2005年07月30日(土) |
オールナイトに行ってきた・憧れの人 |
池袋の新文芸坐のオールナイトに行ってきました。 『佐原健二の素晴らしき特撮人生』というテーマ。
佐原健二というのは今年で73歳になる俳優です。 これ読んでる人のほとんどは「誰じゃ、そいつは?」だと思います。 でも「ゴジラシリーズ最多出演俳優」と言えば、少しは「へぇ」っとなるでしょ?
1954年の第1作『ゴジラ』(監督・本多猪四郎)から今年の『ゴジラ FINAL WARS』(監督・北村龍平)まで。 昭和のゴジラにも平成のゴジラにも、満遍なく出演してる。 ゴジラシリーズ以外にも東宝特撮作品の多くにメインパートで顔を出しているような人。
で、この人、稲葉にとっては憧れの人なんですわ。 佐原さんと働きたくて役者を目指してる…って言ったら、少し大袈裟だけど嘘じゃあない。
その人をテーマにしたオールナイト上映。 さらには本人のトークショーもある。 これは行かねば! ってんでお昼寝して万全の態勢で池袋へ。
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スクリーンを観るには首が少し痛いんだけど、佐原さんを間近で観たいから3列目に陣取る。 開演前、お客さんという気楽な身分のはずなのに、緊張しまくって落ち着きませんでした。 スタッフのカイシャク(舞台上へ出る出演者のために舞台袖の幕を処理すること)がヘタで待機している佐原さんがチラッと見えちゃいました。 憧れの人を初めて見るのがそんな形になってしまったのが一瞬悲しい。 その直後に拍手に包まれて笑顔で出てきてくれたんですけどね。
腰も背中もまっすぐでとても若々しい。 東宝のスターだっただけあって、現在もカッコ良い。 ビジュアルだけでもカッコ良いのに声まで素敵なのはズルイ。 それが俳優だと言ってしまえばそれまでですけど、でも70過ぎたおじいちゃんですよ。 男に惚れるとはこういうことか、と思いました。 あんな風に歳を取れたら最高だわ。
トークショーも聴き応えのある内容で(特撮ファンにとっては、ですけど)飽きさせません。 予定時間を大きくオーバーしてくれました。 拍手、というのが苦手でなかなかできない稲葉ですけど、退場されるときは拍手してました。
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最初の上映までの休憩時間、興奮を醒ますためにロビーへ。 ふと喫煙所を見ると、客に混じって普通にタバコ吸ってる佐原さんがいる。 いやあ、びっくりした。 だって普通は控え室に引っ込むもんでしょ。 周りのファン達も気付き始めて輪が出来てきます。 佐原さんとお付きの方が気を利かせて、写真・サイン・握手どうぞ、としてくれました。 ポッケの中にカメラ持っているくせに、輪っかの最前列にいるくせに、なかなか前へ出られない稲葉。 要領の良いファンがサインや握手してもらっているのを、立ち尽くして見てるだけ。
「好きな人」ならともかく、それを超えて「憧れの人」になってしまうと、申し訳ないような畏れ多いような気がして簡単にカメラなんか向けられないものですね。
「まもなく上映開始です」の声に突かれるようにして、1歩前へ出てしまいました。 「一緒に写真撮ってくれ」といった簡単な内容をやっとの思いで口にする。 並んで立つんですけど、やっぱり少し距離を取ってしまう。 佐原さんはそんな稲葉の腰に手を回して、ぐっと自分の方に近づけてくれました。 稲葉よりも背は高かったです。 役者の卵であるということ・いつか共演したいことを伝えたら、他のファンに向けたよりもさらに笑顔で(…少なくとも稲葉にはそう見えたんだい)握手してくれました。
興奮状態のまま上映へ。 「たった今、この人に握手してもらったんだ」と泣きそうになりながらスクリーンを見上げる。 何度となく観た作品なのに、異常に感動したものです。
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直筆サイン入りの著書が販売されていたので、迷うことなく購入。 佐原さんにとっては初めての著作。 特撮ファンにとって、聞きなれたエピソードって多いんですけどね。 でもこれは新鮮な内容が多く読み応えも良い。
さらに、本屋さんに出回るよりも早くに購入。 この辺がマニア心をくすぐってくれます。 へへ。
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佐原さんと共演したい、と書きましたけど、ニアミスはしてたんです。 阪本順治監督の『KT』という作品にエキストラで参加したことがあります。 この作品に佐原さん、官房長官の役で出演されてたんです。 試写会で佐原さんが出てきた瞬間、妙に嬉しさを覚えました。
ああ、早く同じフレームに収まりたい。
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この日記でもそうですし、オフラインもそうですけど、稲葉は自分の好みを強くは語らないんですよ。 なぜだ? って言われても困るんですけど。
そんなですから、この回の日記、他と比べて浮いちゃうかも。 でもね、この人は特別なんですよ、稲葉にとっちゃ。 あんな舞い上がったのはいつぶりだろう。
次は今回のオールナイトを、少し客観的に書いてみましょうかね。
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