馨絵詞〜かおるのえことば
楽しいことも、そうではないことも。

2004年04月18日(日) 命日

祖母が亡くなりました。
79歳。
女性の平均寿命には届いていません。
へえ、日本人って長生きなんだなあ、とあらためてつくづく。

ガンが発見されて余命3ヶ月と宣告されました。
しかしそこから2年3ヶ月生きました。
その間に韓国へ旅行に行ったりもしました。

   ◆

4月1日未明、お風呂も入ってさあ眠ろうか、という時に病院にいる父親から電話をもらい急遽病院に行きました。
いわゆる「ご家族を呼んであげてください」ってやつですね。
深夜の道を飛ばして病院へ。
おばあちゃんは個室のベッドの上でぜえぜえしていました。

しばらくじっと見てたんですが、素人目にも分かるくらいに呼吸が静かになってきました。
死に向かう静かさじゃなくて、容態が落ち着く静かさ。
……なんか、今日はもう大丈夫そうだってんでその日は帰宅しました。
仕事もあったし。

今にして思うと、あれはおばあちゃんなりのエイプリルフールだったのかと。
ものすんごくタチの悪いエイプリルフールですけんども。
あと4月1日は稲葉の弟の誕生日。
孫の誕生日を命日にしてしまうのはさすがにマズイと思ってくれたか。

その後今日まで2週間と少し生き続けました。

   ◆

日記を書いている現在はすでに通夜も告別式も終えて、日常に戻っています。
家族全員、充分すぎるほどの覚悟ができていたので、死んだ当日も式の日も必要以上に感傷的にならず、その点では良かったと思っています。

死んだことを知らされたのはバイト中でした。
お客さんを次々に相手している時にメールが来て嫌な予感で案の定。
でもお客さんは待ってくれないから笑顔作ってお仕事お仕事。

いつもとなんら変わらぬ仕事ぶりでした。
テキパキやれたし同僚ともバカ言い合って笑ったし。
そんなものね。
だってとりあえず、今は働くしかできないんだもの。

みたいなことを後輩に伝えたら「それで良いのよ」と言ってくれました。
優しい子なんです。

ということで、通夜・告別式の他愛も無いことのみ書こうと思います。
もちろんグッときた時だって今回たくさんあったわけですが、それはこの日記で書くようなことじゃありませんから。

そんな次回になります。


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稲葉 馨

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