馨絵詞〜かおるのえことば
楽しいことも、そうではないことも。

2005年07月04日(月) カーテンコール

7月1日から3日まで、舞台に立っていました。

大学のサークルの後輩に誘われて、およそ3ヶ月の稽古期間。
稽古自体は慣れたものです。
自慢じゃないけど、台詞覚えるのも早いし。

ただ今回は何が厄介ってギターが。
ギターをね、弾く役だったんですよ。
ギタリストじゃないんですけれど、芝居の流れの中で2曲。
弾きながら歌いもする。

稲葉にはギター経験はありません。
それなのにギターを、それも高難度のコードの曲を弾けという。
曲ができてからの1ヵ月間は、もっぱらギターいじってました。
家では台本開きもせずにギター。
稽古場ではウォームアップ中、発声・柔軟そっちのけでギター。

弾ける人にとっては何てこと無いんでしょうけど、素人ですから必死なわけですよ。

で、本番ですけれど。
ミスも多かったですよ、正直。
練習時間がもっと欲しかった。
でも、それなりにはなっていたかな、とも思うわけです。
まあ、このへんは実際に聞いた方にでも尋ねてみてください。

   ◆

さて今回は共演者もスタッフも、みんな後輩になります。
他の大学の子もいましたけれど、やっぱり稲葉よりは年下。
作曲してくれた方が唯一、稲葉と同い年でした。

だから皆を引っ張っていかなきゃならない立場。
でもあまり口は出しませんでした。
一役者として己が領分のみにて力を出してました、基本的に。
ギターで精一杯だった、というのもありますが。

そんななのに、千秋楽のカーテンコールで花束を渡されました。
ありがたくも、申し訳なく思いました。

彼らはこれからも大学の中の先輩と後輩。
ちょくちょく顔を合わせてお話したりメシ喰ったりするんでしょう。
でも稲葉は生活の環境が違いますからね。

昨日までは毎日のように顔を合わせていたのに、明日からは滅多に会わなくなります。
それこそ、昨日のさよならが「良いお年を」の人もいるかもしれない。

こういう別れはなにも初めてじゃありません。
それでも今回ひとしお寂しく感じられるのは何故かしらね。
良い共演者、良いスタッフたちでしたよ。

悩んだことも失敗も、反省さえしたら楽しい思い出に変えて、明日から始まる日常の糧としましょう。
さあ、また劇場で働く日々が始まります。


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稲葉 馨

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