馨絵詞〜かおるのえことば
楽しいことも、そうではないことも。

2004年05月04日(火) 春の美学

この日記の運営サイトのほうにトラブルでもあったんでしょうか。
しばらくページを開けませんでした。
今は復旧したようでなによりです。

   ◆

ツツジが萎めばいよいよ初夏といった風情ですね。

稲葉宅の前の車道に沿って、ツツジが植えられています。
桜とほぼ同じか少し遅れて開花、やがて満開。
白い花びらがびっしりで緑の葉っぱが見えないくらいのところもあったり。
個人的には白よりもピンク色の方が好きですね。

満開の頃は賑やかでけっこう。
ただしやがて萎んでいきます。
萎んだ花がいよいよ元気な緑の中に沈んでいく様は、お世辞にも綺麗とはいえません。
ちょっと哀しい。
夏が来るのは嬉しいんだけどね。

ツツジも桜も春を代表する花であります。
が、日本人に圧倒的に支持されたのは桜でした。
ツツジではなくて桜の方が好まれるのにはいろんな理由がありますが、最も決定的なのは散り際にあると思われます。

桜は散り際が美しい。
その美しさは満開時のそれに劣るものではありません。
そして一度散り始めたら、わずかな間だけ葉桜として残り、あとはあっという間に消えてなくなります。
この潔さ。
退き際の鮮やかさ。
これが日本人にツツジよりも桜を選ばせる要因であります。

   ◆

稲葉はどっちかというとツツジに似た人間です。
退き際がわからない。
いや、分かるんだけど退けない。
もー少し、もー少し、と変な頑張りをしてしまう。
生活環境にしても恋にしても物にしても。

執着心が強いんですね。
場合によってはそれが良いこともあるんですが、そうでない場合も多々あるわけです。

この辺を潔くスッキリできれば、人間的に1つ成長するのかなあ。
なんて思いつつ、朝のツツジを見ながら今日も出勤。


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