおそらく30歳かちょい手前。
たぶん会社で初めて「部下」というモノを持つようになったのかもね。

うん、がんばれ。

でも、ちょっと無防備すぎじゃね?
自分の弱点さらしすぎじゃね?
潔いけどさ。

「人の心? つかみきってるさ、ふっ」
みたく涼しい顔してこっそり本を読むようにしたら、部下の心もつかめるかもね。
とにかく、彼には頑張ってほしい。

でもね。
彼は少なくとも稲葉の心は確実につかんでたんですよ。
こうして日記にしてるんだもの。

彼に自覚が無いのが残念だけど。


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稲葉 馨

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